ヒューケラの育て方

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ヒューケラ
目次
ヒューケラとは?
水やり
肥料
植え付け・植えかえ
株の増やし方
管理場所・日当たり
剪定
病害虫
由来・伝承
最後に…
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学名や栽培スケジュール
最終更新
植物名
ヒューケラ
科名
ユキノシタ科
属名
ツボサンゴ属
学名
Heuchera
別名
ホイヘラ
耐寒
マイナス20度
水やり
水控え目
場所
外の半日蔭
難易度
初心者向け
ヒューケラの開花時期…植え付け・植え替え時期…肥料時期…月別スケジュールです。
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ヒューケラとは?

ヒューケラはユキノシタ科ツボサンゴ属(ヒューケラ属)に属する多年草植物のグループのこと。このグループは他属を含めて交雑しやすく、品種は曖昧になっていますが、性質は同じで育て方は同じです。

ヒューケラは寒さに強いので、雪の下でも枯れることがありません。逆に夏の直射日光と蒸れに弱く、花より葉っぱを鑑賞する植物なので、最初から、何かの植物・木の下の木漏れ日の中か、一日に3時間程度しか日の当たらない半日陰に植えると丁度いいでしょう。

秋から冬の寒い時期に苗が販売されるので、これを植え付けます。春に可愛い花を咲かせますが、基本的に葉っぱを楽しむカラーリーフだと考えてください。暑さに弱いので初心者は秋に植えて春まで楽しむようにすると損はないです。

他の植物と葉っぱの色合いをずらすだけでお庭が色鮮やかに輝きます。初心者向きなので一度トライしてみてはいかがですか??
草丈草は15cmから30cm程度だが、花茎は50cmくらいまで伸びる。
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品種について

ヒューケラの近縁種がティアレラ。ヒューケラとティアレラの交配種がヒューケレラ。ティアレラの方が育てやすく花が綺麗だが、カラーリーフとして優秀なのはやっぱりヒューケラ…というのが一般的な評価。

多色・多品種あり、マニアというかコレクターが多い。ホームセンターに出ているがコレクターとしては物足りない。でもネットショップでは送料もあってちょっと高い。なのでホームセンター巡りをする人もいます。

時期によって色合いや印象が違い、環境によっても色合いが変わる。なので、パンフレットなどでは違う色合いの葉っぱだったのに栽培しているうちに同じような色合いになって、見分けが付かない!ってことがよくあります。気にしないようにしましょう。

ヒューケラの品種は新品種がよく出るが、割と早くカタログ落ちする。入れ替わりが早いんですよね。気になる品種は早めに購入しましょう。
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水やり

土が乾いていたら、水をタップリと与えてくださいヒューケラの品種によっては乾燥に強いタイプもありますが、ほとんどのヒューケラは乾燥には弱いですので、春と秋は乾燥しないように水をしっかりとやります。夏は蒸れて傷みやすいので、ヒューケラの様子を見ながら水やりの頻度を調節します。

泥ハネで雑菌が葉っぱにつき、葉っぱが傷んでしまうので、水やりは土に注ぐようにするとよい。もしくは泥ハネを防ぐために、株元に腐葉土やワラやバークチップを敷いてマルチングをするといいです。

ヒューケラが自生する環境は、落葉などが土の表面に堆積しているような場所。落葉のおかげで泥ハネしないし、蒸発を防ぎ、夏の乾燥時期でも傷みにくいので、自生地に近い環境づくりをするといいです。

春の水やり

鉢植えの場合は、土が乾いていたら鉢底から水が出るくらいにしっかりと水をやります。水が切れないようにしっかりとやってください。庭植えでも自然雨だけでは不足することがあるので、様子を見て水やりをしましょう。

夏の水やり

鉢植えであれば、乾燥しないように土の状態を見て朝と夕方の両方、もしくは一方だけしっかりと水をやってください。梅雨から夏は水やりが難しい。水をやり過ぎると根腐れ、しかし、乾燥もしやすい。上級者でも枯らすので、枯らしても落ち込まないでください。

庭植えでも様子を見て水やりをします。乾燥するなら株元に腐葉土かワラを敷いてマルチングをする。逆に高温で生育が鈍くなっていて、弱っているため、蒸れて痛んだ葉っぱが腐って枯れることもある。葉っぱを整理して風通しをよくして、蒸れを予防するといいです。

秋の水やり

春と同じように水が切れないように管理します。

冬の水やり

鉢植えでも庭植えでも土が乾いていたら水をしっかりとやります。種類や環境によって地上部が枯れます。地上部が枯れると水を忘れがちになります。気を付けてください。

肥料

肥料は少なくて良いです。春(4月)に固形緩効性肥料(化成肥料)を根本に置くか、液肥を春から秋の生育期間の間に月に一回やる程度です。肥料がないからと言って枯れることはありませんが、葉っぱに元気がない、生育が遅いなど調子が悪いなら追肥するといいです。

肥料をたくさんやると大きくなってかわいくない。品種によっては大きくなるタイプもあるが、肥料をやることで、より肥大化するので調節しましょう。
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植え付け・植えかえ

時期と頻度

10月から4月までの間が適した時期。真冬は寒くて作業が辛いので実質、秋(10月11月)か春(3月4月)。秋に苗が出回るのでこれを植えるといいです。

鉢植えは毎年か2年に一回植え替えをし、株分けを行うとよい。庭植えでも株が大きくなったら密生して新芽が出にくくなるので、掘り返して株分けをする。鉢植えにしても庭植えにしても株分けをして新芽を出させないと葉っぱが汚くなります。

用土

店舗で市販されている花と野菜の培養土で植えつけるか、赤玉土6腐葉土4に化成肥料を少量混ぜた土を使って植え付けします。培養土には最初から肥料が入っていますので、追加しないでください。

鉢植えの植え替え

古い鉢から株を取り出し、古い土は3分の1ほど落とし、傷んだ根は整理する。ヒューケラは掘り出すと成長して茎がワサビみたいになっているので、このワサビ部分を地面に埋めるように植え付けます。そうして草丈を小さくして仕立てていくと、格好が良く仕上がります。

鉢底の穴を鉢底ネット(鉢底網)で塞いで土が出ないようにしてから鉢底石(軽石)を2cmから3cmほど入れて、鉢底石(軽石)の上に土を入れ、株を入れる。隙間に土を入れていき、最後に水をやります。

植え替えの時に株分けも可能。秋に入り、涼しくなってから株分けをすると綺麗な葉っぱが出てきますよ。植え替え後は1週間〜2週間は明るい日陰で養生させると、結局回復が早くなります。
寄せ植えも可能ですが、他の植物と植えると負けますし、同じヒューケラで色違いの葉っぱを植えても、いつのまにか陣地争いをして、一色だけになっているので、1鉢に1苗が基本です。

庭植えの手順

庭植えの場合は、植え付ける二週間前に庭土を20cmほど掘り返して、苦土石灰をまいて中和させておく。1週間寝かせると中和が終わるので、それから掘り出した土に腐葉土を3割か4割混ぜ、緩効性肥料を少量入れ用土とします。用土を半分ほど土を戻して、株を入れて、隙間に土を入れて、最後に水をやって完成です。

株間は品種によっても違うが、種苗会社のデータを見ても「株間15cm〜40cm」みたいに幅が大きいので、まー適当に空けておく!でいいです。もしも密生しちゃったら掘り上げて、植え直せばいいです。

地植えより鉢植えの方が育てやすい。地植えだと虫に食べられやすいし、他の植物との生存競争にも負け、いつのまにか枯れるってことが多い。初心者は鉢植えで管理するのが楽です。

株の増やし方

株分け

植え替えのときに株分けも可能。根がついているものであればほぼ100%株分けが可能。基本的に株分けで増やす。

地植えにすると横に広がるが、生育すると株元が盛り上がってくるので、寒い時期に積極的に株分けをするとよい。株分けをすると土へ根が広がり、根が広がると葉っぱが出る。株分けして根が広がるスペースを作らないと新しい綺麗な葉っぱが出ない。「なんか葉っぱがボロボロだな」と思っていたら涼しい時期に株分け・植え替えをしましょう。

挿木

天芽(茎の先の伸び盛りの元気な芽)を7cmほど切って、下葉を取り、葉っぱ4枚か5枚にして鹿沼土単用小粒(つまり酸性の土)の苗床に挿木して、乾燥しないように水やりをして日陰で管理すると発根する。て春から秋に行う。発根までは一ヶ月ほど。環境にもよるが成功率は半分ほどなので、挿木は複数行って保険を張る。

管理場所・日当たり

春と秋

春と秋は日当たりを好みますので、春秋はできるなら日当たりで管理しましょう。日陰でも生育しますが、日光が少なくなると葉っぱの色が薄くなってきます。日光がよくあたるほど花が咲きやすい。

露地植えにするのであれば、一日に数時間だけ日が当たる(建物の東側など)か、木漏れ日の場所…「半日陰」の場所に植えてください。もしくは明るい日陰でもいいです。上級者が進めるのは建物の北の明るい日陰。そこで水やりを控えるくらいがちょうどいいとのことです。

あと、西日は避けましょう。西日は当たる時間が夕方でその頃には植物は活動をしておらず、ただただ乾燥するだけでダメージがあるので避けます。

夏越し

夏の高温・直射日光で葉の色が薄くなり、グッタリする。夏の暑さに弱く、真夏は半日陰が好ましい。鉢植えなら季節ごとに移動させます。夏は半日陰か明るい日陰に移動させます。

夏は葉っぱがボロボロになります。寒い時期の方が葉っぱは綺麗。ヒューケラは湿度の高い環境を好み、夏は乾燥でボロボロになりがち。乾燥しないように株元に腐葉土やワラでマルチングをして蒸発を防ぐとよいが、逆に蒸れて腐ってくることもある。その場合は葉っぱを整理して風通しをよくする。

越冬

冬は半日陰か日当たりで管理する。真冬に寒さで地上部が枯れることもありますが、春になるとまた芽を出します。耐寒性があり、品種にもよりますが寒さには強く、マイナス15度からマイナス20度まで耐える。逆に暑さには弱め。

寒冷地では冬に地上部がなくなるが春に芽吹く。他の地域では冬も地上部があることが多い。むしろ冬に葉っぱが綺麗。若い株は冬にロゼッタ状になります。積雪すると枝が折れたり、葉が傷んだりすることもありますが、それで枯れるわけじゃないので春になったら葉を整理しましょう。

剪定

花が終わったら花を摘んでやってください。花がしぼんだら種子を作ろうとして栄養をまわして株が弱ります。株を成長させたいなら花は早めに…ツボミの時点で摘んでしまった方が良い。枯れた葉っぱも早めに取り除いてください。

病害虫

地植えにすると病害虫が発生しやすいので初心者は鉢植えにする。上級者もお気に入りの品種は鉢植えで育てた方が無難。

コガネムシの幼虫

コガネムシの幼虫に根を食べられるので、前もって薬剤(ダイアジノン)を散布した方がいい。コガネムシの性質と対処法の詳細は以下のページを参考にしてください。
コガネムシの駆除と予防と生態のまとめ
コガネムシの駆除と予防と生態のまとめ
病害虫生態・防除・対応の薬剤のまとめ
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ヨトウムシ

ヨトウムシは蛾の幼虫で、小さな時は緑、大きくなると茶色になり、昼間は土中にもぐっていて夜になると出てきて葉っぱを食べる。大きくなってから被害が明確になってきて、食べた虫が見当たらないのに、でかい糞だけが落ちている場合はヨトウムシです。

薬剤を散布して駆除するか、夕方まで待って出てきたところを補殺します。
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白絹病

白絹病は土中にカビが発生する病気で、土の水はけが悪いか、水やりが多いかする環境で気温が30度に近づくと発生しやすい。有機物の少ない、水捌けの良い土で植えるといいです。
白絹病の予防と発生した時の対処と薬剤
白絹病の予防と発生した時の対処と薬剤
病害虫

由来・伝承

葉っぱを楽しむカラーリーフプランツの一種で、冬の寒さに強い宿根草。耐暑性が弱いために夏越しが難しかったのですが、最近のヒューケラは比較的簡単です。若干中級者向き。

主にアメリカで品種改良が行われ、多種になった。

ヒューケラとツボサンゴは同じものと考えていいと思いますが、ヒューケラがツボサンゴ属のものを指しているのに対して、「ツボサンゴ」という名前はツボサンゴ属が他属と交配してできた品種に対して付けられている(出荷者が勝手に付けているだけと思われます)ので、ヒューケラより範囲が広いこともあります。

また、最近はヒューケラとティアレラを掛け合わせた、「ヒューケレラ」という種類もあります。ヒューケレラも流通した場合に「ヒューケラ」名義で出ることがあります。

ややこしいですね。

最後に…

ティアレラは花も咲きますが、色合い・質感が独特な人気のカラーリーフです。その他のカラーリーフをまとめたページがありますので参考にしてください。
定番オススメのカラーリーフ一覧(画像付き)
定番オススメのカラーリーフ一覧(画像付き)
ガーデニング基礎知識(中級編)
ヒューケラは半日陰を好む植物です。同じように半日陰を好む植物をまとめたページもありますのでこちらも参考にしてください。
日陰〜半日陰でも育つシェードガーデンにオススメの植物リスト
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ヒューケラ・ドルチェ
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ヒューケラ・ストーミーシーズ
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ヒューケラ・べっぴんさん
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ユキノシタ科