黒星病の生態・予防・薬剤

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バラの黒星病

バラの黒星病:バラの黒星病
黒星病とはバラ栽培でもっとも問題になる病気。原因となる菌は土中にいて、どこにでもいる。葉っぱに黒い斑点が出て、葉っぱが黄色くなって落葉する。18度以上になると発生しやすく、雨が多いと発生しやすい。逆に30度以上になると活動が鈍くなる。

「葉っぱの数=株の生育」なので落葉するということは株の生育が著しく悪化することになる。葉っぱに症状が出る頃にはすでに結構進行している段階。大事なのは症状が出る前に予防をすることで、黒星病の対策は治療対処ではなく予防になる。もちろん異変が出たら対処するけど。
●黒点病(黒点病と黒星病は同じ病気のことを指している)は放置しておくと悪化してみすぼらしくなりますが、株全体が弱っても枯死には至らないことが多い。病気部分があったらすぐに切除。早めの対処が大事。病気になって下に落ちた葉っぱは拾い集めて捨てる。落ちた葉には菌が住んでいるため、必ず取り除く。
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バラの黒星病の予防

泥はね対策黒星病の原因は土中の菌で、菌はどこにでもいる。この菌が雨や水やりで泥はねして葉裏に付着して病気になる。なので黒星病は下葉から発生して登っていく。そこで株元に腐葉土・ワラ。ピートモスやバーグなどでマルチングをすることで黒星病は結構予防できる。また、水やりのときに「そっと」やるのもよい。
●泥はねを避けるため、雨に当たらない場所で育てると発生しにくい。軒下や温室で管理すると黒星病にはかかりにくい。
●樹高が高いと泥はねが当たらないため、黒星病対策で支柱を立てて樹高を高くするという手もある(台風で折れることもあるので地域による)。
●雨・風でも感染するので、野外で育てている限りは完全に感染を防ぐことはできない。泥はね対策とは別に薬剤散布は必須。
葉っぱを落とすツルバラもバラも冬剪定するが、そのときに必ず、全ての葉っぱを取り除く。葉っぱを残しているとその葉っぱから黒星病が感染していくので、絶対に残さない。取り除いた葉っぱも地面に落とさないで、回収して廃棄する。これはバラすべての共通作業であり、冬剪定の常識。
感染した株を治療するときにも、とりあえず「すべての葉っぱを取り除く」。
●パッと見、葉っぱに異変がなくても、病変が出るのはかなり進行してからで、感染していることがあるので、とにかく冬剪定では葉っぱをすべて取り除く。
冬の薬剤散布(石灰硫黄合剤)冬に葉っぱを取り除いて冬剪定し終えた後に、石灰硫黄合剤を散布するか、茎に塗り付けます(少ないなら塗るで十分)。昨年、黒星病が発生してしまった株に石灰硫黄合剤を塗ると春以降の発生を抑えられます。やったらいいけど、やらなくてもいい薬剤散布です。
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散布は新芽に掛かると新芽がしおれるので新芽が動き始める2月までに行います(ようは冬剪定と一緒に)。石灰硫黄合剤を10倍から30倍に希釈して噴霧器で吹き付けるか、枝が少ないなら刷毛で10日間隔で何度か塗ります。展着剤(茎にくっつきやすくする薬剤)を加えなくてもいいですが、加えたほうが効果があります。ただし匂いがすごい。
●石灰硫黄合剤の代わりにマシン油製剤でもいい。薄めて使う。もしくはサラダ油を筆で塗り塗りするのでも効果がある。油で越冬している害虫を窒息させている。こちらも芽が動き始める前に行う。
●株元に黒星病の菌が眠っているので株元にも少し噴霧します。
●汚れるのでシートを株元に敷いて作業すると良い。
●ハダニ・カイガラムシ・サビ病にも効果がある。
春以降の薬剤散布春以降も定期的に薬剤を散布して予防します。葉っぱがある間はずっと感染の可能性があるので葉っぱがある間は薬剤を散布するべきです。ダコニールは二週間も散布の効果があるので、散布の頻度を少なくできるので黒星病のスタンダードです。ただし、夏になると高温のためにダコニールの薬害が発生するので7月前後からはオーソサイドやジマンダイセンを利用する。

薬剤を記載の使用方法を参考に散布します。散布の時に葉っぱの裏にもしっかりと塗るようにします(菌のついた泥や雨水は葉裏から入るので)。散布液の作り方は病害虫とその薬剤の一覧・まとめの項目を参考に。
●病気が発生していなくても、過去に苦労していなくても、黒星病の予防薬剤は散布するべき。発症したら他の株に爆発的に広がるため、一度発生すると治療薬剤・予防薬剤の散布量が爆発的に増えるため、予防薬剤をキッチリと散布する方が安上がりで楽(というのが一般的結論)。
●ダコニールはバラに発生しやすい病気の黒星病・ウドンコ病・ベト病に効果があって便利。

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耐病性のある品種を植えるイングリッシュローズには黒星病・ウドンコ病に耐性のある品種が多く、これを植えることで黒星病はかなり抑えられる。抑えられるが、それでも薬剤の散布は必須。

よくネットで「○○という品種はほとんど発生しない」とか「○○という品種は薬剤散布しなくても大丈夫」と書いてあるけど、それでも薬剤は散布したほうがいい。
黒星病のその他の予防方法予防…近くの感染株を治療する
感染した葉っぱが台風などの雨混じりの横風に当たると、別の株から感染します。感染した株の葉っぱを取り除き、治療を行って他の株への感染を防ぎます。

予防…密生させない
密生していると次々感染するので、密生は避ける。

予防…肥料を適量に
肥料が多いと黒星病が発生しやすいことがある。バラは肥料ぐいとされ、肥料は多めに施すことが多いが、あんまりに発生するんであれば控えてみる。

予防…健康に育てる
上記の予防法を実践しても、健康に育てないとあんまり意味ないです。健康に育てるのが一番。ここでの健康とは肥料・日光・水やりが適量あって、適切な剪定をしていること。
黒星病の治療方法病変が見られたら、速攻でその株の葉っぱをすべて取り除く。葉っぱはその場に落とさず、必ず遺棄する。その上にサプロールなどの治療効果のある薬剤を散布する。効果(サプロールなら4日)が切れたら散布を繰り返し、治るまで繰り返します。
●放置していると風や雨で他の株に感染するので、早く対処する。
●発症したら治療するが、予防が大事。
●ウドンコ病は薬剤で治療はできるが、黒星病は治療はあんまり期待できない。予防が主となる。

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黒星病(黒点病)に効果のある薬剤
ダコニール…総合殺菌薬で黒星病、うどんこ病、ベト病・斑点病に予防効果がある(治療効果はなし)。一度散布すると二週間ほど効果が続く優秀な薬剤だが、夏の高温時期は薬害が出るので、その時期はオーソサイドを使うといい。
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オーソサイド…茎腐病・黒星病・立枯病に効果がある綜合殺菌剤。予防効果がある。
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サプロール…黒星病(黒点病)に予防と治療効果のある薬剤。
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サルバトーレ…黒星病(黒点病)の治療効果のある薬剤。予防には効果がないので発病後に散布すること。

アタックワン…スプレータイプの薬剤。黒星病(黒点病)の他にウドンコ病・ハダニ・アブラムシ・その他の毛虫に効果がある。

ジマンダイセン…黒星病・サビ病・炭疽病・灰色カビ病・ベト病に予防効果のある薬剤。
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●黒星病は雨によって広がるので雨が降る前にダコニールやサプロールを散布することで予防効果がある。
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