チョコレートコスモスの育て方

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チョコレートコスモスの基礎データ
チョコレートコスモス
科名キク科
属名コスモス属
学名Cosmos atrosanguineus
別名コスモスアトロサンギネア
水やり水を好む
場所外の半日蔭
難易度上級者向け
画像投稿
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開花
植え
肥料
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チョコレートコスモスとは?

チョコレートコスモスはメキシコ原産のキク科コスモス属の多年草宿根草)。チョコレートのような色合いと、チョコレートのような香りがする花が、ひょろっと伸びた花茎の先に開花します。風に揺れる姿は情緒があります。

チョコレートコスモスには原種と、交配種があり、原種は夏の暑さに弱いので注意してください。交配種は比較的頑健です。
チョコレートコスモス:補足情報
日光が大好きだが、夏の暑さに弱く、寒さに弱くて霜に当たると枯れます。短日植物の名残で、電灯が当たっていると花が咲きづらいので、街灯・室内灯が当たらない場所で管理しましょう。

春と秋に苗モノが出回ります。そのときに植えて楽しんだ後、どうやって冬と夏を越えるか?が課題になります。夏越え・冬越えともに初心者には難しいので、「枯れたら仕方ない」という気持ちで春・秋に植えて楽しむものと割り切った方が気楽です。
草丈40cmから50cm
チョコレートコスモス
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水やり

庭植えの水やり

チョコレートコスモスは見た目より、乾燥に強く、庭植えの場合は、自然に降る雨だけで十分。ただし、庭植えでもあまりに夏の乾燥する時期は水やりをしてください。

鉢植えの水やり

鉢植えの場合、4月~11月の生育期は、土が乾いたら水をたっぷりとあげてください。鉢底から水が出てくるくらいにシッカリ水をやります。チョコレートコスモスはどちらかというと乾燥に強く、土が長い間、湿気た状態を嫌います。秋や春は土を触ってみて濡れている様であれば水はやらないでください。水やりの頻度が多すぎると根腐れしますし、病気になりやすくなります。

水をやるときは、鉢底から水が出るくらいにやり、受け皿の水は捨ててください。

夏は蒸発が早く水切れするので、毎日、朝と夕方のどちらか、もしくは両方で水をやります。

冬の水やり

冬は地上部がなくなってしまいますが、根は生きています。春にはまた芽吹くので、冬も水をやってください。水をやり過ぎると根が腐ります。土が乾いてから数日待って水をやりましょう。土壌水分計で鉢の中の水分を計測してから水やりをすると根腐れを防げます。
土壌水分計
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庭植えの場合は自然な雨で十分です。
球根部を掘り上げると乾燥で枯れてしまうので、植えたままで管理しましょう。

肥料

生育期に液肥を10日に1回程度あげます。もしくは一ヶ月に一回、化成肥料を少量あげます。肥料が多すぎると花が少なくなりますので、肥料が多いと思ったら、肥料を控えてください。

夏(7月から9月)は暑さで生育が止まっているので、肥料をやらないでください。

植え付け・植えかえ

時期・頻度

春と秋に苗が流通するので、これを植え付けます。チョコレートコスモスには春から秋にチラホラ咲くタイプと、10月あたりに一気に開花するタイプがあります。これは短日植物の性質をどのくらい残しているかの違いだろうと思われます。

鉢植えで越冬したら植替えは毎年春に行います。

用土

肥沃な酸性〜中性の土を好みます。市販されている花と野菜の土で植え付けをします。自作する場合は赤玉土腐葉土4を混ぜて物を使いましょう。原種の場合は、できれば培養土パーライトを1割か2割混ぜて水はけをよくするといいです。

鉢植え

植え付ける場合はまず6号鉢以上に1苗を植え、翌年以降、毎年、ひと回り大きな鉢に植え替えましょう。

鉢底の穴に鉢底ネット(鉢底網)を敷いて、その上に2センチから3センチほど鉢底石(軽石)を敷きます。その上に用土を入れて苗を入れて、隙間に用土を詰めて行きます。鉢を揺らすと隙間ができるので用土を入れて、隙間ができなくなるまで続けます。最後に水をやって完成です。

植え替えの場合は、株・苗は土は落とさず、根はほぐさないで一回り大きな鉢…1号か2号大きな鉢に植え替えします。植え替えはチョコレートコスモスにダメージがあるので、植え替えてしばらくは開花が止まることがありますが、しばらくすると回復します。

植え替えの際に株分けも可能です。球根に芽があるように、分ければいいですが、切り口から雑菌が入って腐りやすいので、消毒したナイフで切り、切り口に癒合剤を塗って雑菌の侵入を防ぎましょう。

庭植え

庭土を20cm〜30cmほど掘り返し、土に腐葉土か堆肥を2割〜3割入れて、化成肥料を少量入れて混ぜて用土とします。できれば一週間寝かせて土を馴染ませるといいです。穴に用土を半分戻して、株を株間30cmほど空けて植え、隙間に用土を入れて、最後にしっかりと水をやります。

植え付けの際は苗の土を崩さないでポットから取り出したそのまま植え付けてください。

挿木で増やす

原種は5月〜6月、交配種は5月〜8月に挿木で増やすこともできます。株分けで増やせるんですが、腐って枯れやすいので、挿木の方がいいです。

上記の時期に7cm〜10cmの新枝を切り、下葉をとり、花とツボミも取って、水揚げをします。水揚げは切り口を水につけて葉っぱの先まで水を行き渡らせる作業です。水揚げしてから、挿木用の用土や、赤玉土小粒・バーミキュライトなどにさし、乾燥しないように明るい日陰で管理していると発根します。発根して、新しい葉っぱが出てくるようなら、鉢や庭に植え付けましょう。

挿木のより詳細なコツは挿木を参考にしてください。

管理場所・日当たり

夏は涼しいところへ

原種のチョコレートコスモスは夏の暑さに少し弱いので、夏(7月から9月)は風通しの良い半日陰に移動させたほうがいいです。日光を好み、真夏の直射日光が当たっても葉焼けということはないのですが、暑さで根が傷んで枯れることがあります。

原種以外の交配種は夏の暑さには比較的強いので、夏は日当たりでもいいですが、鉢植えだと高温で乾燥して水切れを起こすので、その場合はやっぱり半日陰に移動させましょう。

日当たりで管理する

チョコレートコスモスは日光を好みます。日光が当たっていないと花つきが悪くなり、徒長(=ひょろ長くなる)します。春と秋は戸外の日当たりで管理します。
日光が不足すると花がつかなくなります。つぼみがついても開花しないようになります。

短日植物

チョコレートコスモスは短日植物の名残で、夜も街頭が煌々(コウコウ)と光っている場所に植えると花が咲きづらくなります。夜も光が差すような場所は避けた方が花つきが良くなります。

全く咲かないのではなく、「咲きづらくなる」だけなので、気にしないなら気にしないでも。

越冬

耐寒性はそこそこあって、0度まで耐えることができますが、霜に当たると地上部が枯れてしまいます。ただし地上部が枯れているだけで、根まで枯れていなければ春にまた芽吹きます。

地面が凍ると根が枯れます。腐葉土やワラを被せてマルチングをすれば土までは凍結しません。地上部を刈り込んで、マルチングをしましょう。
冬は地上部が枯れていて変化はないですが、鉢植えの場合は水やりをしないと乾燥で枯れてしまいます。忘れないように、水をやってください。

花ガラ摘み

花がしぼんできたら摘んでしまいます。種はできないんですが、放置していると株が弱るので早めに摘みましょう。切花として流通しているので、早めに切って部屋に飾るのもイイですよ。

剪定

8月に株全体を高さ10cm〜20cmに刈り込むと、秋以降に脇芽が出て花が増えます。秋に一気に開花するタイプも切り戻すことで、草丈を小さく抑えられます。

病害虫

うどんこ病
ウドンコ病が発生しやすいです。春と秋に発生しやすく風通しを良くすると予防できます。傷んだ葉っぱを整理して、密生しているようなら間引きましょう。発生してしまったら薬剤を散布します。

アブラムシ
アブラムシはどうにもこうにも発生します。見つけ次第捕殺し、薬剤を散布します。他の植物から移ってくるので、周囲の雑草を刈ると多少は予防になります。

ホコリダニ
高温乾燥が続くと発生します。新芽が縮みます。薬剤を散布してください。

特徴・由来・伝承

原産地はメキシコ。大正時代には日本に渡来しています。黒に近い茶褐色という花としては本来人気の無さそうな渋い色合いですが、小ぶりであることと、茎と花のバランスの繊細さと、何よりもほのかにチョコレートの香りがすることが、切花としてもガーデニング材としても人気の理由です。渋色のアレンジをするときはよく入っていますね。

原種のチョコレートコスモス(Cosmos atrosanguineus)は自生地では絶滅していて、原種も交配種も種は取れませんので、増やす場合は挿木・株分けで増やします。

りぼん連載の春田なな作のマンガ「チョコレートコスモス」(2007年~2008年)のもとになった花です。
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