イヌマキ(犬槙)の育て方

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イヌマキの基礎データ

イヌマキ
科名
マキ科
属名
マキ属
学名
Podocarpus macrophyllus
別名
犬槙・草槙・クサマキ
耐寒
マイナス10度
水やり
たまにやる程度
場所
外の日なた
難易度
中級者向け
イヌマキの開花時期…種まき時期…植え付け・植え替え時期…肥料時期…剪定時期…月別スケジュールです。

イヌマキの特徴は?

イヌマキはマキ科マキ属の常緑高木の針葉樹コニファー)。関東より西で自生しています。本来は暖かい地域の針葉樹で若干寒さに弱い。雌雄異株で雌株になる赤い花托(カタク)は食べられるが、種子には毒があるので、口にはしない方がいいです。

庭木として、生垣としてよく利用される。イヌマキより少し葉が小さく、樹高も低いイヌマキの品種のラカンマキがあります。
樹高自然だと15mから20m。剪定して小さくするので庭木としては問題ない。
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水やり

庭植えにするもので、一旦根付いてしまえば自然に降る雨だけでほぼ大丈夫。あまりに日照りになるようならば水をやってください。

植え付けて2年は根が土に広がり切っていないので、水切れを起こします。二年以内は庭植えでも水やりをしてください。2年たって根付いたら自然雨だけで良いです。

鉢植えの場合は土が乾いたら、鉢底から水が出るくらいにしっかりと水やりをします。

肥料

2月に寒肥として有機質肥料(骨粉)をイヌマキの株元の周辺に、根に当たらないように撒いて土に混ぜ込みます。もしくは根に当たらないように、深さ20cm穴を数箇所ほど掘って埋め込んでください。

植え付け・植えかえ・種蒔き

時期・頻度

庭への植え付けは3月から6月の春か、秋9月に植え付けをします。移植をするときは5月〜6月にします。

用土

鉢植えの場合は赤玉土腐葉土3を混ぜたものを使います。庭植えの場合は庭土に腐葉土か堆肥を追加して、用土とします。

庭土の水はけが悪いなら、川砂・軽石小粒・パーライトなどを入れて水はけをよくして植えましょう。

庭植え(地植え)の手順は?

庭植えにする場合は、根鉢の大きさの2倍の深さの穴を掘って、掘り出した土に三割ほど腐葉土か堆肥を足して、化成肥料を少量だけ入れて、よく混ぜて用土とします。穴に半分埋め戻し、深植えにならないようにして植えてください。水はけがよく、根に空気が通る方がよいので、少し盛り土(高植え)をするのがコツ。

鉢植え

鉢に植えるときは、鉢の下の穴に鉢底ネットを敷いて、そこに鉢底石(軽石)を2cm〜3cm敷いて、その上に土を入れて高さを調節してください。次に、株を入れて、その周りに土を詰めて、最後にたっぷり水をやります。水が鉢の底から出るまでしっかり水をやってください。

増やし方

種まき

10月に実を取り、果肉を全て取り除き、流水で綺麗に洗い流します。果肉には発芽抑制物質が含まれているので、洗い流さないと発芽しません。これを10月に取りまきするか、3月までジップロックに入れて冷蔵庫に入れておいて3月に庭にまきます。

どちらにしても発芽するのは春以降です。

挿木

挿木で増やすこともできます。3月〜5月、9月〜10月の活動時期に剪定などで出た枝を10cmに切って、下葉をとって挿し穂とします。

あとは赤玉土小粒か赤玉土小粒か、挿木用土を入れた挿し床を用意して、ここに挿木を刺して、乾燥しないように水やりをして、明るい日陰で管理していると発根します。発根したら庭植え・鉢植えにしてください。発根までは1ヶ月か2ヶ月くらいかかります。

管理場所・日当たり

日当たりの良い場所を好みますが、日陰でも良いです。ちゃんと育ちます。ただ、日当たりの方が生育がよく葉色がよいです。

また潮風・大気汚染にも強いので庭木によく利用されます。ただ、暖かい地域の針葉樹なので、東北・北海道などの寒冷地では寒さで枯れる。

病害虫

アブラムシ
イヌマキに発生するアブラムシは少し赤みを帯びた種類。茎や葉にくっついて汁を吸います。特に新芽にたかり、新芽が変形してしまい生育不良を起こすことがあります。風通しが悪いと発生しやすいです。

カイガラムシ
カイガラムシは蝋に覆われた虫で、内部で動かずに汁を吸っています。少量であれば、歯ブラシなどで削ぎ落とせば、動けないのでそのまま死んでしまいます。幼虫時期は蝋に覆われておらず、薬剤が効くのですが、蝋に覆われた成虫は薬剤が効かないので、薬剤を散布する場合は2週間おきに三回以上散布しないとなかなか駆除は難しい。

ハマキムシ
蛾の幼虫で葉っぱを巻いて糸で固定して、内部で生育している芋虫です。年間で4回か5回繰り返して発生して、食害します。葉っぱに覆われているため、薬剤が効きにくいので、まずは巻いている葉っぱを取って踏み潰し、手に負えないなら浸透性の薬剤(オルトラン)を使うか、対応の薬剤を葉っぱの内部まで吹きかけるようにタップリと散布します。

ドウガネブイブイ
成虫は夜に葉っぱを食べ、幼虫は根を食べます。成虫は捕殺し、幼虫は薬剤を散布して駆除します。

キオビエダシャク
イヌマキやラカンマキ、ナギ等マキ科の葉を食べます。年数回発生し、幼虫は葉を丸坊主になるまで食害することもあり、被害木が枯死することもあります。成虫は昼間に活動します。成虫そのものはイヌマキ等に対する害はありません。発生時は、捕殺か薬剤(トレボン乳剤、スプラサイド乳剤、ロックオン)を散布して駆除します。

スス病
スス病が発生して黒くなることがあります。スス病はアブラムシ・カイガラムシの害虫の排泄物に発生する黒いカビで、枯れることはないんですが、見た目が非常に悪いです。害虫をしっかりと駆除しましょう。

ペスタロチア病
カビ。葉を灰褐色にして枯らします。落ち葉に菌糸が残っているので、落ち葉を取り除くと予防になります。

剪定

暖地中間地では活動が鈍くなる11月〜12月に剪定するといいですが、イヌマキは寒さには少し弱い植物なので、寒冷地で冬に剪定するとダメージで枯れることもあるので、春〜10月に剪定します。

円筒や生垣として刈り込まれることが多い。放置しているとあちこちに広がって行くので綺麗にするには剪定は必須です。というか、剪定して好きな形に作り上げることができるのがイヌマキを庭植えにする一番のメリット。成長が早く、剪定してもすぐに戻ります。

特徴・由来・伝承

イヌという名前は「本来のそれより劣る」という意味になる。イヌマキというのは、「マキ」より劣った性質のマキの仲間という意味になる。これがイヌマキの名前の由来の定説。本当かどうかは分からない。

ちなみにイヌマキに対してホンマキと呼ばれるのが「コウヤマキ」です。もしくはマキが「スギ」のことを指しているいるので、杉に対してのイヌマキという説もあります。

花托は可食で、種子には毒があります。赤い花托を鳥が食べ、鳥は糞とともに種子を排出するため、種子に毒があっても関係ない。哺乳類は種を歯で砕いて食べるため、種子に毒を持たせるという戦略は、よくあります。毒に含まれる種子は鳥には効果がないものが多いのは、そういった植物の戦略があってのことです。ちなみに赤は鳥から認識できる色で、鳥を花粉や種子の運び屋として利用する場合は赤い実や赤い花をつけることが多いです。
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