ブラックベリーの育て方
目次
ブラックベリーとは?水やり肥料植え付け・植えかえ品種管理場所・日当たり人工授粉が必要なことも剪定病害虫関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- ブラックベリー
- 科名
- バラ科
- 属名
- キイチゴ属
- 学名
- Rubus fruticosus agg
- 別名
- キイチゴ
- 水やり
- 水控え目
- 場所
- 外の日なた
- 難易度
- 中級者向け
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ブラックベリーとは?
ブラックベリーは
バラ科キイチゴ属のツル性
低木。5月~6月に花が咲いて、7月~8月に実が出来ます。実は少々酸っぱいので、ジャムにして食べます。意外と育て方は簡単。冬に
剪定して枝を誘引して支柱などに絡ませるくらいで、後は
水やりと日光と
肥料があれば、大丈夫です。一株で収穫はたっぷり出来る(自家受粉するので一株でも収穫出来る)。
果実は品種によってはかなり甘いです。甘くない品種は酸っぱくて種が多くて、生食用じゃないものはジャムにするといいです。煮込んで濾過してタネを取り除いて、ヨーグルトに混ぜるなどして食べます。
北ヨーロッパ、北アメリカでも育てているくらいに寒さに強く、日本全国戸外で育てられます。鳥が食べに来る。鳥がブラックベリーの実をつついて落として、食い散らかす。それが非常に腹が立ちます。
強い繁殖力で、長い枝を伸ばし、枝先が地面につくとそこで発根して株が増えるという悪質ぶり。しかもトゲがあり、危ない。管理できないなら植えるべきではないです。甘い実ができるので「虫」が集まり、「鳥」が集まり、庭がジャングルに変貌する可能性があります。「
植えてはいけない植物」でよくあげられます。
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水やり
鉢植えの水やり
鉢植えの場合は土が乾いていたら水をやります。夏は高温と乾燥で、朝と夕方の2回、水をやることになります。
庭植えの水やり
庭植えにした場合は、植えつけた直後にしっかりと水やりをした後は、真夏以外は自然の雨だけで十分です。ただし、実が付いて以降に水切れが起きると実が大きくならないので、様子を見て水をやってください。
水切れに注意
株が大きくなると水切れしやすくなります。水切れが起きないように管理してください。株が大きくなると庭植えでも夏は水切れが起きます。水切れが起きたあとに、水をやっても、葉っぱが戻りませんので水切れしないようにします。
肥料
肥料は開花前にやらないようにします。開花前に肥料をやると、葉っぱが茂るばかりで花が少なくなり、結果収穫が減ります。肥料は開花してからにします。
肥料は
油粕か即効性化成肥料を開花後の6月と結実後の9月にやってください。寒肥として2月に同様の肥料をやることもありますが、たくさんやると葉っぱばかりが茂って花付きが悪くなるので2月は少なめにするか、やらないでもいいです。
植え付け・植えかえ
時期
植え付け・植え替えは冬の落葉時期(12月〜2月)に行います。鉢植えの場合は2年に一回は植え替えをします。庭植えにしたら掘り上げることはないです。
用土
水はけのよい土が好ましいです。
赤玉土7
腐葉土3を混ぜたものか、市販の
培養土か、ベリー用の培養土や果樹用の土で植え付けをします。
鉢植え
鉢植えの場合は深くて大きな鉢に植えてください。また
尺鉢(直径30cm=
10号鉢)、最低でも直径20cmの鉢に植えてください。尺鉢で育てた場合でも1kgか2kg収穫できます。
鉢底の穴を鉢底ネット(鉢底網)で塞いで土が出ないようにしてから鉢底石(
軽石)を2cmから3cmほど入れて、軽石の上に土を入れ、株を入れて、隙間に土を入れていき、最後に水をやります。
庭植え
庭植えにする場合、ブラックベリーは1年後には非常に大きくなります。株の周囲を1.5mは開けるようにします。
ちなみに地植えにすると一株で4キロとか5キロ収穫できます。4人家族でも消費しきれない量です。植える前にそんなに消費するか考えましょう。冷凍保存もできますよ。
庭土を深さ30cmを掘り、掘り出した土に腐葉土を3割か4割混ぜて、化成肥料を少量入れて、よく混ぜて
用土とします。穴に半分ほど用土を戻して、株を入れて、隙間に土を入れて、最後に水をやって完成です。
地下茎が伸びて広がるので、根止めを植え付け範囲の端っこに入れて、地下茎が広がらないようにしましょう。
フェンスに絡ませる
ブラックベリーは自立しないので、果樹棚やフェンスや支柱が必須です。品種の説明に「自立性」と書いていても、実際は厳しいので、立てましょう。
ブラックベリーは実がつくと枝が重くなり、垂れ下がってしまうのをフェンスで防ぎます。垂れ下がると雨や水やりの泥はねで、実が汚れます。フェンスで支えないと枝が折れることもあります。支えた方が収穫もしやすいので必ず絡ませましょう。
株分け
掘り返して株分けしたり、ヒコバエの先を土に当てていると発根するのでそれを苗にしたり、切って土に突っ込んでいても品種によっては発根します。ただ、ベリーは繁殖力旺盛で勝手に増えるので、株を増やすことにさほど意味がないです。
ブラックベリーは掘り上げて株分け、植え替えも可能。
よほどのことがないと枯れない。よほど根を
コガネムシに食われたり、長期の降雪で耐寒性の低い品種がやられることがあるが、滅多なことでは枯れない。
品種
ソーンフリーは食べるときに歯に挟まるが、それでも小さい方。ブラックベリーは「食べにくい」か「すごく食べにくい」のどちらかしかないと思うべき。トリプルクラウンは
種子が大きすぎて歯にも挟まらない。ナバホとVONとトリプルジムは種子が小さい。ボイセンはソーンフリーより種子が大きい。ソーンフリーが歯に挟まるのに対してボイセンは種子を噛んで食べる感じ。
トゲアリ品種、トゲなし品種とあるが、トゲなし品種でもヒコバエにはトゲがあることが多いので、トゲがないと思って作業していると不意打ちをくらう。そこでトゲは小さなナイフでこそぎ落としておくと良い。あとからトゲが出てくることはないので。
上記の事情があってもやっぱりトゲなし品種が便利、かつ安全、というか気楽。ぜひトゲなし品種を。味よりトゲの方が問題。よって味が野趣だがトゲなしの
ボイセンベリーが良い。
管理場所・日当たり
日光の当たる場所で管理します。日光が不足すると花つきが悪くなり、実つきも悪くなります。ただし真夏の直射日光を浴びるとブラックベリーは乾燥に弱く、水切れが起きやすくなるで、動かせるのであれば真夏は
半日陰に移動させた方が良いです。
実はまず赤くなり、それが徐々に黒く熟します。赤くなって以降、黒くなるまでは実に日が当たらない方がいいです。ブラックベリーの実の皮が薄く、日差しが当たると乾燥してしまいます。といっても、これはしょうがないので気にしない方がいいでしょう。
人工授粉が必要なことも
都市部では開花しても受粉してくれる虫(アブ・ハチなど)が居ない場合があります。受粉しないと当然実が付きませんので、その場合は人工授粉してあげます(品種にもよる)。
筆の先でコチョコチョと花粉をつけてあげましょう。
剪定
毎年、根元から伸びてくる枝の「ヒコバエ」に翌年、実がつきますから、これを切らないようにします。ヒコバエは根元からニョキニョキと生えてくるので、見れば分かります。
一度、実をつけた枝にはもう実がつきません。だからヒコバエ以外は多少落としても、結実には関係ありません。二季なりの場合は、秋の時点でヒコバエに実がなります。そして冬を越えて、もう一度、実がなります。
ヒコバエが邪魔になることもあります。そういうときは葉っぱが5対以上出た先を切るようにしてください。でも出来るだけ切らないようにして、フェンスに巻きつけて、伸ばしましょう。冬の間に誘引しますが、最初は「上」にしか枝が伸びません。それをフェンスに巻きつけておいて、春までにはそこから新しい枝が出てくるので、それを横に誘引しましょう。
剪定の詳細は以下のリンクを参考にしてください。
剪定のコツ
秋になり寒くなってくると葉っぱが落ちて、枝だけになります。そのときに「今年、実をつけた枝を根元から剪定し落としてしまいます」。今年実をつけた枝はもう実をつけないからです。このときにヒコバエをフェンスなどに誘引すると良いです。
病害虫
カメムシ
カメムシが実の汁を吸います。その吸った部分だけ色が変になります。完全な真っ黒なブラックベリーを収穫するためには、実をネットで覆います。でも、超面倒なので多少のことは気にしない。ただ実を守るために虫を見つけ次第、
テデトールします。これが結構な重労働。
コガネムシ
ラズベリーはコガネムシの幼虫に根をやられやすいが、ブラックベリーは比較的強い、とされる。でもやられはするので注意。鉢植えはコガネムシにやられやすい。注意。調子がおかしいなら、ちょっと掘ってみて幼虫がいないか確認して、薬剤で駆除する。
鳥
虫と鳥が寄ってくる。これを防護するにはネットを掛けるが、非常に面倒なので、普通はやらない。代わりに虫は手で取る。これも面倒だけど。
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