カリン(花梨)の育て方
目次
カリン(花梨)の特徴は水やり肥料植え付け・植えかえ管理場所・日当たり作業病害虫剪定特徴・由来・伝承関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- カリン
- 科名
- バラ科
- 属名
- ボケ属
- 学名
- Chaenomeles sinensis
- 別名
- 花梨
- 水やり
- 水控え目
- 場所
- 外の半日蔭
- 難易度
- 中級者向け
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カリン(花梨)の特徴は
カリン(花梨)は中国原産の
バラ科ボケ属の落葉樹。春(3月〜5月)に開花し秋(10月〜11月)に果実が収穫できる果樹です。「カリン」…つまり「借りん」で、借金がないという駄洒落で、縁起もよく、庭樹に適しています。日当たりがよく、土が合っていれば、簡単に育てられます。自家受粉が可能で一本で収穫できます。
大体リンゴと好む気温が同じです。
暖地では夏に枯れてしまいます。適した地域は北関東から北です。
カリンの実はビタミンC、ポリフェノールなどが含まれますが、硬くてそのまま生では食べられず、砂糖漬けなどにして食べます。ちなみに果実はまるで枝に突き刺したような付き方をします。
樹高6m(
剪定して2mに)
花言葉豊麗、唯一の恋
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水やり
極端な乾燥は苦手です。
庭植えの場合、基本的には自然に降る雨で、十分なんですが、土の
水はけや降雨などを考慮して、様子を見つつ水をやってください。特に果実が成っているときに乾燥すると実が変色して傷んでしまうことがありますので、水切れに注意しましょう。
鉢植えの場合は、土が乾いたら水をやります。
肥料
肥料はあまり必要としていませんので、あくまで控えめにします。2月と10月にリン酸とカリを主とした化成肥料をやります。窒素が多いと葉っぱばかりが出てしまいます。ややこしく書きましたが、普通の化成肥料や、
油粕+骨粉でいいです。
植え付け・植えかえ
時期
落葉時期の11月〜3月に植え付けをします。できれば厳冬期の1月は避けた方がいいです。鉢植えは2年か3年に一回、植え替えをします。
用土
土質は選びません。庭土が極端に水はけが悪いのであれば、川砂・
軽石小粒・
パーライトなどを混ぜて水はけをよくしてから植えます。土を掘り返したときに水が染み出すようなところであれば、
根腐れしてしまいますので、植えるのをやめましょう。
反対に極端に水はけが良い場合も乾燥でカリンは枯れてしまいます。川砂が多く水はけが良すぎる土であれば、
赤玉土・
堆肥・
腐葉土を混ぜて適度に調節します。
カリンは肥沃な土地を好みますので、腐葉土の代わりに堆肥を混ぜると尚良いです。
鉢植えする場合や庭植えで土を足す場合の
用土は市販の
培養土を利用します。
庭植え・地植え
庭植えの場合は、深さ50cm直径50cmの穴を掘って、掘り出した土に腐葉土か堆肥を3割ほど入れ、化成肥料を規定量入れてよく混ぜて用土とします。できれば一週間寝かせて土を馴染ませるといいです。穴に半分ほど用土を戻して、株を入れて、隙間に土を入れます。
木を高さ50cm〜60cmに切り戻すと、根の負担を減らして、回復が早くなります。カリンは乾燥に弱いので水極めをしましょう。余った土で土手をつくり、そこに水を貯めます。水が引くまで30分ほど待ち、水が引いたら土手を崩してならして完成です。
鉢植え
10号鉢に1苗を植えます。
鉢の底の穴を鉢底ネット(鉢底網)で塞いで、その上に鉢底石(軽石)を2cm〜3cm入れて、その上に用土を入れて、株を入れて、隙間に用土を入れて、最後に水をしっかりとやります。
管理場所・日当たり
日当たりに植えてください。日当たりが悪いと果実・花つきが悪くなります。カリンは頑健なのですが、美味しいのか病
害虫にやられやすく、特に風通しが悪いと尚、病害虫の被害が起き易くなります。そこで、カリンの樹は他の木とは密にならないように離して植えてください。
作業
人工授粉
庭植えにしている場合は、虫が受粉してくれるので人工授粉する必要はないですが、ベランダ栽培などで虫がおらず、人工授粉する必要があります。開花したら、筆などで花粉をメシベにコチョコチョっとつけてあげてください。
花の根元の膨らみを「子房」というのですが、この子房が小さなものは受粉しても落果しやすいです。大きいものから受粉していきましょう。
摘果・袋がけ
カリンは実が付きづらく、量は少ないので、果実を間引く必要はありませんが、色がおかしいものや、虫に食べられているものを取り除き、果実が膨らんできた6月ごろに袋を掛けます。袋を掛けることで病害虫被害を防げます。
病害虫
赤星病
近くに
ビャクシン属(
イブキやカイズカイブキ)の植物があると春に赤星病が発生する。
シンクイムシ
実の内部に入り込んで食べるシンクイムシが発生します。これは実に袋をかけることで予防できます。
アブラムシ
葉や茎にくっついて汁を吸います。特に新芽にたかるため、たくさん発生すると生育が悪くなるので発生したら薬剤を散布して駆除しましょう。排泄物に
スス病が発生します。
剪定
時期
花芽形成は7月から8月です。本来は花後、6月までに剪定をするといいです。6月の剪定だと、大きさを抑えつつ、結実が多くなります。ただ、この時期は果実が成っているので冬(12月から1月)に行うことも多いです。
剪定は毎年してください。
手順
樹形は開心自然形にします。主幹を80cm前後に伸ばし、そこから主枝が3本〜4本を均等に横に伸ばします。場合によっては紐で引っ張って誘引して樹形を整えます。主枝から側枝が出て、結実します。
花芽は短い枝にでき、長い枝にはできませんので、まずは新しく長く伸びた枝を先から3分の1の長さに切り詰めて(
摘芯して)、短い枝を出させます。大きさを抑えることもできます。短い枝はそのままにしておきます。
また、風通しが悪いと病害虫が発生しやすくなるので、邪魔な枝は適当にさばいて風を通すようにします。ただし、あまり強く剪定すると、弱ってしまうので強い剪定は避けます。
特徴・由来・伝承
バラ科ボケ属の庭木。冬には落葉します。庭木として表にカリンを植え、裏にカシノキを植えることで、金を「貸しても借りない」という縁起を担いだ。
のどの炎症を鎮めるアミグダバリンという成分が含まれています。のど飴に利用される。実が硬くて非常に渋く、生食には向いていないので、カリン酒や砂糖漬けにして食べる。
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