エピデンドラムの育て方
目次
エピデンドラムとは?水やり肥料植えかえ管理場所・日当たり花ガラを摘む病害虫特徴・由来・伝承関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- エピデンドラム
- 科名
- ラン科
- 属名
- エピデンドラム属
- 学名
- Epidendrum
- 水やり
- 乾かし気味に
- 場所
- 室内
- 難易度
- 上級者向け
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エピデンドラムとは?
エピデンドラムは
ラン科エピデンドラム属の植物です。エピデンドラム・ラディカンス(Epidendrum radicans)やエピデンドラム・シンナバリウム(Epidendrum chinnabarinum)などを交配して作った品種群の総称。伸びた
花茎の先にボール状に開花するものが多いが、原種には店頭で見かけるものとは全く違う咲き方をしているものが多いです。
株が充実すると開花する。
デンドロビウム・ノビルのような「低温処理」は必要ない。株分けの際にあまり小さく分けないようにすること。
品種にもよりますが、開花時期は栄養状態や日光などの都合です。上であげた開花時期はあまりあてにしないでください。
育て方のまとめ
●日当たりを好むが、強い日光に
葉焼けする。
●
ミズゴケに水を霧吹きでやるといいです。
●
葉水もしましょう。
●生育時期は
肥料をやる。
●株が充実すると毎年開花する。
●意外と寒さに弱い。耐寒温度は5度。できれば10度以上欲しい。
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水やり
水は気温を考えながら
春から秋にかけてはミズゴケが乾いていたら水をやります。目安としては春と秋は四日に一回、夏は二日に一回、冬は一週間か二週間に一回。これはあくまで目安で、空調、気温、前回の
水やりの量などに大きく左右されます。冬場は本来蒸発量が少ないので水やりの頻度は非常に少ないのですが暖房がよく効いた部屋では水の渇きが早くなります。春から秋に掛けての時期も風通しの良い場所だと乾きは早くなります。
どちらかというと乾燥気味に
エピデンドラムに限らずラン科の植物を枯らす原因の一意は水のやりすぎです。エピデンドラムの葉っぱは
多肉植物のように分厚く進化していて、少々の乾燥には耐えられます。
水をやるまえにミズゴケを触ってみて濡れているかどうかチェックしてください。濡れているならば水はやらないようにしてください。環境によっては、ミズゴケの表面はカラカラなのに、内部はまだ湿っているということがあります。これでは指で触っても分かりません。そこで、ちょくちょくエピデンドラムの鉢を持ち上げて重さを覚えて置きます。そして軽くなったら水をやるようにします。これを習慣付けると他の植物の水やりも失敗が減ります。
水の量は?
夏は鉢底から水が染み出すくらいにやっても構いませんが、その他の季節は空気中の湿度や風通しや温度によって、それでは水のやりすぎになります。そこで
ジョウロで水を注ぐのではなく、霧吹きでミズゴケを濡らすようにしてください。これなら、加減を自分で調節できます。
葉水
エピデンドラムの生活環境は空気中の湿度が高い地域です。ミズゴケへの水やりだけでなく葉っぱにも霧吹きで水を掛けてやってください。これを
葉水をいいます。
とくに冬場は暖房で空気が乾燥しがちです。ミズゴケへの水やりを多くすると根が腐る、しかし乾燥で葉っぱがシワシワになる――このジレンマを解消するのが葉水です。年間を通して葉水をしてあげてください。
冬の水やり
冬は控えて
冬はミズゴケが乾いてから、二、三日たって水をやってください。ミズゴケの水やりは控えますが、葉水は継続します。特に室内で暖房がかかっていると乾燥するので葉水は必須です。
肥料
春から秋に肥料を
春に一回ラン用の固形肥料をやり、その後春から秋までの間、液体肥料を二週間に一回程度やります。
植えかえ
時期と頻度
鉢がイッパイになり、鉢底から根がはみ出しているようならば、株分けも兼ねて植え替えをします。植え替えは春(4月)に2年に一回程度行います。
植え替え手順
鉢から引っこ抜いて、腐って黒く変色した古いミズゴケを取り除きます。できるだけ細かいミズゴケも取り除くためにピンセットがあるといいです。そして古い干からびた根を切り落とします。根を新しいミズゴケで包んで植え付けをしてください。
株分けもできますが、あまり小さく分けると花が咲かなくなります(開花するには株が充実しないといけない)。
発泡スチロールはそのままに
鉢から株を出すと発泡スチロールが入っていることがあります。これって、「ミズゴケがもったいないからカサ増しに発泡スチロールを入れた」のではないんです。発泡スチロールは通気性がよく、排水性を高めるという意味では非常に優れた素材で、ラン科の鉢植えや
観葉植物にはよく入っています。これを捨てずに同じように利用してください。ミズゴケだけで植えると中で水が腐りやすくなり、
根腐れがおきやすくなります。
管理場所・日当たり
春と秋の管理場所
春から秋はカーテン越しの日が当たる場所か、日が差し込む部屋の直射日光が当たらない場所。日当たりが良すぎる場合は、寒冷紗やヨシズなどで遮光してあげます。エピデンドラムはジャングルの樹の枝に着生して育つ植物で、強い直射日光には葉っぱが焼けてしまいます。
夏の管理場所
暑さに強い……?
エピデンドラムは暑さには比較的強いです。しかし30度を越えると休眠してあまりに暑いと枯れることもあります。また、強い直射日光には葉焼けします。出来れば室内のカーテンなどで遮光した場所か、戸外の日陰の風通しのよいところで管理します。
夏に室内管理する場合、冷房の風が直撃しないようにします。冷房の風は乾燥していて、直撃すると乾燥ですぐに枯れます。直撃しないようにし、葉水で湿度を維持します。
冬の管理場所
寒さに弱いという問題
エピデンドラムはラン科のほかのギフト商品に比べて容姿が普通っぽい――正直な話、繊細さに欠ける――ので頑健な印象があるのですが、これが意外と寒さに弱く、5度未満になると環境や品種などによっては弱り枯れてしまいます。出来れば10度以上を保つようにします。とはいえ、一般家庭のリビングなどでは深夜になって5度以下になることは滅多にありません。これで十分冬を越します。
気をつけて欲しいのは出窓です。出窓は外気温がマイナス5度くらいになると、出窓内でも氷点下になりはじめます。ここだとエピデンドラムは枯れてしまいますので気をつけてください。
花ガラを摘む
花が終わったら茎ごと花を切る
花がしぼんできたら、しぼんだ花を取り、全部しぼんだら花茎ごと切ります。ですが、ちょっと待って下さい。今、咲いている花の下に小さなふくらみがありませんか???それは
花芽――つぼみです。うまくいけばまた咲きます。しぼんだ花は落としてしまいますが、つぼみは落とさないように切ってください。
病害虫
アブラムシが発生します。新芽に集まって汁を吸い、新芽が変形したり、生育不良を起こすので、早めに駆除します。少量であれば
テデトールし、大量ならば薬剤で駆除します。
特徴・由来・伝承
多肉植物のような分厚い葉っぱと、他のラン科の植物よりも小さな花がボール状にまとまって咲く様子が、ギフトに人気のランです。エピデンドラムのエピは上、デンドラムは樹を表し、合わせて「樹上」という意味。これはエピデンドラムが樹に着生して育つことから来ています。そうはいってもラン科の植物の中でよく花屋さんで見かける
胡蝶蘭、
デンドロビューム、
デンファレなども樹に着生するのでエピデンドラムの特性ではないのですが。
割安でギフトに
エピデンドラムはインパクトと色合いの割には安い、と思います。最近ではかなり鮮やかな色合いの品種が出ていますが、生産者によって同じ品種でも色あいはかなり違いますので、ギフトにするときは実店舗で目視したものを宅配するなどした方がよいです。
切花が人気
切花での流通も多く、アレンジメントや生け花でよく利用されます。
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