ヒヤシンス(ヒアシンス)の育て方

科名 | キジカクシ科 |
属名 | ヒヤシンス属 |
学名 | Hyacinthus |
別名 | ヒアシンス |
耐寒 | マイナス10度 |
水やり | 水控え目 |
場所 | 外の日なた |
難易度 | 中級者向け |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | |
開花 | ||||||||||||
植え | ||||||||||||
肥料 |
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ヒヤシンスの特徴は?

一般的には球根を植えるのではなくて、植わった鉢を12月~3月にかけて買ってくることが多いです。永く楽しむコツとしては、花が傷んだら、その花ガラを小まめに摘むことです。花ガラを放置しておくと、その花に種を作ろうと栄養が回ってしまい、他の花の持ちが悪くなったり、つぼみが咲きづらくなるということがあります。これは他の植物でも同じです。
とても甘い香りがするので、嬉しいのですが、匂いにつられて蜂が寄ってくることがありますので、窓辺に置くときは気をつけてください。
ヒヤシンスの茎が伸びすぎたときは、支柱を立ててやるといいのですが、球根をいためるかもしれませんので、丁寧に支柱をするか、諦めましょう。特に水耕栽培のときに茎が伸びすぎると器ごとひっくり返ることもあります。そのときは土植えに植え替えた方が無難です。
水耕栽培も可能で、水耕栽培については

ガラス器で根も鑑賞、水耕栽培のヒヤシンスの育て方
キジカクシ科ヒヤシンス属Hyacinthus
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植え付け(9月)
時期
土植えの場合、9月に球根を植えます。球根はホームセンターでも売っていますし、ネットショップでも売ってます。初心者は球根を植えるのではなく、ヒヤシンスが植った鉢を店舗で購入して鑑賞するといいです。球根からかぶれる物質が出ているので、軍手をし、素手では触らないようにしてください。
用土
土は水はけの良いものが好まれます。鉢植えの場合は一般的な培養土を使います。自作する場合は赤玉土7腐葉土3か、赤玉土6腐葉土3パーライト1を混ぜたものに化成肥料を入れてものを用土とします。庭植えにする場合は、ヒヤシンスは酸性の土壌を嫌いますので、石灰を撒いて酸性を中和してから、腐葉土や堆肥を入れて用土とします。
鉢植えの植え付けの手順は?

球根は頭が少し出るように植えましょう。
頭を出して植える理由
鉢植えの場合は頭が少し出るように植えます。庭植えは少し頭が埋まるように植えます。この高さの違いは、「根の張り方」です。植物の生育は根の量と比例しています。そこで生育のためにも、できるだけ根が深くまで伸びてほしいのですが、鉢植えは根を伸ばすスペースがどうしても限られるため、スペースをできるだけ取るために鉢植えの場合は、球根の頭が出るようにします。
庭植えの場合は気にする必要はないので、頭が5cm〜10cmの深さになるように植えます。
もしも、鉢植えで深さが確保できるのであれば、頭が埋まるように植えるといいです。ちなみに浅植えだと株が倒れやすいですので、少し深く植えた方がいいですよ。
庭植えの手順は?

また庭土が粘土質で水はけが悪いのであれば川砂・軽石・パーライトなどを混ぜて水はけをよくしておきます。

球根を浅く植えると倒れやすいです。
浅く植えると分球しやすいです。増やしたいなら浅く植えるのもアリです。
浅く植えると分球しやすいです。増やしたいなら浅く植えるのもアリです。
水やり
9月~4月くらいまでの生育期の間は、土の表面が乾いたらタップリと水を与えてください。来年も咲かせようと思うのであれば、花が枯れたら、水やりを減らし、6月の梅雨になる前に掘り起こして日陰の風通しのいい場所に放置しておきます。また9月に植えつけてください。
肥料
花が咲いている場合は、10日に1回液肥をやるか、一ヶ月に一回化成肥料を周囲にまきます。気温が上がってくる5月以降は葉っぱは残って球根を太らせて来年の栄養を貯めているんですが、この時期に肥料をやると夏に球根が腐る要因になるので、開花が終わったら、固形の肥料ではなくて、通常の倍に薄めた液体肥料に切り替えて、葉っぱが緑のうちは球根を太らせましょう。もしくは追肥は一切ストップします。
管理場所・日当たり
ヒヤシンスは日光を好みます。室内で観賞する場合でも出来るだけ明るい場所で管理します。室内で管理すると暖か過ぎてすぐに花が開きますので、できれば戸外の日当たりで管理します。日当たりの悪いところで栽培すると花が減り、徒長して不恰好になりますし、球根が太らず来年の開花が鈍くなります。日当たりで管理しましょう。
気温が高いと花がすぐ開きます

寒さには強い。霜に当たっても大丈夫
花が枯れるのは大抵、暖か過ぎです。花がすぐに枯れてしまったら、戸外の日当たりの寒い(涼しい)所で管理して、春になったら土に植えてください。寒さに当たらないと花が咲かない
ヒヤシンスは5度以下の寒さに二ヶ月ほど当たらないと花芽がつかず、花が咲かないので、花が咲くまでは戸外で寒さに当ててください。低温処理で早く咲かせて、長期開花を
冷蔵庫で二ヶ月保管していると、ヒヤシンスに開花のスイッチが入るので、9月〜10月に結露予防のために新聞紙に包んで冷蔵庫で管理してから、庭植えにすると12月前後に開花します。冬に開花すると、寒いために花が長く楽しめます。低温処理で冬に開花して長期間、花を楽しむものとしてアイスチューリップがあります。詳細は以下のページを参考にしてください。

冬に咲く不思議なアイスチューリップとは?
ユリ科
花後の作業
花が終わったら花茎を切る(3月〜4月)
冬に購入して花が終わったら、その茎は根本から切り落としてしまいます。それでお終い、とは限りません。ヒヤシンスは一つの球根から複数本の花茎が生えてくることがあります。戸外の日当たりに置いておいて、ときどき見て確認してください。花茎が出てきたら、また室内に取り込んで観賞します。●花が終わったら、種子ができます。種子ができると球根が弱るので、早めに切って切り花として楽しむと良いです。
開花後の管理(4月〜5月)
花が終わったら、葉っぱが枯れるまでは日光に当てて、薄い肥料をやって育ててください。葉っぱまで枯れたら、掘り上げて日陰の風通しの良いところで吊るしておいて、秋(9月)に植え付けをします。●もしも球根が年々小さくなっていたら、日光と肥料不足です。球根が小さくなれば、徐々に開花しづらくなりますので、育てる環境を見直します。水耕栽培だと球根が小さくなりやすい(と思う)。
●寒冷地では夏も植えっぱなしで夏越しが可能ですが、病気になりやすいので、掘り上げて秋に植えるのが無難です。
●寒冷地では夏も植えっぱなしで夏越しが可能ですが、病気になりやすいので、掘り上げて秋に植えるのが無難です。
掘り上げ(5月〜6月)
葉っぱが黄色くなってきたら掘り上げます。もう休眠に入っているので球根の根は切れてもいいです。傷から雑菌が入って腐りますので、、球根に傷が入らないように丁寧に掘り出しましょう。ヒヤシンスは中東などの暑い地域の植物なので「暑さ」には強いんですが、湿気には弱いです。よく夏に腐って消えてしまいますので、掘り上げた方が便利ですが、気候や土の配合によっては、植えっぱなしで夏越しもします。珍しくない品種は植えっぱなし、貴重で愛着のある品種は掘り上げて消毒して日陰で保存と手をかけると、分けることで、作業の削減を図りましょう。
掘り上げて、球根ネットに入れて風通しの良い日陰で干して保存しておきます。できれば掘り上げて、オーソサイトやベンレートで消毒してから乾燥させてから、ネットに入れて保存した方が、腐りにくいです。
分球について
球根が太ると、子球根がくっついてきます。これを外して、秋以降に植え付け、葉っぱが出て日光を浴びて太れば開花します。分球は栄養繁殖で親株と同じ性質(同じ花色と形状)のものになります。夏の保管(6月〜8月)

腐った球根は廃棄します。
「去年はこれでうまくいった…」と安心していると、今年は腐ってる!ってこともよくありますので、必ずチェックしましょう。
9月になり気温が25度以下になったら、また植え付けます。
病害虫
ヒヤシンスが活動する冬〜春は寒くて病害虫はほとんど見られないですが、根ダニ、アブラムシ、ナメクジなどがたまに見られます。問題になるのは夏の多湿による腐敗です。由来・伝承
ギリシャ神話の美青年ヒュアキントス(♂)は、医学の神アポロン(♂)と愛し合っていた(古代ギリシャでは同性愛は一般的でありステータスある成人男性の美徳とされていた)。ある日アポロンとヒュアキントスが円盤投げを楽しんでいると西風の神「ゼピュロス(♂)」がヤキモチを焼いて風を吹かせ、円盤がそれてヒュアキントスを直撃。ヒュアキントスは死んでしまう。そのとき大量に出た血がヒヤシンスになった…と言われています。花言葉は「悲しみを越えた愛」地中海東部沿岸からイラン、トルクメニスタン付近原産。オスマン帝国スルタンムラト3世は山地のヒヤシンスをイスタンブールに移植した。
その後ヨーロッパに伝来。園芸愛好家に愛されて品種改良された。
1863年に日本に伝来しました。