カボスの育て方…肥料の時期は?地植えの手順は?
目次
カボスの特徴は?肥料植え替え・植え付け管理場所水やり作業病害虫関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- カボス
- 科名
- ミカン科
- 属名
- ミカン属
- 学名
- Citrus sphaerocarpa
- 耐寒
- マイナス5度
- 水やり
- 水控え目
- 場所
- 外の日なた
- 難易度
- 上級者向け
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カボスの特徴は?
カボスは、
ミカン科の常緑の果樹で、主に大分県で栽培されています。他にも愛媛県・福岡県・宮崎県でも栽培されていますが、大分県での生産量が98%を占めます。この植物は、暖かい地域での栽培が適していますが、鉢植えにすることで東北〜関東でも育てることができます。カボスは柑橘系の中でも育てやすい方であり、樹高2mと管理しやすく、収穫できる庭木としてもよく栽培されています。収穫せずにそのままにしておけば冬には黄色い実をつけ、庭を彩ります。花の少ない冬には目立ちますよ。
カボスの果汁は、焼き魚にかけて食べるのに使い、酸味はまろやかで、
スダチよりも大きめです。収穫期は8月〜11月で、自家受粉で結実するので、人工授粉は必要ありません。品種には大分1号、豊のミドリ、香美の川、祖母の香などがあります。
樹高2m
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肥料
カボスを育てる際には、植え付け時に入れた元肥とは別に、化成
肥料を寒肥(2月)、開花後の補給肥料(6〜7月)、結果後の補給肥料(9月)、収穫後のお礼肥(10月〜11月)の4回追加で肥料を施しましょう。そのうち、特に大切なのは2月、6月〜7月、10月〜11月です。柑橘系は疲弊すると隔年結果を起こしやすいため、毎年肥料を施すことが必要です。
肥料を施す際には根元を避け、根に当たらないようにドーナツ状に深さ15cm〜20cmの穴を掘って肥料を入れて埋めてください。
植え替え・植え付け
時期・頻度
カボスの苗は
ホームセンターや園芸店で1〜2年生の
接ぎ木苗として販売されます。これを3月下旬〜4月上旬か、6月頃までに植え付けます。苗が小さい場合は、まず鉢で育ててから庭に植えると良いでしょう。
鉢植えの場合は、2年に1度、
根詰まりと土の劣化を防ぐためにも現在の鉢より一回り大きな鉢に植え替える必要があります。ただ、土をいじったり、根をいじると生育不良を起こすので、毎回、1号か2号大きな鉢に植え替えていくことになり、いずれは手に余るかもしれません。将来的には庭植えにすることを考えておきましょう。
苗木を植え付けてから収穫するまでには、最低でも3〜4年かかります。植え付け後の最初の3年は、株を充実させるために収穫を控えることが望ましいです。
用土
一般的な花と野菜の
培養土で植え付けます。自作する場合は
赤玉土6
腐葉土3川砂1に化成肥料を混ぜたものを使います。
鉢の植え付け・植え替えの手順
最初は7~8号(直径20cm以上)の鉢に植え付けます。
苗木の土は落とさずに植えましょう。幹を30cm〜50cmの高さで切っておきます。切り詰めることで根の負担を減らし、回復が早まります。鉢植えの底の穴を鉢底ネット(鉢底網)で塞いで、その上に鉢底石(
軽石)を2cm〜3cm入れて、その上に
用土を入れて、株を入れて、隙間に用土を入れて、最後に水をしっかりとやります。
植え替える場合は、古い鉢から株を取り出し、土を落とさないで根をいじらないで1号か2号大きな鉢に同様の手順で植え替えます。
庭植え(地植え)の手順は?
深さ50cmの穴を掘り、大きな石があったら取り除いておきます。掘り出した土に腐葉土か
堆肥を、庭土に対して3割か4割混ぜて、化成肥料を説明書きの規定量入れて、よく混ぜて用土とします。できれば1週間寝かせて、土を馴染ませると根が広がりやすくなります。
穴に半分ほど土を戻して、株を入れます。苗の土は崩さず、根をいじらないで植え付けます。また、
接木部分が地上部にあるように植えてください。隙間に土を入れて、最後に水をやって完成です。水をやりつつ、棒でつついて根の隙間に泥を流し込むといいですが、根を傷つけるとよくないので、やるのであれば、注意してやってください。植え付けてから幹を50cm〜80cmの高さで切っておきます。切り詰めることで根の負担を減らし、回復が早まります。
管理場所
カボスを植え付ける場所は、強風が当たらず日当たりがよい場所を選びましょう。また、多少は寒さに強いのですが本来は暖かい地域の植物で、寒風に当たると常緑樹なのに落葉するので、寒さに注意します。
庭で栽培する場合は、関東地方以西の暖かい地域が適しています。冬場は気温が-6℃以下になると枯れてしまうので、寒冷地で栽培するのであれば、鉢植えにして冬は室内に暖かい、日当たりのよいところに置きましょう。
水やり
カボスは若干、乾燥に弱いので、土の乾燥には注意が必要です。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与え、水が流れるまで水を排出してください。植物は乾燥しやすいので、水切れに注意しなければなりません。しかし、常に濡れていると
根腐れになることもあります。鉢植えの場合、通常の鉢植えの
水やりの方法を実践すれば良いです。受け皿に水が溜まっている場合は捨ててください。
庭植え(地植え)の場合、春・秋・冬は雨水だけで十分に育ちますが、夏場は乾燥しやすいため、庭植えにしても水やりが必要です。また、株元をワラで覆うことで、乾燥を防ぐことができます。
作業
摘果(6月〜7月)
カボスは、6〜7月に摘果をすると実が美味しくなります。摘果とは、果実を間引くことです。
6月〜7月上旬までは、ある程度果実が自然に落ちます。これを生理落果といいます。生理落果が終わった後、小さい実や傷ついた実、偏った形の実を間引いたり、小さい実や傷んでいる実を摘み取ります。そして、7月下旬には、1個につき葉っぱ20〜30枚を目安に、更に間引きします。
ただし、植え付けてから3年程度は、株を強くするために全ての実を摘果して、株を弱らせないようにしましょう。
収穫(9月〜10月)
カボスの収穫時期は9月中旬頃から10月にかけてです。収穫時には、枝や幹にトゲが生えているため、長袖や軍手を着用することをおすすめします。
収穫したカボスは、黄色く熟してしまうと香りや味が落ちるため、緑色の実を収穫するのが良いでしょう。カボスは香りと酸味を楽しむ果実であり、未熟な緑色の状態が最もおいしいです。収穫後はポリ袋に入れ、野菜室で保管すると、長期間新鮮な状態を保つことができます。
剪定(2月〜3月)
カボスの
剪定は、2月下旬から3月に行います。2年目までは剪定は行わず、枝を伸ばして株を充実させることに専念します。
3年目の春には、主枝となる3〜4本の強い枝を残し、最終的には3本の主枝を選んで開心自然形に整えます。
4年目以降は、間引き剪定をして風通しを良くし、内部に日光がよく当たるようにします。全ての枝の先端を切り詰めるのではなく、花が咲く部分には手を加えず、25cm以上の長い枝だけを切り詰めましょう。
カボスの幹や枝にはトゲがあるので、長袖や手袋を着用して作業しましょう。また、トゲは果実を傷つける原因になるため、全て取り除きます。
病害虫
害虫
カイガラムシ、
ハダニ、
アブラムシ、
エカキムシなど発生することがあります。これらで枯れるということはないですが、被害のあった箇所から
病気が発生することもあるので、早めに対応しておきたいです。スミチオン乳剤、カルホス乳剤などを毎月1回定期的に散布すると予防できます。
アオムシ
アオムシはアゲハチョウの幼虫で、小さいときは黒茶と白の斑模様、大きくなると緑色の体です。柑橘系の葉を専門に食害します。大きくなるにつれ、凄まじい勢いで葉っぱを食べ、カボスの木が丸坊主になることも全く珍しくないので、早めに対応しましょう。薬剤を使用する場合は、ベニカ水溶剤などを散布します。
病気
カボスには、かいよう病と
黒点病という病気が見られます。かいよう病は、褐色の病斑ができてコルク化し、風や虫の傷口から侵入する病気です。
黒点病は、黒い斑点ができ、枯れ枝で越冬した病原菌が雨風で散布し、葉や果実に感染します。
どちらの病気も、整枝剪定を行って日当たりと風通しを良くし、枯れ枝や剪定後の枝や葉は撤去することが大切です。また、窒素肥料の過剰な使用にも注意が必要です。感染した葉や果実は早めに取り除きましょう。鉢植えの場合は、雨が当たらない場所に置くようにしましょう。
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