フッキソウの育て方

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フッキソウの基礎データ

フッキソウ
科名
ツゲ科
属名
フッキソウ属
学名
Pachysandra terminalis
別名
吉事草
耐寒
マイナス25度
水やり
水を好む
場所
外の半日蔭
難易度
初心者向け
フッキソウの開花時期…植え付け・植え替え時期…肥料時期…月別スケジュールです。

フッキソウ(富貴草、吉祥草、吉事草)の特徴は?

フッキソウ(富貴草、吉祥草、吉事草)は日本の北海道から九州に自生するツゲ科フッキソウ属の常緑低木。若葉が美しく、春に穂状の白い花が咲く。実もならないわけではないが、あまり見られない。実は白い。茎は横に伸び、枝先は上に立つ。

草丈が低く、頑健で、日当たりに植えなくても良いことから、日陰のグランドカバーによく利用されます。一旦庭に植えると、植え替える必要はありません。根付いてしまえば、株分けしたり、挿し木したりでいくらでも増やすことができますし、横へ横へと勝手に増えていきます。といっても成長は遅く、広がりすぎて困ることはありません。ビルとビルの間の、日当たりの悪い場所でも育つ「都会の緑化」で大活躍しています。
草丈20cm
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品種

フッキソウ・バリエガータ
フッキソウ・バリエガータ(Pachysandra terminalis var. variegata)は、フッキソウの斑入り品種で、緑葉よりもよく見かけます。

タイワンフッキソウ
タイワンフッキソウ(Pachysandra axillaris)は、台湾・中国に自生するフッキソウの仲間。

パキサンドラ・プロクンベンス
パキサンドラ・プロクンベンス(Pachysandra procumbens)は北米原産で、「アメリカフッキソウ」とも呼ばれます。寒さに強く、寒さにあたると銅葉になります。

水やり

乾燥を嫌い、湿気ている場所、ジメジメした場所を好みます。日当たりのいい場所に植えていると、日当たりがよすぎて乾燥しやすくなります。

日陰や半日陰で、庭植えにしていて雨が当たる場所ならば、基本的には水をやる必要はありません。

鉢植えの場合は土が乾いていたら水をやります。多少の乾燥では枯れることはないんですが、乾燥すると葉っぱが傷んでしまいますので水切れしないように水をやります。
●乾燥すると葉っぱが傷み、生育が止まる。庭植えでも様子を見て水やりの判断をする。
●庭植えでも植え付けして半年ほどは根が馴染んでいないので、意図的に水やりをする。

肥料

フッキソウは山で育つような植物ですし、花を鑑賞するものではないので、庭植えにしたら無理に肥料はやらないでいいです。植え付けのときにしっかりと有機物(腐葉土など)を入れておけば十分です。

鉢植えの場合は土が少ないので春(3月〜4月)と秋(9月〜10月)に緩効性化成肥料を少々やります。

植え付け・植えかえ

時期

植え付け・植え替え時期の適している時期は春(3月から5月)と秋(9月から11月)ですが、乾燥する真夏を除けばいつ植え付けをしても問題ありません。

鉢植え・プランターは4年か5年に一回の植え替えでいいです。庭植えは植え替えは不要。

用土

土は市販されている花と野菜の土で植え付けをします。自作する場合は赤玉土7腐葉土3を混ぜたものを使います。庭植えの場合は、庭土に腐葉土2割ほどを足して用土とします。

庭植えの手順

深さ30cmほどを掘り返して、掘り出した土に腐葉土2割ほど足してよく混ぜて用土とします。用土を半分だけ穴に戻して株を入れて隙間に用土を入れて、最後に水をたっぷりとやって完成。

植え付け後に乾燥すると枯れ込んでしまうことがあるので、庭植えですが根付くまで水やりをしっかりとします。根元に腐葉土を敷いてマルチングして蒸発を防ぐことで乾燥を防ぐとよく根が広がりやすいです。

植え付けの時は株同士を20cmから25cm空ける。
●庭植えが一般的。
●フッキソウは横に伸びて、枝が地面に接するとそこで発根します。これを掘り返して別のところに植え替えれば好きなところに広げることも可能。この株を密度が低いところに移植してやってもいいです。
●庭植えにしたら基本的に植え替えは不要。

鉢植えの植え替えの手順

鉢は7号から8号に一苗が適した大きさ。

新しい鉢の底の穴を鉢底ネット(鉢底網)で塞いで、網の上に鉢底石(軽石)を3cm入れて、その上に用土を入れて、株を入れて、隙間に用土を入れて、最後に水をやって完成です。

植え替えの場合は、古い鉢から外して、土を3分の1ほど落として、傷んだ根を落としておく。新しい鉢は同じ大きさでもいいし、ひとまわり大きな鉢を用意します。
植え替えの時に株分けも可能。芽がつくように株を何個かに分けて、植え付けます。

株の増やし方

株分けでも増えるし、枝が土に接したところから発根するので、これを切って別のところに植え付ければいくらでも株は増やせます。

挿木の手順

挿木は春(5月から7月)が一番適しているが、他の時期でも発根はする。

10cmから12cmほどの枝を切って、上記の用土か、赤玉土単用に苗床を作って挿します。乾燥しないように日陰で管理していると発根します。発根までは一ヶ月ほどかかります。発根剤を塗ると確率は高くなります。

管理場所・日当たり

自生地は山奥の樹林の中の根本。ジメジメしていて日当たりのよくない場所で育ちます。日本(北海道から九州)の山ではよく見かける植物ですので、暑さ・寒さに強い。

夏の直射日光に当たると葉っぱが焼けてしまいますし、乾燥に弱いので、庭植えにする場合は、半日陰か明るい日陰に植え付けてください。日陰と半日陰だったら、半日陰の方が成長も早く、色も濃く、葉っぱも大きく育ちますので、やっぱり出来るだけ半日陰に植えた方がよいです。
●あんまり日陰だと葉っぱが茂らず、まばらになる。でも、よほどじゃなければ日陰でも枯れない。
●北海道で自生するくらいですから、寒さには強いです。防寒は一切必要ありません。

夏の暑さ自体には強い。暑さには強いが、直射日光と乾燥に弱いので夏は半日陰で管理する。あまりに暑い地域だと徐々に姿を消してしまいます。鉢植えは移動させましょう。斑入り品種は夏の直射日光にさらに弱いので、気をつけます。
水やりが不足すると、葉っぱの水分が不足して、葉焼けが余計に起きやすくなりますので、水切れしないようにするのも葉焼けを防ぐコツです。

剪定

剪定が必要です。ですが成長がそれほど早くなく、また花には鑑賞価値が薄いことから、花芽も気にせず、剪定は「邪魔になったら二年に一回か三年に一回程度」おこないます。剪定時期はいつでもいいです。剪定の方法も適当で構いません。
●樹高を低く抑えたい場合は、枝先を刈り込みます。
●横へ横へと広がっていくのですが、広がりすぎて邪魔ならば、邪魔な部分は切ってしまいましょう。

病害虫

ほとんど見られない。
害虫より葉焼けの方が問題。

特徴・由来・伝承

フッキソウ(富貴草)と言う名前よりも斑入りの品種がバリエガータで流通していて、そちらの方が有名です。斑入りで、頑健で、日陰でも育って……ほとんど完璧な園芸材じゃないかと思います。吉祥草(キチジョウソウ)とも呼ばれるがキジカクシ科に同じ名前の吉祥草(キチジョウソウ=Reineckea carnea)がありますが、全く違う植物です。
江戸時代にはフッキソウが園芸種として広まっていて、このフッキソウをシーボルトがオランダに送っています(シーボルトはプランツハンターでもある)。
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