リコリスの育て方

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リコリスの基礎データ
リコリス
科名ヒガンバナ科
属名ヒガンバナ属
学名Lycoris
水やり水控え目
場所外の半日蔭
難易度中級者向け
画像投稿
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開花
植え
肥料
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リコリスとは?

リコリスはヒガンバナ科球根植物。リコリスはヒガンバナ属(リコリス属)の総称で、彼岸花やキツネノカミソリなどの植物の全てを含みます。このページではリコリスの園芸品種として流通している植物全般の育て方をまとめています。

リコリスは夏の暑さに弱く、夏に球根が腐る…という風に言われていますが、最近のリコリスは夏の暑さに強いのか、それとも元々それほど気にする必要が無いのか…、植えっぱなしでも夏越ししてそのまま秋にまた芽が出て花が咲きます。つまり、植えっぱなしです。リコリスは庭植えでないと開花しづらいです。鉢植えで管理したい場合はネリネがよいです。

最初に簡単にまとめ

●水は他の植物よりは控えめ。土が乾いたら水をやる。水のやりすぎ注意。
●夏には葉っぱが落ちて休眠する。休眠時も掘り上げないでいい。
●休眠時には水を控える。
●耐寒温度は0度〜マイナス5度。霜・凍結は避ける。
●植え替えは4年に一回程度。
●育てやすい植物。ネリネと育て方は一緒。

花の形状が似ているネリネもどうぞ。
他のヒガンバナ亜科の仲間まとめも参考に。

注意事項!

春出葉と秋出葉

秋出葉
夏(8月〜9月)に植えて秋(10月)に花が咲き、葉っぱだけの状態で冬を越えて、翌年の夏までに葉っぱも全て枯れるというパターン。彼岸花(リコリス・ラジアータ)、リコリス・ジャクソニアナなど。

春出葉
春(3月)に植えて、春に葉っぱが出て、夏(8月前後)に開花するパターン(秋出葉)とある。リコリスは鉢植えだと開花しづらいため、庭植えが推奨。ムラサキキツネノカミソリ(リコリス・スプレンゲリー)など。

リコリスは性質が一定しない

管理人の個人的見解ですが
ヒガンバナ科の植物は分球が遅いため、種子から育てる実生株が多いようです。しかし実生株は親の性質を受け継ぐとは限らず、球根を育てると本来の…パッケージの記述やネットの解説とは性質が違うことがよくあります。

春出葉なのに秋に葉が出るとか、逆とか、性質が安定しないです。そこで葉っぱがあるうちは「水をやり、肥料をやり」して、葉っぱがなくなれば「水やりを控え、肥料をやらない」と対応するようにします。
●あなたのリコリスが夏に休眠していても、そのリコリスには「夏に休眠しないタイプ」の遺伝子が混じっている場合、夏に断水すると球根が痩せて開花しづらくなることがあります。そういう場合は、夏にも水をやりましょう(もちろん夏に肥料はやらないで)。

水やり

リコリスは過湿にすると球根が腐ってしまいますので、基本的に乾燥気味な水管理です。土が濡れているのであれば、水は控えて下さい。指で土に触って見て濡れているようならば、水はやりません。地上部がない時も同じように水をやります。

庭植え・地植えの場合は自然に降る雨だけでほぼ大丈夫。夏などに日照りが続いて、あんまりに乾燥するようなら水をやる程度にします。
●受け皿に水が溜まっているようならば水を捨ててください。
●球根植物は水を溜め込む性質があって、比較的乾燥に強く、過湿に弱いものです。

休眠時期の水やり

休眠時期(=葉っぱがない時期)は鉢植えの場合は水を控えます。

庭植えの場合は自然に降る雨にまかせます。

葉っぱが枯れるということは休眠時期です。休眠時期は本来は水を切るものなんですが、注意事項で書いたようにリコリスは色んな種類と交雑しているため、性質が一定していません。そこで休眠時期に水を切ると、個体によっては開花しにくくなります。開花しにくい場合は、休眠時期の水やりを増やしてください。
●もちろん完全に休眠している場合は、水をやると腐りやすい。臨機応変に対応していきましょう。

肥料

肥料はほとんど必要ありません。地上に葉っぱが出ているときに、球根を太らせて花を咲かせやすくするために、液体肥料を月に二週に一回程度やるか、緩効性化成肥料を1ヶ月に一回少量やります。

地上部がないときは肥料はやらないでください。
●肥料をやった方がいいが、やらないから枯れるということもないです。それより肥料が多くて球根が腐ることがあるので、肥料をやってもとにかく控えめにしておきましょう。
●とはいえ、球根が太らないと開花は鈍いです。開花しにくい場合は、肥料の頻度を増やしてみましょう。

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植え付け・植えかえ

時期

植え付け・植え替えは地上部がない時期に行います。8月〜9月に植え付け・植え替えをするのですが、その年の秋に開花することもありますが、翌年以降に開花することもあります。

植え替えの頻度

リコリスは多少球根がキツイ状態でもいいので、植え替えは株分けするときだけ。よって4年に一回程度でいいです。楽に毎年開花が楽しめる有難い植物です。地上部が完全に枯れたら、掘り起こして日陰で管理しておいて、また涼しくなったら植えます。

用土

市販している花と野菜の土か、赤玉土腐葉土3川砂1を混ぜたもので植え付けをします。もしくは赤玉土7腐葉土3に一握りの草木灰を混ぜたものを使います。庭植えの場合は、庭土の水はけが悪い場合は川砂などを混ぜて水捌けをよくしてから、腐葉土か堆肥を1割か2割ほど追加して用土とします。

鉢植え

リコリス:鉢植え
球根同士は15センチ空けて植えますが、球根同士が近いほうが花が密集してキレイに仕立てられますので、多少は詰めて植えても構いません。リコリスは球根同士が近いほうがよく咲く性質があります。

植えるときはイラストのように球根の上半分ほどを地表に出して植えます。球根の頭が鉢の縁と同じくらいの位置です。
●リコリスは庭植え推奨。庭植えでないと開花しづらいため。花がよく似たネリネは鉢植え推奨なのでそちらをどうぞ。

庭植え

根が深く張りますので、深さ20cm〜30cmほど掘り返して、元の土に2割か3割ほど追加してよく混ぜて用土とします。球根同士を15cm〜20cmほど空けて植え付けします。

あんまり深く植えると生育が悪いのですが、浅く植えると寒風・霜にやられるので、霜が降りる地域では頭が少し出るくらいか、2cmほど埋まるくらいに植え付けます。

管理場所・日当たり

日当たりを好みます。日光が不足すると開花しなかったり、開花しても花が小さくなるなどします。日当たりを好みますが、冬の霜対策のことを考えると庭植えする場合は、半日陰の場所……軒下などで午前中だけ日が当たるような場所で管理します。季節によって場所を移動できる鉢植えが便利ですが、鉢植えだと開花しにくい。

夏に休眠するならば、陽の当たらない日陰に移動させます。9月になって芽が出て来たら日当たりに移動させます。

長雨に注意

梅雨や秋の長雨に晒されると球根が腐ってしまいますので、屋根がある場所での管理が適しています。

冬の管理場所

品種にもよるが、0度〜マイナス5度くらいまで耐える。マイナス5度というのは土が凍らないギリギリの温度。リコリスは霜に当たると傷み、土が凍ると枯れることがある。冬は土が凍らない日当たりの場所で管理しましょう。もしくは霜除け・雪除けをします。鉢植えであれば室内か軒下に移動させましょう。

寒冷地では冬の間に地上部がない場合は球根の上に腐葉土や敷きワラを撒いて防寒して凍結を防ぎます。鉢植えであれば室内に移動させます。
●秋出葉のリコリスは冬も葉っぱが生きていて、光合成して球根に栄養をためます。その栄養で開花するので、日光に当てる必要があります。
●注意事項で書いたように0度〜マイナス5度というのはその球根の個体差の可能性が高いため、用心した方がいいです。
●寒い地域では球根の頭を少し深めに植えるといいです。頭がちょっと出るくらいの「深植え」です(他の植物では浅植えのレベル)。

病害虫

ハマオモトヨトウ
球根を食べる虫で、葉っぱから入り込む。春〜夏に葉っぱがあると発生する。全滅することが十分あります。葉っぱの裏に卵を産むのでガムテープでくっつけて取り除くといいです。オルトランを前もって撒いておくと予防できます。

スイセンハナアブ
春に地上部があると発生する。ヨトウと同じように球根を食害する。

特徴・由来・伝承

リコリスはギリシャ神話の「リュコリス」に由来。リコリスというのはヒガンバナ属の学名で、ヒガンバナ属全体を表しています。つまりヒガンバナ(学名はリコリス・ラジアータ)もリコリスです。実際、ヒガンバナは赤いだけで、花の咲き方も、リコリスと似ています。

東アジア原産で、ヒガンバナを見ると分かるように、特に品種改良しなくても派手です。よってほぼ原種の姿を維持しています。最近ではいろんな色や大きさのリコリスが出回っています。切花としても結構高く取引されます。
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