ルッコラの育て方

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ルッコラの基礎データ

ルッコラ
科名
アブラナ科
属名
キバナスズシロ属
学名
Eruca vesicaria
別名
ガルギール・ロケット
水やり
水を好む
場所
外の日なた
難易度
中級者向け
ルッコラの開花時期…植え付け・植え替え時期…肥料時期…月別スケジュールです。

ルッコラとは?

ルッコラはアブラナ科の地中海沿岸部原産の一年草ハーブ。胡麻の風味に辛味があり、サラダにすることが多いですが、火を通しても食べられます。ただし、火を通すと苦くなります。育てるのは簡単で、スーパーで買うと結構高いので、家庭菜園ではコスパの良い野菜です。

種から育てます。種子発芽率が高いので、これをプランターに撒いて育てを繰り返します。種蒔きは真夏と冬以外ならばいつでもかまいません。複数のプランターを用意して、時期をずらして種蒔きをして継続して収穫するという手法が家庭でも手軽に出来ます。
参考
家庭菜園で栽培できるコスパの良い野菜
セルバチカワイルドルッコラ
ベビーリーフはルッコラなどの複数の種類の葉野菜の種子がミックスになったものです。

水やり

水は土が乾いていたらやってください。多湿が苦手で水をやりすぎると根腐れしたり、葉っぱが枯れ込むのですが、乾燥させると成分が濃くなるのか苦味が強くなってしまいます。苦味が苦手なら乾燥しすぎないように水をやってください。
●水が多いと風味が薄くなりますが、逆に言えば食べやすい。丁度いいところを探しましょう。

肥料

地植えは元肥だけで追加の肥料は不要。プランターなら生育中に肥料を追加します。肥料は固形肥料でも液体肥料でもいいですが、基本的に少量。液体肥料なら薄めて使いましょう。水と肥料を減らすと風味が増します。それが好みかどうかは個人によるので、肥料の量は色々と試してみてください。肥料が多いとエグ味が出ます。
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管理場所・日当たり

日当たりのよいところで管理。夏の直射日光に当たると葉っぱが傷んでしまいますので、真夏は直射日光を避けて半日陰や明るい日陰で育てます。生育温度は15度〜25度で真夏になると生育が止まります。また、寒い時期も生育は鈍くなります。鈍くなりますが寒さには強いです。
食べるなら遮光を
直射日光に当たると、葉っぱが硬くなりますので、日当たりに植えた場合はヨシズなどで遮光してあげましょう。
●日当たりが悪いところで栽培すると味も香りも弱い。しかし柔らかいので食べやすくもある。日当たりが良すぎると、風味が強くなるが、筋ばって固くて苦くなる。この辺りは好みの問題です。丁度いい日当たりを探りましょう。
●霜には当てない。当たると枯れます。霜が降りるほど気温が下がったら軒下に移動させるか、室内に取り込む。

種蒔き・植え付け

発芽率がよく、種を購入してそれを時期をずらしてまけば、長期間継続的にルッコラを収穫出来ます。ルッコラはアブラナ科の植物で葉牡丹キャベツといった植物と同様にトウがたち、その先に花が咲きます。こうなると葉っぱが硬くなって、食べるのには向かなくなります。
●種子は百均にもある。種子の発芽率はよく、数年経っても発芽率は落ちない。ただ百均のは多分中国産。
●発芽率は高い。継続して収穫するためには2週間おきに種まきするといいです。

春蒔きと秋蒔き

ルッコラは春蒔き(4月〜6月)と秋蒔き(9月〜10月)があります。専用の品種があるわけではなく、春蒔きも秋蒔きも同じ種類の種子で、「いつ蒔くか」の違いだけです。春蒔きは害虫との戦いですが、秋蒔きは害虫はあんまり発生しないので初心者は秋蒔きからの方がいいです。

秋蒔きは彼岸花が咲いて以降が好ましい。あんまり早くに種まきすると、暑さに当たって、あっという間にトウ立ちして秋蒔きの意味がなくなってしまう。
●秋蒔きは環境が日光が少なく、気温が低いため、葉っぱが柔らかい。ハリのあるシャキシャキした方が好きなら物足りないかもしれない。
●秋蒔きでも、気温が上昇すると予想外にトウが立つこともあります。その場合は、また種子を蒔き直すか、春まで待ちます。

用土・土づくり

酸性の土を嫌います
庭植えする場合は、植える二週間前までに苦土石灰を混ぜ込んで中和させておき、植え付けの1週間前に、腐葉土堆肥を2割か3割ほど追加して、化成肥料1平方mあたり50gほど追加してよく混ぜてから植え付けをします。

プランター植えする場合は必ず新しい培養土ホームセンターなどで売っている花と野菜の土)で植え付けをします。培養土はすでに中和されていますし、ばい菌や不純物が入っていません。古い土は栄養が偏り、pHも酸性になっていますし、虫や病気が住んでいます。自作する場合は、赤玉土6腐葉土3バーミキュライト1に化成肥料を少量混ぜて用土とします。
連作障害を起こします。過去2年か3年、アブラナ科植物を植えたところには植えないようにします。

種まき

種のまき方
畑に直接、タネを蒔いてもいいし、プランターに蒔いてもいいです。苗を作って植え付けてもいいです。ホームセンターで苗を売っているのでこれを植えてもいいですが、ルッコラの種子って百均で売ってるくらい安いし、発芽率がメチャいいし、長期間保存がきくので種子の方がお得です。

種が重ならないようにパラパラとまき、種の上に土を2ミリか3ミリ被せます。その上から水を注ぎます。種が流れないように霧吹きで水をかけ、発芽するまでは土が乾かないようにします。土を分厚く被せると発芽しなくなるので注意する。

気温があれば発芽は数日です。双葉が出て、次に本葉が2枚になったら、間引きます。このとき株間2cmほどにします。間引いたものは「間引き菜(=スプラウト)」として食べることもできます。種子に農薬処理がしてあるかどうかをパッケージを見て調べて、処理がしてあるなら食べないようにします。

本葉が4枚になったら、さらに間引きます。株間4cmにします。この間引き菜も食べられます。間引いたあとに肥料を土に混ぜて株元に土寄せしておくといいです。もしくは液体肥料をやります。土寄せしてから液体肥料をやるときは株が流れ出ないようにそっとやりましょう。土寄せしないとルッコラが霧吹きで水をやっただけで倒れてしまいます。土寄せしましょう。その後も週に一回追肥します。最終的に株間20cmに。

横長プランターに3株か4株程度です。
種まきから大体一ヶ月か二ヶ月で収穫できます。
●発芽率はめちゃくちゃいいです。大量にまくと密生して、間引くのが面倒です。

苗を植える

プランターや鉢は出来るだけ「深い」ものを用意します。浅いと生育が悪いです。65cmプランターなら3株程度植えます。プランターの底に軽石を入れるタイプであれば軽石を2cmほど入れ、用土を入れ、株を入れて、隙間に用土を入れていって、最後に水をしっかりとやって完成です。ルッコラは直根性で苗を植えるときに土をほぐさないようにします。ほぐすと根を傷つけ、生育不良を起こします。
●苗が大きくなってからの移植は苦手。小さいときは大丈夫です。

花を摘む

花芽を摘むと柔らかい葉を収穫できますが
花が咲くと葉っぱが硬くなり美味しくないです。そこで花を摘みつつ柔らかい葉っぱを収穫します。基本的に花が咲くと収穫は終わりか、終わりが近いです。しかしルッコラは、こぼれダネで翌年も咲くことがあります。収穫に飽きたら花をそのままにしておきましょう。

トウが立つのはルッコラが気温の上昇を感じたら、です。なので夏の暑さに当たるとトウが立ちます。また、一旦寒さに当たってから、気温が上昇してもトウが立ちます。なので、秋蒔きであっても予想外の時期にトウが立って収穫終了というのはよくあることです。
●通常のルッコラは花が咲く頃には葉っぱが固くなりますが、セルバチカ(ワイルドルッコラ)は花を摘むことで収穫は延ばせます。ただし、ワイルドルッコラは辛いので好みが分かれます。
●トウがたつと新しい葉っぱが出にくいため収穫はおしまい。花を咲かせて、この種子を蒔いて次のルッコラを収穫するといいです。トウも食べられます。

収穫

株ごと収穫するなら…
種まきから1ヶ月〜2ヶ月で、草丈が20〜25cmで株ごと収穫するのが一般的。ルッコラは株が育ち、気温が上昇するとトウが立って花が咲き、トウが立つと葉っぱが硬くなって苦くなってしまうので、その前に株全体を収穫するのが一般的です。この場合は、プランターや畑に時期をずらして種まきして、随時収穫すれば継続してルッコラを食べられます。
随時収穫
葉っぱの外側から収穫することができます。外側から収穫する場合は長期間収穫できます。この場合は蕾を摘んで花を咲かせないようにする摘蕾作業も並行して行います。随時収穫は主に秋蒔きで行います。

どっちが正しいということはなくて、「あなたの消費スタイル」の方が大事だと思いますよ。大量に食べるのであれば、株ごと収穫。その都度、少量しか消費しないなら随時収穫ですね。
●茹でたり炒めると苦くなる。生で食べるのが一般的。サラダがいいです。
●油で炒めると辛さは和らぐ。
●大量に収穫できたらミキサーでジェノベーゼソース、ルッコラペーストをどうぞ。
●ルッコラには二種あり、一つは一般的なルッコラ。もう一つは宿根草でワイルドルッコラ(セルバチカとかロケットソバージュとか)と呼ばれる種類で、非常に苦い。イタリアではワイルドルッコラの方が好まれるが、すごく辛い。

種の採取

サヤが熟して茶色になったら、摘んで、ほぐして封筒に入れて暗所で保存しておく。一粒が非常に小さいため、面倒です。種子が大量に取れるので、種子からスプラウトを作ることも可能です。
●連作障害があり、こぼれダネで発芽すると病害虫がより発生しやすくなる。

おいしいルッコラのコツ

美味しいルッコラ栽培のコツを箇条書きでまとめておきます。
味がエグイ→肥料を減らす

辛い→株が古い、日光が当たりすぎ、油で炒めると和らぐ、新芽を食べるようにする、水やりを増やす

硬い→トウが立った、日光が当たりすぎ、株が古い、新芽を食べるようにする、水やりを増やす

収穫量が少ない→もっと種子を蒔く、日当たりで管理、摘芯する、追肥する

風味が薄い→収穫が早い、日当たりで管理、追肥する、逆に肥料を減らす、水やりを減らす、プランターではなく地植えにする

病害虫

病気はほぼ発生しないが、害虫がわんさか発生します。食べるものなので、農薬は使いたくないでしょうから、プランターで栽培して防虫ネットを張ってしまうのがよいです。地植えの場合もネットを張るといいです。やらない場合は、穴だらけになります。

半日陰でも問題ないので防虫ネット(寒冷紗でも)で覆うといいです。ルッコラの上にトンネル支柱を立てて、防虫ネットをかけます。ネットに隙間ができないように端っこをUピンなどでコテします。また、防虫ネットにルッコラの葉っぱが当たるとそこに虫が外側から卵を産むので、触れないようにします。ルッコラは夏の暑さに弱いので、防虫ネットで蒸れるようなら外してください。
アブラムシ
ルッコラの茎にもぐれついて汁を吸う。戸外で栽培する限りは発生する。防虫ネットで予防するのがいいです。

エカキムシハモグリバエ
葉っぱの中に卵を生みつけ、卵から孵った幼虫が葉っぱの中を食べ進むため、その部分が白い線となって残る。

ヨトウムシ
夜になると出てきて葉っぱを食べる。糞が転がっているのに、虫が見当たらな場合は土の中にコイツがいる。土をほじると、ヨトウムシがいるので捕殺しましょう。

青虫(モンシロチョウの幼虫)
モンシロチョウが飛んできて、葉っぱの裏に卵を産む。これが孵って幼虫が葉っぱを食べる。めちゃくちゃに食べ尽くすため、あっというまに丸坊主になる。見つけ次第、捕殺しないとやばいです。

特徴・由来・伝承

ゴマのような風味と絡みと苦味があるハーブ。野菜として食卓に出ることが増えてきています。家庭でも育てられます。英語・フランス語ではロケット。イタリア語でルッコラ、もしくはルーコラと呼ばれます。

ホレ薬の効果があると信じられていた。
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