セントポーリアの育て方
目次
セントポーリアとは?水やり肥料植えかえ葉挿し・芽挿しで株を増やす管理場所・日当たり病害虫葉っぱにホコリがつく花ガラ摘み関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- セントポーリア
- 科名
- イワタバコ科
- 属名
- アフリカスミレ属
- 学名
- Saintpaulia
- 別名
- アフリカスミレ
- 水やり
- 水を好む
- 場所
- 室内
- 難易度
- 上級者向け
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セントポーリアとは?
セントポーリアは
イワタバコ科の
多年草。可愛らしい花色、愛らしい葉っぱの質感、小さくまとまってよく開花し、室内の日当たりの悪いところでも育つので、昔はよく流通していましたが、繊細な植物で枯らしやすいので徐々に流通しなくなってきました。
花色は多種(青・ピンク・白・紫など)あり、濃淡・斑点や模様・覆輪のものもあります。花形には一重、八重、大、中、小輪、フリル、ベル咲き、スター咲きなど色々ある。つまりそれだけ品種改良が行われていることであり、愛好家が多いということです。
草丈3cmから15cm
由来・伝承
名前は発見者セントポール・イレールから。
1884年ザンジバルのイギリス副領事ジョン・カークが王立植物園に標本を送るが不充分な標本だったために記載されず。1887年牧師W.E.テイラーがケニアで採取し大英博物館に送るものの標本が不充分なために記載されず。1891年ドイツ人セントポールがウサン
バラ山地で採取したものをハノーバーのヘレンハウゼン王立植物園へ送ると、新種と認められて発見者の名前にちなんで「セントポーレア」と名づけられた。
日本でセントポーレア普及に尽力したのは川上敏子さん(2009没・享年94歳)。
花言葉は「小さな愛」。
栽培のまとめ
●セントポーリアはイワタバコ科の多年草。
●土が乾いたら水をやる。
●30度以上、10度以下のときは
水やりは控える。
●葉っぱに水をかけない。
●春と秋に
肥料をやる。
●一年に一回、春か秋に植え替えをする。
●株が大きくなったら可愛くないので、葉挿し・芽挿しで更新する。
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水やり
水やりの基本(春と秋の水やり)
土の表面が乾いているようであれば、水をやってください。土が濡れているのに水をやっていると
根腐れを起こしてしまいます。指で土の表面を触ってみて確認してから水をやります。特に4月~10月の気温の高い時期は成長しますので水を切らさないようにしてください(ただし真夏を除く)。
●水をやりすぎると根腐れしますが、水が少なく乾燥しすぎてもホコリダニが発生したり、株が弱って病
害虫にかかりやすくなります。このあたりは経験を重ねてコツを掴むしかないですが、
初心者は水のやりすぎで根腐れのパターンが多いです。
●
葉っぱに水が掛からないようにしてください。葉っぱに水がかかると斑点模様が出て汚くなる。葉っぱを持ち上げて、土に水をやる。そのために口の細い
ジョウロがあるといい。
夏の水やり(8月前後)
夏の気温が30度以上の時期だと気温が高すぎて生育が鈍くなってしまいますので、水やりを控えます。
水やりを控えるというのは水やりの頻度を控えるということ。春秋はもちろんのこと夏冬でも水をやるときは鉢底から水が染み出すくらいにしっかりとやる。控える時期は、鉢を持ち上げた時に「軽いなー」と感じるくらいまで鉢の中の土が乾燥するまで水をやらない。
●春と秋同様に葉っぱに水をかけないように。
冬の水やり(12月から3月)
冬は水やりを減らしてください。気温が10度を切るとセントポーリアの生育が鈍くなりますので、水やりを控えます。他の季節同様に鉢の底から水が出てくるくらいにしっかりとやりますが、土の中の水が完全になくなって鉢を持ち上げると軽いなーと思うくらいまで次の水やりはやらないようにします。
水やりの水は室温まで温めたものを使うようにします。水道の水は4度前後まで下がるため、そのままの温度で水をやるとセントポーリアにダメージがある。前の日に水を汲んでおいて室内に置くのもいいですし、電気ポットの水を足して20度から25度まで上げるのもいいです。
●冬は10度を切ると生育が鈍くなるが、床暖房などがある室内で管理していて、一日中気温が10度以上になる環境ならば春・秋と同様の頻度で水をやります。
肥料
暖かい時期(4月~10月)は月に1回か2回程度、薄い液体肥料を与えてください。それ以外の時期はやらないでください。ただし夏の気温が30度以上になるときは肥料をやらないでください。
11月に緩効性化成肥料を少量やるといいです。この肥料は冬の間の生育のための肥料です。この肥料はなくてもいいです。
●肥料を与えすぎると花付が悪くなります。ちょっと濃いめの肥料を月1回ではなくて、できるだけ薄ーい肥料を2回か3回やるのが良い。
●4月から10月と書きましたが、気温が15度以上になったら肥料をやる…でもいいです。
●秋に気温が10度以下になったら生育が鈍くなるので肥料をやらない。
●床暖房などある家では冬の夜でも10度以下にならない。そういう家では冬の間も春秋と同様に月に1回か2回液体肥料をやる。
●同様に気温が30度以上になったら肥料をやらない。
●肥料をやってはいけない時期に肥料をやると枯れることもある。
植えかえ
時期・頻度
根が張りやすいので、出来るだけ一年に1回、植え替えをしましょう。春でも秋でも植え替えは可能ですが、植え替えの最適時期は6月です。
●セントポーリアは小さな鉢に植わっていることが多いですが、これは見た目と少し窮屈な状態の方が開花しやすいからです。つまり
根詰まり寸前の状態です。
用土
室内で栽培することが多いので匂いのない
バーミキュライト5
パーライト5を混ぜたものを使います。セントポーリア
専用土がありますので、これを使うといいです。専用土は適切な肥料・
水捌け・Phになっています。
●鉢底には
軽石か珪酸塩白土を敷く。珪酸塩白土には根腐れを防止する効果がある。
●他の
用土の配合例としてバーミキュライト6:
ビーナスライトかパーライト2 :酸度調整済み
ピートモス2など。
●用土に牡蠣殻片・珪酸塩白土を少量入れるとよい。
植え替え手順
花とツボミは全て摘んでしまい、葉っぱも半分ほど間引いて減らす。古い鉢から株を抜き、古い土を落として三分の一ほどにします。黒い根はハサミで切って取り除く。新しい鉢の底の穴を網で塞いで、そこに軽石か珪酸塩白土を1cmか2cmほど敷き、その上に用土を入れて、株を入れ、隙間に用土を入れて、最後に水をしっかりとやって完成です。鉢底の穴から
●開花をしているときは植え替えはしないほうがいいが、セントポーリアは基本的に年中開花しているので、そんなことを言っていたら植え替えできない。そこで植え替えるならば花とツボミはすべて摘んでしまう。
●根の負担を減らすために地上部の葉っぱを間引いて半分くらいに減らすといいです。
●植え替えの最後に水をやったあとは乾燥するまで水をやらないこと。また動かさないこと。動かすと根が千切れて広がらないため。
葉挿し・芽挿しで株を増やす
葉挿し・芽挿しの目的
セントポーリアは何年も育てていると、茎が高くなり、大株になります。小さくまとまるのがセントポーリアの可愛いところなのに…です。上記のように植え替えをしても大きくなって可愛くないので、葉挿し・芽挿しをして新たな小さな株を作って更新します。植え替えで取り除いた葉っぱで葉挿しをすることが多いです。
●葉っぱが斑入りなど模様が入っている場合、葉挿しだと模様が消えることがある。その場合は、葉挿しではなく芽挿しで増やす。
●葉挿しはいくつかやってうまくいったものを新株として育てる。なので一個だけではなく、何個も葉挿し・芽挿しをする。
葉挿し・芽挿しの適した時期
気温が15度から28度の時期に葉挿し・芽挿しをします。3月から5月、9月から10月です。
葉挿し・芽挿しの方法
健康な葉っぱを取り、葉柄を1cmから2cmつけて切ります。葉柄は葉っぱについた茎のこと。植え替えの時に間引いた葉っぱでもいいです。芽挿しは新芽を数センチ取って挿し穂とします。
用土はバーミキュライト単用か、酸度調整済みピートモス1:バーミキュライト1:パーライト1を混ぜたものを苗床の用土として用意して、これに葉っぱが三分の一ほど埋まるように挿します。
二、三ヶ月たって本葉が4枚か5枚生えてきたら最初に挿した親葉を取り除いて土に植え付けをします。
●水挿しで発根も可能。珪酸塩白土を入れた水に挿していると発根する。後は二、三ヶ月後に植え替えをする。
管理場所・日当たり
年間を通しての管理場所(主に春と秋)
春と秋はレース越しの日が当たる場所で管理するか、戸外の日陰で育てます。一般的には一年中室内で育てます。直射日光が当たると傷みますので、一年を通じてレース越しの日が当たる場所が好ましいです。ただし夏の直射日光に当たると
葉焼けを起こしてしまいます。葉焼け部分は回復しませんので、葉焼けした部分は切除してしまいます。かなり弱い日光でも育ちます。植物用ライト(LED)でも十分に生育します。
●室内のレース越しの日が当たる場所。
●室内の蛍光灯でも育つが、蛍光灯は株の真上20cmのところに設置する。じゃないと流石に光合成が十分ではない。
●セントポーレアは蛍光灯の光でも十分、というイメージがありますが、一般家庭の蛍光灯では光が弱く(蛍光灯とセントポーレアの距離が長すぎる)、専用の蛍光灯のついた水槽や棚で管理しないとダメです。
●栽培に適切な温度は18度から25度。
夏の管理場所(8月前後)
暑さに若干弱く、真夏の室内が30度を越える場合は風通しのいい…雨の当たらない…日陰か日光を遮光したベランダに移動させます。もしくは窓のある室内の日光の直接あたらない場所に移動させます。出窓に置く場合はレースのカーテンなどで遮光します。それでも葉焼けしたり、気温が30度以上になってしまうならとにかく涼しいところに移動させます。室内でクーラーをかけている場合はクーラーの冷風が当たらないようにします(クーラーの風は乾燥していて直撃すると乾燥で枯れる)。
●30度以上になるとセントポーレアは暑さで生育が鈍くなっています。水を吸い上げる力は落ちるので、水やりは控えめにします。
●他の植物のように日光は大事じゃない。
冬の管理場所(11月から3月)
10度以下になると生育が鈍くなり、5度以下になると枯れてしまいます。最低気温が10度以下になる頃には室内に取り込みます(室外で管理していれば)。5度以下にというのは昼間に暖房がかかっている部屋であれば夜中に暖房を切ってもならない温度です。冬はリビングなどの昼間に人が生活している…昼間に暖房をかけている場所で育てるようにします。
●暖房の風は非常に乾燥しているので、風があたらないようにしてください。当たるとカラカラになって枯れます。直接当たってなければいいです。
●冬に暖房のかかっている部屋で管理する場合は、加湿器をかけて湿度を50%から60%にしましょう。
●出窓は真冬になると5度以下になることがあります。寒冷地では昼間は出窓で管理していても夜は室内の暖かい場所に移動してください。
病害虫
灰色カビ病
花びらに灰色のカビがつきます。風通しの悪い湿度の高い環境だと発生します。湿度はかなり高くならないと発生しない(湿度90%前後とか)ので除湿したり風通しの良いところで管理しればかなり予防できる。。また
花ガラ摘み(=しぼんだ花を摘むこと)を更にかなり予防できる。葉っぱの隙間に花が落ちているのでそれも取り除くようにする。
発生したら
病気部分を切除し、殺菌剤を散布します。
アブラムシ
アブラムシは基本的に気温さえあれば発生します。特に風通しが悪く、肥料が多いと発生しやすくなります。特に柔らかい新芽が好きでアブラムシがたかって生育不良を起こしてしまいます。見つけ次第駆除します。薬剤を散布します。
ホコリダニ
ハダニとは違うがハダニと同じくらいに繁殖する。目に見えないくらいに小さい。発生すると新芽にたかって汁を吸って生育不良を起こす。乾燥する高温時期に発生しやすいので、湿度を高くすることで予防できる。セントポーリアの鉢の下に敷石や砂を敷いて、その敷石砂に水をやって湿度を高くします。
発生したら薬剤を散布して駆除します。
葉っぱにホコリがつく
室内で育って、葉っぱに水が掛からないようにするので、葉っぱにホコリがつきやすい。葉が汚れてたらティッシュで優しく拭いてあげてください。
花ガラ摘み
花が咲き終わったり、葉っぱが傷んだら、小まめに取り除いてください。放っておくとそこから病気(灰色カビ病など)が発生し健康な部位も傷んでしまいます。
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