キンカン(金橘・金柑)

科名 | ミカン科 |
属名 | キンカン属 |
学名 | Fortunella margarita |
別名 | 金橘・金柑 |
水やり | 水控え目 |
場所 | 外の日なた |
難易度 | 中級者向け |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | |
開花 | ||||||||||||
植え | ||||||||||||
肥料 | ||||||||||||
剪定 |
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目次
キンカン(金柑)とは?


食用にするのであれば、タネ無し品種の苗を買いましょう。タネアリの実は種が多くて食べにくいです。また、自家受粉できるので一本だけで結実します。
品種・種によってはトゲがあることがあるので、取り寄せる前にトゲの有無を調べておくといいです。
苗を植えると3年か5年くらいで実がなりますが、種子から育てるとかなり長い期間がかかりますので、苗を購入しましょう。4月あたりに苗を植え、数年後に7月〜8月に開花して、開花してから150日後に収穫します。
樹高1m〜2m
品種
ネイハキンカン食用とするならネイハキンカン(寧波金柑・Fortunella crassifolia)が一般的。スーパーなどで流通しているものはこれが多いです。
ナガキンカン
ナガキンカン(長実金柑・Fortunella margarita)はちょっと果実が卵形のような縦長の楕円形になる種です。
マルミキンカン
マルミキンカン(丸実金柑・Fortunella japonica)は食用で蜂蜜漬け・砂糖煮になることが多い種で、加工された実をよく見かけます。冬の他に花が少ない時期に小さな愛らしい実がなるので観賞用としても優秀です。
プチマル
種無しならばプチマルというのがあります。果実は小さいですが、タネがないので利用しやすいです。
チョウジュキンカン
観賞用であればチョウジュキンカン(Fortunella obovata)が適しています。果実は大きいですが、非常に酸っぱく、食用にはあまり適していません。
マメキンカン
観賞用でかつ、盆栽にするならば、マメキンカン(Fortunella hindsii)が一般的です。マメキンカンは実に松脂(マツヤニ)のような匂いがあり、食用には適していません。
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水やり
土が乾いていたら水をしっかりとやります。水はけのよい土を好み、過湿状態が長く続くと根が腐ってしまいます。どちらかというと乾燥に強い方です。ただし、花・果実がなっている時に極端に乾燥すると花・果実が落ちてしまいます。果実の色がついてきた頃は乾燥気味に管理します。乾燥気味に管理することで果実が甘くなります。
庭植えの水やり

鉢植えの水やり
鉢植えにした場合は、土が乾いたら水をやります。土が濡れている間は水はやらないでください。春は晴れた日は毎日、夏は雨の日以外は毎日、秋は春と同じ、冬は土が乾いたら、を目安にしてください。受け皿をしているときは受け皿に水が溜まらないようにしてください。肥料

キンカンは一旦株が充実すると実がなりやすい木で、肥料切れを起こしやすいです。毎年、肥料をしっかりとやりましょう。
植え付け・植えかえ
時期・頻度
植え付け・植え替えは3月〜4月に行います。鉢植えは2年に一回植え替えをします。用土
水はけのよい土を好みます。鉢植えでも問題ありません。鉢植えであれば一般的な培養土で植え付けます。自作するのでされば、赤土(小粒)5腐葉土3鹿沼土2に化成肥料を混ぜたものを使います。庭植えの場合も、常識的な水はけ・水持ちであれば大丈夫です。庭植え

穴に土を半分戻して、キンカンの苗を入れて隙間に土を入れていき、最後に水をやって完成です。根をほぐして根を広げて植えると、植え付け後の根が広がりやすくなって馴染みやすいです。
キンカンは接木になっていて、接ぎ木の境目を埋めないようにしてください。
強い酸性(ph5以下)の土地ならば石灰を撒いて中性(pH7)か弱酸性(pH6.5)にします。一般的にな庭土は弱酸性なので、中和する必要はないです。できれば土壌成分計でpHを計測して判断するといいです。
強い酸性(ph5以下)の土地ならば石灰を撒いて中性(pH7)か弱酸性(pH6.5)にします。一般的にな庭土は弱酸性なので、中和する必要はないです。できれば土壌成分計でpHを計測して判断するといいです。
鉢植え

植え替えの場合、痛んだ根は切り戻し、大きくする場合はひとまわり大きな鉢を用意します。大きくしたくない場合は、同じ大きさの鉢に植えます。根をほぐして古い土を三分の一ほど落としてから植えてください。
管理場所・日当たり
関東以西で栽培できます。日当たりのいい場所で、風通しのよいところを好みます。出来れば冬は寒風が当たらない場所で、日当たりが良くても西日は避けたいですが、最優先は日当たりです。西日や寒風が当たっても枯れるほどではないです。
冬
耐寒温度はマイナス5度。霜に当たったくらいでは枯れません。また、木は霜に強いですが、果実は霜に当たると傷むので、収穫するのであれば、袋をかけて霜を避けます。剪定
時期
花が咲くのは夏。その夏の花がその後冬から春にかけて果実になります。その果実の収穫が終わった3月〜5月に剪定をします。花がつく枝について
花は、去年に伸びた枝先にも咲きますが、主に春以降に太い枝から出た短い枝の先につきます。なので、3月〜5月の時点で、どう剪定しても…よほど強い剪定をしなければ、花芽を全て落としてしまった!ってことはほぼないので、風通しをよくする剪定を中心に剪定していきます。果実は上に向いた枝ではなく、下向きの枝に大きな実をつけやすい性質がありますので、枝を紐などで引っ張って誘引して、下向きにすることで大きな実をつけさせることができます。
剪定の手順
剪定は混み合った枝をさばいて、風通しをよくして内部まで日光が入るようにするためにします。キンカンは成長が遅いですので、基本的には「軽く」です。その方が結実がよくなります。よく伸びて邪魔になったときは太い枝も切ります。ノコギリで切らなくちゃいけないような太い枝を切った時は、切り口に殺菌剤(癒合剤)を塗っておきます。ホームセンターにも売っていますが、量が多い上に使い切りで勿体ないので、木工用ボンドで代用してもOK。
剪定する枝については以下のページを参考にしてください。
間引き(摘果)と収穫

花と実の間引きをしないでいると実がガンガン出来て、株が弱ってしまいます。株が弱ると実がならなくなります。一年おきに実がなったりするのは実のつけすぎです。しっかり間引き、肥料をやりましょう
病害虫
風通しが悪いとカイガラムシやハダニが発生したり、黒点病にもなります。かんきつ類の葉っぱにはアゲハ蝶の幼虫がつきます。将来アゲハ蝶になると思うとなんですが、猛スピードで葉っぱを食べまくりますので、駆除しましょう。人間には影響がなく、芋虫類を駆除するBT剤がよいです。
特徴・由来・伝承
キンカンというと食べる、薬用といったイメージですが、キンカンは庭樹としても非常に優秀です。剪定にも強く、他のミカン科の樹木のように、たくさん実がなったら翌年は実がならないか、実が極端に少なくなる隔年結実という症状が起きにくく、毎年黄色い実が大量になる。庭木にしたときだけではなく、鉢植えでも実がなるところが有難いです。盆栽にも。秋の季語でもあります。原産地は中国長江とされます。
1828年に清の船が清水港付近で難破、船体修理で寄港した際にお礼として砂糖漬けのキンカンが贈られました。その種子を植えたのが日本の栽培の始まりとされていますが、それ以前からあったとも言われていてハッキリしません。