擬宝珠(ギボシ・ホスタ)の育て方…適した植え替えの時期や土は?
目次
擬宝珠(ギボシ)とは?水やり肥料植え付け・植えかえ管理場所・日当たり病害虫特徴・由来・伝承最後に関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- ギボウシ
- 科名
- ユリ科
- 属名
- ギボウシ属
- 学名
- Hosta
- 別名
- 擬宝珠・ギボシ・ホスタ
- 水やり
- 水控え目
- 場所
- 外の半日蔭
- 難易度
- 初心者向け
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擬宝珠(ギボシ)とは?
擬宝珠(ギボシもしくはギボウシ)は
ユリ科ギボウシ属の日本を含む東アジア原産の
多年草。6月〜7月に紫色や白の開花し、冬は寒さで地上部が枯れる落葉性です。春にはまた芽吹きます。
日本原産なので、気候には合っているのですが、ギボウシの本来の生息地は森の中なので、日当たりのいい庭に植えていると真夏の直射日光で葉っぱが焼け、茶色くなったり、しおれてしまいます。理想は明るい日陰で涼しくて落ち葉などがある場所……です。
基本的に環境が合えば毎年楽しめます。比較的日陰でも耐えますので、花は少なくなりますが葉っぱの鮮やかな模様目当てで
シェードガーデン(日陰の庭)を飾るのには向いています。冬は地上部が枯れます。
花は個体によって二回咲くものと一回だけのものがある。これは種・品種よりは個体差。
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水やり
鉢植えの水やり
鉢植えの場合は土が乾いたら水をしっかりとやってください。
ギボシは乾燥には比較的強いのですが、温暖化の影響なのか真夏の蒸発が激しく、植えた場所によってはすぐに水切れを起こします。鉢植えは真夏は朝と夕方の二回、水をやる必要がある場合があります。
冬になると休眠します。鉢植えの場合は11月以降
水やりの回数を減らします。土が乾いてから数日後に水をやると考えてください。
庭植えの水やり
庭植えにした場合は基本的には降雨だけで十分です。ただし、夏に乾燥が過ぎると枯れなくても葉っぱが汚くなりますので気を付けてください。様子を見て水をやりましょう。
庭植えの場合は冬は水やり不要です。
肥料
春(3月)と秋(九月)に緩効性固形
肥料(
油かすか化成肥料)を適宜やります。3月は新芽と花のための肥料で、9月は消耗した株の栄養補給のための肥料です。
植え付け・植えかえ
時期
適した時期は3月~4月ですが、それほど気にすることもなく、真夏・真冬以外は時期外れだから枯れるということはありません。鉢植えの場合は
根詰まりする前に植え替えをします。
環境が良いとすぐに根詰まりするので、そのときは3月に植え替え後、直近の6月や秋に植え替えるということも十分あります。
庭植えにしたら基本的には植えっぱなしですが、大きくなると中央部分が枯れ込んでくるので、そうなったら掘り出して株わけするといいです。
用土
土は市販の土か、
赤玉土6と
腐葉土4を混ぜたものを使います。
鉢植えの植え替えの手順
鉢植えの場合は、5号〜10号でもいいです。大きく植えれば葉が大きく育ち、小さい鉢ならそこそこに育ちます。根は浅いので長い鉢である必要はないですし、大型株で長鉢にすると倒れます。
鉢植えにする場合はとにかく重い鉢は避けることです。大株を目指して陶器・素焼きの大鉢にすると移動もままならないです。プラ鉢で、10号を最大にしておくのが無難。それ以上は個人の体力と相談してください。
植え替えるときは古い土を三分の一ほど落としておきます。植え替えのときは株分けも可能です。
鉢底の穴をアミで塞いで土が出ないようにしてから
軽石を2センチから3センチほど入れて、株を植え、最後に水をやります。鉢底から水が出るまで水をやってください。
株分も可能で適当に分けてそれぞれを植えればいいです。
庭植えの植え付けの手順
庭植えの場合は、植え付ける二週間前に
苦土石灰をまいて中和させておく。深さ30cm・直径30cmの穴を掘って、掘り出した土に腐葉土か
堆肥を3割か4割混ぜて、半分ほど土を戻して、株植えて、最後に水をやって完成です。
地面に植えっぱなしにしていると、際限なく大きくなる…のではなく中央部分が腐ってしまい、いくつかの大株が群生しているような形になる。自生地で見ると見渡す限りのギボウシというわけではなく、ポンポンと株同士が離れています。
できれば3年〜5年に一回掘り上げて、株分して植え直すといいです。適当に切り分けて植え直せば問題なく根付きます。大型種はかなりの重労働になります。
管理場所・日当たり
真夏に直射日光が当たると葉っぱが焼けてしまいますので、
半日陰の場所や、何かの植物の日陰になる場所などに植えてください。鉢植えで移動させても構いませんが、ギボウシは和ものなので庭植えがおすすめです。真夏の直射日光と猛暑に気を付ければ、あとは手も掛りません。
斑入りの白い部分には葉緑素が少なくなっており、白い部分が多い品種は他のものに比べると弱いです。
品種によって、夏の直射に負けないこともあります。これは品種だけでなく、環境や株の状態や個体差にもよるので、この品種は大丈夫!とは言えない。まずは鉢植えで1年〜2年ほど栽培して、夏の直射に強いかどうかを確認してから、地植えにするとよいですよ。
越冬
冬は寒さで葉っぱはなくなりますが、寒さにも抵抗があって、戸外で越冬可能です。地面が凍ると根が傷んでしまいます。根本に腐葉土を敷き詰めて
マルチングして防寒してください。
あまりに小さい苗は寒さに抵抗が無い(若干弱い)ので、冬は玄関や軒下などの寒さが直に当たらない場所で管理するとよいです。
バッタ
バッタが葉っぱを食べることがあります。バッタは近くの
雑草からやってくるので雑草を草刈りしておくとある程度は予防できます。
ダンゴムシ
ダンゴムシは普段は枯れ葉しか食べませんが、食べるものがなくなると生葉を食べるようになりますし、見た目に気持ち悪いので対応した薬剤で駆除するといいです。対応した薬剤がありますので、以下のページを参考に。
ネコブセンチュウ
根にコブを作るセンチュウの仲間。生育不良を起こすので、駆除したい。
コガネムシ
根を食べる芋虫で、発生すると水切れしやすくなり、枯れてしまう。2匹で大株のギボウシが枯れるので、前もって
オルトランを使ったり、異変があれば対応薬剤で駆除しましょう。
ウィルス病
葉っぱに妙なモザイク模様が出て、徐々に株が弱っていく。治療法はなく、感染したら他のギボウシ類にも感染するので、廃棄してください。
ギボシ・ギボウシは漢字で書くと擬宝珠と書きます。これは建築物の飾りで橋や神社、寺院、橋の欄干などにあるものです。ギボウシはこの飾りにツボミが似ていることから付けられた名前です。ちなみに飾りの擬宝珠(ギボシ)はネギのツボミに似ていることから名づけられたという説があります。葱坊主・葱帽子→擬宝珠(ギボシ)という言葉の変化からギボシとなったという説もあります。
つまり
ネギ→飾りのギボシ→植物のギボウシ
という変遷を経ているわけです。
初夏から秋口にかけて涼しげな薄紫(種類によって白・ピンクなどもあります)の花を咲かせます。花も綺麗ですが、主に葉っぱが鑑賞対象です。
擬宝珠(ギボシ)は東アジア原産です。非常に雑種が出来やすく、品種の詳細分別に関してはハッキリとしたことは言えない状態になっています。江戸時代に
園芸品種として育てられ、その中の変異体が広まり、シーボルトによってヨーロッパに紹介されました。
山菜で「うるい」というのは擬宝珠(ギボシ)をさします。ただし擬宝珠(ギボシ)の葉っぱは
毒草と似ているので、気軽に擬宝珠(ギボシ)だと考えて食べないようにしてください。
最後に
擬宝珠(ギボシ)は日本自生の植物で、暑さ・寒さに強く、半日陰にも強いのでシェードガーデンに植えられています。他の半日陰に適した植物は
を参考にしてください。
また自然な感じを演出するにも擬宝珠(ギボシ)はピッタリです。
ナチュラルガーデンについては以下のページを参考にしてください。
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