シェードガーデンの意味について
シェードガーデンとは半日陰・日陰で育つ植物で構成した庭のこと。フランス・イギリスなどの広い庭の一角がシェードガーデンに仕立てられ、そこで紅茶を飲んで優雅に過ごすという文化を日本も取り入れた…のですが、ヨーロッパは空気が乾いていて、半日陰・日陰といってもジメジメしていません。一方、日本の梅雨〜夏は高温多湿で環境が全然違い、ヨーロッパで言うシェードガーデンとはニュアンスが違います。ちなみに日本のシェードガーデンとは実質、ナメクジとダンゴムシの天国のことだったりする。また、日本では家と家が隣接しているのが当たり前で、庭があっても建物と建物の間は日当たりが悪く、この場所に植える植物は半日陰・日陰でも育つ植物がいい。そこで植えるのに「日当たりが悪くても育つ」というのがはばかれるのか、格好のいい用語として「シェードガーデン」が語られているようです。
それでは、日本で栽培できるシェードガーデンに適した植物を挙げていこうと思います。
スポンサーリンク
シェードガーデンにおすすめの植物
アジサイ(紫陽花)
シェードガーデンで初心者でも育てやすいならアジサイ科の植物。日光を好むのですが、夏の強い直射日光には葉焼けしますし、水を好んで水切れしやすいので、年間を通して半日陰の場所を好みます。ヤマアジサイ、ガクアジサイ、ノリウツギなどが適しています。ヤツデ
ヤツデは日陰で育つ庭樹。縁起もいい。冬に開花し、蜜源植物でもあります。樹高のある植物としては選択肢に入れてもいいですが、乾燥・寒風・乾燥が苦手で、場所を選びます。イリシウム
イリシウムはシキミ科シキミ属の耐寒性常緑低木で、春から初夏にピンクの花を咲かせます。樹高も1m〜2mとちょうど良く、暑さ・寒さにも強いです。アオキ
アオキはミズキ科の常緑樹。雌雄異株で紅い実をつけます。日陰で育つ上に寒さに強くて霜に当たっても枯れない。斑入りが綺麗です。ただ、非常によく見かけ、自生もしているのでありきたりかもしれない。シモツケ・キョウカノコ
シモツケはバラ科シモツケ属の落葉低木。樹高は1mで使いやすいです。日本に自生している植物で、シモツケという名前も「下野」という茨城の旧国名が由来です。キョウカノコはシモツケとは別属で、宿根草ですから性質は違うのですが、花が似ていて、半日陰での栽培に適しています。カジイチゴ
カジイチゴはバラ科キイチゴ属の半常緑の低木(樹高2m〜3m)で、暖地では常緑だが、寒い地域では落葉してしまいます。2月〜5月に花が咲き、6月に果実が実り、食用になります。西日本では自生しているので、西日本なら選択肢に入れるといいです。クリスマスローズ
クリスマローズはキンポウゲ科の多年草。夏の暑さと強い直射日光に弱く、半日陰が適しています。シラー
シラーはキジカクシ科の球根植物で、耐寒性があって植えっぱなしで毎年咲く。意外と知られていないのは、簡単に毎年咲くため、お客さんが一度買ったら二度と買ってくれないため、儲からないから。儲からないから、店であまり売られていないから…だと思われます。開花は春。見た目が似ていて同じように球根で植えっぱなしができるアガパンサスも多少の半日陰でも開花します。
ユキノシタ
ユキノシタはユキノシタ科の常緑多年草。半日陰か明るい日陰が適した栽培場所で、ひっそりと増えて、広がりすぎず、しかも手がかからない便利な植物。ユキノシタだけでなく、ユキノシタ科のヒューケラ・ヒマラヤユキノシタ・アスチルベ・ティアレラ・ツボサンゴも同様に適しています。ツワブキ
ツワブキはキク科の多年草で、東北以南で自生するくらいですから、庭植えすると手間がかからないです。寒冷地では冬に地上部がなくなりますが、それ以外の地域では冬も常緑になります。シェードガーデンだけでなくグランドカバーにも出来て常緑。花も綺麗なものが咲きます。ホトトギス
ホトトギスは秋の七草の一つで、宿根草。環境が合えば、毎年芽吹いて開花します。日陰の湿った斜面が適していて、直射日光と高温が苦手。カラミンサ
カラミンサネペタはシソ科の常緑多年草。半日陰だと開花はするが徒長しやすいです。日照時間が2時間だと開花もなくなってしまいます。シュウメイギク
シュウメイギク(秋明菊)はキンポウゲ科の多年草(宿根草)。日本に自生しているため栽培は簡単。ランナーで横に増えるので、広がりすぎないように気をつけましょう。シュウカイドウ
シュウカイドウはシュウカイドウ科の多年草。ベゴニアに性質は違いですが、ベゴニアと違って日本に帰化しているくらいに、栽培しやすい。ジギタリス
ジギタリスゴマノハグサ科ジギタリス属の多年草です。夏の暑さ・直射日光が苦手で半日陰が適しています。こぼれダネでも増えるので、環境が合うと、手間がかからず毎年開花します。ギボウシ
ギボウシ(ホスタ)はユリ科ギボウシ属の多年草。日本に自生している植物で育てやすく、葉は鮮やかで花も咲いて、非常に便利な植物。どうせなら斑入り品種を植えるとさらに華やかです。コリウス
コリウスはシソ科コリウス属の多年草。日本では冬に枯れるので一年草扱いになります。花が咲くと葉っぱの色が鈍くなるので、花は早めに摘んでしまいましょう。オダマキ
オダマキはキンポウゲ科オダマキ属の宿根草。日本に自生している植物で、品種・花いろも豊富で、シェードガーデンを彩るには何種か入れても損はないです。宿根ではありますが、株が老化して3年ほどで枯れてしまいますので、別の品種を植えるか、種子で更新します。フウチソウ
フウチソウはイネ科の宿根草。花も咲きますが目立たないので、観葉植物です。風に揺れる姿は涼しげで、雰囲気があります。イカリソウ
イカリソウはメギ科の落葉多年草。宿根で春には芽吹き、毎年咲く。アリが種子を運ぶためにあちこちに新芽が出るのが嬉しいような、うっとおしいような。グランドカバーとしても使えます。タイツリソウ(ケマンソウ)
タイツリソウ(ケマンソウ)はケシ科の植物。赤や白の花が祭りの提灯のように連なって咲きます。開花が5月から6月で、夏には地上部が枯れてしまい、次に芽を出すのは翌年の春。他の植物と上手く混ぜて植えないと、夏から冬に庭が寂しくなる。イエイオン(イフェイオン)
イエイオンはユリ科の球根でハナニラのこと。田んぼの畦にも咲いている。シラー同様に植えっぱなしで毎年咲くので、店に出ない。買うならネットにしましょう。開花は春。少し密生させた方が綺麗です。プルモナリア
プルモナリアはムラサキ科の宿根草。冬は地上部がなくなりますが、春には芽吹き、開花し、夏〜秋は葉っぱを楽しむカラーリーフです。夏の高温多湿が苦手で、夏の直射日光に当たると葉っぱが傷みます。ワイルドオーツ
ワイルドオーツはイネ科の宿根草。細い茎がのびて、先にコバンソウに似た種子がついて、それが風に揺れる様子はなかなか情緒があります。日本自生の植物じゃない割に、雰囲気が日本風です。ツルハナシノブ
ツルハナシノブはハナシノブ科の耐寒性宿根草。地下茎で広がり、グランドカバーにも利用される。春には花が絨毯のように開花するので、場所があれば植えるといいです。シラユキゲシ
シラユキゲシはケシ科の中国原産の耐寒性多年草です。スノーポピーとも呼ばれています。地下茎で広がり、離れたところから突然出てくるため、庭づくりの予定通りに管理しきれない場合が多いです。ジャノヒゲ(リュウノヒゲ)
ジャノヒゲ(リュウノヒゲ)はキジカクシ科の多年草で、寒さにも暑さにも強く、日当たりでも日陰でも育ちます。人気の種なので多くの改良品種があり、選び放題ですが、植えても広がる速度が遅いのでヤキモキするかもしれないです。シェードガーデンに向いています。背が低く、グランドカバーに向いています。ジャノヒゲの仲間のヤブランも同様にシェードガーデンによく利用されます。参考:ヤブラン、ジャノヒゲの仲間の一覧まとめ
アイビー・ヘデラ
アイビー・ヘデラはつた性でフラワーアレンジの材料としても重宝します。変に壁につたわせると、壁に跡が残ります。アジュガ
アジュガはシソ科でランナーとこぼれダネで増えるため、環境が合うと繁すぎて困るかもしれない。全くの日陰では育たず、乾燥に少し弱い。ラミウム
ラミウムはシソ科オドリコソウ属の多年草。ラミウム・マクラツムとラミウム・ガレオブドロンがあり、どちらも育て方は同じですが、印象は少し違います。日陰で乾燥気味に管理するといい。水やりが多いと夏の間に腐って溶けて消えてしまいます。株に寿命があるのか、挿木で更新しないと消えることがあります。ツルニチニチソウ
ビンカ・マジョール(ツルニチニチソウ)、ビンカ・ミノール(ヒメツルニチニチソウ)はキョウチクトウ科の多年草。眼瞼でよく増え、逆に増えすぎて、植えてはいけない植物にあげられることもあるくらいに、茂って、地面を覆ってしまい、毎年花を咲かせるため、管理しきれないなら植えない方がいいです。テイカカズラ・ハツユキカズラ
テイカカズラはキョウチクトウ科のツル性低木。テイカカズラの品種がハツユキカズラです。どちらも頑健で育てやすい植物で、日光を好むのですが、多少の半日陰では問題なく、夏の強い直射日光で葉が焼けて黒くなってしまいます。グレコマ
グレコマはシソ科カキドオシ属(グレコマ属)の匍匐して広がる宿根草。寒さに強くマイナス10度まで耐えられ、暖地であれば冬も常緑で越冬します。グランドカバーに使われます。ヤブコウジ
ヤブコウジは常緑の低木で、秋になると赤い実ができて、これが長期間残って、鑑賞できます。庭植えにすると手間がかからない植物です。半日陰が適していますが、日光があまりに少ないと花が咲かないので、注意します。ポリゴナム
ポリゴナム(ヒメツルソバ)はタデ科イヌタデ属の宿根草。匍匐して広がり、一面を多い尽くします。霜に当たると地上部が枯れますが春になると芽吹きます。こぼれダネでも増えます。シャガ
シャガはアヤメ科の常緑多年草。地下茎を伸ばして伸びるため、環境が合うと繁すぎて困るかもしれないです。花も綺麗ですが、葉っぱも十分に綺麗です。寒さには若干弱く、霜には当てないようにします。スポンサーリンク
記事が気に入ったら拡散をお願いします。