ミツマタ(三又)の育て方

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ミツマタの基礎データ

ミツマタ
科名
ジンチョウゲ科
属名
ミツマタ属
学名
Edgeworthia chrysantha
別名
三椏・三枝・三又
耐寒
マイナス15度〜マイナス10度
水やり
水控え目
場所
外の半日蔭
難易度
中級者向け
ミツマタの開花時期…種まき時期…植え付け・植え替え時期…肥料時期…剪定時期…月別スケジュールです。

ミツマタ(三又)の特徴は?

ミツマタ:ミツマタ(三又)の特徴は?
ミツマタ(三又)は中国・ヒマラヤが自生地のジンチョウゲ科ミツマタ属の落葉低木。冬になると真っ白な花芽をつけ、春(3月〜4月)に黄色い花が開花し、香りがあります。日向・半日陰で育ちます。寒さに若干弱く、東北南部以南で栽培可能。

樹皮が和紙の原料として利用され、日本紙幣の材料としても使われ、ミツマタの和紙は折り曲げに弱い。名前の通り、枝が三つに分かれるのが特徴です。

根があまり枝分かれしておらず、傷つけると回復しないので、植え付け・植え替えのときは土を落とさず、庭植えにした場合は植えたところから移植はできないと考えてください。
樹高2m
花言葉肉親の絆、意外な思い

仲間

アカバナミツマタ

アカバナミツマタ(Edgeworthia chrysantha cv. Rubra)はミツマタの突然変異から生まれた品種。花が赤いこと以外はミツマタと同じです。

水やり

鉢植えの水やり

鉢植えの場合は土が乾いたら水をやります。鉢底から水が出るくらいにしっかりと水をやってください。

庭植えの水やり

庭植えの場合、根付いてしまえば自然に降る雨だけで十分ですが、ミツマタはなかなか根をはらないので、根がはるまでは水切れしやすいです。植え付けして一年未満は庭植えでも土が乾いていたら水をやってください。

肥料

2月に寒肥として有機肥料油粕鶏糞など)をやります。株の周囲に数箇所穴を20cmほど掘って、有機肥料を埋めてください。この肥料は春になって生育するためのエネルギー源としてです。庭植えの場合はこれ以上は不要です。

鉢植えは3月・6月に緩効性化成肥料を鉢にパラパラとやります。
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植え付け・植えかえ

時期

落葉時期の開花前の2月〜3月に植え付けをするのが理想です。暖地中間地では11月でもいいです。寒冷地は真冬に苗が傷むので、開花前の春(3月〜4月)に植え付けをします。3月〜4月は開花していますが、開花していても植え付け・植え替えをしていいです。

用土

鉢植えであれば一般的な培養土で植え付けます。自作するなら赤玉土6腐葉土4に化成肥料を少量加えて、用土とします。

庭植えの場合は、土に腐葉土か堆肥を混ぜて用土とします。

庭植え・地植え

庭植えは根鉢の倍の深さと大きさの穴を掘って、掘り出した土に腐葉土を4割ほど混ぜて、化成肥料を少量入れて、混ぜて用土とします。穴に半分戻して、ミツマタの苗を入れて、隙間に土を詰めて水をやって、支柱を立てて、くくりつけて完成。

土が粘土質で水はけが悪いなら、川砂・軽石小粒・パーライトなどを入れて、水捌けをよくし、その上で高植えにするといいです。

支柱はグラグラして根が切れるのを防ぐためのものなので、根が土に活着したら取り外していいです。

根が傷ついても回復しないので、気をつける。土を崩さず、根をいじらないで植え付けてください。
ミツマタは幼木のうちは植え替えができますが、大きくなると移植はできません。移動させないでいいところに植えるようにしてください。

鉢植え

鉢植えの底の穴を鉢底ネット(鉢底網)で塞いで、その上に鉢底石(軽石)を2cm〜3cm入れて、その上に用土を入れて、株を入れて、隙間に用土を入れて、最後に水をしっかりとやります。

植え替えの際はできれば土を落とさないで、ひと回り大きな鉢に植え替えます。土をいじると生育不良を起こすので、根をいじらないで必ずひと回り大きな鉢に植え替えましょう。ひと回りというのは現在の号数より1号か2号大きな鉢です。

大きくするのも限界があるので、いずれは庭植えにしましょう。

種まき

開花後に種ができます。採取し、果肉には発芽抑制物質がついているので、果肉は取り除きます。タワシなどで擦って取り除いて、流水で流して洗いましょう。

これを庭にまいていると春に発芽します。保存する場合は、濡らした砂と一緒にジップロックに入れて、冷蔵庫に保存します。これを4月〜5月に庭にまくといいです。

種は親の性質をそのまま受け継がないので、同じ性質の株を増やしたいなら挿木で増やしましょう。

挿木

ミツマタは挿し木で増やすこともできます。4月〜7月に20cmほど切って、赤玉土小粒を器に入れて、挿して、明るい日陰で乾燥しないように水をやっていると2週間〜1ヶ月ほどで発根します。発根はしやすいですが、発根剤を塗っておくと成功率がより高くなります。

発根したら、鉢植えにし、ある程度大きく育ってから庭植えにしましょう。

管理場所・日当たり

ミツマタは明るい日陰〜半日陰〜日向まで育ちます。日陰でも育つが、花が咲かなくなりますので、避けた方がいいでしょう。

また、幼木のうちは日向じゃない方がいいです。日向だと枯れるわけじゃないですが、生育が鈍くなります。また、西日も避けましょう。理想的には何かの木の下の影になるような場所がいいです。

1番の適した場所は一日中木漏れ日のような日光が当たる場所か、朝〜昼まで日光があたる建物の東側です。
若干寒さに弱いので寒風が通る場所は避ける。

剪定

落葉していて、開花前の11月から2月の間に剪定します。ミツマタは自然な樹形で綺麗ですので剪定は毎年は必要ないです。邪魔な枝が張ってきたら剪定する程度です。花芽が出来るのが7月〜8月なので冬に剪定すると花を減らすことになりますが、激しく剪定するものではないですし、葉っぱがある時期にするのは面倒なので冬でいいです。
ミツマタの剪定の理想は花が終わって、花芽ができる前の6月。これなら一切、花芽を落とさない。ただ、まー、いつやっても強い剪定をするものじゃないので、大した差はないです。

接木の場合は台木の枝は落とす

赤い花をつけるベニバナミツマタは接木していて、台木から枝が出ている場合は、切って取り除く。その枝は普通のミツマタです。ミツマタは残した枝の先に花が咲きます。秋以降には花芽が肉眼で見えるので、どの程度落とすことになるのかは、なんとなく分かります。

ミツマタは剪定しても脇芽が出ないので、剪定は邪魔な枝を落とすだけ。枝を落とすというよりは、枝を間引いて減らすという感じです。枝を落とすときは、不要な部分の根元(付け根)から切る。半端に残しても脇芽が出るわけじゃないので意味がないです。

病気・害虫

テッポウムシ
カミキリムシの幼虫のテッポウムシが発生することがある。1年か2年、中を食い荒らして枯らすことがありますので、早めに対処しましょう。株元にオガクズのような糞が見られたら、食害されています。オガクズを出している穴を探して、そこにテッポウムシの薬剤を注入し癒合剤で塞ぎます。詳細な生態と薬剤については以下のページを参考にしてください。

特徴・由来・伝承

和紙の材料。三つに枝別れることからミツマタと呼ばれ、三枝・三又と書く。春になると葉っぱが出る前に花が咲く。花には香りがある。樹形は綺麗で低くまとまるので庭木に適している。園芸品種にベニバナミツマタという赤い花が咲くものがあります。

最近は中国原産の「大輪ミツマタ」という花が大きく、早い時期からたくさん開花する品種が流通しています。

ミツマタは16世紀末(戦国時代〜江戸時代)に中国から渡来したとされますが、万葉集にはミツマタと思われる記述があり、それ以前から自生していた可能性は高く、16世紀以前から和紙の材料として利用されていたのが、戦国時代の終わりに庶民が文字の読み書きをしはじめ、紙の需要が高まった結果、材料の違いに目がいくようになって区別されるようになったんではないかなと思います。
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香り落葉低木

ジンチョウゲ科

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