モクレンの育て方

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モクレンの基礎データ
モクレン
科名モクレン科
属名モクレン属
学名Magnolia quinquepeta
別名木蘭・白蓮・玉蘭
水やりたまにやる程度
場所外の日なた
難易度中級者向け
画像投稿
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開花
植え
肥料
剪定
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モクレン(木蓮)とは?

モクレン(木蓮)はモクレン科モクレン属(マグノリア属)の落葉低木。紫のモクレンは「シモクレン(紫木蓮)」、白いモクレンは「ハクモクレン(白木蓮)」。紫木蓮は成長しても最大で5mくらいで、白木蓮は15mまで成長します。根の広がりを制限すれば、そこそこの大きさにしかならないので、根の広がりに限界がある庭植えにした場合は、剪定すれば2m〜3mに十分抑えられます。

本来「木蓮」というと「シモクレン(紫木蓮)」のことだが、白木蓮をよく見かけるので、白い方をイメージすることが多い。

花が咲くのは3月と4月の間の一時期で、花が咲き終わると、花びらがパラパラと一気に落ちてしまいます。

紫のモクレンと白いモクレンは微妙に性質が違います。白は開花が短く、花びらが9枚、その開花の間は葉っぱがありませんが、紫は開花している期間が長く、花びらは6枚、開花の間に葉っぱが出てきて、開花の途中で葉っぱに花が隠れてしまいます。
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水やり

鉢植えの場合は土が乾いていたら水をしっかりとあげます。地植えにした場合は、植え付け後の2週間〜3週間は根付くまではしっかりと水をやりますが、その後は日照りでもない限りは降雨だけで十分です。

肥料

2月前後に寒肥として油粕腐葉土堆肥をあげます。モクレンの根の周りに穴を掘り、そこに寒肥を入れて埋めておきます。それとは別に、秋には骨粉と油粕を混ぜたものを根本にやります。肥料が多いと開花が増えますが虫が寄ってきますし、肥料が無かったから枯れるわけではないので、少々やらなくても構いません。

植え付け・植えかえ

時期

植え付け・植え替えは12月〜2月の落葉時期にします。

鉢植えの場合は2年に一回植え替えをします。鉢の底から根がはみ出して、地面に根を張ることがあります。地面と鉢の間に台座か何かを入れると防げます。
●大きく育つので鉢植えには適さない。あくまで庭植えする植物。

根が荒いため移植はできない

モクレンは根が荒いために、一度根をはると植え替えはできません。植える場所をよく考えて植えてください。鉢植えの場合も植え替えるときは出来るだけ土を落とさず根を崩さないで植え替えるようにしてください。

用土

土は水はけのいい場所を好みます。多少湿った土壌を好むが、土質はあまり選ばないでも育つ。鉢植えの場合の用土赤玉土8に腐葉土2が好ましいです。

庭植え

日当たりのいいところに深さ50センチ直径50センチの穴を掘り、土に腐葉土を3割ほど混ぜて、半分戻し、モクレンの苗を植えます。幅を取るため、株間は3m以上空けてください。苗の土は多少崩すといいですが、くれぐれも根を切らないように、根を傷つけないようにします。また、根が浅い植物なので深植えにはしないように。

モクレンは根が少なく、横風でグラグラとすると根が切れて生育不良を起こすので、支柱を立ててくくりつけて動かないようにします。土を戻し、水をやれば完成です。

挿木で増やす

6月〜7月の花が咲き終わってから、新しく出た枝を挿木にします。10cm〜15cmほど切って、切り口を清潔なナイフで斜めに切り直し、下葉を取り、葉っぱ3枚か4枚にします。これをコップに水を入れて、その中に切り口を入れ、30分〜1時間ほど放置して水揚げします。葉っぱの先まで水が行き渡ったら、切り口に発根剤を塗って、赤玉土小粒を入れた挿し床に挿します。

あとは乾燥しないように明るい日陰で管理していると発根します。発根までは3週間〜1ヶ月くらいかかります。発根したら庭植えにしましょう。

管理場所・日当たり

モクレンは「陽樹」と呼ばれる日光を好む植物です。日当たりの良くて、風通しの良い場所を好みます。北海道でも生育するくらいに寒さに強いので防寒対策をする必要はありません。

木蓮の剪定

時期

冬の間に剪定をするものですが、花芽の見分けが付かない場合は、花芽も一緒に切ってしまい、花が咲かなくなります。花が終わった後から6月上旬までの間に剪定をすると花芽に影響がなくて良いですが、生育時期に剪定すると枯れることがあるし、葉っぱが邪魔なので、理想は冬の落葉時期。

冬によくよく見れば葉芽と花芽の違いが分かるので、花芽を落とさないように剪定します。
●夏に木の様子を写真に撮っておいて、どこを剪定するか目星をつけておくとよい。

剪定の仕方

冬に剪定する場合は、短い枝を切らないようにします。短い枝の先に花が咲くからです。冬に枝の先を短くまとめるような剪定をすると花芽がゴッソリと無くなってしまいますので注意してください。逆に長い枝(徒長枝)は花が咲きませんので、落としてしまっても構いません。枝を切るときは枝分かれしたところで切ります。

白木蓮の剪定

紫木蓮は放置していても樹高は3mから5m程度で、ほどほどですが、白木蓮は10mから15に巨大化しますので、白木蓮は剪定しないと手に負えません。毎年剪定するのが厳しいなら白木蓮は植えないようにします。白木蓮は季節感があり、香りがいいので好きな人が多いですが、庭植え栽培には覚悟が必要です。

白いモクレンの「白木蓮」は、成長の早い樹木で、軽く刈り込むと、脇芽がでて翌年には一回り大きく育ちます。大きく育ち過ぎると、管理が難しくなるので、毎年ガッチリ枝を落として小さくまとめてしまいましょう。「え?こんなに切っちゃうの?」というくらいまで切ります。

小さなハサミしかないと、同じところで同じように剪定するため、そこが「拳骨」になって不恰好になります。拳骨の下でバッサリいっても新枝は出てくるので気にせず、ノコギリでいきましょう。

白木蓮は花後〜6月に葉っぱの8割がたを落とすくらいでやっと昨年と同じ大きさになる・・・という人もいる。そのくらいガッツリ剪定しましょう。

紫木蓮の剪定

紫木蓮でも毎年、剪定はします。紫木蓮の場合は、重なっている枝をさばいていくようにします。枝が重なると密生して風通しが悪くなり、病害虫が発生しやすくなります。また花芽の少ない枝を、根元から落としていきます。

素直に業者に頼む

数メートルも育った白木蓮を剪定するのは一般人にとっては危険極まりないです。紫木蓮も白木蓮より小さいとはいえ、素人にとっては簡単とは言えません。素直に業者に頼んで剪定してもらうか、管理しきれないのであれば撤去・廃棄することも考えましょう。

病気・害虫

カイガラムシ
枝が密生していると発生しやすいので、枝を捌いて風を通しましょう。カイガラムシは蝋に覆われた虫で、内部で汁を吸い、植物を弱らせます。枯れることはなかなかないですが、排泄物に黒いカビのスス病が発生しますし、見た目に良くないので早めに駆除します。カイガラムシが少量であれば、歯ブラシなどで削ぎ落とします。大量に発生した場合は薬剤を散布します。

スス病
カイガラムシ・アブラムシハダニといった害虫の排泄物に発生する黒いカビで、それ自体では植物に害がないが、美観を損ねる。発生すると洗っても取れないので、原因となる害虫の駆除が最大の予防法になります。

特徴・由来・伝承

被子植物では古い植物です。9500万年前から既に地上に生えていたと言われています。まだハチが居なかった時代なので、木蓮の花は花粉を運ぶ甲虫に対応できるように「めしべ」が強くできています。木蓮というのはハスの花を咲かせる「木」という意味。

日本には平安時代には渡来していて平安時代に成立した初の百科事典ともいうべき「和名類聚抄」にモクレンは載っている。蕾は「辛夷」という漢方薬で、渡来したのは漢方薬として、らしいです。ちなみに中国語で「辛夷」はモクレンのことですが、最初日本に木蓮がなかったことから、代用としてコブシの蕾を辛夷として漢方にしたことから、現在は辛夷と書いて「コブシ」と読むようになっています。
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