万両の育て方…植え替えの時期は?乱れたら挿し木で仕立て直しましょう

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マンリョウの基礎データ
マンリョウ
科名サクラソウ科
属名ヤブコウジ属
学名Ardisia crenata Sims
耐寒0度
水やり水を好む
場所外の日蔭
難易度中級者向け
画像投稿
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開花
植え
肥料
剪定
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マンリョウの特徴は?

マンリョウはヤブコウジ科の常緑低木。一本の太い枝が上へ伸びていき、葉の付け根から小枝が伸びて花が咲き、そこに実をつけます。実が終わると、その葉と小枝が枯れ、太い枝がまた伸び、その葉の下から小枝が伸びて・・・という具合に、ドンドン上へと伸びていきます。

斑入り品種もあり、カラーリーフとしても優秀です。ただ、緑葉のマンリョウより性質が弱く、生育が遅くて寒さに弱いので鉢植えにして冬は室内で管理します。

さしあたって剪定をする必要が無いのですが、上へ上へと伸びていくと、上にだけ葉っぱがついた、バランスの悪い形になりますので、そうなってから、適当なところで短く詰めます。この剪定をするのが4月前後です。これをすると、マンリョウの上部の実がなる部分を切るわけですから、この剪定をすると、地面からマンリョウの太い幹だけがヒョロっと延びるだけの状態になります。また、その年だけでなく二年か三年は実がなりません。
樹高1m
実の鑑賞時期11月〜1月
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植え付け・植えかえ

適した時期は?

4月〜5月が植え付け・植え替えに適した時期です。鉢植えは2年に一回、土を落とさないでひと回り大きな鉢に植え替えましょう。

用土は?

水はけの良い土を好みます。一般的な培養土か、自作するのであれば赤玉土7腐葉土3を混ぜたものを使います。あまり庭土が粘土質な場合は、腐葉土を混ぜて水はけをよくします。
用土配合例…鹿沼土3赤玉土4腐葉土3

鉢の植え替えの手順

ひとまわり大きな鉢を用意して、土を崩さないで植え替える。古い鉢から株を取り出し、新しい鉢の底の穴を網で塞いで、その上に軽石を2cmほど入れて、その上に用土を入れて株を入れて、隙間に用土を入れます。最後にしっかりと水をやります。

植え付け・植え替えの際に株の土は落とさないで植えましょう。いじると生育不良を起こして、枯れることがあります。

庭植えの植え付けの手順

根をいじると枯れこむので、移植は難しいです。植えた後は移動できないので庭に植え付ける場合は、場所をよく考えてください。マンリョウの株元に日光の当たらない、乾燥しない半日陰か日陰の場所を選びます。

深さ30cm直径30cmの穴を掘って、庭土に腐葉土か堆肥を1割ほど混ぜて用土とします。できれば1週間寝かせて土をなじませてから、穴に土を半分戻して、株を入れて、隙間に用土を入れていって、最後に水をやって土と根を馴染ませます。植え付けのときに根鉢は崩さず、根をいじらないようにします。

植え付け直後には支柱を立てて、縛っておきます。

種から苗を作るには?

種子をまいて株を増やすこともできます。

種子を採取して、果肉を取り除きます。果肉には発芽抑制物質が入っているため、つけていると発芽しません。乾燥すると発芽能力を失うので取りまきにします(採取してすぐまくこと)。赤玉土小粒単用か、上記の用土に種まきします。乾燥しないように水やりして明るい日陰で管理していると春までに発芽します。

株が乱れたら挿木と仕立て直し

マンリョウは長く育てていると、下葉が落ちて、頭でっかちの不恰好になります。そこまで大きくなったら、挿木して仕立て直すといいです。

5月〜6月に枝を3cm〜4cmほど切って、下葉を取って、赤玉土単用か挿木用土に挿して、日陰で乾燥しないように管理していると二ヶ月〜三ヶ月で発根します。発根したらポット植えにして栽培して、その後、庭植えにします。

取り木でも増やせます

取り木も可能。6月に枝の皮を剥いで、水苔をまいて、ビニールを包んで保湿しておいて、ときおり乾燥しないように水を足して管理していると三ヶ月ほどで発根します。発根したら鉢に植え付けます。

管理場所・日当たり

半日陰か明るい日陰の場所が向いています。マンリョウは元々、森林の中の大木の根本に生えるような植物です。乾燥や直射日光が当たるのは苦手です。

直射日光が長期間当たると、葉っぱが黒く変色してしまいます。実つきや生育も悪くなりますので、こういった場所は避けます。

風通しが悪いと、病気になりやすいのですが、元々暖かい地方の植物で強い寒風に当たっても枯れてしまいます。風通しに関しては、他の植物と含めて、密に植えなければ大丈夫です。

耐寒温度は0度あたりで、関西以西の中間地暖地であれば、戸外で問題なく越冬できます。斑入り品種などで性質が弱く、寒さに弱いので、冬は室内で管理します。

水やり

庭植え(地植え)にした場合は、植え付け直後に水をしっかりやったら、あとは日照りが無い限りは自然な雨で十分育ちます。

鉢植えにすると、乾燥しやすいのであまりオススメしません。マンリョウは乾燥を嫌い、比較的湿潤な環境を好みます。

鉢植えにした場合は土が乾いていたら水をしっかりとやります。あまり長い間、土が濡れていると根が腐ってしまいますので、土が濡れている間は水をやらないようにしてください。

肥料はほぼ不要

肥料はほぼ必要としない。生育が悪い場合は2月に寒肥としてか、9月に実の肥料として、株元に緩効性化成肥料をやるか、根の当たらない場所に深さ20cmの穴を数カ所ほど掘って油粕をやる。どちらにしてもあくまで控えめに。
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病気・害虫

カイガラムシ
カイガラムシは、蝋で覆われた虫で、内部で動かずに樹液を吸っています。少量のカイガラムシに対しては、歯ブラシなどで削ぎ落とすと、動けないのでそのまま死んでしまいます。カイガラムシの幼虫は蝋で覆われていないため、薬剤が有効ですが、成虫は蝋で覆われているため、薬剤が効きません。そのため、薬剤を散布する場合は、2週間おきに3回以上散布する必要があり、効果的な駆除が難しいです。浸透性薬剤(例: オルトラン)を使用すると効果的です。

特徴・由来・伝承

ヤブコウジと似ていますが、マンリョウは樹高が1メートル、ヤブコウジは10センチ程度と、一目で違いが分かります。また、マンリョウは葉っぱの縁がギザギザ(尖ってはいないが波立っていて、餃子のようなシルエット)をしていて、ヤブコウジは葉っぱの縁がまっすぐです。

千両センリョウ)・万両(マンリョウ)・百両カラタチバナ)・十両(ヤブコウジ)と、正月の縁起物として飾られます。古典園芸植物の一つとして江戸時代にさかんに品種交配、栽培がされました。

鳥が実を食べて排出することで、ヒョコッと生えてくることがあります。そして葉っぱを毎年刈り込んだ程度ではちっとも枯れません。日当たりが悪くても風通しが悪くても、ふんばっています。とても生命力の強い木です。鑑賞に向いた場所で鑑賞して楽しむ分にはよいのですが、生えてほしくないところに予期せず生えてしまった場合は除去が難しく苦労します。
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