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ウチョウランの育て方

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ウチョウラン
目次
ウチョウランの特徴は?
水やり
季節による水やりの違い
肥料は春から秋にかけて
植え付け・植えかえ
増やす方法
段ボール実生
管理場所・日当たり
病害虫
特徴・由来・伝承
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学名などの基礎データ
ウチョウランの開花時期…植え付け・植え替え時期…肥料時期…月別スケジュールです。最終更新
植物名
ウチョウラン
科名
ラン科
属名
ハクサンチドリ属
学名
Orchis graminifolia
水やり
水控え目
場所
外の半日蔭
難易度
中級者向け
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ウチョウランの特徴は?

ウチョウランは本州・四国・九州で湿った岩壁に僅かにたまった土やコケに根を張るラン科の地生ランです。

ウチョウランは日本に自生するランですが、開発による生育環境の変化や「山野草マニア」による乱獲などで野生種は絶滅危惧種です。自生地はほぼ全滅とも。

しかし、有志による人工栽培によってかなり市場にも沢山流通していますので、他のラン(胡蝶蘭デンファレシンビジュウムなど)ほどではないですが、見かけるようになりました。

ラン科植物は基本みんなそうなんですが、種子は非常に細かく、しかもラン菌がいないと発芽・生育できないという特殊な性質です。
草丈20cm
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標準花って?

標準花とは、特徴のない株のこと。ウチョウランの展示即売会などのラベルに標準花と書かれている場合、通常のウチョウランであり、普通の花が咲きます。ただ、標準花も色んな種を交配させた結果、特徴のないものが生まれただけで、遺伝子的には特殊ということがあり、これを交配させたら、特殊な株が生まれる…という可能性はあります。

昔は特殊な株が数万〜100万単位で取引されていましたが、現在はそこまで熱狂していないので、お手頃な価格で株が買えるようになっています。
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水やり

雨に当てない、水はそっと土に注ぐ

ウチョウランは水を好むのですが、水をやりすぎると根が腐ってしまいます。土が乾くまでは水を控えます。他のランの場合だと葉っぱから水を吸収するので葉っぱにも水を掛けたり霧吹きで給水するのですが、ウチョウランはこれらの水が茎と葉の境目の窪みにたまると、腐って病気になってしまいますので、水は口の細いジョウロで土にそっと注いでください。

季節による水やりの違い

冬は水をほとんどやりません。生育が止まり、水をやると水が腐ってしまうからです。しかし水を完全に止めると乾燥で枯れてしまいます。そこで大体、月に一回程度、鉢底から水が染み出す位にやります。

霜が降りなくなり気温が18度前後になったら、水をやりはじめます。土が乾いたら水をやります。

夏・秋

土が乾いたら水をやります。乾燥が激しいので、水が切れないようにします。

ちょっと待って!!

ウチョウランの栽培のコツは水やりです。しかし水やりは環境や土の配合次第で全く違ってきます。基本は「土が乾いたら水をやる」なのですが、風通しが悪いとそれでも腐ってしまったり、配合次第では乾燥しすぎることもあります。水をやる前に土とウチョウランの状態をよく見てから判断しましょう。

肥料は春から秋にかけて

薄い液肥を二週間に一回か二回、真夏を除いた春から秋にかけてあげてください。

植え付け・植えかえ

時期・頻度

毎年か一年おきに植え替えをします。株が活動し始める前の2月3月に植え替えをします。活動が止まっているので、土を落として植え替えることができます。花が咲いているときは特に植え替えはしないでください。

用土

ウチョウランの用土鹿沼土赤玉土ボラ土ミズゴケの単用や、鹿沼土1 ボラ土1 バーミキュライト1や赤玉土3鹿沼土6川砂1を混ぜたものなど、それぞれの考えや感覚――というか個人の環境で変化します。どれが正解ということもありません。よく分からない場合はウチョウラン用土や山野草の土がネットで販売しているので取り寄せるのが吉です。
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植え替え手順

鉢は株に対して小さめにする。大きいものだと用土に水が残って腐りやすい(特に冬)。2.5号鉢に3球から5球が目安。古い鉢から株を取り出し、土を落として植え替えます。植え替えの際に球根を分球して株を増やすこともできます。

ランというと、水ごけに包んで植えるものですがウチョウランは土植えでもいいです。

鉢底の穴を鉢底ネットで塞ぎ、用土を入れ、球根を浅植えにする。球根の頂点が地表から5mmから1cm程度の浅植え。深く植えると腐りやすい。しかし浅すぎても新芽が出ない。
●時期によってはすでに新しい根や新芽が出て来ていることがあるが、これが折れると再生しないので、気をつける。

増やす方法

分球

球根を分けること。植え替えの時に球根を分けることで幾らでも増える。これが普通の方法。

種子

開花後に種子が取れる。種子は小さく、風に飛んでいくほど。これをラン植物の生える土に撒いていると発芽する(ウチョウランが発芽するには土壌にラン菌がないといけないため)。ただし、一般的ではない。普通は分球。

段ボール実生

段ボールを苗床の底に敷いて、種まきをするという方法で、なぜか一般的になっています。成功率が高いため、ウチョウラン愛好家はこの手法をとるんですが、なぜうまくいくのか?というメカニズムは分かっていません。

手順

開花すると内部に花粉の塊ができます。これを別の株の柱頭につけて受粉させると種子ができます。花が萎んでから10月に熟しますので、種子を破裂する前に採取します。採取したら、以下の手順で苗床を準備して、種まきをします。
ウチョウラン:補足情報
段ボールを2cm〜3cm角に切って、苗床となるプランターの底に敷き詰めます。プランターは水の抜けるものを使ってください。3cm〜4cmの厚さに敷いて、隙間が無いようにします。この上に鹿沼土を3cm、その上にミズゴケの粉を薄く敷きます。ミズゴケはミキサー砕くか、ミズゴケ栽培で使った際に残っていたものでもいいです。このミズゴケの上にタネをまきます。種は粉のように小さいので、スプーンで適当にまきますが、できれば重ならないように…というか偏らないようにします。

この種の上に★桐生砂を薄くかぶせます。
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ウチョウラン:補足情報
あとは雨の当たらず凍結しない明るい日陰で、腰水にして段ボールが半分以上、水に浸かっているくらいの状態を維持します。このまま冬を越し、寒さに当てて、5月ごろに発芽します。今年発芽しなくても、そのまま管理していると夏→秋→冬を越して次の年に発芽するものもあるので、そのまま管理を継続します。

発芽したら日陰より少し、日当たりのいいところに移動させ、薄い肥料をやります。日当たりといっても木陰です。直射日光は避けましょう。

発芽して1年経ったものは、鉢植えに植え替えます。
●寒さに当たらないと発芽しない。
●ランの仲間なので発芽のためにはラン菌が必要で、他の植物が植っている鉢にタネをまいていると発芽しやすいとも。

管理場所・日当たり

ウチョウランは明るいところを好むのですが、強い直射日光に当たると葉焼けを起こします。年間を通して室内の日当たりで管理するか、春から秋は半日陰で冬は室内の日当たりで管理します。ただし真夏に室内で管理する場合は、窓越しであっても直射日光がきついのでカーテン越しにするか、日光が直に当たらないように取り込みます。

病害虫

アブラムシハダニ
ウィルス病を媒介するので、見つけ次第、駆除する。

ウィルス病
一度感染すると、徐々に弱って枯れる。治療は不可能なので廃棄するしかない。ハサミは必ず消毒してから使うことで予防できる。他のウィルス感染株の葉っぱの先が当たるだけでも感染する。アブラムシなどからも感染する。

その他病気
軟腐病…腐ってくる病気。進行が早い。過湿にしていると感染する。
立ち枯れ病…腐ってしまう。これも水のやりすぎで発症する。

特徴・由来・伝承

山野草の一種で地生ラン。地生ランというのは土に生えるラン科植物のこと、なんて書くと植物が土に生えるのが当たり前なのに、わざわざ「地生ラン」って書くのはおかしい!と思った人もいるはず――そのとおりです。ラン科植物は大抵、木や岩などに着生して育つもので、土に根を生やすランの方が珍しいのです。
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