山桜の育て方…花言葉は?鉢植えの植え方は?
目次
ヤマザクラ(山桜)とは?植え付け・植えかえ・種蒔き管理場所・日当たり水やり肥料剪定病気・害虫特徴・由来・伝承関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- ヤマザクラ
- 科名
- バラ科
- 属名
- サクラ属
- 学名
- Cerasus jamasakura
- 別名
- 白山桜
- 水やり
- 水控え目
- 場所
- 外の日なた
- 難易度
- 上級者向け
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ヤマザクラ(山桜)とは?
樹皮はよく見る
ソメイヨシノと同じ。
ヤマザクラ(山桜)とは日本の新潟〜鹿児島に自生する
バラ科サクラ属の落葉高木。桜の野生種。3月〜4月に葉が出て花が咲き、1週間ほどで花は散る。花より先に葉が出るので、花と葉が混在することになる。
ソメイヨシノと違って5月6月に実がなり、黒く熟すがおいしくない。食用とするなら「
サクランボ」を植えましょう。秋には美しく
紅葉し、冬は落葉します。ソメイヨシノのように一気に咲いて、一気に散るということはなく、個体差が大きい。日本に自生するものなので育てるのは簡単だが、庭に植えるにしては大きくなりすぎる。
樹高10mから30m
花言葉
花言葉は「あなたに微笑む」「淡白」。
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植え付け・植えかえ・種蒔き
時期
生育速度が速く、鉢植えでは間に合いません。庭植えが普通。
落葉時期に11月〜3月に植え付け・植え替えをします。鉢植えは基本的に毎年、最低でも2年に一回の植え替えをします。
鉢植え
植え替えの場合は、古い鉢から株を取り出し、古い土を3分の1落として、傷んだ根を整理してから植え替えます。現在と同じ大きさの鉢でもいいですし、ひと回り大きなものでもいいです。
鉢底の穴を鉢底ネット(鉢底網)で塞いで土が出ないようにしてから鉢底石(
軽石)を2cmから3cmほど入れて、軽石の上に土を入れ、株を入れて、隙間に土を入れていき、最後に水をやります。鉢底から水が出るまで水をやってください。
庭植え
根鉢の二倍の深さと直径の穴を掘って、掘り出した土に
腐葉土を3割足し、
油粕か
鶏糞を説明書きの通りに入れよく混ぜておきます。
水はけが悪いなら、川砂を足して調節しましょう。1週間寝かせて土を馴染ませるとなお良いです。穴に土を半分埋め戻します。ヤマザクラの根を解いて、長い根を切り、長さを揃えてから植え付けます。
隙間に余った土を入れていき、最後にしっかりと水をやって完成です。
種子から育てる
ヤマザクラは成長が遅く、種からの育成には時間がかかるため、種まきからの育苗は一般的ではない方法です。
まず、5月〜6月に実を収穫し、果肉を取り除いて三日間陰干しを行います。その後、網袋に砂と同量の
種子を入れて、排水性の良い土に埋めておきます。ジップロックに濡れたティッシュに包んで冷蔵庫(4度)で保存することもできますが、これだと早くに発芽してしまいます。
種まきをする前には、水に種を浸け、浮かんでくるものは内部が空洞のものなので取り除き、沈んでくるものを「発芽する可能性がある」として種まきします。かなりの確率で乾燥で発芽能力を失っています。また、再度、果肉を完全に取り除いてから、種子をまきます。
種まきは2月に行います。冬に寒風が当たって土が乾く場所では、春(3月以降)に播種するのがおすすめで、霜の降りない地域では、10月に露地に直接播種することもできます。
種をまく場合は、鉢底に水が抜ける穴を鉢底ネットで塞いでから、鉢底石を2cm敷いて、小粒の
赤玉土を入れます。種は3cm間隔でまき、その上に1cm〜1.5cmほどの赤玉土をかぶせます。
水やりをしっかり行い、乾燥しないように管理します。発芽は大体3月に始まり、5月ごろまでにすべての種子が発芽するはずです。
10cm〜15cmに成長したら、庭植えすることができます。ただし、ヤマザクラは成長が遅いため、この作業には2〜3年ほどかかることがあるため、根気が必要です。
管理場所・日当たり
日当たりで管理します。夏の直射日光にも負けません。日光が不足すると開花が鈍くなるため、必ず日当たりで栽培しましょう。自生地は東北が北限だが、北海道南部くらいなら庭植えは可能です。
水やり
庭植えの水やり
庭植えにした場合は自然に降る雨でほぼ十分。あまりに日照りになったら水をやってください。
鉢植えの場合は土が乾いていたら、鉢底から水が出るくらいにしっかりと水をやります。
肥料
芽吹く前の2月に寒肥として油粕か鶏糞を
堆肥か腐葉土に混ぜたものをやります。また、花が散り、実がなり始める5月6月に同様に施肥します。
地上の枝と地下の根はリンクしていて、地上の枝先の真下に根があります。
肥料は根に当たらないようにやります。根の当たらないところに肥料を撒いて土にすき込んでください。
肥料はなくても育つのですが、肥料があった方が生育が良く、開花も多いので花を期待するのであれば、毎年肥料(鶏糞や化成肥料)をやります。
剪定
落葉時期の冬に
剪定します。自然な樹形で綺麗に育つので、邪魔な枝(枯れ枝・変な方向に伸びた枝・徒長枝)を軽く剪定する程度にします。サクラは傷口から
病気になりやすいので、太い枝を切ったら
癒合剤を塗ります。癒合剤がない場合は木工用ボンドで切り口を塞ぎます。切り口がむき出しになって居なければいいのです。
剪定するべき枝については以下のページを参考にしてください。
病気・害虫
その他、
害虫がよく発生する。見つけ次第、薬剤をまいて防除する。
ウドンコ病にもかかる。
コスカシバ
幼虫が樹皮と木の間を食べ、最悪枯れることも十分あります。老木に発生しやすい。6月〜10月に発生します。対応した薬剤を散布することで駆除することが、来年の発生を抑える大事な作業になります。
根頭がん腫病
根にコブができる病気。苗がかかり、土から感染するので、発生したら株は廃棄し、土を消毒する。
アメリカシロヒトリ
昔はよく発生したが、現在はほとんど見られない。桜の代名詞とも言うべき「毛虫」。アメリカシロヒトリが発生しない現在であれば、庭木としてヤマザクラはなかなか風情があるんじゃないかと思います。
特徴・由来・伝承
ソメイヨシノがまず花が咲いて、その花が散ってから芽が出るのに対して、山桜は葉っぱとツボミが同時に出る。ぱっと見には葉っぱがまず出ているので、出っ歯の人のことを山桜と呼ぶ。鼻(花)より先に歯(葉)が出ているから。
山桜はもともと変異が多く、さらに多くの別種の桜と自然交配しているのもあって個体差が大きい。なのでヤマザクラを、里に咲いている桜ではなく「山で自生する桜」というざっくりした言い方とすることも多く、そのときはヤマザクラ・
オオシマザクラ・オオヤマザクラ・カスミザクラ・クマノザクラを含む。
花見の風習が定着したのは江戸時代だが、ソメイヨシノが広がったのは明治以降。江戸時代に花見をしていたのは山桜のこと。有名な吉野の桜も山桜です。
ソメイヨシノの寿命が60年に対してヤマザクラは長い。500年とか1000年の樹齢の木があるらしい。
prunus属(
スモモ属)に分類することもある。樹皮が漢方薬の桜皮になる。
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