万年青の育て方
目次
万年青(オモト)とは?水やり肥料植え付け・植えかえ管理場所・日当たり病気・害虫特徴・由来・伝承関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- 万年青
- 科名
- ユリ科
- 属名
- オモト属
- 学名
- Rohdea japonica
- 別名
- オモト
- 水やり
- 水控え目
- 場所
- 外の半日蔭
- 難易度
- 初心者向け
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万年青(オモト)とは?
万年青(オモト)は
ユリ科オモト属の
常緑植物。縁起がよく引っ越しの祝いに贈られます。葉・実・根に毒があります。基本的に性質は頑健。栽培上級者では「諦めて育てる」という言い方をする。これは「
肥料も水も控えめにして辛い環境」に置くということ。変に手をかけないくらいの方が頑健に育つからです。
草丈5cm〜40cm
花言葉長寿・長命・母性の愛・相続・崇高な精神
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水やり
気温が10度〜25度の春と秋は生育時期ですので、土が乾いていたら、鉢底から水がしみ出す位にしっかりとやってください。
万年青(オモト)は多湿にも弱いですが、乾燥にも弱いです。春と秋の生長する時期には特に乾燥させないように気を付けないといけません。水が不足しているようであれば…例えば葉先から枯れたり、萎れ気味の場合は潅水させてください。潅水はバケツなどに水を貼り、そこに万年青の鉢をドボンと浸けて給水させる方法です。
シンビジュウムなどでも行います。
夏
万年青(オモト)は高温多湿に弱い傾向がありますので、真夏は水を控えて乾燥気味に管理します。土が乾いてから二日経って水をしっかりとやる程度にします。また、夏の
水やりは朝にします。昼に水やりをすると水が沸騰して根が傷みます。
冬
冬になって気温が10度以下になってくると万年青(オモト)の成長が鈍くなり、水を吸収する力が落ちますので、植木鉢の土が乾いてから数日経ってから水をやってください。水やりが多いと
根腐れしますし、水やりを控えることで、寒さに強くなるので冬は必ず水やりを控えましょう。
葉水
乾燥予防と、病
害虫(
アブラムシ・
ハダニ・
ウドンコ病)の予防のために、霧吹きで葉っぱに水をやるといいです。これを
葉水といいます。葉水をするときは葉っぱの裏にも水をかけるようにします。
また、万年青(オモト)は葉っぱが平べったく、ここにホコリが溜まって汚くなり、光合成も阻害するので、濡らしたティッシュや布でときどき拭いて取り除いてください。
肥料
万年青(オモト)は肥料をあまり必要としません。むしろ与えすぎると傷んだり徒長したりするので基本的に控えます。成長させたい場合は春と秋に薄い液肥をあげてください。夏と冬は生育が止まっているので肥料をやらないでください。
植え付け・植えかえ
時期・頻度
植え替え頻度は1年か2年に一回。春(3月4月)か秋(9月10月)に植え替えをします。
用土
用土は大雑把にいうと、
水はけがよければ問題ありません。よく分からない場合は
軽石小粒だけで植えます。それでも十分です。
鉢植え
鉢植えをポンポンと叩いて、根を傷つけないようにして土を緩めて、中身を取り出します。水で根を洗い、傷んだ根を取り除き、根に付いたゴミを油絵用の硬めの筆で取り除きます。
新しい鉢は程よい大きさで。大きな鉢に植えると土が多くなり、土から水が蒸発しづらくなり、根腐れの原因になります。
鉢底の水が出る穴を鉢底ネットで塞ぎ、その上に鉢底石(軽石)を3cmほど入れ、その上に桑炭か二号~五号砂(もしくは軽石小粒)を入れて、万年青(オモト)を植えます。割り箸か何かで万年青の根が広がるようにして入れてください。
管理場所・日当たり
春と秋の万年青(オモト)の管理場所は午前中に日が当たり、午後は日が当たらないような
半日陰が好ましいです。耐陰性がありますので、少々日陰でも生育しますし、室内でも育ちますが、株が弱くなります。また葉っぱに斑が入っている場合は日光が少ないと模様が鈍くなります。
室内は場所によって日光不足になるかもしれませんから、症状を見て日当たりに移動させてください。
戸外で午後からも強い日差しが当たって
葉焼けする場合は寒冷紗などで遮光しましょう。
夏
真夏の暑さ・多湿・直射日光に弱いので。夏は風通しの良い戸外の明るい日陰か室内の明るいところで管理しましょう。
高温で乾燥すると、余計に葉焼けも起きやすくなります。寒冷紗などで遮光しましょう。
越冬
冬もできるだけ日光に当ててください。
寒さに強い(耐寒温度はマイナス5度)ので、土が凍らないのであれば冬の防寒は必要ありませんが、乾いた寒風が吹き抜ける場所だと葉っぱが傷んでしまいますので、寒風が当たらない場所に移動させてください。土が凍るようであれば室内に取り込みます。
関東より西であれば戸外で越冬可能です。
冷暖房の風に注意
室内で管理する場合、冷暖房の風に当てないようにします、冷暖房の風は非常に乾燥していて、
サボテンや
多肉植物でも直撃すると、カラカラになって枯れてしまいます。そのらくいに乾燥しています。直撃さえしなければ、よく、空気の乾燥は葉水で対処すればいいです。
病気・害虫
カイガラムシ
白い蝋に覆われたカイガラムシが発生することがあります。カイガラムシはそぎ落とすか、薬を散布してください。薬が効きにくいので、定期的に何度も散布することになります。
アブラムシ
新芽にたかって生育不良を起こさせます。放置していると株が弱ってしまうので、早めに取り除きます。少量であれば、水で吹き飛ばせばいいです。大量に見られるなら、薬剤を散布します。前もって
オルトランを散布していると発生は抑えられます。
ハダニ
乾燥すると見られる小さなダニで、葉っぱに水をかけていると予防できます。
スス病
ハダニ・アブラムシ・カイガラムシなどの排泄物に発生する黒いカビで擦っても落ちない。上記の害虫の発生を予防することが何よりの対処法です。
芋腐れ病
根を傷つけないようにしましょう。
葉先の枯れ
葉の先に水がたまり、そこで雑菌が繁殖します。予防としては筆で水を吸い取るようにします。
毒
オモトにはサポニンや配糖体ローデキシンが含まれていて、なかなか強い毒です。口には絶対してはいけません。
特徴・由来・伝承
江戸時代ごろから園芸植物として武家を中心に栽培されるようになり、模様の入り方や葉っぱの生え方によって分類わけがされるようになり、種類によっては非常に高額で取引されるようになりました。
明治以降は富裕層、特に京都で栽培が盛んになり、現在の価格で一億ほどの価格で取引されたことがあります。
秋の季語。
中国医学では茎が強心剤・利尿剤として利用されますが、非常に強い成分が含まれているので量を間違えると死ぬこともあります。
引越しの贈り物
万年青は漢字に現れているように「年中青い」常緑の植物です。これが繁栄を表していて、魔を祓い、縁起が良く、長寿を呼び込むと言われていました。
それがどうして引越しに贈られるようになったのか?
江戸時代の始まり、慶長11年(1607年)に江戸城に徳川家康が入場した際に愛知県三河の国長沢村の長島長兵衛から贈られた斑入りの万年青を江戸城に持ち込み、床の間に飾って繁栄を願った、という故事が残っています。これが万年青と引越しのつながりのようです。
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