コブシの育て方
目次
コブシ(辛夷)の特徴は?水やり肥料植え付け・植えかえ・種蒔き管理場所・日当たり剪定病気・害虫特徴・由来・伝承関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- コブシ
- 科名
- モクレン科
- 属名
- モクレン属
- 学名
- Magnolia kobus
- 別名
- 辛夷
- 耐寒
- マイナス15度
- 水やり
- たまにやる程度
- 場所
- 外の日なた
- 難易度
- 初心者向け
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コブシ(辛夷)の特徴は?
コブシ(辛夷)は
モクレン科モクレン属の落葉高木。自家受粉しづらい性質で
種子を採取するには2株以上植えた方がいい。春に真っ白な花を咲かせます。花の根元はピンク。枝が折れると香りがします。環境を選ばず強い植物です。寒さに強く、(比較的)成長が早く、病
害虫にも強く、公害にも強いです。性質の強さから
マグノリアの台木として利用されます。
シデコブシはコブシの小型版で庭木によく利用される。庭木にするならそちらを。
あんまりに寒い時期に開花するために、寒風や霜にやられてすぐに花が終わることがあります。かといって、この大きな木を防風するわけにはいきませんから、仕方ないですね。
樹高8m〜10m
画像はユーザーさんの投稿。11月25日高知市の自宅庭にて。
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水やり
庭植えにする植物で、よほど日照りでもない限りは降雨だけで十分です。ただし、あまりに
水はけが良い場合は適宜、様子を見て水をやります。
あと、植え付けて一年ほどは根が張り切っていないので、
水やりが必要です。特に植え付けて1年目の夏の乾燥時期は気をつけてください。
肥料
二月に寒肥として
肥料をやる。緩効性固形肥料(化成肥料)か
油粕かをやります。化成肥料を株元にまくか、株の周囲に深さ20cmの穴を数カ所掘って、油粕を埋めておきます。
ただし、大きくなったら…樹高1m以上になったら肥料は不要。
植え付け・植えかえ・種蒔き
樹高がかなり高く(自然では18m、庭植えの根が制限された場所でも8mから10mくらい)と、大きく育つので鉢植えには向きません。庭植えするものと考えて下さい。
根が粗く、太い根が生えて、それが傷つくと水を吸い上げる力が弱って枯れてしまいますので、移植は出来ません。一度植えたら、移動は出来ないと考えて下さい。
時期
植え付け時期は開花する前の1月から3月初旬まで。活動を始めてから根をいじると生育不良を起こすかもしれないので避ける。
用土
土は選びませんが、あまりに水はけがよかったり乾燥する地域だと水やりしなくてはいけなくなります。コブシは肥沃な土を好みます。出来れば
腐葉土を多く含んだ土が向いています。植えつける前に庭土に3割か4割ほど腐葉土を混ぜていきます。
庭植え
庭植えの場合は、根鉢の二倍か三倍の深さと大きさの穴を掘って、掘り出した土に腐葉土か
堆肥を3割か4割混ぜて、半分ほど土を戻して、株を入れて、隙間に土を入れて、最後に水をやって完成です。根鉢にまきついている針金は取り除いておきます。麻布は腐って消えるので、そのままでもいいですが、ビニール袋は取り除く。根を傷つけると生育不良を起こすので、とにかく傷つけないようにする。少し、根を崩してから植えた方が良い(植え付け後に根が広がりやすいので)が、傷つけないようにほぐすこと。
種まき
9月前後に赤い種子が見えるようになります。完全に成熟すると黒くなります。
黒くなったら採取して、果肉を取り除いて(果肉には発芽抑制物質が入っていて果肉がついていると発芽しない)、すぐに蒔くと発芽して増えます。発芽は春です。乾かすと発芽しなくなりますので、春まで乾ききらないようにすると発芽しやすいです。
●種子から育てると、開花まで十年くらいかかるので、普通はやらない。
管理場所・日当たり
日当たりでも
半日陰でも育ちます。でも、日当たりで育てた方が健康で開花も多いので、出来るだけ日当たりで管理します。
越冬
耐寒温度はマイナス15度。北海道でも自生しているので、防寒の必要はありません。
剪定
コブシは花が終わったらすぐ(6月から7月)に、翌年の花芽がつきます。8月以降に剪定をすると、翌年の花も切り落とすことになりますので気をつけましょう。
コブシは邪魔にならない限りは剪定はしないものです。
コブシの木の根元から、細くてグングン伸びてくる「ヤゴ(=ヒコバエ)」と呼ばれる枝は出てきたらすぐに落としますが、それ以外はほとんど剪定しません。
1メートル以上に育ってきたら成木です。成木になると枝分かれして、内側へ伸びるものを落としたり、樹形を乱す枝を切り落とすようにします。古くて太い枝は一旦切るともう芽吹かないので、なるたけ切らないようにします。
枝を切ったら、切り口に「
癒合剤」を塗っておきます。そのままにしておくと切り口から雑菌が入って
病気になるかもしれません。
病気・害虫
カイガラムシ
白い蝋に覆われた虫で、内部で汁を吸い、コブシを弱らせます。動けないので、少量であれば歯ブラシで削ぎ落とすといいです。大量に発生したら、薬剤を散布するといいです。生態や薬剤についての詳細は以下のページを参考にしてください。
カミキリムシ
カミキリムシが卵を産みつけ、幼虫が幹の内部を食いあらします。1年〜2年の間、食べ続け、枯れることもあります。穴からオガ
クズのような糞が出ていたら、穴を探して、そこに薬剤を注入して駆除します。
ヒヨドリ
ヒヨドリが花を食べます。開花時期が短いのにギャーギャーうるさいヒヨドリがつついて食べるのはなんだかムカつきます。それ以上の被害はないので、気にならないなら放置。近くに餌を用意すると、コブシの被害が減るので、近くに
ミカンなどを置いておくとそちらを食べます。もしくはCDをふら下げるなどして鳥よけします。
特徴・由来・伝承
コブシが咲き具合によって、農作業の指標となるので、こぶしは昔から日本人にとってなじみの深い植物です。栃木ではコブシの花が咲くとサトイモを植えるので「芋植え花」とも呼ばれます。また「種蒔き桜」「田打ち桜」と呼ぶ地域も。
冬に育った毛に覆われたツボミが春になると真っ白な花を咲かせます。この冬のつぼみが子供のコブシのようであるから、コブシと呼ばれるようになったと言われています。
その後、奇妙なボコボコの実をつけます。この実の形状がコブシの名の由来という説もあります。
コブシを漢字で「辛夷(シンイ)」と書きます。中国では辛夷とは「モクレン」を指します。辛夷とは本来、モクレンのツボミを乾燥させた漢方薬ことです。モクレンは日本では少ないために、モクレンのかわりにコブシが使われたことから辛夷をコブシと呼ぶようなったといわれています。
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