ハナカイドウの育て方
目次
ハナカイドウ(花海棠)の特徴は?水やり肥料植え付け・植えかえ管理場所・日当たり剪定病害虫特徴・由来・伝承関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- ハナカイドウ
- 科名
- バラ科
- 属名
- リンゴ属
- 学名
- Malus halliana
- 水やり
- 水控え目
- 場所
- 外の日なた
- 難易度
- 中級者向け
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ハナカイドウ(花海棠)の特徴は?
ハナカイドウ(花海棠)は中国原産の
バラ科リンゴ属の落葉
低木。開花時期は4月〜5月、結実し9月〜10月に実が熟します。日当たりがよくて
水はけがよければ、育てるのは簡単。
半日陰だとほとんど花が咲かなくなりますし、狭い庭では花が咲かないので注意してください。
八重咲き、枝垂れ、斑入り、白花、ピンク花など品種が色々とあります。
冬に
剪定をします。ハナカイドウはとにかく「日光」が好きで、日光が不足すると花が咲きません。葉が茂りすぎて内部まで日が通らなくなっても、花が咲かなくなるほどで毎年、内部の余分な枝はしっかりと整理しましょう。
樹高2m〜4m
花言葉艶麗、美人の眠り、温和、友情
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水やり
庭に植え付けて根付いたら、自然に降る雨だけでほぼ十分ですので、
水やりは不要です。あまりに日照りが続くようであれば水をやってください。
鉢植えの場合は、土が乾いていたら水をやるようにします。水はけのよい土を好み、過湿になると根が腐って枯れてしまいます。水をやりすぎないよう、必ず土が乾いてから水をやるようにしてください。
肥料
2月に寒肥として、化成
肥料か
油粕+骨粉を株の周囲の根に当たらない場所に深さ20cm〜30cmの穴を掘って埋めます。基本的に2月の寒肥だけでいいですが、生育が悪いなら、開花後の5月にも同様に肥料をやるといいです。
植え付け・植えかえ
時期
植え付けは落葉時期に行います。12月~1月は植え付け適期から外していますが、これは極端に寒い時期…ようは土が凍るようなら植え付けには適さない…という意味で、土が凍らない地域ならば真冬に植え替えをしても問題ありません。
鉢植えの場合は
根詰まりする前に2年か3年に一回、植え替えをします。
用土
鉢植えであれば、一般的な
培養土で植え付けます。地植えの場合は土に
腐葉土や
堆肥を加えて
用土とします。
庭植え・地植え
苗木の枝を半分ほどさばき、根も伸び過ぎている部分だけをさばきます。枝をさばくのは根の負担を減らすためです。根を詰めるのは植えやすくするためです。
深さ40cm直径40cmの穴を掘って、掘り出した土に腐葉土か堆肥を3割ほど入れ、化成肥料を規定量入れてよく混ぜて用土とします。できれば一週間寝かせて土を馴染ませるといいです。穴に半分ほど用土を戻して、株を入れます。
接木部分が少し埋まるくらいの深さに植えるといいです。あとは隙間に土を入れて、最後に水をやって完成です。
あまりに粘土質で水はけが悪いなら、川砂などを混ぜて水はけを良くしてから植えます。穴を掘ってすぐに水がしみ出して来るようなら、植えるのは止めましょう。根が腐って枯れてしまいます。
鉢植え
最初は7号〜8号に1苗を植えます。
鉢植えの底の穴を鉢底ネット(鉢底網)で塞いで、その上に鉢底石(
軽石)を2cm〜3cm入れて、その上に用土を入れて、株を入れて、隙間に用土を入れて、最後に水をしっかりとやります。
植え替えの場合は、古い鉢から株を取り出して、株の古い土を3分の1ほど落として、同じ大きさの鉢かひと回り大きな鉢に植え替えます。
挿木・接木
他の植物のように
挿木ではまず根が出ません。そこでズミという木を台木にして
接ぎ木します。市販の苗もズミを台木としたものです。ズミは同じバラ科リンゴ属の樹木でリンゴの台木にも利用されることがあります。
管理場所・日当たり
日当たりのいいところで育てます。半日陰だと花が極端に少なくなり、ハナカイドウの利点を生かせません。ただし、
西日が苦手で、株元に日光が当たると乾燥して弱るので、そういう場合は株元に
マルチングをして乾燥を防ぎます。
北海道南部〜九州まで栽培されているので冬の寒さには強く、防寒は不要です。
剪定
落葉時期の12月〜3月に剪定をします。剪定は枯れ枝、徒長枝、変な方向にのびた枝を落とし、混み合った部分の枝をさばいて風通しをよくします。
花芽は開花後にできるので冬の剪定では花芽を落とすことになります。
花芽を落としたくない場合は6月に行います。
落とすべき枝と残す枝については以下のページを参考にしてください。
病害虫
赤星病
近くに
ビャクシン属(
イブキやカイズカイブキ)の植物があると春に赤星病が発生する。
ウドンコ病
葉っぱに白いカビが生える
病気で、風通しよくし、健康にしていると発症して枯れることはないです。剪定して、風を通しましょう。
アブラムシ
新芽によくたかって、汁を吸い、新芽がダメになってしまうので、発見したら早めに薬剤で駆除しましょう。生態と対応した薬剤は以下のページを参考にしてください。
ハマキムシ
葉っぱを巻いて、内部に住む芋虫で、葉が巻いてあったら、とって踏み潰しましょう。
特徴・由来・伝承
バラ科の落葉樹。江戸時代に中国から日本に伝わってきました。ハナカイドウという名前は、ハナカイドウが伝わる以前に日本にやってきていて同種で実がつく「
ミカイドウ(実海棠)」と区別するために、花が美しいので「ハナカイドウ(花海棠)」と呼ばれるようになりました。
春を代表する樹木です。八重や枝垂れタイプや他種あります。樹高が5メートルから10メートル近くまで成長することがあるので、庭樹にする場合は、ある程度の剪定が必要になります。ハナカイドウも実が成り、実も観賞できますし、食べることも可能です(ただし、それほどおいしいわけじゃないです)。
楊貴妃がほろ酔いで眠そうにしているのを唐の玄宗皇帝が楊貴妃をハナカイドウに例えて「海棠、眠り未だ足らず」と言ったという話があるように海棠は「美人」の代名詞とも言える植物です。
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