春蒔きキャベツの育て方
目次
春蒔きキャベツとは水やり管理場所・日当たり育苗(2月〜3月)植え付け(3月〜4月)病害虫対策にネットを1回目の追肥2回目の追肥収穫(6月〜7月)病害虫関連記事学名などの基礎データ
x最終更新- 植物名
- 春蒔きキャベツ
- 科名
- アブラナ科
- 属名
- アブラナ属
- 学名
- Brassica oleracea
- 別名
- 夏キャベツ
- 水やり
- 水控え目
- 場所
- 外の日なた
- 難易度
- 上級者向け
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春蒔きキャベツとは
ここでは春蒔きキャベツについてまとめています。春蒔きキャベツは2月〜3月に種まきして苗をつくり、3月〜4月に苗を植え、6月〜7月あたりに収穫する
キャベツです。冬に苗を作るためには加温が必要ですし、春に植え付けると虫・
病気が発生しやすく、キャベツの中では栽培難易度が一番高いです。
初心者は夏蒔き・秋蒔きから始めましょう。
まとめ
●虫除けネットをやるか、農薬を散布する。数が少ないならネットで。
●2月〜3月にタネを巻いて育苗し、苗を作る。
●3月〜4月に苗を植える。
●植え付けて2週間〜3週間後に追肥。
●結球前に2回目の追肥。
●6月〜7月に収穫。
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水やり
キャベツはもともと高冷地の野菜で、涼しく乾燥気味を好みます。収穫が6月〜7月あたりになり、キャベツの性質にはあんまり適していない時期です。
水やりは乾燥気味を心がけましょう。
土が乾いていたら水をやります。水をやりすぎると葉っぱが緩くなりますし、黒腐病、萎黄病、菌核病といった病気にかかりやすくなります。
管理場所・日当たり
日当たりで栽培します。
育苗(2月〜3月)
種子から育てる場合は、まず育苗箱で箱まきをします。深さ1cmの水を掘って、そこに1cm間隔で種子をまきます。土をかけて水をやっていると4日ほどで発芽します。乾燥すると発芽しないので、新聞紙などを被せておくといいです。できれば夕方以降はちょっと濡れているくらいだといいです。夜に水がびしゃびしゃだと徒長しやすいです。双葉が出たら、間引いて半分にして、本葉が出たら4cm間隔で一本くらいに間引いて、本葉が3枚か4枚になったら、植え付けできます。
ポットでは直径3cm深さ1cmの穴を掘って、そこに3粒ほどまき、土をかけて水をやります。発芽までは4日かかりますので、その間は乾燥しないように気をつけます。ポットも同様に新聞紙をかぶせて乾燥予防するといいです。発芽したら半分に間引いて、本葉が出たら一本立ちに間引きます。本葉が3枚か4枚になったら植え付けできます。
●キャベツの間引き菜は食べない。硬いから。間引いたものを植えると根付いて株になりますよ。
植え付け(3月〜4月)
土づくり
鉢植えでも地植えでも栽培可能。一般家庭では直径30cmの
尺鉢に苗を一つ植えて栽培すると、防虫ネットもかけられて便利。植える時は深植えしないように気を付ける。
地植え(畑)の土づくり
植え付けの2週間前に深さ30cmほどを掘り返して
苦土石灰をまいて中和します。植え付けの1週間前に元の土に対して2割〜3割ほどの
腐葉土か
堆肥を混ぜ、化成
肥料を加えて
用土とします。
キャベツは中性〜
弱酸性の土を好み、
酸性に傾くと根コブ病が起きやすくなうるので苦土石灰は混ぜましょう。ただ、毎年マルチをしていると
石灰が土中に残って、気がつくと土がアルカリ性になって、生育不良を起こします。酸度計などでチェックしてみましょう。
鉢植えの用土
一般的な花と野菜の
培養土か、この培養土に
赤玉土を2割ほど追加してよく混ぜて用土とします。もしくは赤玉土7腐葉土2
バーミキュライト1を混ぜたものを使います。
植え付け
地植え(畑)の植え付け
高さ10cm幅40cm〜50cmの畝をつくり、株間を40cm〜50cm取って苗を植え付けます。キャベツは他の植物の生育を阻害する物質を分泌していて、株同士が近いとお互いに生育不良を起こして、一個づつが小さくなりますので株間を空けてください。
早生系は畝は1条40cm、株間40cm、畝の高さ10cmほどの畝を作る。
早生系以外(晩成・中生)は1条50cm、株間50cm、畝の高さ10cmほどの畝を作る。
鉢への植え付け
鉢の底の穴を網で塞いで、その上に
軽石を3cmほど入れます。その上に用土を入れ、キャベツの苗を入れて、隙間に土を入れ、最後に水をしっかりとやって完成です。キャベツの苗は深植えにしないようにします。
●キャベツはアレロパシーという他の植物の生育を阻害する成分を分泌していて、近くの植物が生育しにくくなる。一緒に
ジャガイモを植えると生育しづらい。芋も小さくなります。
病害虫対策にネットを
一般家庭の収量程度なら、防虫ネットで虫除けをするといいです。防虫ネットにキャベツの葉が触れると、ネットの外から卵が生みつけられて被害を受けるので、ネットは余裕を持って張る。虫以外にもヒヨドリ・ムクドリがキャベツを食べにくる。こいつらは収穫直前のドンピシャで食べにくるので、メチャクチャ腹が立つ。防虫ネットは鳥よけにもなりますよ。
ネットは0.6mm以下の目合がよい。0.25mmだとなお良いです。ただ、0.25mmはお値段が…。目が大きいと虫にすり抜けられる。
●防虫ネットも農薬も使わないでいると、散弾銃で打たれたような、レース生地のような穴だらけの葉っぱになる。外葉に穴が開けばその後の結球・生育もあやしくなるので、何かはしないといけない。
●猪に掘られることもある。キャベツを食べるのではなくて、掘って
ミミズを食べるのでキャベツ自体には被害はあんまりない。
1回目の追肥
春蒔きは植え付けしてから2週間〜3週間で1回目の追肥をする。この時期に肥料をやることで外葉を育て、この生育によって結球が大きくなります。重要な作業です。キャベツから少し離れたところに穴を掘ります。土を被せて肥料が流れないようにするといいです。この追肥には土を耕して
雑草を取り除く意味もあります。
化成肥料を1平方mあたり50g、追肥。結球が始まる前に一回、化成肥料を1平方mあたり50g、追肥します。そのついでに土寄せもします。土寄せしないと、茎からニョキっと伸びて結球して不安定になる。葉っぱが折れたり、玉が倒れたり。また、いくらか腐りにくくなるので土寄せはやるべき。雑草の予防にもなる。
●肥料が多いと割れやすい。
2回目の追肥
●葉っぱが20枚くらいになったら結球する。
●収穫後はトラクターで土にすき込むといい。放置していると病気になり、病気になってからすき込むと土に病気の菌を残すことになるので早めにする。
●外葉がある程度経って、黄色くなるのは生理現象。放置していると腐って病気の原因になるのでできるなら取り除くといいです。
収穫(6月〜7月)
玉を押さえてみて、葉っぱがギッシリ詰まってる感じがしたら、収穫しましょう。放置しているとトウが立って、玉が割れます。玉が割れても食べられないわけじゃないんですが、収穫が遅かったのは間違い無いです。
外葉と球の間にナイフを刺して、芯を切って、玉を手で押すとバリっと折れて収穫できます。外葉は放置でもいいですが、放置していると病気になって、その病気が他の株に感染するので、ちぎって土の中に埋めておいた方がいいです。
病害虫
蝶の幼虫
モンシロチョウが卵を生みつけ、芋虫が発生する。苗が小さい頃に生みつけられると丸坊主になりかねないです。防虫ネットで覆うか、薬剤で駆除します。キャベツは外葉を食べられると後の成長が鈍くなるため、なんらかの対処は必要です。
モンシロチョウの幼虫はキャベツの葉を食べる代わりに、モンシロチョウが受粉しますので、モンシロチョウとキャベツは共生関係にあります。ただ、キャベツを栽培する上では、食べられたくないし、花も咲いて欲しくないのでただの
害虫です。
菌核病
4月5月によく発生する。白いカビがはえ、その中心に黒いものが見える。発生した時点では…目に見えるところまで進んだら、もうどうにもならないため、他のキャベツに感染る前に株全体を廃棄するしかない。苗の時点で…前もって消毒しておくとある程度は予防できるが、基本的には「水やりが多い・
水捌けが悪い・悪天候(雨が多い)」などが原因。
軟腐病・黒腐病
水やりが多い・水捌けが悪い・悪天候(雨が多い)と発症しやすい。消毒することで予防できる。感染したら他の株に感染しないように、廃棄するしかない。
ナメクジ
梅雨前後の湿度が高まると発生する。誘引剤などで駆除する。
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