フロリバンダ系の育て方

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フロリバンダの基礎データ

フロリバンダ
科名
バラ科
属名
バラ属
学名
Rosa
水やり
水を好む
場所
外の日なた
難易度
上級者向け
フロリバンダの開花時期…植え付け・植え替え時期…肥料時期…月別スケジュールです。

フロリバンダ系とは?

フロリバンダはバラ科バラ属の落葉性低木の品種群の総称。ノイバラから作出された極少輪のドワーフ・ポリアンサ系を大輪にして耐寒性をつける目的で改良が始まり、出来上がったものが「フロリバンダ系」です。フロリバンダは「花束」という意味で、1枝に複数の花を房咲きするのが特徴です。育て方は「バラ」と同じですが、多少剪定などで違いがあります。樹形はブッシュ樹形で四季咲き。花径が4cmから10cmの中輪で遅咲き(剪定してから開花まで一ヶ月半くらい)が多い。花もちがよい。

多種・多色あり、カタログでは現物と色が違うことがありますので出来ればバラ園・植物園などで現物を見てから購入するといいです。
樹高40cmから200cm

水やり

水やりは株元の土に注ぐようにします。葉っぱに水をかけると滴が落ちて泥はねして黒星病に感染しやすくなります。水やりはゆっくりと時間をかけてすると土に水が染み込みやすいです。
●土があんまり乾燥していると、土が水を弾いて他所に流れ出ていきます。あんまり吸収しない場合は、土を割り箸なのでザクザクと砕いてから水をやります。

冬の水やり(12月から2月)

庭植えの場合は冬のバラは休眠しているので自然に降る雨だけで充分です。開花していても水やりは不要です。
鉢植えの場合は、土が乾いていたら水をやるようにします。

春の水やり(3月から6月)

春以降、気温が上がると生育が活発になり、水を欲しがります。よって庭植えでも自然雨だけでは不足しますから水やりが必要になります。水が切れると生育が悪くなり、花が落ちたり、ツボミが開かなくなるので注意します。特に午前10時から午後3時あたりに光合成が活発になり、水を必要とするので午前10時までに水やりをするようにします。

鉢植えは同様に土が乾いたら水やりをします。

注意点

●生育が良い、葉っぱが増え、ツボミ・花があると水切れが起きやすい。バラは水を欲しがる植物です。
●ツボミ→開花の時期に水をしっかりとやると花が大きく咲く。ただし、開花のときに乾燥気味にした方が綺麗になる品種もある。
●乾燥を防ぐためにマルチングをします(黒星病予防にも)。
●根は水を求めて広がるため、水やりが多いと根が地表近くばかりに広がって地下へと広がらないため、夏の乾燥する時期に水が吸い上げられず水切れが起きやすくなります。水やりは毎日ではなく、しっかりと乾燥するまで水やりしないでメリハリをつけるようにします。
●雨が降る時期(梅雨など)は水やりはしないでいいです。

夏の水やり(7月から8月)

夏は高温で蒸発が激しく、水切れが起きやすいです。水切れすると生育が悪くなる。水やりは朝か夕方にします。昼に水をやると水が沸騰して根を傷めます。朝に水をやっても葉っぱがしおれる場合は、葉っぱに直接霧吹きして水分補給をします(シリンジ)。

鉢植えならば朝と夕方の二回、しっかりと水をやります。もしも乾燥して水を吸収しないならば、土を割り箸などでザクザク刺してから水をやると吸収しやすくなります。

秋の水やり(9月から11月)

気温が下がって以降はむしろバラの生育時期です。水を欲しがるので春と同様に水やりをします。開花しているときは特に水を欲しがり、水が不足すると花が咲かなかったり、ツボミが落ちたりするので注意してください。

鉢植えならば、春と同様に鉢の土が乾いたら水をやるようにします。

肥料

元肥(1月から2月)

1月から2月に元肥をやります。この肥料は開花するまでの栄養となるものです。有機肥料(油かす・骨粉など)は分解されることで肥料になるので、施肥してから二ヶ月後に効き始めます。緩効性化成肥料は施肥してから一ヶ月後。化成肥料はすぐに効き始めます。3月以降に効かせるためには有機肥料は1月。緩効性化成肥料は2月にやります。

肥料はバラ用の肥料か、1株あたり油かす200g:骨粉200g:熔成リン肥200g(リン+MgやMnなどの微量要素):草木灰(カリ)200gを混ぜたものを施肥します。バラ用の肥料が便利かつ、結局安上がりです。
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●開花までの栄養で、開花時に肥料が残っているとダブルセンターやブルヘッドなど異常を起こす(品種にもよる)。

元肥のやりかた

バラの株元から40cm離れたところに深さ10cmから20cmの溝を掘って、腐葉土堆肥を10リットルほど入れます。そこにさらに化成肥料(もしくはバラ肥料)をやりよく混ぜておきます。バラは地表から地下20cmから25cmあたりの根で吸収するのでそれより深く掘って施肥する必要はないです。

鉢植えの場合は土の上に置き肥します。肥料は鉢の縁の近くに起きます(株が少し離すようにする)。
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●この後、マルチングをします。
●化成肥料は水に溶け出すものなので、肥料をやった後は水をやるようにします。水をやらないと効いてこないです。
●有機肥料を使わず、緩効性化成肥料を使った場合は3月4月に液体肥料か即効性化成肥料を追加する必要がある、かもしれない。様子を見つつ追肥する。問題ないならやらない。
●粘土質が多い土の場合、肥料は留まりやすいので、追肥すると徒長したりダブルセンター(芯が二つになる)、ブルヘッド(ツボミがカチカチで咲かない)などが起きる。状況を見て判断する。

マルチング(1月から2月)

株元にワラやバーグを敷いてマルチングをします。マルチングをすることで蒸発を防いで水切れを予防します。春から夏の開花時期に水が不足すると花が開かなかったり、ツボミが落ちてしまいます。また土中には黒星病の菌が住んでいるので、水やりや雨で泥はねすると葉っぱに泥がついて黒星病に感染します。マルチングで黒星病はかなり予防できます。

マルチングは敷きワラ・腐葉土のこともありますし、バーグのこともあります。格好がいいのはバーグですがワラや腐葉土は土にすき込めます。
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追肥(5月から10月)

庭植えの場合は一番花が終わったら追肥をします。追肥の方法は元肥のやり方と同じで周囲に溝を掘って肥料をやります。緩効性化成肥料なら1株に100gから200g。液体肥料を10日に一回株元にやるでもいいです。一番花が開花しているときと開花する前は肥料はやらないようにする。やると花の形がいびつになります。その後も定期的に肥料をやります。

鉢植えの場合は5月以降も定期的に肥料をやります。緩効性固形肥料を20gから30gくらい一ヶ月に一回やるか、リン多めの液体肥料を10日に一回やります。

注意点

●一番花の開花時に肥料が残っているのはよくないが、二番花以降は肥料があっても構わない。
●生育が良すぎる場合は肥料を抑えます。様子を見つつ判断します。
●液体肥料は便利で、即効性があるが、ちょい高い。
●肥料は水に溶け出し、流れていくものです。肥料後には水をやらないと根に吸収されないので固形の肥料後には水をやるようにします。また雨の多い梅雨のときは肥料が流れやすいので、肥料が切れないように間隔を狭めて追肥します。

植え付け・植えかえ

フロリバンダの植え付け・植え替えの詳細な手順はバラの苗の植え付け・植え替え手順を参考にしてください。

管理場所・日当たり

1日5時間以上の日当たりがある場所で管理する。午前10時から午後3時が光合成を盛んに行うのでこの時間に日光があたるのが理想。多少前後しても問題はないです。

温度と生育

最低気温が7度を切ると生育が止まり、4度になると落葉する。また最低気温が7度以上になると活動を再開し、芽が動き始める。27度を超えると生育が悪くなる(開花が鈍くなり、開花しても色合いが悪い)。開花に適した温度は18度前後なので、春と秋がもっとも適している。

鉢同士は空ける

11月から2月あたりの休眠時期であれば、日光は当たらなくてもいいので鉢同士をくっつけてもいいですが、3月以降、葉が繁ってるのにそのままにしていると葉っぱが重なり、日光を奪い合い、風通しが悪くなって病害虫が発生しやすくなるので、鉢同士の間隔を十分空けておく。

病害虫

カイガラムシハダニアブラムシヨトウムシ・黒星病・ウドンコ病

冬剪定

冬剪定の時期(12月〜2月)

12月から2月に冬剪定を行います。最低気温が7度以上になり活動をはじめると芽が動き始めます。剪定は芽が動き始める前に行うようにします(芽が動き始める時期は地域によって違うため、寒冷地ではもっと遅くても大丈夫)。フロリバンダは中小の小さな花をたくさん咲かせるものですのでハイブリッドティーと少し違います。

冬剪定の手順

フロリバンダの場合は冬剪定の切り戻しのときに「一番花が咲いた枝」を切り戻すのですが、フロリバンダは「二番花の咲いた枝」で切り戻しても構いません。フロリバンダは剪定したところから40cmほど伸びたところで開花するので、計算して剪定すると良いです。
参考その他の詳細な冬剪定を参考に。

その他の作業

芽かき(3月4月)

一箇所から三つの芽が出てくることがあるので、このうち大きなものを一つ残して、あとはとってしまいます。手で取ってしまっていいです。たくさん芽があるようならば間引いて少なくします。芽かき作業は芽が膨らんで動き始めてから行います。

枯れた枝の切り戻し(3月4月)

枝の切り口の先が枯れ込んでいる場合はこれを切り戻します。枯れ込みが芽のところに達する前でに切り戻してしまいます。健康な芽の上まで切り戻します。

ツボミ摘み

フロリバンダは房咲きさせるものなので、基本的に脇蕾はつまないで全て開花させます。ただし、ツボミが10輪以上ついている場合は、一番大きなツボミを摘んでやることで、大きさを整え、開花時期を調整できます。よくわからない場合はそのままにしておきましょう。
●10輪以上のツボミを放置していると大きなツボミが咲いてから、小さなツボミが咲く。それより大きなツボミを摘んでしまって、数輪の小さなツボミを一斉に咲かせた方が綺麗。

ブラインド処理(4月5月)

枝の先にツボミができて開花するものなんですが、枝の先にツボミが出来ず、枝分かれするだけのことがあります。これをブラインドと言います。この先端を五枚葉を二つか三つ分だけ切り戻して新芽を出させて、その先に花を咲かせるようにします。

花ガラ剪定(5月〜)

花が終わったら、花が咲いた枝の一番上の大きく育った5枚葉の少し上で切ります。残した5枚葉の根元から新枝が出てきます。5枚葉の上で切ると半分以上切り戻すことになるなら、3枚葉の上で切っていいです。
●フロリバンダは3枚葉がよく出るので5枚葉の上で切ると枝によってはかなり短くなる。

シュート処理

フロリバンダはシュートの先に早めに花が咲きやすいです。基本的にツボミは摘んで、大きく育った5枚葉の上の数センチほど切り戻して脇枝を出させます。うっかり放置して花が咲いてしまった場合は、最初の枝分かれの二本を5枚葉があるように切り戻し、あとの枝は切ってしまいます。
●シュートが細い場合は花を咲かしてから、5枚葉の上で切り戻す。
●11月以降に出るシュートは生育しても良い枝にならないので、根元から切ってしまいます。

サイドシュートの処理

枝の途中から太い勢いのある枝が出てくることがあります。これはサッカーとかサイドシュートと呼びます。太い枝をそのまま伸ばしていると花が咲くのですか、良い花が咲かないので5枚葉の上で切り戻します(細い枝はサイドシュートではないので普通に花を咲かせる)。
●フロリバンダは3枚葉が多いので、5枚葉の上だと短くなる場合は3枚葉の上でいい。

夏剪定

夏剪定の時期(8月〜9月)

8月下旬から9月上旬…気温が27度以下になってから剪定して全ての花を落とすことで、次の花を10月前後に開花させる。10月になると涼しい(18度から22度)ので色の鮮やかな花が長期間開花するので見頃になる。フロリバンダは遅咲き(剪定から48日から55日で開花)なので早めに剪定するようにする。
●バラは27度以上になると生育が悪くなるため、27度以下になるまで待って剪定する。関東では大体8月25日から9月15日。
花芽分化は16度から23度なので、あんまり遅いと花芽が分化しなかったり、十分な分化がなく咲いても小さくなることがある。
●よく分からない場合は夏剪定せずに花ガラ剪定を継続してもいい。夏剪定は秋にまとめて咲かすだけ。「バラは秋が見頃」ではなく、剪定によって「見頃」にしているだけなので、バラの生育には問題はない。

夏剪定の手順

今年、花が咲いた枝のうち二番花か三番花が咲いた枝の5枚葉の少し上まで切り戻します。夏剪定はあまり太い枝を切り戻すと開花が遅くなるので、二番花の枝が1cm以上の太い枝なら、三番花が咲いた枝を切り戻します。
●枝の太さが5mm以上なら切り戻すと開花する。
●夏剪定は樹形を整えるものではなく、秋にまとめて開花させるものです。
●夏剪定は葉っぱは出来るだけ減らさないようにします。強く切り戻すと、地上の減らした枝に合わせて根が枯れてしまいます。全体の葉っぱの3分の1を落とす感じ。それ以上は落とさないようにします。
●秋はツボミが少なめなので、摘蕾(=ツボミを間引くこと)はしないでいいです。
●9月10月に開花後にもう一度、花ガラ剪定をすることで再度、開花させることもできる。方法は花ガラ剪定の項目を参考に。
●最後の開花が終わったら、花首で剪定して葉っぱを多く残します。葉っぱを多く残して、気温が7度以下になるまで光合成させ株を充実させます。

台風対策(7月から8月)

支柱を3本立てて三角錐になるように上で縛ってそこに紐で固定する。台風が来るなら全体に黒星病の予防剤を散布しておきます。紐を強く縛らないようにする。台風が去った後にも、予防剤を散布しておきます。
●鉢植えならば室内に取り込む。もしくは雨の当たらないところで「倒して」おく。

最後に…

以下のページも参考にしてください。
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