オニユリ(鬼百合)の育て方

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オニユリ
目次
オニユリ(鬼百合)とは?
水やり
肥料
植え付け・植えかえ
ムカゴから育てる
管理場所・日当たり
剪定
病害虫
関連記事
学名や栽培スケジュール
最終更新
植物名
オニユリ
科名
ユリ科
属名
ユリ属
学名
Lilium lancifolium
別名
鬼百合・天蓋百合
水やり
水を好む
場所
外の日なた
難易度
中級者向け
オニユリの開花時期…植え付け・植え替え時期…肥料時期…月別スケジュールです。
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オニユリ(鬼百合)とは?

鬼百合(オニユリ)は北海道から九州まで山で見かけるユリ。花は下を向き、花びらは反り返り、花びらには斑点がある。オレンジ色…オレンジといっても濃いオレンジでなかなか毒々しい(…この見た目からか「鬼」と名前についている)。黄色の「オウゴンオニユリ」もある。オニユリは三倍体のために種子を作らないが葉っぱの付け根にムカゴを作り増える。ムカゴからいくらでも株は増やせる。球根はユリネとして食べられる。

夏に開花し、そのまま地上部が枯れる。10月以降は地上部がなくなり、冬は地上部がないが春に芽吹いてまた夏に開花する。対馬自生のオウゴンオニユリがあり、こちらはオレンジのオニユリに比べると庭の雰囲気を壊さない?
大きさ・草丈1mから2m
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由来・伝承

英語では「タイガーリリー」。斑点をトラ模様と捉えたんでしょうね。鬼という名前は「大きい」「派手」という意味もあるので、そちらが原因かも。ユリ根は食べられる。ムカゴも食べられる。食用で育てる人もいる。

コオニユリというオニユリの小型版というべきものあるんですが、コオニユリは種子を作り、ムカゴを作らないので性質が全然違う。
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栽培のまとめ

●オニユリは北海道から九州に自生するユリの仲間。ユリ根・ムカゴ(ヤゴ)が食べられる。
●日当たりで育てるが、株元にマルチングをして乾燥を防ぐ。
●春と秋に肥料をやるが、肥料が多いと枯れるので控えめがコツ。
●冬は地上部が枯れるので、秋に地上部をバッサリと刈る。
●乾燥に弱い。水やりは普通。土が乾いたら水をやる。
●植え付け・植え替えは10月11月あたり。
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水やり

庭植えの水やり

オニユリは乾燥がちょっと苦手です。庭に植えるときは、株の周りにマルチングをして乾燥を防ぎましょう。腐葉土やワラ、バークなんかを使って土の表面を覆うといいです。基本的には雨水だけでOKだけど、乾燥してきたら様子を見て水やりをしましょう。

鉢植えの水やり

鉢植えの場合は土が乾いたら水をやります。水をやるときは鉢底から水がしみ出すくらいにしっかりとやります。土が濡れている間は水やりをしないでください。根腐れを起こします。受け皿の水は捨ててください。

冬の水やり

地上部がなくなっていますが、水は必要です。乾燥しないように水やりをします。夏から冬は葉っぱもないですが、鉢植えは乾燥しないように水やりを継続します。忘れがちなので、他の水やりが必要な植物の隣の置いておいて忘れないようにしましょう。

肥料

4月ごろ、オニユリの球根から芽が出る時期に緩効性化成肥料をやります。これはこれからの生育のための肥料です。

10月ごろ、開花が終わり、地上部の葉っぱや茎が枯れ込んできたら地上部を地際から刈り取ってしまいます。刈り込んだから株元に緩効性化成肥料をやります。これは7月8月の開花で消耗した栄養を補給します。ただしオニユリは肥料が多いと枯れるので、肥料は控えめがコツ。
●最初に一般的な培養土で植えた場合、一年は肥料は不要です。一般的な培養土には最初から肥料が入っているため。

植え付け・植えかえ

時期

球根もムカゴも10月11月に植えつけます。

連作を嫌うので鉢植えはできれば毎年、最低でも2年に一回は植え替える。庭植えでも2年に一回掘り上げて、植え直すといいです。ちなみに連作障害を起こすと下葉から枯れ込んでいく。

用土

オニユリは水はけの良い、有機質は多くて、肥料分が少ない土が好ましいです。便利なのは山野草の培養土です。ホームセンターなどで売っていますので、それをそのまま利用するといいです。自作する場合は鹿沼土3赤玉土小粒4腐葉土3か、赤玉土7腐葉土3を混ぜたものを使います。
●水はけの悪い土だと球根が腐ります。

鉢の植え付け

鉢植えの場合は、10号鉢に球根を一個植えます。鉢底の穴をアミで塞いで土が出ないようにしてから軽石を2センチから3センチほど入れて、軽石の上に土を入れ、隙間に土を入れていき、球根を植えます。球根2個か3個分の深さに植えます。最後に水をやります。鉢底から水が出るまで水をやってください。
●植え替えのときに子球根があれば、はがして増やします。
●植え替えのときに球根についた土は洗い流してください。

庭植え

庭植えの場合は、球根の30cmから50cmの深さと大きさの穴を掘って、掘り出した土に腐葉土を3割か4割混ぜて、半分ほど土を戻して、隙間に土を入れて、球根の2倍か3倍の深さに植えます。最後に水をやって完成です。
●庭植えの場合、株同士は30cm空けます。
●原種系のユリは連作を嫌う。庭植えであっても、2年に一回掘り上げて、別の場所に植え直すべき。

ムカゴから育てる

オニユリ:ムカゴから育てる
ムカゴから増やすには、10月11月あたりに用土にムカゴをちょっと押し込む程度に置きます(2センチくらい押し込む)。土を被せないようにします。鉢でもいいし、プランターでも庭でもいいです。鉢やプランターで増やして、芽が出たら大きな鉢・庭に植え替えます。普通に乾燥しない程度に水をやっていると根っこが出てきますので、根っこが出てきたら根が見えないように土を被せます。ムカゴから芽が出るのは冬を経て(寒さに当たって)、春になってから。ちゃんと管理さえすればほぼ100%芽が出る。
●画像はユーザーさんから投稿してもらった「ムカゴから育てた鉢植えのオニユリ」です。五年目の7月に開花したそうです。
●開花までは3年か4年ほどかかります。
●ムカゴは開花しなくても大量にできる。むしろ開花しない時期が株の大きさの割に沢山できる(株の大きさの割に、ね)。そのままにしていると勝手にオニユリが生えてくるので拾って処理する。オニユリは株同士がある程度離れていないと喧嘩するので離して植えましょう。

管理場所・日当たり

オニユリは日光を必要とします。日照不足だと花の成長が遅くなりますので、戸外で日光がよく当たる場所に置きましょう。耐寒性がありますので、暑さや寒さにはあまり気にしなくても大丈夫です。ただし、乾燥には弱いです。ここは大事です。春から秋にかけては十分な日光を浴びさせますが、株の周囲には腐葉土やワラ、バークなどを敷いて乾燥を防ぎます。

冬の管理

北海道から九州まで広く分布しているこの植物は、寒さに強いですが、土が凍結すると枯れる可能性があります。そのため、冬には凍結を防ぐためにも腐葉土やワラ、バークなどでマルチングをしておくと良いでしょう。夏には乾燥に対処するため、冬には寒さに対処するため、年間を通じてマルチングが重要です。

剪定

花を咲かせると株が弱ります。株というか球根ね。あとムカゴも少なくなります。ユリ根を食べる場合や、ムカゴ重視の場合は花を咲かせない方がいいです。

花が咲いてしぼんだら花を摘み取ってしまいます。花を摘んだ方が次の花が咲きやすくなります。

10月あたりに地上部が枯れ込んだら、地上部の枯れた部分を地際からバッサリと刈り込んでしまいます。どうせ枯れてますしね。そのまま植わったままで春まで育てるならば、刈り取ったついでに株元に緩効性化成肥料をやります。開花したことによる株の消耗を補填する肥料です。

病害虫

アブラムシ
アブラムシは植物の汁を吸う小さな虫。春にオルトラン粒剤を株元に撒いておくと発生を予防できる。

ウィルス病
ユリの仲間はウィルス病に感染しやすく、一度感染すると治療ができないばかりか、周囲のユリに感染する。オニユリはウィルス病には感染しにくいが、それは「ユリとしては」であって、感染しないわけじゃない。感染すると葉っぱにモザイク模様が見られるようになり、徐々に弱って枯れる。発見次第、掘り出して焼却処分にする。ムカゴや球根にも感染している(と思われる)。

葉枯れ病
葉っぱが下葉から枯れ込んでいき、開花の前にほぼほぼ棒一本になる。原因は連作障害で新しい土で植え直すと発生は抑えられます。

肥料過多
突然、開花が止まったり、生育不良を起こしたら原因の有力候補は肥料過多。肥料をやるのを止めると翌年から回復する。あまりに肥料が多いと枯れる。肥料は控えめにしましょう。
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