パンダスミレの育て方

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パンダスミレの基礎データ
パンダスミレ
科名スミレ科
属名スミレ属
学名Viola hederacea/banksii
別名ツタスミレ・ツルスミレ・タスマニアビオラ
水やり水を好む
場所外の半日蔭
難易度中級者向け
画像投稿
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開花
植え
肥料
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パンダスミレとは?

パンダスミレとはスミレ科スミレ属のオーストラリア原産多年草。白地に青い模様の入る様子が「パンダ」のようなのでパンダスミレと呼ばれます。他に、ツタスミレ・ツルスミレ・タスマニアビオラとも呼ばれます。草丈が低く、グランドカバー向き。根っこが横へと広がって増えていきます。

四季咲き性で、気温5度以上で日当たりなどの条件が揃えば、春だけじゃなくて秋や他の季節でも花が咲きます。

水やり

鉢植えの水やりパンジービオラ類と同じ。土が乾いていたら水をしっかりとやってください。真夏は高温多湿にならないように、水を控えます。また真冬も、寒さで生育が鈍くなっていたら水を控えます。

庭植え・地植えにした場合は、自然に降る雨だけでほぼ大丈夫です。

肥料

生育期間(春と秋)に二週に一回ほど液体肥料をやりましょう。肥料が多いと徒長するので花首が長く感じたら控えてください。
参考:肥料の基礎知識

植え付け・植えかえ

時期・頻度

植え付け・植え替えの時期は真夏・真冬を除いた時期です。根の張りが早いので毎年植え替えをすることになります。植え替えの際に株分けして増やせます。

用土

土質は選ばず、市販されている花と野菜の土か、パンジービオラの専用土で植え付けをします。

鉢植え

6号に1苗を目安に植え付けます。鉢植えの底の穴を網で塞いで、その上に軽石を2cm〜3cm入れて、その上に用土を入れて、株を入れて、隙間に用土を入れて、最後に水をしっかりとやります。

植え替えをする場合は、古い鉢から株を取り出し、古い土を落とし、変色した根を取り除いてからひとまわり大きな鉢に植え替えます。この際に株分けも可能です。適当に割いて、別々に植えればいいです。

庭植え

深さ20cmほどを掘り返して、腐葉土堆肥を元の土に対して2割ほど追加し、化成肥料を少量入れて、よく混ぜて用土とします。ここに株同士を20cm〜30cmほど空けて植え付けます。最後にしっかりと水をやって完成です。

横に広がるので、もっと離して植えてもいずれは埋まります。

パンダスミレは繁殖力が強く、環境が合うと他の植物を駆逐することもあり、「植えてはいけない植物」に挙げられることがあるほどです。鉢植えでの栽培にしておきましょう。

管理場所・日当たり

春・秋は日当たりか、半日陰で管理します。

夏越し

夏は風通しの良い半日陰か明るい日陰で管理します。もしくは寒冷紗などで遮光します。夏越しを考えて最初から半日陰で管理してもいいです。

パンダスミレは宿根で頑健、毎年咲く、といいことづくめなんですが、やっぱりスミレですから夏の暑さには弱く、直射日光ガンガンの場所に置いていると傷んでしまいます。日当たりだとさすがに枯れますが、半日陰くらいなら葉っぱを傷めながらも夏越しは出来ます。

越冬

冬になると霜に当たったり積雪で地上部が見当たらなくなることがありますが春には(大抵)芽が出ます。

耐寒温度はマイナス3度くらいと、ビオラ・パンジーと比べると寒さには弱く、土が凍結するほどだと、根まで枯れてしまいます。凍結しないように軒下で管理しましょう。

夏越しも、出来れば日陰に移動させたほうがいいので、庭植えよりは鉢植え推奨です。

特徴・由来・伝承

パンダスミレ:特徴・由来・伝承
紫の模様と白い下地がパンダのようだからパンダスミレという愛称で呼ばれます。和名はツタスミレ。ややこしいことに、トレニアのこともパンダスミレと呼んでいることがあります。もちろんここで言うパンダスミレとトレニアは違う植物ですし、近縁種でもありません。

パンダスミレは初春から初夏まで咲きます。実は気温があれば、いつでも咲きます。といっても、俗にいう一般的なスミレ「ビオラ・パンジー」類に比べると花の咲き方も花の大きさも、控えめですので、物足りないと感じるかもしれません。

別名タスマニアビオラ、宿根ビオラ、ツルビオラなどなど。流通量が少ないのでネットで購入したほうが早いです。種苗会社によっては「タスマニアビオラ」「パープルピコティ」「ウィンズビオラ」「クリーピングすみれ」と全く違う流通名で売っているので注意。

ヘデラケアとバンクシー

植物採集家のジョセフ・バンクスとスェーデンの植物学者チャールズ・ソランダーがオーストラリアで発見した植物に「ヴィオラ・バンクシー」という名前をつけたのが1770年のこと。このバンクシーはバンクスにちなんだ学名です。ところがこの「ヴィオラ・バンクシー」は標本が失われてしまい、どんな植物か分からなくなりました。

その後、フランスの植物学者のでラビラリャディエールが1805年にタスマニアで発見したビオラに「ビオラ・ヘデラケア」と名付けました。

不運というか、なんというかこの2種は別種なのですが、同じような地域で自生していたためにごちゃ混ぜになってしまい、全て「ビオラ・ヘデラケア」として流通販売されてしまいました。バンクシーは標本がなかったからしょうがないですね。

その「ビオラ・ヘデラケア」として流通したもののうち、色合いの鮮やかで頑健な「バンクシー」が、より好まれて広がっていった…というのが2004年に研究によって明らかになり、長年、このパンダスミレは「ビオラ・ヘデラケア」として流通していましたが、現在では「ビオラ・バンクシー」とされています。

しかし、日本で流通しているパンダスミレ=バンクシーかというと、よく分かりません。というのも日本でよく流通しているパンダスミレには「稔性」がありません。稔性がないということは「種子をつけない」ということです。本来のバンクシーは種子をつけるので、日本で流通しているパンダスミレはバンクシーと何かの交配品種ではないか?とも言われています。

また、パンダスミレの園芸品種とされる「ベイビーブルー」というのは、種子ができるのでバンクシーではなく、ヘデラケアではないか?という説もあり、この辺りはややこしく、また、結論が出たところでガーデナーにはどうでもいい話なんで、この辺りでおしまいにしたいと思います。
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