コンロンカ(ハンカチノキ・ムッサエンダ)の育て方
目次
コンロンカとは?庭植えの水やり鉢植えの水やり肥料植え付け・植えかえ・挿し木管理場所・日当たり剪定病害虫特徴・由来・伝承関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- コンロンカ
- 科名
- アカネ科
- 属名
- コンロンカ属
- 学名
- Mussaenda parviflora
- 別名
- ムッサエンダ・ハンカチの花
- 耐寒
- 5度
- 水やり
- 水を好む
- 場所
- 冬は室内 夏は外
- 難易度
- 上級者向け
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コンロンカとは?
コンロンカは
アカネ科ムッサエンダ属(コンロンカ属)の常緑
低木。白いひらひらとした花(実際は萼片)を咲かせる熱帯性の植物で、独特の雰囲気があって人気があるのですが、冬越しがなかなか困難で、ある程度ガーデニングの経験がある人でないと難しいと思います。
樹高50cm〜200cm
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庭植えの水やり
庭植えの場合は、年間を通して、自然に降る雨だけでほぼ大丈夫。ただし、夏は乾燥で水切れするので様子を見て
水やりをしてください。
鉢植えの水やり
鉢植えの場合、春から秋にかけては土が乾いていたら水をしっかりとやります。受け皿の水は捨てます。受け皿の水が腐ると
根腐れの原因になります。春や秋、冬は水やりの頻度が多いと根腐れする。水やりは土が乾いてからです。枯れる原因の有力候補が水のやりすぎ。
葉水で乾燥予防とハダニ予防
春から秋は生育する時期で、空気中の湿度も高いほうがコンロンカは好ましいので、乾燥するようであれば葉っぱや芽に霧吹きをかけてやります。霧吹きは葉っぱの裏にもやると
ハダニの予防になります。
霧吹きじゃなくて、
ジョウロやホースで葉っぱに水をかけてもいいです。そのときは葉っぱの裏にも水をかけましょう。
鉢植えの夏の水やり
乾燥して水切れを起こすので、朝と夕方の2回、しっかりと水やりをします。昼に水をやると沸騰して根を傷めるので避けます。
鉢植えの冬の水やり
冬になるとコンロンカは成長しなくなり、水を吸い上げる力も鈍くなります。気温が下がっていて蒸発もしにくいです。なので、土が乾いてから数日経って、土の表面をぬらす程度の水やりにしておきます。冬は水のやりすぎに特に注意しましょう。
冬は寒さ(10度以下)で落葉するかもしれませんが、根が枯れていなければ春には芽吹きます。水やりはストップせずに継続してください。冬は室内で管理するため、暖房がかかっていて、土の表面は乾きやすいです。表面が乾いていても、鉢の中には水が残っている事が多い。なのにバンバン水をやっていると冬の間に根腐れして春になっても復活しない。鉢を持ち上げて軽かったら水をやるか、割り箸を突っ込んで、乾いていたら水をやるようにすれば根腐れを防げる。もしくは
土壌水分計で土中の水分を計測してから水やりの判断をするといいです。
肥料
生育時期の初夏から秋にかけて緩効性化成
肥料を株元にやるか、週に一回液体肥料をやります。液体肥料が調整しやすいのでそれが便利。
マグネシウムが不足すると葉っぱが黄色くなる。他の微量元素が不足すると葉っぱが黄色くなります。生育する時期(春から秋)に活力剤をやるといい。
植え付け・植えかえ・挿し木
時期
寒さに弱いので移動できるように鉢植えにします。植え替えは二年ごとくらいです。植え替えるときは一回り大きな鉢に植え、古い土を少しだけ落とす程度にして植え替えをします(たくさん土を落とすと生育不良を起こします)。
店頭に販売しているコンロンカは矮化剤を使ってある。矮化剤を使うと葉っぱと葉っぱの距離が短くなり、株全体の葉っぱが密生している…ように見える。それが2年目以降は矮化剤が効かなくなって、株全体が大きくなりやすい。というか葉っぱと葉っぱの距離が長くなるので、間延びしたように見える(スカスカに見える)。
用土
コンロンカは
水はけの良い土を好みます。
観葉植物の土は
腐葉土ではなくて
ピートモスが入っているので匂いがないです。室内で管理することになるコンロンカなので観葉植物の土を使うのが良いです。観葉植物の土だけか、観葉植物の土に
パーライト・
赤玉土など1割ほど混ぜて水はけをよくして利用します。
鉢植え
鉢底の水が抜ける穴を鉢底ネットで塞ぎ、その上に鉢底石(
軽石)を2cm〜3cmほど入れ、その上に
用土を入れ、その上に株を入れて、隙間に用土を入れていって、最後に水をやって完成です。
越冬して植え替えをする場合は土を全く落とさないで、ひと回り大きな鉢に植え替えるか、土を丁寧に少し落として、ひと回り大きな鉢か、同じ大きさの鉢に植え替えます。土を落とすとダメージがあって、生育不良を起こしてしまうので、できれば土は落とさないで植え替えましょう。
庭植え
暖地では庭植えにできなくもないです。枯れることもあるので、その辺りは覚悟した上で植え付けましょう。
庭土を深さ40cmを掘り返して、庭土に腐葉土か
堆肥を元の土に対して2割追加して、化成肥料を少量入れます。できれば一週間寝かせて土を馴染ませてから、穴に土を戻し、株を入れて、隙間に用土を入れていきます。余った土で土手をつくり、そこに水をためて、30分かけて水を染み込ませ、水がひいたら土手を崩してならして完成です。
苗の土は落とさずいじらずに植え付けてください。
挿し木
今年伸びた枝を2節か3節ほど取ります。適した時期は6月から8月。長さは15cmくらいです。葉っぱがついたものを選び、切り口に近い方の葉っぱは落としてください(土にさすので)。これを赤玉土小粒単用の苗床に挿します。切り口に発根剤を塗ると成功率が高くなります。新しい葉っぱが出てきて、数枚増えたら適切な鉢に植え替え、だんだん大きなものに植え替える。
管理場所・日当たり
日光を好み、日当たりが悪いと花つきが悪くなります。
半日陰でも育つが開花が鈍くなりますので庭植えは日当たりに植えましょう。
鉢植えは春と秋は戸外の日当たり、夏は半日陰、冬は室内で管理します。年中、室内で管理していると日光不足になって徒長し、花つきが悪くなります。
夏越し
鉢植えは夏は半日陰で管理します。夏に半日陰で管理するのは主に「乾燥による水切れ」が起きるから。半日陰がない場合は、寒冷紗やヨシズで遮光してあげます。
庭植えの場合は、そのまま日光に当ててください。長期間、晴れが続くなら様子を見て水をやりましょう。
越冬
暑さには強いですが、寒さに弱く、10度以下になると葉っぱが落ちてしまいます。霜に当たったら一発で枯れます。落葉させたくなければ、冬の間は15度以上の場所で管理します。15度以上の場所は温室でもない限りは実際には難しいです。
コンロンカが枯死するのは5度前後で、リビングなどの昼間に暖房が掛かっている部屋では寝るときに暖房を切っても明け方にも5度以下にはなりにくいので、そこで管理します。10度以下だと株にダメージがあり、場合によっては春以降の生育が遅くなります。
寒さで葉っぱが落ちても枯死しているとは限らず、春になり気温が上がると芽吹くかもしれませんので、枯れ木に見えても水やりはやっててください。
暖地であれば戸外で越冬できますが、暖地でも戸外で「常緑で」越冬するのは無理。
中間地・寒冷地で庭植えにした場合は秋に掘り上げて鉢植えにして、冬は室内で管理します。
夜の気温が15度以上になったら戸外に出し、しっかりと日に当ててやります。
剪定
春の剪定
コンロンカは枝の先に花が先ますので、春に枝の先を
剪定(
摘芯)すると脇芽が出て花が増えます。枝の先を軽く剪定する程度にします。強い剪定は秋にするようにします。
秋の剪定
気温が下がって徐々に生育が止まり始める10月に株全体を半分くらいに剪定する。もしくは邪魔な枝を剪定する。風通しを良くすることで春以降の
害虫(
カイガラムシなど)を予防できる。
樹形を整える意味もあるが、越冬の際に根の負担を減らす意図もあります。
病害虫
ハダニ
ハダニは小さなクモの仲間で、葉っぱの裏から汁を吸い、株を弱らせます。乾燥すると発生しやすいです。軒下や乾燥した室内(暖房や冷房は非常に乾燥している)で管理していると発生しやすいです。室内なら霧吹きで葉っぱに水をかけてやると予防できます。葉っぱの裏にも水をかけてください。
ハダニは葉っぱの裏をこすって白い紙の上に落としてみて、動くものがいたらハダニです。ハダニは薬剤で駆除できます。一度発生するとすぐに増えますので、早めに対処しましょう。
カイガラムシ
カイガラムシは動かない小さな虫。風通しが悪いと発生するので、枝を剪定して風を通すとある程度は予防できます。発生したら薬剤を散布して駆除しますが、成虫は薬剤が効かないので、二週間おきくらいで何度か散布する。
アブラムシ
アブラムシ前もって
オルトランを撒いていると予防できるが、薬剤耐性を持ちやすいので、散布する薬剤を二種ほどローテーションで使用するといいです。アブラムシは一度発生すると爆発的に増え、柔らかい新芽を狙うので、早めに駆除する。
特徴・由来・伝承
コンロンカは白や赤やピンクのガクをヒラヒラとさせることから「ハンカチの花」とも呼ばれる低木の熱帯植物です。原産地は南西諸島から台湾。俗に言う花は黄色くて小さいの。白い部分はガク。正確には「がく苞(がくほう)」。名称としてはハンカチの花の方が有名かもしれません。
学名はムッサエンダ・パルウィフローラ。
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