イヌツゲの育て方
目次
イヌツゲの特徴は?イヌツゲの仲間・品種水やり肥料植え付け・植えかえ・種蒔き管理場所・日当たり剪定病害虫特徴・由来・伝承関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- イヌツゲ
- 科名
- モチノキ科
- 属名
- モチノキ属
- 学名
- Ilex crenata
- 別名
- 犬黄楊・ニセツゲ
- 耐寒
- マイナス25度
- 水やり
- たまにやる程度
- 場所
- 外の半日蔭
- 難易度
- 中級者向け
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イヌツゲの特徴は?
イヌツゲは
モチノキ科モチノキ属の常緑
低木。
雌雄異株。5月6月に開花して10月11月に黒い実がなる(モチノキ科の多くは赤い実)。
日向を好むが、多少の日陰でも育つ。もちろん日光が少なければ生育は鈍く、枯れ込んでくるので日当たりが好ましい。刈り込みに強く、よく萌芽することから生け垣によく利用される。葉っぱはよく出るが、枝の生育は遅く、大きく成長するには時間がかかるが、それでも
ツゲよりは早い。若干乾燥に弱い。水が不足すると枝が枯れ込んでくる。
暑さ・寒さには強く、北海道南部以南ならどこでも育つ。
樹高3mから5m。大きくなると10m。生育が非常に遅く、3mになるまで相当な時間がかかります。
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イヌツゲの仲間・品種
変種が多くある。以下に挙げたものの他にオオバイヌツゲ・キミノイヌツゲ・アカミイヌツゲ・ヒレリーなどがあります。
スカイペンシル
スカイペンシル(
ホウキイヌツゲ)はイヌツゲの品種で、縦に伸びるばかりで横に伸びづらく使い勝手の良い庭木。生育が遅いですが、そこも
剪定の手間がかからないというメリットになります。よく庭木に植えられています。
フクリンイヌツゲ(フイリイヌツゲ)
フクリンイヌツゲは白い斑が入るイヌツゲの変種。綺麗ですが、生育が遅くて、少し性質が弱いために、流通が非常に少なく「珍品」扱いになっています。
マメツゲ
マメツゲは樹高1mに収まる庭のフチとか端っこというかボーダー(境目)に植えることが多いイヌツゲの品種。
キンメツゲ
キンメツゲは新芽が黄色になるイヌツゲの品種。庭が明るくなります。
ゴールデンジェム
ゴールデンジェムは葉が黄色いイヌツゲの品種。黄金ツゲとも呼ばれます。
水やり
根付いてしまえば、自然に降る雨だけで十分。ほぼ
水やりは不要です。ただし乾燥時期は水をやります。イヌツゲは乾燥すると落葉し、枝枯れするので夏は注意します。
植え付けて2年以内はまだ十分根付いていないので、庭植えでも水をやりましょう。特に1年目の夏は危険です。
肥料
基本的に植え付けした時に
腐葉土か
堆肥を混ぜ込んでいれば十分ですが、長く育てていると
肥料が不足してきます。有機肥料が不足すると冬に葉っぱが落ちるので、冬に葉っぱがパラパラと落ちるようであれば堆肥や緩効性化成肥料を2月と7月に株元に混ぜてやります。
アルカリ性の土を好みます。雨は
弱酸性で放置していると土が弱酸性になっていきます。なので年に一回、
苦土石灰を株元にやってください。
植え付け・植えかえ・種蒔き
時期
冬と真夏を避けた時期なら植え付けは可能。
用土
アルカリ土壌を好む(中性なら問題ない)。また肥沃な土を好み、痩せた土地の場合葉っぱが落ちます。庭植えの場合は庭土に腐葉土か堆肥を追加して、
用土とします。庭土の
水はけが悪いなら、川砂・
軽石小粒・
パーライトなどを入れて水はけをよくして植えましょう。
庭植え(地植え)
庭土を深さ20cmほど掘り返し、苦土石灰を1平方mあたり100gほどまいて中和させます。中和には1週間〜10日かかるので、中和反応があらかた終わったら、その土に腐葉土か堆肥を元の土に対して2割ほど追加して、化成肥料を説明書きの規定量入れて、よく混ぜて用土とします。
穴に半分ほど土を戻して、株を入れて、水やりをしつつ隙間に土を入れます。
余った土で、株の周囲に土手をつくり、そこに水をたっぷりとためます。水が吸収されて引くまで待ち、引いたら土手を崩してならし、完成です。
普通は業者に頼んで植え付けすると思う。
挿し木
7月〜8月に15センチほど新しい枝を切って、切り口を水に1時間ほどつけて
水揚げしてから、
赤玉土単葉の土に挿して、乾燥しないように日陰で管理していると発根します。まぁ、普通はしない(育つまで時間がかかるので)。
種まき
10月に採取し、果肉を取り除き(果肉には発芽抑制物質がついているため)、そのまま撒くか、冷蔵庫で貯蔵してから春に撒きます。
管理場所・日当たり
日向でも
半日陰でも育ちます。多少の日陰でも育ちますが、日当たりが悪いと枝が枯れ込んでくる。
暑さ寒さに強く、北海道南部でも生育可能。むしろ寒い地域でよく栽培されています。
剪定
真夏以外の温暖な時期…4月から10月の間に全体を整える程度に剪定する。葉っぱが小さいので線程度の掃除は面倒。整えるだけでなく、内部に風が通るようにするのが剪定の大事なポイントです。葉っぱと枝が密生するイヌツゲなので、内部に風が通るように枝を裁くのは大変ですが、病
害虫の原因となるのでやりましょう。
春に新芽が出て、それが6月7月に止まる。この時期に剪定すれば効率が良い。その後、また新芽が出るが、また9月に止まるので、その頃に剪定すると効率が良い。
株元からヤゴとかシュートと呼ばれる勢いのある枝が出てきたら、速攻で切る。
病害虫
アカシマメイガ、
ハダニ・
カイガラムシ・
ハマキムシ・
スス病。
病気が発生したらすぐに薬剤を散布して駆除します。
風通しが悪いとハダニ・カイガラムシが発生しやすので、剪定で内部まで風が通るようにする。
特徴・由来・伝承
イヌツゲという名前は
柘植(ツゲ)に似ていることからが来ているが、ツゲは
ツゲ科でイヌツゲはモチノキ科で全くの別種。イヌというのは「劣る」という意味ではないかとも言われる。イヌは「否(イナ)」が転訛したもので、本来は「柘植ではない」という意味ではないかという説もある。別名の「ニセツゲ」は「否ツゲ」説に近い。
キンメツゲはイヌツゲの
園芸品種。日本庭園ではよく見かける。
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