ヤロウ(セイヨウノコギリソウ)の育て方
目次
ヤロウとは?水やり肥料植え付け・植えかえ・種蒔き管理場所・日当たり収穫梅雨・夏の刈り込み冬の刈り込み病害虫特徴・由来・伝承関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- ヤロウ
- 科名
- キク科
- 属名
- ノコギリソウ属
- 学名
- Achillea millefolium
- 別名
- アキレア・ミレフォリウム、セイヨウノコギリソウ、コモンヤロウ
- 水やり
- 乾かし気味に
- 場所
- 外の日なた
- 難易度
- 中級者向け
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ヤロウとは?
ヤロウ(セイヨウノコギリソウ)は
キク科ノコギリソウ属(
アキレア属)の
多年草。葉っぱは切れ込みが入っていて、これがノコギリソウと呼ばれる理由。
ハーブティーやサラダにも使えます。
夏の暑さに若干弱いですが
夏越しできないほどでもなく、寒さにはマイナス10度まで耐える
宿根草で、育てやすいハーブです。
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水やり
鉢植えの水やり
乾燥した痩せ地を好んで生える植物で、水をやりすぎると簡単に腐ってしまいます。土が乾いて2、3日たってから水をやります。水をやるときは鉢底から水が滲み出るまでしっかりとやります。
真夏は朝と夕方の2回、土とヤロウ(セイヨウノコギリソウ)の状態を見て水をやります。もしも湿気て蒸れているようであれば、葉っぱをむしって風通しをよくするか、半分か3分の1程度に
切り戻しをします。
鉢植えの冬の水やり
冬になると地上部がなくなり、根だけになります。春にはまた芽が出るのですが、冬の間は何も生えていないので
水やりを忘れやすいです。鉢植えにしていて軒下などの雨に当たらないところに置いていると乾燥で枯れてしまいます。雨ざらしにするか、忘れないように水やりをしましょう。
庭植えの水やり
庭植えの場合は、植え付けてから2週間は根が張っていないので水をやります。一旦根付いたら、夏の乾燥時期以外は水やりは不要です。
肥料
ヤロウ(セイヨウノコギリソウ)は痩せ地を好みます。
もしも植えつけの際に花と野菜の土・
培養土を使用した場合は、この中に
肥料が入っていますので、追肥する必要はありません。入っていない場合は様子を見て液肥をやってください。肥料が多いと葉っぱが黄色く変色してきます。
植え付け・植えかえ・種蒔き
時期
植え付け・植え替えは春(4月〜5月)か秋(9月〜10月)に行います。植え替えの時に株分けも可能です。
用土
水はけのよいものを好みます。一般的な花と野菜の培養土で構いません。もしくはハーブ用の土を使います。自作する場合は
赤玉土6
腐葉土3川砂1を混ぜ、ここに緩効性肥料を少量入れます。
鉢植えの植え替え?
ヤロウ(セイヨウノコギリソウ)は非常に大きく育つため、最低でも
10号鉢、できればもっと大きな鉢を用意します。となると植え替え作業自体がかなりの苦行です。基本的には庭植えじゃないと栽培は厳しいです。
鉢の底の穴を網で塞いで、その上に鉢底石(
軽石)を入れ、
用土と株を入れて、最後にしっかりと鉢底から水が出るまで、水をやって完成です。植え替えの際は土を3分の1ほど落として植えます。
庭植えの手順
植え付けの1週間前に深さ30cm〜40cmを掘り返して、腐葉土か
堆肥を2割ほど追加して、化成肥料を少量入れて用土とします。一週間経って土が馴染んだら植え付けをします。
大きく育つので株間は50cm〜80cmは空けたい。
株の寿命について
ヤロウ(セイヨウノコギリソウ)は春に植えて秋まで花を楽しみ、冬に地上部が枯れて…というサイクルを繰り返すのですが、ヤロウ(アキレア・ノコギリソウ)は株に寿命があり、3年ほどで老化して徐々に消えてしまいます。3年目以降も楽しむには春(5月)に
挿し木や株分けや種まきで、新しい株を作ってあげましょう。
挿木
春(4月〜5月)か秋(9月〜10月)に新枝を8cm〜10cmほど切って、下葉を取り、赤玉土小粒単用に挿して、日陰で乾燥しないように管理していると3週間ほどで発根します。発根して、新芽が見られるようなら植え付けします。
種まき
花を放置していると
種子ができます。これを採取しておいて、紙袋に入れて常温保存しておきます。
15度〜20度で発芽するので4月〜5月か9月〜10月に種まきします。育苗箱に用土を入れ、種子をまいて、土を5mmほど被せます。分厚く被せると発芽しません。明るい日陰で乾燥しないように水をやっていると、発芽します。発芽したら間引いて、間隔を2cm→4cm→10cmと空けていって、本葉が4枚になったら植え付けします。
管理場所・日当たり
ヤロウ(セイヨウノコギリソウ)は日当たりを好みます。もしくは
半日陰で育てます。あまり日当たりが悪いと花が咲きません。
生育温度は15度〜25度と夏の暑さに弱いので、夏は半日陰か風通しのよいところに移動させます。多湿に弱いので、梅雨前・夏前に枝をさばいて風通しをよくしておきましょう。
収穫
4月〜9月に葉・茎・花を収穫します。葉は柔らかいのであればサラダで食べたり、生のままフレッシュハーブティーにします。ハーブティは他のハーブとブレンドして深みを持たせます。花が開花すると葉が硬くなるので、花が咲く前に収穫しましょう。
ハーブティーの作り方などは
ハーブティーにできる家庭菜園で育てやすいハーブのページを参考に。
初夏に開花したら、花を
花茎の根元から切って収穫します。秋に涼しくなるともう一度開花します。
梅雨・夏の刈り込み
梅雨の過湿・夏の高温多湿に枯れ込みますので、梅雨前・夏前に株全体を三分の一ほど刈り込んで、枝をさばいて風通しをよくしておくと、夏越ししやすくなります。
冬の刈り込み
冬は寒さで地上部が枯れます。根までは枯れていないので、春になると芽吹きます。この枯れ茎を刈っておきます。放置していると春に新芽と枯れ茎が混在してみっともなくなっちゃいます。
病害虫
グンバイムシ
特徴・由来・伝承
アキレア属の仲間は日本にも自生していますが、高山性の植物で低地では暑さで傷みやすい。別名のノコギリソウと言う名前の由来はギザギザしたノコギリのような葉っぱの形から。名前が工具をもとにしているのですが、容姿は涼しげで可憐。花の色合いはどちらかというと渋いもので、玄人好みだと思います。
学名がアキレアなので、切花として流通するときはアキレアで出荷されることが多いよう。アキレアという名前はギリシャ神話のアキレスがケンタウロスからノコギリソウの止血効果について教えられ、自軍の傷薬に利用したことから。ちなみにアキレス(アキレウス)は赤ん坊のときに、母テティスに不死の体になる泉につけられた際に踵(カカト)を掴まれていた為にカカトだけが不死にならず、そこを弓で射られて死んでしまいます。なので踵の腱を「アキレス腱」というようになりました。
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