ジギタリスの育て方…開花時期はいつ?植えるなら耐暑性のある品種を

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ジギタリスの基礎データ
ジギタリス
科名ゴマノハグサ科
属名ジギタリス属
学名Digitalis purpurea
別名キツネノテブクロ、フォックスグローブ
耐寒マイナス25度
水やり水控え目
場所外の半日蔭
難易度中級者向け
画像投稿
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開花
植え
肥料
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ジギタリスとは?

ジギタリス:ジギタリスとは?
ジギタリスはゴマノハグサ科(もしくはオオバコ科)ジギタリス属の西・南ヨーロッパ原産の耐寒性宿根草。江戸時代に日本に渡来し、野生化していることもあります。花はデルフィニュームのように縦に並んで咲くタイプで、枝分かれはしない。

5月に種まきしたものがロゼット状の葉で一年目を過ごし、冬を越して翌年の春に花を咲かせるか、秋に種まきして翌々年の春に開花します。これをよく二年草といいます。開花まで時間がかかるのでジギタリスの苗はあまり市場には出回りません。

寒さには非常に強いのですが、基本的には暑さに弱く、夏に枯れてしまうことが多いため、暖地ではあまり栽培しません。環境しだいではこぼれダネで、秋に芽を出し、(二年草なので)一年おきに花を咲かせることも。夏を越せられれば宿根草となります。

通常のジギタリスの開花は春(3月〜6月)あたりですが、夏の暑さに強い種が出回っていて、そういうものは夏を越して秋まで長期間開花します。中間地で栽培するのであれば耐暑性のあるジギタリスにしましょう。
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植え付け・植えかえ・種蒔き

時期・栽培スケジュール

5月に種まきし、翌年の春に開花させるか、秋に種まきして翌々年の春に開花させます。暖地では暑さで夏に枯れるので中間地・寒冷地での栽培になります。

もしくは秋冬に苗を植えて春に開花させますが、生育が悪いと春に開花しないことがよくあります。その場合は半日陰で管理して夏越しさせて、翌年の春に期待してください。

春に植えても、開花するのは、夏を越し、秋と冬を越した翌年の春。その場合の夏越しは地域によっては厳しいので、脇芽を挿し芽して増やし、保険を掛けておくと良いです。

用土

水はけの良い土を好みます。赤玉土4腐葉土3パーライト3を混ぜた土か、市販の土に川砂を混ぜて水はけを良くしたものを使います。
庭への植え付けの場合は堆肥と完熟腐葉土を混ぜ込んでおきます。
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川砂
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種まき・苗作り

ポットなどに栽培用土を入れ、タネをまきます。軽く手で押さえて、土をかぶせず、水をやって明るい日陰で管理します。土を被せると発芽しにくくなるので注意してください。乾燥しないように管理している2週間前後で発芽しますので、葉っぱが4枚になったら、鉢植えに植え替えるなどします。

ジギタリスは大きく育つと暑さに弱くなるので、5月に種まきして発芽させ、苗で夏越しさせ秋によく生育させると翌年の春には開花します。
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鉢植えの植え付け・植え替え手順

8号〜10号鉢なら苗1つ。非常に大きく(1m以上)になるので、10号鉢でも水切れしやすいです。注意してください。

新しい鉢の底の穴を網で塞いで、その上に軽石を2cmほど敷き、その上に用土を入れ、株を入れて、隙間に用土を入れていく。最後に水をやって完成です。

庭植えの手順

庭土を深さ30cmほど掘り返して、掘り出した土に腐葉土を2割ほど追加して用土とする。用土を半分戻して、株を入れていく。株同士は50cm以上離してください。隙間に用土を入れて、最後にたっぷりと水をやって完成です。

草丈が高い植物なので、植えるときはボーダーガーデンの後景にしましょう。

挿し芽で保険を

ジギタリス:挿し芽で保険を
挿し芽で根付きます。春に脇芽を切って、それを挿し木ようの用土に挿しておきます。根がしっかりと出るまでは水が切れないようにします。根が出たら普通の土に植え替えて、乾燥気味に管理して夏を越し、涼しくなった秋に植え替えをします。

管理場所・日当たり

日光を好む植物なのですが、真夏の直射日光が苦手なので、朝は日が当たるが昼以降は日陰になるようないわゆる「半日陰」の場所に植えます。もしくは真夏に何かの木の日陰になるような「木漏れ日」が注ぐ場所が好ましいです。

暑さに弱く、暖地では夏越しが厳しい。日当たりで管理している(庭植えなど)場合、関東で夏越しできるのは4割とか、それ以下になることも。半日陰で管理すれば、関東なら大丈夫。

ジギタリスは環境があえば、こぼれダネで毎年出るくらい丈夫な植物です。でも、相性ってのはあります。二回か三回挑戦してみてうまく行かないならば、縁がなかったと別の植物に行った方がいいです。
●北陸では宿根して毎年咲きます。

夏越しについて

ジギタリス:夏越しについて
夏にどうしても枯れる場合の対処法
ジギタリスは暑さに弱く、夏に枯れてしまいます。品種によってはいくらか耐暑性があるようですが、弱いものは弱いです。それがイラストのAのサイクルです。春に咲いたジギタリスが夏に枯れます。

Bパターン
そこで春に種を取っておいて苗を作ります。これが秋までにしっかりと育って翌年の春に咲けばよいのですが、そうはいかずに、翌年の夏に暑さで枯れてしまいます。これがイラストのBパターンです。

Cパターン
そこでCパターンです。春の開花時期に脇芽を挿し芽しておいて、それで夏を越させます。苗の状態だと夏越しがしやすいです。これを涼しくなってから地植えするとスクスク育って春にはまた開花、その脇芽を挿し芽にして……というサイクルを繰り替えして毎年ジギタリスを楽しむことも出来ます。

水やり

ジギタリスは比較的、乾燥を好みます。ほかのアオイ科の植物同様に水をやり過ぎないようにするのがコツです。水をやりすぎると腐って枯れてしまいます。土が乾いたら水をしっかりとやってください。鉢植えの場合は鉢底から水が染み出すくらいにやってください。

肥料

肥料が多いと葉っぱも草丈も大きく育ちます。ターシャ・チューダーの庭の写真を見るとジギタリスとバラが植えてあるので、それを真似て、二つを並べて植えるとバラの肥料をジギタリスが吸って馬鹿デカく育ち、バラの日光を遮ることも。

植え付けて一年目の肥料は、植え付けのときに入れたものだけで十分です。生育が悪いときはその都度、液肥を追加してください。夏越し・越冬した2年目の3月に活動再開のための肥料として緩効性化成肥料を株もとにやります。
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特徴・由来・伝承

青い鳥の作者メーテルリンクはジギタリスを「憂鬱なロケットのように空に突き出ている」と表現したように、ジギタリスにはあまり良いイメージが無い。暗い場所に生えて「いけにえの儀式」が行われる夏に花を咲かせることからドルイド(ケルト人の祭司)に好まれたといわれています。「魔女の指ぬき」「血のついた男の指」と呼んでいた地域もあります。

環境によっては2m近くまで成長し、大きな花を咲かせます。模様と色合いが渋いので嫌う人もいますが、ジギタリスの白の鮮やかさはハッとさせられます。好きな人は毎年苦労して株を更新してでも育てます。

ジギタリスは古くから切り傷・打ち身に効く薬草として使われ、18世紀に強心剤として利用されてからは、ジギタリスという名前は「心臓の薬」というイメージが強いです。そのために毒草と嫌う人もいますが、口にしなければ問題はありません。ペットの犬猫が葉や花を口にした場合、体調不良になります。
ジギタリスは日本の夏には若干弱いので、初心者ならば容姿の似ているタチアオイをおすすめします。
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