ニンジンボク(西洋ニンジンボク)の育て方
学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- ニンジンボク
- 科名
- シソ科
- 属名
- ハマゴウ属
- 学名
- Vitex agnus-castus
- 別名
- 西洋ニンジンボク、チェストツリー
- 耐寒
- マイナス5度
- 水やり
- 水控え目
- 場所
- 外の日なた
- 難易度
- 初心者向け
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ニンジンボク(西洋ニンジンボク)とは?
ニンジンボクは
シソ科の宿根の木で、秋は
紅葉、冬は落葉、春に芽吹いて夏に花を咲かせます。ハマゴウの仲間。非常に頑健で、
マイナス5度の寒さにも耐え、直射日光・暑さにも強いです。他の植物があまりの日本の暑さで花を休む7月8月に香りのある涼しげな
青い花を咲かせます。育てていると二メートルほどまで大きくなり、最大で8メートルまでになる種類も。ニンジンボクは「庭植え向き」です。庭に植えるとすぐに成長し、大きくなります。大きな庭を持っているのであればオススメの植物です。
蜜源植物で蝶や蜂を寄せる。
開花後には結実し、あまり一般的ではないですが、これが
ハーブにもなります。熟してから乾燥させ、実をティーポットに入れて蒸らして5分〜10分ほど蒸らすとハーブティーになります。別に美味しいものでもないですし、真夏に開花するだけでも十分、庭を賑やかしてくれるので、ハーブとしての利用はあくまで知識だけにしておきましょう。
樹高3m
最初にまとめ
●ニンジンボクはシソ科の木で寒さ暑さに強く、育てやすい。
●庭植えの場合は自然に降る雨だけで大丈夫。
●鉢植えの場合は土が乾いていたら水をやる。
●
肥料はなくてもいいがやるなら2月3月。
●日当たりでも
半日陰でも育って開花するが、夏の暑さに強いのが長所なので普通は日当たりで管理する。
●寒さには強いがマイナス5度以下になると枯れてくるので、寒い地域は株元に
腐葉土を敷いて
マルチングをする。
●夏の暑さには非常に強い。
●病
害虫はほぼ発生しない。
●シソ科のハーブでもあり、実と葉からハーブティーを作ることも可能。
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品種・仲間
ハマゴウ(Vitrex rotundifolia)
ミツバハマゴウ(Vitex trifolia)
セイヨウニンジンボク・シルバースパイア
ニンジンボク・プルプレア…実際はハマゴウの仲間でニンジンボクではないがニンジンボクとして流通している。
セイヨウニンジンボク・ロゼア
水やり
庭植えの水やり
乾燥気味の状態を好み、庭植えにした場合は、真夏に日照りでもない限りは降雨だけで十分です。
鉢植えの水やり
鉢植えにする場合は土が乾いていたら水をやるようにします。水をやり過ぎないように気をつけないといけません。土が常時濡れていると
根腐れを起こして枯れてしまいます。
肥料
基本的に肥料はなくても十分育つ。生育が悪い場合に肥料をやる程度。
庭植えならば2月に有機肥料(
油かすなど)か緩効性化成肥料をやる。株の周囲に深さ20cmほどの溝を掘って肥料を混ぜ込んで埋める。肥料は春以降の生育のための栄養になるので毎年やるといい。やらなかったからといって枯れることはないです。
●株の周囲に肥料を埋めるのは、肥料が根に当たって肥料焼けしないようにするため。地下の根は地上部の枝と対応していて、地上部の枝の先が根の先にあたるので、根に当たらない距離に溝を掘って埋める。
植え付け・植えかえ
植え付け時期
植え付け時期は落葉している2月から4月が適しています。霜が降りない時期が好ましい。落葉後の11月あたりに植え付けをします。苗が出回るのは主に8月前後の開花時期なので、これを買っておいて秋に植え付けるといいです。
鉢植えは2年か3年に一回は植え替えをする。頻繁に植え替えをすると株がダメージを負うので避けたほうがいい。
●開花時期でなければいつ植えつけても、頑健なので枯れるわけではありません。
用土
植え付けの土は
水はけの良いものが好ましいですが、市販されている土に川砂を1割〜2割ほど混ぜるか、
赤玉土5腐葉土3川砂2を混ぜて植え付けをします。
庭植えの手順
庭に根鉢の2倍から3倍の直径と深さの穴を堀り、掘り出した土に腐葉土を2割ほど追加し、緩効性化成肥料を足して
用土とします。用土を半分戻し、株を入れて、隙間に用土を入れていって、最後に水をやります。株の周囲に土手をつくって水極めをすると根がなじみやすいです。
●植え付けのときに根鉢の土を3分の1ほど落として崩して植えてもいいが、できれば崩さない方が株にダメージが少なくて済む。
●崩さずに根を少しほぐすと根が土に広がりやすい。
●枝が張るので、他の樹木と1mから2mは距離を取って植える。
鉢の植え替えの手順
現在の
鉢の大きさより一回り大きな…1号か2号大きな鉢を用意します。鉢の底の穴を網で塞いで、その上に
軽石を3cmほど入れ、その上に用土を入れ、株を入れる。隙間に用土を入れていく。鉢を揺らすと隙間ができるので、その隙間に用土を入れていき、最後に水をやって完成。
●同じ大きさの鉢に植え替える場合、株の古い土は3分の1ほど落としてから植え替える。
●大きく育つので、ひっくり返らないように重くて大きな鉢を用意します。
参考:
大きすぎる鉢でギックリ腰に挿木
3月から4月か9月から10月のあたりに
挿木で増やす。枝先を2節から3節ほど切り取り、切り口を水につけて
水揚げをします。水揚げはコップなどに水を張って切り口をつけて水を葉っぱの先まで行き渡らせてシャキっとさせる作業のこと。30分から1時間でシャキっとします。これを上記の用土を入れた苗床に挿木します。あとは乾燥しないように明るい日陰で管理していると一ヶ月ほどで発根します。発根すると新芽が出てきますので、新芽が出てきたら鉢や庭に植え付けてください。
●成功率は100%ではないので複数の挿木を用意してください。
●切り口に発根剤を塗ると成功率が上がる。
●水揚げ前に切り口をカッター・ナイフで斜めに切ると水が上がりやすい。ハサミで切ると細胞が潰れてしまうため水が上がりにくくなる。また斜めに切ることで断面積が大きくなり、水を吸い上げやすくなる。
ニンジンボクの種子
開花後に花をそのままにしていると
種子ができます。
管理場所・日当たり
春から秋の管理場所
日当たりを好みますが半日陰でも大丈夫なので、どちらでも構いません。あまりに日陰だと花は減ってしまいます。ただニンジンボクは暑さに非常に強く、他の花が休む時でも開花するのが長所なので真夏にガンガン日光が当たる場所で管理するといいです。
冬の管理場所
耐寒温度はマイナス5度。マイナス5度以下にならない場所に植えるか、マイナス5度近くまで寒くなる地域で庭植えにしている場合は株元に腐葉土やワラを敷いてマルチングをして根を低温から守ります。
鉢植えは冬もできるだけ日当たりの良いところで管理します。冬の寒風が当たらない場所を選びます。寒風は乾燥していて、寒風に晒されると枯れ込むことがあります。
●鉢植えは庭植えより寒風の影響を受けやすい。
剪定
剪定は落葉している時期、最適期は2月か3月です。
ニンジンボクはそもそも細かい枝が少なく、放置していても樹形が乱れにくいので剪定はほとんどしないでいいです。基本的に、剪定するときは「邪魔な枝が伸びている」「徒長枝が伸びている」ときくらいです。
4月以降に生えてくる新しい枝に花が咲きますので、古い枝は、根本から切り落としてしまっても、「剪定が悪くて花が付かなかった」ということはありません。
●ちょっとしたコツです。昨年、花が咲いた枝を根本から切ります。自然な樹形を楽しむのであれば剪定は行わなくても構いませんが、昨年、花の咲いた枝をバッサリと切って短い枝を残すと、年々花つきが良くなります。
●ニンジンボクは枝があまり多くないので、強い剪定をすると枯れることがある。全体の3分の1以上切り詰めないようにします。
病害虫
特に発生しない。
由来・伝承
真夏の7月から9月に掛けて花を咲かせます。直射日光にも強く、乾燥にも強いので夏の庭に涼しげな紫の花を咲かせるガーデナーさんが増えています。ニンジンボクには香りがあり、その香りも人気です。葉がチョウセンニンジンに似ていることから「ニンジンボク」と呼ばれる。
マイナス5度にまで耐えるので、寒冷地でなければ越冬は簡単。霜に当たっただけでは枯れません。
白と紫のほかにピンクのニンジンボクもありますが、白と紫の方が鮮やかで人気があります。
矮性種もあります。
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