キャベツの育て方
目次
キャベツとは?栽培基礎知識栽培計画水やり年間作業管理場所・日当たり雑記病害虫特徴・由来・伝承雑記関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- キャベツ
- 科名
- アブラナ科
- 属名
- アブラナ属
- 学名
- Brassica oleracea
- 別名
- 甘藍
- 水やり
- 水を好む
- 場所
- 外の日なた
- 難易度
- 上級者向け
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キャベツとは?
キャベツは
アブラナ科の野菜。本来は
多年草で、理屈上は栽培し続けることができる。誰もしないけど。βカロテンやビタミン C、ビタミン B1、ビタミン B2、ビタミンK、ビタミンU、葉酸、カルシウム、
カリウム、食物繊維など栄養素が含まれる。キャベジンはキャベツの整腸成分を含んだ薬です。
このページではキャベツ全般の育て方についてまとめています。キャベツには春蒔き・夏蒔き・秋蒔きとあり、それぞれの栽培方法・コツには違いがあるので各ページを参考にしてください。
ユーザーによる投稿のコラムです。ぜひ、読んでください。
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栽培基礎知識
育てるのは簡単なのですが、食べるために収穫と言うとなかなか骨が折れ、経験が必要です。ある程度、
家庭菜園で経験を積んだ人が挑戦する部類です。
初心者はネギ・
チャイブ・
ゴーヤ・
キュウリ・
トマト・
ジャガイモ・
サツマイモ・
ニンニクなどから挑戦してください。
キャベツは生育温度は15度〜25度で涼しい環境を好む。種まきから収穫までは4ヶ月前後です。真夏は寒冷地・高冷地でしか生産されなくなります。一般家庭でも春(4月に苗を植えて6月に収穫)と秋(前年の11月に植えて4月に収穫)に育てますが、春はアオムシが発生しやすいです。
●キャベツの葉っぱを食べて育った青虫が、蝶になりキャベツの花の受粉をする。両者は共生関係にあるのでアオムシは発生しやすい。
●ある程度の大きさに育った苗が低温に合うと
花芽分化を起こしてトウがたつ。低温は品種によって違いますが、最低気温が10度以下、一番反応しやすいのが5度前後、これが1ヶ月ほど続くとトウが立ちます。秋蒔きの場合は、年内は
肥料を控えます。
●13度〜20度で結球する。高温(28度以上)や低温(7度以下)では結球せず、玉も太らない。
栽培計画
キャベツは春蒔き・夏蒔き・秋蒔きとあります。
春蒔き…種まき2月〜3月→植え付け3月〜4月→6月〜7月収穫 発芽温度が15度〜30度と高温で苗を作るのは一般家庭では難しい。保温して発芽させる。
夏蒔き…種まき7月〜8月→植え付け8月〜9月→収穫11月〜12月 発芽温度には充分達しているが、発芽後の新芽が暑さに弱いために日除けして出来るだけ涼しく管理する必要がある。植え付けから収穫までが早く、春蒔きよりは栽培は容易。
秋蒔き…種まき10月〜11月→植え付け11月→収穫4月〜5月
害虫が発生しにくく、
春キャベツは美味しい。冬越しは出来るだけ小さな苗で越すのがコツです。年を越してから1回目の追肥をし、春になってから2回目の追肥をする。
水やり
水やりは土が乾いてからします。水をやりすぎても腐ってしまいますが、水不足も生育不良を起こす原因です。特に夏場は乾燥が激しく、朝と夕方の二回、しっかりと水をやります。その他の季節に関しては土が乾燥したら水をやるようにします。どちらかというと乾燥気味に管理した方が葉っぱが締まりますし、水やりが多いと黒腐病、萎黄病、菌核病といった
病気にかかりやすくなります。
●水やりが多いと葉っぱが緩くなる。また、苗は徒長しやすい。
●水やりが多いと葉っぱが緩くなりがちですが、葉のつまり具合は品種にもよる。
年間作業
種まき
種子から育てるものですが、一般家庭では苗を買って育てます。種子から育てる場合は、ポットやシードパンなどに種を撒いて間引いて苗を作ってから植えます。
セルには1区画に2粒の種子を入れて、覆土し、水をやります。乾燥しないようにしていると4日で発芽します。朝、水をやって夕方にちょっと乾いているくらいが好ましい。夜に水がたくさんあると徒長しやすく、徒長した株は後の生育に悪い影響があるので。ただ、乾燥しやすく、完走すれば枯れてしまうので、乾燥予防のために新聞紙をかけるといいです。
ポットならば、種子培養用の土を入れ、深さ1cm直径3cmの穴を作って、そこに種子を3粒〜4粒入れます。種子は離して入れましょう。あとは土をかけ、水をしっかりとやします。乾燥しないように管理していると4日ほどで発芽します。発芽したら間引き、本葉が出たら一本立てに間引きます。本葉が3枚か4枚になったら植え付けします。
●間引き菜は食べない。食べられなくもないが、硬くて美味しくない。別のポットに植えれば新株になってちゃんと育ちます。
●余った種子は冷蔵庫で管理すれば長期間(数年)保つ。
●発芽後に柔らかいハケで葉っぱを撫でると、エチレンガスが出て伸長抑制され、徒長が防げます。
鉢植え・プランター
65センチの
プランターなら二株植えます。それでも大きくは育ちません。かなり小ぶりのキャベツになります。直径30センチ以上の丸い鉢に一つ苗を植えるくらいが大きく育ちますのでやってみてください。
用土は市販の花と野菜の
培養土を利用します。できればこの培養土に
赤玉土を2割ほど追加して
水捌けをよくしたものを使います。
鉢の底の穴を網で塞いで、その上に
軽石を3cmほど入れます。その上に用土を入れ、キャベツの苗を入れて、隙間に土を入れ、最後に水をしっかりとやって完成です。キャベツの苗は深植えにしないようにします。
●プランターなら、早生種なら株間30cm、中生晩成種なら40cmを目安に、二株を植えます。基本的にプランターでも育つが、大きな鉢一つに1苗を植えるか、地植えがよいです。
●鉢やプランターはできるだけ「深い」ものを用意する。
土づくり
キャベツはpH6.5〜pH7.0を好みます。
地植え(畑)の場合は、深さ30cmほど掘り返して
苦土石灰をまいておきます。中和反応に1週間ほどかかるので、1週間後に元の土に対して2割か3割ほどの
腐葉土か
堆肥と1平方mあたり100gの化成肥料を入れて、よく耕して用土とします。
●
石灰と有機物・肥料が混じると化学反応を起こしてしまうので避けます。
有機石灰であれば、化学反応は緩やかで済みますので、一緒に入れても問題ないです。
●化成肥料をやらず、牛糞堆肥を1平方mあたり10キロ入れて土を作ってもいいです。この場合、今後の追肥もなくていいです。また、これだけ堆肥を入れると以下の
連作障害もかなり緩和されます。
連作障害
過去に二年の間にアブラナ科の植物を植えていた場合は連作障害を起こし、根コブ病を起こしやすくなります。アブラナ科の植物をチェックしておきましょう。プランターで植える場合は、必ず新しい土に入れ替えます。
地植えの手順
高さ10cm幅40cm〜50cmの畝をつくり、早生種であれば株間を40cm、その他の種であれば株間を50cm空けて植え付けします。キャベツは他の植物の生育を阻害する物質を分泌していて、株同士が近いとお互いに生育不良を起こして小さくなりますので、上記の株間を空けてください。
2条にすると、条の間に肥料を埋めるとやりやすいです。
●早生系は畝は1条40cm、株間40cm、畝の高さ10cmほどの畝を作る。
●早生系以外(晩成・中生)は1条50cm、株間50cm、畝の高さ10cmほどの畝を作る。
追肥と土寄せ
キャベツの大きさは外葉の大きさに比例します。まず外葉が生育し、結球しはじめるまでに生育した外葉の大きさがキャベツの大きさを左右します。そこで外葉が大きくなるように、植え付けて2週間から3週間ほどで肥料をやり、しっかりと日に当てることで生育を促します。次には結球する前に肥料をやります。
肥料は1平方mあたり50gほどを撒いて、軽く耕し、土寄せします。土寄せはキャベツの株元に土を寄せて、露出した茎を隠し、グラグラしないようにします。耕すことで
雑草が生えるのを防ぐ意味もあります。
●カルシウムが不足すると葉先が枯れこむ。苦土石灰で補充しましょう。
2回目の追肥
結球する前に一回目と同じように肥料をやります。
結球が予定より遅いのは、1回目の肥料が少ないか、日光が少ない・温度が低くて生育が鈍いなどで、外葉が生育していないからです。
収穫
何かに食べられたわけでもないのにバリと裂けたら、それは「収穫が遅い」の合図。キャベツは花を咲かそうと葉っぱをカチ割ってトウを伸ばします。こうなる前に収穫しましょう。
ただ、割れたからって食べられないわけじゃないので気にしないでもいいです。ただ、割れたら腐り始めるので、即収穫しましょう。
触ってみて手ごたえがあったら収穫します。外葉を残すように、刃物で芯を切って、手で押して折って収穫します。外側の葉っぱが黄色くなってから収穫してもOK。収穫時期の目安は品種によって違うので、品種を生産した種苗会社のサイトをチェックするか、種や苗の説明書をチェックしてください。春キャベツなら緩く巻いた状態でも大丈夫。ある程度大きくなったら収穫してかまいません。
管理場所・日当たり
日当たりで管理します。生育する温度は15度から20度。高温になっても、低温でも生育は止まります。
雑記
結球しない!
キャベツには品種が沢山あって、夏植え用、秋植え用、春植え用とあり、それぞれに地域に対応した品種が出回っています。夏植えは初冬までに収穫するもので、冬までにしっかりと生育していないと収穫を逃し(逃すというか、収穫すべきか分からなくて見逃しというのが本当ですね)、寒さに当たって花を咲かせてしまいます。そこで秋植え以外は目的の時期に収穫するために、肥料をしっかりとやって育てます。
病害虫
菌核病
4月5月と10月11月に発生しやすい。キャベツの葉の表面に白いカビがわく。白いカビの中心に黒いものがみえるます。発見次第、株ごと廃棄します。放置していると他の株まで被害が広がります。特に春によく発生し、雨が多いとよく発生する。薬剤を散布して予防する。
黒腐病
雨が多いと発生する。キャベツが黄色く変色していく。発見次第、取り除いて廃棄する。
台風後に病気が広がりやすい。薬剤で予防するしかない、発症したら治癒は不可能。
軟腐病
結球し始めることに発生し、腐って悪臭がする。雨・水やりが多いと発生しやすい。発見次第、取り除いて廃棄する。水やりを控えることで予防はできる。
根コブ病
根にコブができて、徐々に生育不良を起こして腐ったりもする。
酸性土だと発生しやすい。
アオムシ
モンシロチョウの幼虫でキャベツとは共生関係にあるが、苗のうちはほぼほぼ食い尽くされるので、見つけ次第駆除する。もしくは防虫ネットをしましょう。
シンクイムシ
アブラナ科植物を食べる
ダイコンシンクイムシがキャベツの芯を食べる。芯を食べられると成長が止まり、キャベツが大きくならなくなるので発見次第、駆除します。
ナメクジ
気温が上昇して湿度が高くなる梅雨前後によく見かける。誘引剤で取り除く。ナメクジは寄生虫を持っていて、歩いた後の葉っぱも食べるのは危険。洗えばいいのだけど、一枚一枚丁寧に洗うのは面倒なので、やっぱり農薬を使った方がいい。薬剤はパダン水溶剤など。
ヨトウムシ
夜になると土中から出てくる虫で、葉っぱを食べる。夕方に懐中電灯を持って待っていると出くわすので、摘んで踏み潰す。防虫ネットをしても土中なので被害は止められない。
特徴・由来・伝承
ケール・
カリフラワー・メキャベツ・
ブロッコリーと同じ品種から派生した野菜。アブラナ科で収穫せずに放置していると、
菜の花のように、トウが立って花が咲きます。
フランス語でシュー。シュークリームのシューは形が似ていることから来ています。ただし、フランス語のシューはキャベツだけでなく、似たような野菜・植物――白菜(ハクサイ)や
葉牡丹を含んだもの――の総称です。
雑記
●ヨネポンは黒腐病・軟腐苗に効く。
●乾燥で苗をカリカリってのは全滅する要因。しかし、水やりが多いとナメクジが食べにくることもある。
●基本的に作るより買った方が安いけど、趣味のガーデニングでそんな無粋なことは考えない。作るという作業を楽しむものです。
●連作すると根コブが出やすい。根コブ病は石灰窒素を撒くことで多少は抑えられる。
●キャベツの表面には小さな毛が生えていて濡れにくい。農薬を撒く場合は展着剤が必要。
●
オルトランやマラソンは効かないでもないが、耐性がある虫も多く、効かないことが。
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