紫式部(ムラサキシキブ)の育て方…鉢植えの植え替えの時期は?
目次
紫式部(ムラサキシキブ)の特徴は?植え付け・植えかえ管理場所・日当たり水やり肥料剪定について株の増やし方仲間病気・害虫関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- 紫式部
- 科名
- クマツヅラ科
- 属名
- ムラサキシキブ属
- 学名
- Callicarpa japonica
- 水やり
- 水を好む
- 場所
- 外の半日蔭
- 難易度
- 初心者向け
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紫式部(ムラサキシキブ)の特徴は?
紫式部(ムラサキシキブ)は北海道〜九州沖縄まで自生する
クマツヅラ科(もしくは
シソ科)ムラサキシキブ属の落葉
低木。夏に花が咲き、秋に艶のある実を付け、冬は落葉し、春にはまた新芽が芽吹きます。このサイクルを繰り返します。日本自生の植物で、暑さ寒さに強く、
こぼれダネでも増える。実を鑑賞する植物です。
水切れに弱く、水が切れると葉っぱがチリチリになり、枯れてしまいます。もしもそうなったら、枝先を切ってみます。切り口の中心部まで枯れているようであれば、その部分は枯死していますので、
剪定してしまってかまいません。切り口の中心部に緑の芯があれば、まだ枯死していませんので、時期がくれば芽吹きます。
樹高3m
由来
ムラサキシキブという名前は当然、平安時代の古典文学「源氏物語」の作者「紫式部」なのですが、これは元々この植物が「ムラサキ
シキミ」と呼ばれていたことから変化しただけと言われています。
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植え付け・植えかえ
植える前に…
こぼれダネでも増え、意外なところから生えて、根が強く硬くて抜きにくいです。環境が合うとはびこりすぎることがあります。植える前にある程度の「いつかは引っこ抜く」くらいの覚悟は必要です。面倒ならば植えない方がいいです。
植え付けと植え替えの時期は?
植え替え・植え付け時期は落葉時期です。ただし真冬は避けます。鉢植えの場合は、根の広がりが早いので、一年に一回程度植え替えをしないと
根詰まりを起こします。
用土
市販されている花と野菜の土で植えるか、
赤玉土6
腐葉土4を混ぜたもので植え付けをします。必ず、新しい土で植えてください。庭植えの場合は庭土に3割ほど腐葉土か
堆肥を追加して植え付けをします。
鉢植え
古い鉢から株を取り出して、土を3分の1ほど落とし、古い変色した根を取り除いてから、植え替えをします。同じ大きさの鉢でも、ひと回り大きな鉢に植え替えてもいいです。
鉢植えの底の穴を鉢底ネット(鉢底網)で塞いで、その上に鉢底石(
軽石)を2cm〜3cm入れて、その上に
用土を入れて、株を入れて、隙間に用土を入れて、最後に水をしっかりとやります。
●根を張るスピードが早く、根詰まりを起こしやすい。鉢植えより庭植えが適している。
●
コムラサキならば、株分けも可能です。紫式部ならば株分けはダメ。
庭植えの植え付け
深さ40cmから50cm、直径40cmから50cmの穴を掘って、掘り出した庭土に腐葉土か堆肥を3割ほど足してよく混ぜて用土とします。半分の用土を穴に戻して、株を入れて、隙間に用土を入れて最後にたっぷりの水をやって完成です。
管理場所・日当たり
日当たりの良い場所でもいいですが、乾燥が苦手なので、
半日陰が適しています。もしくは多少の日陰でも生育します。とはいえ半日陰なら実をつけますが、日影だとさすがに実は少ないので最低でも半日陰以上にしましょう。
暑さにも寒さにも強く、北海道でも成育します。北海道であっても冬の防寒も必要がありません(ただし雪の重みで折れるので、雪対策は必須)。
紫式部(ムラサキシキブ)は日光を好むのですが、乾燥に弱いです。
西日は植物が乾燥しやすく、この西日が株元に当たると紫式部(ムラサキシキブ)はツライです(夏が特に注意)。西日が当たらない場所に植えたり管理するか、株元に日光が当たらないように腐葉土やワラで
マルチングをしてあげてください。
水やり
水を好み、土が年中湿っているくらいの状態を好みます。水切れを起こすと葉っぱがチリチリになって、やがて枯れてしまいますので、庭植えにした場合でも、日当たりなどによっては水をしっかりとやってください。葉っぱがダラリとしてから水をやってもOK。復活できます。
鉢植えにすると、根を張るスピードが速いために水切れが起きやすくなります。庭植えが適しています。
鉢植えの場合は春〜秋は土が乾いていたら水をやります。
肥料
もともと紫式部(ムラサキシキブ)はあまり
肥料を必要としません。それだけでなく肥料が多いと花がつかず、花がつかないと実もつきません。肥料はやっても控えめがコツです。
庭植えの場合…肥料は冬の間(1月か2月)に寒肥として緩効性固形肥料をやります。不要だと思ったら、やらなくても構いません。
鉢植えの場合…冬(2月)・新芽が芽吹いた時(4月か5月)・
紅葉する時期(10月)に株元に緩効性化成肥料をやるといいです。
剪定について
剪定時期
花は春以降、芽吹いた枝に
花芽をつけ、6月〜7月に開花します。つまり春から夏に掛けて剪定をすると花が咲かなくなります。剪定をする時期は、新芽が芽吹く前、3月までの「冬」です。
剪定のコツ
紫式部(ムラサキシキブ)は剪定しても、芽吹いてくる「剪定に強い」植物です。なので、基本的にどう剪定しても(時期さえ間違えなければ)、花が全く咲かず、実もつかないなんてことはありません。なので、どう切っても完全な失敗はありません。ただしコツはあります。コツは以下に箇条書きにしてまとめておきます。
●紫式部(ムラサキシキブ)の剪定の最大の目的は樹形を整えること。ただし自然に伸びた樹形で十分綺麗。
●細い枝は枯れやすい。枯れているなら根元から落とす。
●剪定の傾向は「短い枝をそのまま残す・長い枝は切り詰める」。
●長い枝には花芽がつきづらいため、切ってしまってよい。
株の増やし方
株を増やす方法として
挿し木と種まきがあります。そもそも紫式部が、寒さ暑さに強く、そう枯れるものではないので、株を増やす目的がありませんが、一応書いておきます。
挿し木
挿し木は若い枝を三節程度の長さに切って、一番下の節が土に埋まるように土に挿していると発根します。
●三月と六月に挿し木で増やす。3月は新芽が出る前なので葉っぱがない。
●3月に剪定するので、その時に増やす?
種まき
種子は果肉を取り除いて(11月とか)、土にまいて、土を軽く被せていると発芽します(発芽は春)。種子は乾燥すると発芽しなくなるので、乾かないようにします。
●果肉には発芽抑制物質が入っています。
●種子は鳥が食べるので、熟したらすぐに採集しないとなくなる。
仲間
コムラサキ
コムラサキ(Callicarpa dichotoma)は、ムラサキシキブと同属で、全体が小ぶりな種。コムラサキの方が小ぶりで実つきがいいので実際に庭に植えられているのは「
小紫(コムラサキ)」の方。実際の育て方はムラサキシキブとほぼ同じです。
ムラサキシキブとコムラサキの違い
●紫式部は「枝垂れない」。小紫は「枝垂れる」。
●紫式部は「葉っぱが出るとこと花が出るところが近い」。小紫は「葉っぱが出るとこと花が出るとこがちょっとズレてる」。
●紫式部は「葉っぱの縁の全体がギザギザ」。小紫は「葉っぱの縁の上半分がギザギザ」。
白式部(シロシキブ)
白式部(Callicarpa japonica form. Albibacca)はムラサキシキブの変種。白い花が咲き、白い実をつけます。育て方はムラサキシキブと同じです。
オオムラサキシキブ
オオムラサキシキブ(Callicarpa japonica var. luxurians)はムラサキシキブの変種で、葉が大きく艶があり、花が多く、実もちょっと大きい。育て方はムラサキシキブと同じです。
ウラジロコムラサキ
ウラジロコムラサキ(Callicarpa parvifolia)は小笠原諸島の兄島・父島に自生する種で、葉っぱの裏に白い毛が生えていて、白く見えることが名前の由来。ヤギに食べられて絶滅寸前。
病気・害虫
ほとんど見られない。
病気・
害虫より水切れの方が問題です。
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