ボタンの育て方

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ボタンの基礎データ

ボタン
科名
ボタン科
属名
ボタン属
学名
Paeonia suffruticosa
別名
花神・花王・ボウタン
水やり
水控え目
場所
外の半日蔭
難易度
中級者向け
ボタンの開花時期…植え付け・植え替え時期…肥料時期…月別スケジュールです。

ボタン(牡丹)とは?

ボタンはボタン科ボタン属の落葉樹。中国原産で、薬用とされていましたが、「花の王」とされ観賞用花のなかでも珍重されるようになりました。芍薬シャクヤク)に似ていることから「木芍薬」と呼ばれたこともありました。

非常に大きな花を咲かせ、達成感が素晴らしく、いくつもの品種を育てたくなります。ボタンは毎年業者が株を販売しているので、地方のイベントで購入ができます。

ボタンは実生からだと開花まで10年かかるため、流通しているボタンはボタン属の芍薬(シャクヤク)に接木して増やしています。ボタンが枯れるとそこから芍薬が生えてきます。

ボタン(牡丹)の水やり

鉢植えの場合は土が乾いていたら水をしっかりとやります。鉢底から水が染み出すくらいにしっかりとやります。ボタンは乾燥(水切れ)が何度もあると生育が鈍くなりますが、水のやりすぎ(過湿)にすると根腐れします。

地植えの場合は真夏以外は水をやる必要はありません。降雨だけで充分です。

ボタン(牡丹)の肥料

ボタンは肥料喰いです(生育するために肥料を多く必要とする)。
庭植えの場合は、2月3月に有機質の肥料(完熟堆肥ケイフン腐葉土など)を根のまわりにすき込みます。

鉢植えの場合は、5月6月の開花後に緩効性の化成肥料を適量、根元から少し離して施します。肥料が根に当たると根が傷みます。
9月10月の新しい根が出る前に、緩効性化成肥料と骨粉又はリン・カリ肥料を、根元から少し離して与えてください。
花芽が少ない、ツボミがあるが開花しにくい場合は、リン酸が不足しているかもしれない。その場合は過りん酸石灰やリン多めの液肥を追加するといいです。
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注意!台木は芍薬です

ボタン:注意!台木は芍薬です
ボタンは芍薬に接木されていますが、この芍薬は多年草でボタンは木で、非常に不自然なものです。まぁ、ボタンと芍薬の交配種があるくらいなので近縁ではあるのですが、不自然な接木なんですよね。

で、芍薬の部分は多年草ですから、数年(8年〜10年とも?)で消えてなくなると言われています。そこで、ボタンは少し深植えにしてボタンの根を出させ、芍薬の根が弱る前に根を入れ替えたいです。芍薬の根が消えるまでにボタンの根が「地上部に対して十分な量」にならなければ、弱って枯れてしまうこともあります。
●ボタンって何年か栽培していると突然枯れることがあるんですが、おそらくこれが突然に枯れる原因ではないかと個人的には思います。日光不足などでボタンの根が間に合わなかったんでしょうね。
●芍薬の根はよく広がり、これがボタンが根詰まりしやすい原因です。根詰まりするほど根が広がるのですが、時間制限付きなわけです。なので、できれば鉢増しをして大きくして、ボタンの根を増やしていくか、地植えが適しています。育てやすい・失敗が少ないのはやっぱり「地植え」です。
●芍薬の根は消えると書きましたが何十年でも残って、毎年新芽を出すことが多いです。毎年葉っぱをむしりましょう。


栽培していると、台木の芍薬から枝が伸びて、下の画像のような花が咲くこともあります(実際はもうちょっと薄いピンクのことが多い)。
ボタン:補足情報
台木の芍薬は一重で薄ピンクで綺麗。生えてきたら、綺麗だからってそのまま育てる人も多いですが、牡丹栽培では、芍薬の枝が出てきたら即刻、切ってしまいます。

ちなみに芍薬の葉とボタンの葉は形状が全然違うので、開けばすぐに分かります。

ボタン(牡丹)の植え付け・植えかえ

時期・頻度

ボタンは10月に新しい根が伸び始めます。なので10月中旬までに植え付けるのが理想。10月中旬以後に植えることも出来るのですが、新しい根が出るのが遅くなるので、根付きが悪くなり、後々の生育が悪くなります。遅くとも12月までに植え替えをしましょう。

ボタンは植え替えを嫌うので、根詰まり・根腐れ、その他…状態が悪くなったら植え替えます。それまでは放置。ただ、用土に入っている赤玉土が2年か3年で泥になってしまうため、結果的にそのくらいの頻度での植え替えになります。

用土

赤玉土5に腐葉土3と川砂を2の水はけのよい土を用意します。庭植えする場合で、水はけの悪い土ならば、川砂を足して水はけをよくした上で、堆肥と鶏糞を土に混ぜます。
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庭植えの植え付けの手順

ボタン:庭植えの植え付けの手順
まずは根の1.5倍か2.0倍の穴を掘ります。実数だと30センチから40センチの深さです。掘り返した土に腐葉土か堆肥を5リットルほど混ぜ、化成肥料を規定量だけ入れて、できれば1週間寝かせて土を馴染ませてから半分ほど戻して、株を埋めます。

ボタンは芍薬の根に接木しています。継ぎ目より上のところからボタンの自根が出るので、接木の継ぎ目の部分がちゃんと土の中に埋まるように植え付けをします。芍薬は多年草で数年で消えますが、消えるまでにボタンの根がしっかりと張っていないとボタン自体が枯れます。

とにかくボタンは深植えします。8割型、土を戻したところで水をやり、最後に残りの土を戻します。10cmの盛り土にします。盛り土にしてボタンの自根が出やすいように埋めましょう。
●もしも植え付け時に深植えしていないなら、ボタンは植え替えが苦手なので掘り上げて植え直すのではなく、接木部分まで盛り土をして根を出させましょう。盛り土が流れ出やすいなら、レンガなどで周囲を囲んで土の流出を防ぎます。

鉢植えの植え替えの手順

ボタンは剪定しても年々、大きくなります。老年になると剪定も厳しくなります。鉢植えにすることで大きさを抑えることも出来ます。

できればひとまわり大きな鉢を用意し、根鉢を崩さずに植え替えをします。根腐れや、「これ以上大きな蜂への植え替えが厳しい」場合は、少し土を落として、同じ大きさの鉢に植え替えをします。

用意した新しい鉢の底の穴を網で塞いで、その上に鉢底石(軽石)を入れ、用土を入れ、その上に株を入れてます。もしも継ぎ目が土に埋まっていないなら継ぎ目が埋まるように深植えしてください。あとは隙間に用土を入れて、最後にしっかりと水をやって完成です。

植え替え後はダメージで生育が鈍くなっていますので、水やりを控え、日陰で2週間ほど管理します。それから半日陰→日当たりと移動させ、水やりを回復させます。

ボタン(牡丹)の管理場所・日当たり

ボタンは日当りのいい場所が好ましいですが、真夏の暑さに弱く、暖地では真夏の直射日光はボタンには耐えられず、弱ってしまいます。真夏だけは半日陰へと移動させるか、最初から半日陰で管理します。

ボタンには黒系と呼ばれる濃い赤紫の品種群があるんですが、日当たりで育てるとほとんど「赤」で「あれ?」ってなります。半日陰での管理を増やすと求めた色合いになりやすいです。

越冬

ボタンは耐寒性がありますが、霜や雪には当あたるとダメージがあり、それが花に影響します。特に寒風には当てない方が良い。戸外で管理する場合は、藁で囲って雪・風・霜対策をし、株元は凍結対策としてワラでマルチングします。手間がかかるけど、開花のときにハッキリと違いが出ます。
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ボタン(牡丹)の剪定・芽かき

ボタンの花芽は陽の当たる枝先につきます。よって枝が混み合っていると咲きづらいです。剪定をして枝をさばいて、満遍なく陽が当たるようにしないと大きな花は咲きません。11月には花芽が目視できるようになります。花芽が見えたら、花芽が残るように剪定します。

芽かき

ボタン:芽かき
花が咲いた後に、葉っぱの付け根から新芽が出ます。この新芽を全て放置していると、後々に枝が伸びすぎて枝が混み合い、花芽に陽が当たらなくなり開花しづらくなりますし、花の一つづつが小さくなる。ボタンは花が大きいのが魅力なので、芽かきして間引きましょう。また、枝が混み合うと風通しが悪くなり、病害虫が発生します。

そこで、幹から二個の新芽を残して間引いてしまいます。これをすることで、大きな花も咲きやすくなります。基本的にボタンは低く、太い枝を作っていくのを心がけます。

芽は上の方から充実するのですが、上の芽を取ることで下の芽が太っていきます。上の芽が元気だとつい残したくなりますが、取ってしまえば下の芽が充実するので気にせず取りましょう。というか、上の芽を芽かきしないと、下の芽が太らないです。

芽は小さいうちに取ってしまっても、また同じところから出てくるので、その度に芽かきしましょう。

芽かきは開花後から6月中に行います。

冬の剪定

冬になり、落葉したら、花後に剪定した時に残した「二つの新芽」より先の枝を落としてしまいます。11月になれば花芽がはっきりと分かりますので落とさないようにします。また細い枝や、古い枯れた枝を落としてしまいます。

株元から新芽が出ていませんか? それは台木である芍薬の新芽です。その新芽を放置していると芍薬の株になってしまうので、その新芽は切ってください。

ツボミの間引き

ボタンはツボミが出来たときに、咲かせるつぼみを残して他のツボミを指で摘み取ってしまいます。こうすることで、栄養を1つの花に集中させ、花を大きく咲かせます。ツボミを取らずに放っておくと、ひとつづつの花が小さくなるだけでなく、株が弱くなり、翌年にも悪影響があります。

開花後は早めに花を摘む

花が咲いたあとはその花がしぼんでしまう前に摘み取ってしまいます。花は種子を付けようとそちらに栄養を回し、次の花が咲きづらくなります。

ちなみに種子から育てることはできますが、種子から育てると開花まで10年かかるので普通はやりません。

開花後はお礼肥を忘れずに。

ボタン(牡丹)の病気・害虫

うどんこ病
白く粉を拭いたようになるカビの仲間で、乾燥時期に発生しやすい。枝が混み合うと発生しやすいので剪定で枝を、さばくことで予防はできます。株が健康だと発症しても治癒することもありますので、そこまで気にしないでもいいですが、発症したら殺菌剤を散布しておきましょう。

灰色かび病
低温・多湿だと発生するカビで、梅雨によく見られます。風通しがよいと発生しにくいので、剪定して風を通しておくと予防できます。また、管理場所に風が通りやすいなら発生は抑えられます。

白絹病
土壌に住む菌で、発生するとしばらく発生しやすい。土壌を殺菌することで抑えられます。

根コブセンチュウ

カイガラムシ
蝋に覆われた虫で、内部で汁を吸っています。少量であれば歯ブラシなどで削ぎ落としますが、大量ならば薬剤を散布します。蝋に覆われた成虫は薬剤が効かないので、定期的に何度か散布しないと根絶は難しいです。

コガネムシ
幼虫が細い根を食害するため、水を吸い上げられなくなる。異変に気づいて、鉢から抜いてみたら、ほぼ根は全滅というのが普通。発生後に薬剤で駆除するか、前もって浸透性薬剤(オルトラン)などで予防するといいです。

犬・子供
庭植えすると、庭の犬にへし折られることがある。どうしようもないですけど。

シロアリ
掘り返すと、根がシロアリに食害されていることがあります。
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