カルーナ・ブルガリスの育て方…枯れる原因は夏の蒸れと中性の土
目次
カルーナ・ブルガリスの特徴は?水やり肥料植え付け・植えかえ挿木で増やす管理場所・日当たり剪定病害虫由来・伝承関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- カルーナ・ブルガリス
- 科名
- ツツジ科
- 属名
- カルーナ属
- 学名
- Calluna vulgaris
- 別名
- ヘザー・御柳擬き
- 耐寒
- マイナス25度
- 水やり
- 水控え目
- 場所
- 外の半日蔭
- 難易度
- 中級者向け
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カルーナ・ブルガリスの特徴は?
カルーナ・ブルガリスは
ツツジ科の常緑
低木で、その葉は
針葉樹に似ています。寒さには強いですが、暑さには弱く、夏場の管理が重要となります。特に、涼しい場所での管理が必要です。秋に植えてから夏前までの期間は、
カラーリーフとして楽しむことができ、
初心者にも栽培しやすいです。
しかし、
日本の夏は暑く、特に広島では湿度が高いため、根元が蒸れてしまいやすく、枯れやすいという特性があります。そのため、寒冷地での栽培がおすすめです。
また、ツツジ科の植物であるため、
酸性の土を好みます。
酸性でない土では枯れてしまう可能性があります。
日当たりの良い場所を好むカルーナ・ブルガリスは、秋から春にかけては日光をたっぷりと浴びせてあげましょう。しかし、真夏は暑さと湿度を避けるため、
半日陰の涼しい場所で管理することが必要です。秋に寒さにさらされると、葉が
紅葉します。この紅葉した葉は落葉せず、春になると元の色に戻ります。紅葉を楽しむタイプと花を楽しむタイプがあります。
樹高20cmから50cm
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水やり
庭植えの水やり
カルーナ・ブルガリスは基本的に自然に降る雨だけで十分。ただし乾燥する時期は
水やりをしてください。乾燥すると枝が枯れ込んできます。
鉢植えの水やり
年間を通してカルーナ・ブルガリスの鉢の土が乾いていたら水をやります。水をやり過ぎると根が腐ってしまいますので、土が乾いていたら水をたっぷりとやってください。
見た目は乾燥に強そうですが、乾燥に強いというほどでもないので、蒸れを嫌って水やりを控えていると水切れになることもあります。水切れすると枝が枯れ込んできます。
●水切れによる影響・変化がわかりづらいため、初心者には判断がしにくい。
●夏は水やりに注意する。
蒸れに弱いので葉っぱに水をかけないようにする。でも乾燥しないようにする。難しいですね。これは栽培していくなかでコツをつかんでいくしかないです。口の細い
ジョウロで土に注ぐように水をやるといいです。
●冬は土が乾いていたら、水をやるようにする。
肥料
カルーナ・ブルガリスは痩せ地を好みますので、
肥料はなくてもいい。なかったからといって枯れることはないです。それでも肥料が多少あった方が生育はいいです。
肥料は春(3月〜5月)のどこかで一回、化成肥料をやりますが、多くあげると傷みますので、少量とします。もしくは3月〜6月に薄い液体肥料を2週に一回やる程度にします。
また冬に肥料をあげると耐寒性が弱くなるので、肥料はあげないでください。
植え付け・植えかえ
時期
鉢植えの植え付け・植え替えは気温が20度前後まで下がった秋(9月〜10月)に行う。鉢底から根がはみ出していたら
根詰まりしています。根詰まりする前に植え替えをしましょう。鉢植えは毎年か2年に一回植え替えをする。
庭植えの場合は春(3月〜4月)の植え付けも可能。
用土
カルーナ・ブルガリスは痩せた
弱酸性の
水はけのよい土を好みます。植え替え・植え付けをする場合は、市販の花と野菜の土だけではなく、これに
鹿沼土(=酸性)を2割ほど混ぜて、弱酸性にしてから植えてください。もしくは鹿沼土7と
ピートモス(酸度未調整)か
腐葉土3を混ぜたものを使います。
●
培養土(花と野菜の土)は中性に調整しています。培養土は単独では枯れてしまいます。鹿沼土を足さないとダメ。
●鹿沼土小粒単用でもいいです。
●肥料は足さない。肥料が多いと傷みやすい。
●酸性の土を好むため、ピートモスは「酸度未調整」じゃないとダメ。
鉢植え
新しい鉢の底の穴を鉢底ネットで塞いで、その上に鉢底石(
軽石)を3cmほど入れる。その上に
用土を入れ、株を入れる。株の高さを調節しつつ、隙間に用土を入れていき、最後にしっかりと、鉢底から水が出るくらいに水をやって完成です。植え替えの時は古い鉢から株を取り出す。株の土を3分の1を落として、根をほぐしてから変色した古い根をハサミで整理してから植え付ける。
大きな株であれば、植え替えの際に株分けも可能。
庭植え
庭植えにする場合は植える場所をよく考えましょう。夏は何かの樹木の下の半日陰になってなおかつ風通しの良い場所で、冬は寒風が通らない場所を選ぶ。もしくは夏はヨシズなどで遮光し、冬は防寒する。
そんな場所はないし、対処するのが面倒だな〜と思うなら素直に鉢植えにするか、夏には枯れるものと割り切ります。庭土を深さ30cmほど掘り返し、掘り返した土に酸度未調整のピートモスを2割ほど追加して用土とする。肥料は追加しない。半分の用土を戻して、株を植えていく。株同士は50cmほど空ける。近いと蒸れて枯れこむので注意(他の植物も近くに植えない)。隙間に用土を詰めて行って、最後に水をやって完成。
●ピートモスは「酸度未調整」じゃないとダメ。
挿木で増やす
春(4月前後)か秋(10月前後)のカルーナ・ブルガリスの生育時期に枝の先端から3cmから5cm前後の
挿木を作って、下側の葉っぱをむしり、鹿沼土単用の苗床に挿します。風通しの良い日陰で乾燥しないように水やりをしていると発根します。発根までは一ヶ月くらい。発根剤を塗るといいです。発根したら土に植え付けます。
カルーナ・ブルガリスは株が大きくなると枯れやすくなるので、定期的に挿木を作って株を更新する(つまり大きく育った株は捨てて、挿木で作った株を育てる)。でも、
面倒なので普通に新しい苗を買った方がいいです。
●全ての挿木が成功するわけじゃないので、たくさん作りましょう。
●株が大きいなら株分けでも増やせる。
管理場所・日当たり
春(4月から5月)と秋(9月から10月)の管理場所
カルーナ・ブルガリスは基本的には日光を好む。春と秋は日当たりで管理します。日光が不足すると花つきが悪くなり生育が鈍くなります。
夏越し(6月から8月)
カルーナ・ブルガリスは高温多湿に弱いので、梅雨以降・真夏は風通しの良い半日陰か日陰で管理して、雨に当たらないようにします。特に梅雨と秋の長雨の時期は軒下などに移動させる。
品種改良で夏の暑さに強いものも出てる。そのため夏は生育が止まるものの
夏越し自体は
暖地でも可能になってきている。
越冬(11月から3月)
カルーナ・ブルガリスは寒い地域の日当たりの良い場所に自生する植物なので冬は戸外の日当たりで管理します。
耐寒温度はマイナス25度とかなり寒さには強い方なのですが、あまりに寒風が当たると葉っぱが茶色く変色してきます。これは寒さではなくて寒風が極端に乾燥しているため。寒風が通らない場所に移動してください。
剪定
梅雨前の剪定(6月)
梅雨前の6月上旬あたりに株全体を半分ほど切り戻すか、株元3cmくらいまで
切り戻します。
剪定することで風通しがよくなり夏越ししやすくします。ついでに傷んだ葉っぱをむしって取り除きます。
生育の早い植物ではないので、様子を見て剪定するかどうか決める。そんなに茂っていないならする必要はない。
秋の剪定(10月)
花が一段落して涼しくなった10月あたりに全体を半分に切り戻す。この剪定は大きくなりすぎないようにするために行います。株が大きくなりすぎると風通しが悪くなり、蒸れて枯れ込みます。
生育の早い植物ではないので、様子を見て剪定するかどうか決める。毎年やらなくちゃいけないってわけじゃないです。
●株が大きくなると必然枯れやすくなるため、定期的に挿木で更新するといい。
●冬咲き品種は開花が終わった頃に同様に剪定する。
病害虫
コガネムシ
コガネムシの幼虫が根を食べます。コガネムシの幼虫は二匹か三匹程度でも枯れ込んでしまうくらいです。被害を受けて症状として見える頃には手遅れになっている。予防として株元に不織布をかけたり、バークを敷いてしまうこと。発生したら薬剤で駆除する。
アブラムシ
アブラムシが新芽にたかって汁を吸う。少数なら補殺するが、数が多いなら薬剤を散布して駆除する。
ハダニ
ハダニはクモの仲間で汁を吸うダニ。薬剤を散布して駆除する。乾燥すると発生しやすい。
灰色カビ病
灰色カビ病は湿度が高いと発生するカビ。かなり湿度が高くないと発生しない。風通しの良い場所で管理すれば大丈夫。
由来・伝承
エリカに近い種類です。カルーナ属にはブルガリスしかありません。ただし、品種改良によって、花の色も多種あります。
花も人気ですが、秋~冬にかけての紅葉が人気です。
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