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にんにく(大蒜)の育て方・栽培

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ニンニク
目次
にんにく(大蒜)の栽培
生育サイクル
にんにく(大蒜)の水やり
栽培可能地域
作業
病害虫
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学名などの基礎データ
ニンニクの開花時期…植え付け・植え替え時期…肥料時期…月別スケジュールです。最終更新
植物名
ニンニク
科名
ユリ科
属名
ネギ属
学名
Allium sativum
別名
大蒜・葫
水やり
水控え目
場所
外の日なた
難易度
中級者向け
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にんにく(大蒜)の栽培

ニンニクはユリ科球根植物。秋(9月10月)に植え付けて、梅雨前に収穫する。病害虫に強く、乾燥に強く、日光と肥料が十分あれば放置していても大量に収穫できる。

庭植えでもプランターでも収穫可能なありがたいもの。スーパーで売ってる国産ニンニクが高いので、これを植えて家庭菜園して収穫するとコスパがいい。

最初に栽培のまとめ

●ニンニクはユリ科の球根植物。
●秋(9月10月)に植えて梅雨前(5月6月)に収穫する。
●日当たりで栽培する。
暖地中間地は南方系を、寒冷地は北方系品種を。
●2月に肥料をやる。肥料が少ないと葉が黄色になる。
●庭植えなら植え付け後1週間から2週間は水をやるが、その後は放置で十分。
●プランター栽培の場合は土が乾いたら水をやる。

自家製ニンニクの保存方法ニンニク栽培の注意事項家庭菜園で栽培できるコスパの良い野菜
ニンニクはウリ科メロンスイカキュウリカボチャなど)の近くに植えるとお互いの害虫を忌避し、ウリ科の立ち枯れ病・ツル割れ病を予防する。詳細はコンパニオンプランツを参考に。
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ニンニク:生育サイクル
9月〜10月に球根を植えて、冬を越し春になって生育し、5月〜6月に葉っぱが黄色くなってきたら収穫します。

球根になっていていくらでも保存できるのもニンニクのいいところ。植えるのは秋だが、分球するは5月から6月。

早く収穫するとほとんど分球していない、という悲惨なことになるので注意。焦って掘り返さないこと。
植え付けたら水をしっかりとやり、葉っぱが2枚しっかり出て4枚になるくらいまでは乾燥しないように水をやってください。その後は畑植えにした場合はほぼ水やり不要。ただしあんまりに乾燥するようならば水をやってください。
●葉っぱがしおれていたら根腐れを疑う。水はけが悪かったか、水やりが多かったか。春以降、雨の日が続くと地植えでも根腐れをする。根腐れすると収穫したニンニクから腐った匂いがする。
●ニンニクは収穫が近くなると自然と葉っぱが元気が無くなる。病気か、収穫時期かよく考える。
●逆に雨が少ない年は水切れしないように気を付ける。
北海道から九州まで栽培可能です。

日当たりのよい所で育てます。

ニンニクには各地域の品種があり、北方系と南方系に分かれる。暖地・中間地は南方系の品種(例えば嘉定)などを植え、寒冷地は北方系(例えば福地ホワイト六片など)を植えるようにする。北方系でも暖地で栽培は可能だが、病気にかかりやすく難しい。
ニンニク栽培の注意事項の品種の項目を参考に。

作業

9月〜10月に植え付けます。気温が25度以下になったら植える。
●雪が降る地域では10cm以上に生育すると雪のダメージをくらうため、植え付けはギリギリにした方がいい。根を伸ばし、地表に芽をちょっと出した状態で雪に当たるのが理想。

●寒さに当たらないと分球しづらい。なのでしっかりと冬越しさせないといけない。品種によって低温要求時間が違う。北方系の方が低温要求時間が長くなり、南方系は少なくても分球しやすい。植え付け前に2ヶ月ほど冷蔵庫で保存しておくと分球しない問題は回避できる。

●春に植える人もいる。春に植えると寒さに当たっていないため分球しづらく、トウが立ちやすいが、育たないことも無く、収穫はできる。ただ秋植えには到底かなわない。
元肥は栽培の基本となる肥料のことで、ここでは植え付けの時に土によく混ぜる肥料のこと。肥料は油かす+骨粉でもいいが、鶏糞がオススメ。

プランターで育てている場合で「花と野菜の培養土」を使っているなら最初から肥料が入っているのでそれで十分。できれば少し肥料を追加するといいです。
●肥料不足だと葉が黄色くなる。不足気味なら一ヶ月に一回、鶏糞をやることもある。

●ニンニクの香りを強くするには硫黄分があるといい。鶏糞には硫黄成分がある。もしくは硫安でも。

●5月以降は肥料をやらない。根腐れのもと。

●肥料のタイミングは人それぞれ。

●ニンニク用の肥料がある。固形肥料で丁度いいタイミングで溶け出すように出来ている。

●逆に肥料が多いと二次成長して、黄色い葉っぱになる。二次成長は鱗片を包む葉っぱが成長しているだけなので、放置でいい。
畑で栽培する場合は、植える一か月前に完熟たい肥(1㎡に堆肥2キロ)、もしくは鶏糞をしっかりと混ぜておき、土に馴染ませておいて、植える一週間前に土に苦土石灰を撒いて混ぜておきます。プランターの場合は市販の花と野菜の土を利用します。
●追肥は場合による。植え付け後、毎月緩効性肥料を追加する人もいる。普通は秋に植えたら2月に固形肥料を一回で十分。あとは葉っぱの様子を見て随時やる。

腐葉土は肥料ではない。少なくともニンニクにとっては物足りない。

●肥料が少ないと生育が鈍くなり、トウ立ち、葉っぱが黄色くなるなどの収穫のサインが出ない――というか収穫できるほど育たなくなる。必ず肥料をしっかりと。

●通気性を確保するために用土に籾殻を混ぜるといいかも。雨が多いと腐るので。
球根は深く植えるため、発芽前に酸素不足で腐ったり、発芽まで2ヶ月かかることもある。水につけてから発芽させてから植えるといい。

植え付け前に、ニンニクを水につける。バケツなどに水を張って一晩漬けるだけ。水につけると芽が出る。芽が出ると臭いし、室内で芽出しすると日光不足で茎が白くなるので戸外でやるか、人が生活していない室内の日当たりで。

発根しても芽が出ないこともあるので、必ず芽が出てから植える。

ニンニクは収穫してから2ヶ月から3ヶ月は保存されている。その間にニンニクは休眠している。この休眠を打破することで発芽するが、「ニンニクの休眠打破」の方法はハッキリとはしていない。

そのまま植えても発芽はするが、そのまま植えると発芽が一定ではなくバラつきがあり、まぁまぁの確率で発芽しないものもある。そこで三十時間ほど水につけておくと発根するので、発根したものから植え付けると発芽が一定する。薄皮は剥いてもむかなくてもいい。

この「水につける」作業をしていないと発芽まで1ヶ月かかることもある。
●この作業はやらない人も多いので面倒なら省略。

●スーパーで売ってるニンニクには「発芽抑制剤」が使われているので発芽しない!という意見もあるが「発芽しにくい」だけで「全く発芽しない」わけではないです。水につけることで発芽抑制剤を洗い流しているのかもしれない。
ニンニク:植え付け

ニンニク:植え付け
畑で畝を作る場合は15センチ間隔で植えます。プランター植えする場合は60センチのプランターで4個です。種ニンニクを一片ずつに分けて、芽が出る方を上にして植えます。皮は剥きません。

芽が出る方を上にするなんて当たり前と思うかもしれませんが、個体差があってどっちが上か分からなくなるかもしれませんので気をつけましょう。間違えると芽が出ません。出ても地上部まで来ない。

深さは6センチから7センチ程度…実際には計って植えるわけではありませんから適当です。
●春(3月ごろ)にホワイト六片を植えると6月には三つに分球くらいは収穫可能。放置して腐らせるくらいなら植えるべき。ただし暖地は無理。秋まで待つべき。

●ニンニクのあとにエダマメを植えると根粒菌がつきづらいため生育不良を起こす。これはニンニク栽培では畑の窒素を全て消費してしまうから。土に窒素肥料を追加すれば根粒菌がちゃんとつく(根粒菌をつけるためには元肥にある程度の窒素が必要なため)。

●一定量は芽が出ない。腐ったり、消えて無くなっていたり。芽が出ているがまだ地表に届いていない…ってのもある。ダメなのは掘り返して新しいのを植え付ける。水に一晩つけて発芽・発根したものから植えるといい。
雪が解け、秋に生えた葉っぱが枯れて、春に新しい葉っぱが出る頃に固形肥料を根本に撒くか、プランターの場合は液肥を一週間に一回程度あげます。肥料が少ないと葉っぱが黄色くなり、生育不良→収穫減になる。

肥料は冬にしっかり効かせて春に肥料を断つと春以降の病気が抑えられ、烈球しにくくなるので、肥料は追肥なしの元肥だけでもいい。あくまで各人の判断で追肥する。これは土の成分や気候によるので答えはないです。

また、肥料(窒素)が残ると苦味が出るので肥大する時期(5月前後)は肥料を断つのが通常。
●肥料の濃度は8-8-8で。14-14-14でもいいけど。

●中間地では2月〜3月に肥料をやって4月までに肥料が切れるのが理想。寒冷地では収穫は6月以降になるので調節して追肥する。

●マルチの上から肥料をやってもいい。雨が降れば、マルチの穴に流れていく。不安ならホウキかなにかで穴に落としていく。

●元肥のみを「コツ」と主張する人もいるし、追肥は必須という人も。こういうのは畑の残った肥料や品種や環境や土によって全然違うので各人で判断しましょう。
春以降は雑草をしっかりと摘む。雑草に日光を取られて、ニンニクが太らなくなる。冬に雪が積もらない地域は冬も雑草抜きをする。

この時期(4月前後)に肥料不足が明らかならば、即効で効いて、肥料が残りにくい液体肥料を使う。緩効性肥料を使うと分球時期に肥料が残って苦くなるので。
花が咲くと種子をつくろうと栄養を回し、球根が痩せたり、分球(球根が分れること)しにくくなります。花が咲く「トウ」の部分が伸びてきたら即効で切ってしまいます。
花芽がニョキニョキ出る状態のことをさします。この花芽の茎が「ニンニクの茎」としてスーパーで並ぶもの。これもおいしいので、抜いて食べてるのも手。
●極早生は3月下旬〜4月初旬にはトウ立ち(抽苔)する。
収穫時期は問題です。トウがたったらとか、葉っぱが黄色くなってからとか、いろいろありますが、結論としては「梅雨(6月下旬)までに」です。長雨に弱いので、雨の前に収穫しましょう。そのときにトウが立ってなかろうが、葉っぱが青々としてようが関係ないです。長雨に当たれば腐ります。腐れば半年の苦労が水の泡。

保存方法は自家製ニンニクの保存方法を参考に。
●明らかに分球していないなら放置という手もあります。涼しく水はけがいいなら、上手くすると夏越しし、来年以降、大きく生育することも。
●本体のニンニクのすぐ上にある小さいのは「ムカゴ」。秋に植えると株を増やせるが、普通は本体のニンニクで増やす。ムカゴから増やしてまともに収穫するには2年かかる。
●黒ニンニクは炊飯器で作る。ただし、その炊飯器はニンニクの臭いがついて、普通のご飯は使えない。
病害虫
病害虫は発生しにくい。そこが家庭菜園向き。最大の敵はサビ病ベト病も発生するが、問題になるのはとにかくサビ病。

サビ病
サビ病になる。風通しが悪いと発生しやすい。サビ病は葉っぱがオレンジの錆(さび)のような状態になる。葉っぱが紫というか赤っぽいのは品種の特徴で病気ではない。サビ病がひどくなると光合成できず、肥大せずに枯れる。雑草を抜き、風通しをよくし、生育が極端に悪い株は取り除くことも考える。ネギにも移る。
予防にZボルドー。定期的にカリグリーンを散布する。アミスター・ダコニール1000などでもいい。
●赤錆と根腐れ対策にマラソン・ジマンダイセン。
●サビ病は状況がひどくないなら、地上部だけなので放置してもいい。
●サビ病は発生するので気温が上がってきたらZボルドー・暖かい時期に植えていると…植え付けが早いと発生しやすい。
●薬剤は「展着剤をいれるな」と書いてなければ入れる。
●ニンニクのサビ病は基本的に春に発生するが、暖冬の年は11月12月にもちょっと出てくる。春になると本格的に発症する。
●治療薬のアミスターは耐性がつくので、予防につとめ、ローテーションで使う。
スギナをすきこんだらサビ病が発生しにくいらしい。スギナの殺菌効果のため。


ヨトウムシ
ヨトウムシは米糠を上手く消化できず、米糠を食べると死ぬ。米糠をまいているとヨトウムシは駆除できるが、ナメクジなど別の虫がやってくる。
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