ヤマアジサイ(山紫陽花)の育て方
目次
ヤマアジサイとは?水やり肥料植え付け・植えかえ管理場所・日当たり剪定について病気・害虫特徴・由来・伝承最後に…関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- ヤマアジサイ
- 科名
- アジサイ科
- 属名
- アジサイ属
- 学名
- Hydrangea serrata
- 別名
- 山紫陽花、沢紫陽花
- 水やり
- 水を好む
- 場所
- 外の半日蔭
- 難易度
- 初心者向け
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ヤマアジサイとは?
ヤマアジサイは
アジサイ科アジサイ属の落葉
低木。福島以南の本州の太平洋側・四国・九州に自生する
アジサイの一種で、サワアジサイと呼ばれるように水の近くに生える傾向があります。水を好み、自生地はちょっとジメジメしている場所です。日光を好みますが、真夏の日当たりには弱いことと、耐陰性があることから、
半日陰や明るい日陰で管理することが多く
シェードガーデンに重宝されます。日当たりが悪くても花つきが悪くなりません。
栽培する上では
ガクアジサイより園芸化されていない山野草に近い感じに思っているといいかもしれないです。
ガクアジサイ(Hydrangea macrophylla)と同じような咲き方をして、ガクアジサイより小さめなので「コガク」と呼ばれることもあります。その花姿には野趣があり、長年愛されてきたため、多くの品種があります。
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水やり
ヤマアジサイは水を好む植物です。
鉢植えの場合は土が乾燥していたら、水をたっぷりとやってください、ヤマアジサイは非常に水を好みます。水が切れるとしおれてフニャフニャになり、頻繁に水切れがあると生育不良をおこし、花つきが悪くなります。鉢底に底面給水が付いている鉢なら、ここに水をためるようにします。
庭植えにした場合は、植え付け直後の二週間ほどは、マメに水をやりますが、その後は極端に乾燥しない限りは降雨だけで十分育ちます。ただし乾燥する時期は庭植えでも様子を見て、水をやってください。
肥料
花が咲き終わった6月に
肥料をやってください。お礼肥と呼ばれるものです。これは開花で失ったヤマアジサイの体力を回復させるという意味と、翌年の
花芽が8月にできるので、その花芽のための肥料です。6月の肥料は緩効性ではなく、即効性のある液肥を10日に一回やった方が効果があります。
冬(2月〜3月)の肥料は緩効性の肥料(
油粕と骨粉か、化成肥料)をやります。
植え付け・植えかえ
時期・頻度
植え替える時期は、生育時期の春から秋としましたが、実際には特にありません。真冬と真夏の乾燥を避ければ、都合のいいときに植え替えて下さい。
市販されているポットや鉢はヤマアジサイにとっては窮屈で、地上部に対して土が少ないので、水が切れやすいです。出来れば大きな鉢に植え替えるか、庭植えしてください。
鉢底から根がでているようなら植え替えをします。2年に一回は植え替えをしましょう。
庭植えの場合は植えっぱなしですが、栽培していると有機物がなくなり、土がスカスカになって生育不良を起こし、開花しなくなります。3年か4年に一回は
腐葉土か
堆肥を少し足して有機物を供給しておくといいです。
用土
土は市販されている花と野菜の土を使います。自作する場合は
赤玉土6腐葉土4を混ぜたものを使います。もしくは目的の花の色に合わせてアジサイの土を用意します。
よくアジサイの花は土が
酸性だと青、アルカリ性だと赤になるよーという話を聞きますが、実際にはアジサイ(
セイヨウアジサイ)だとほとんど変化がありません。ピンクのアジサイ(セイヨウアジサイ)をそのままにしていると、土は徐々に
弱酸性になりますから、多少青みがかってしまいますが、真っ青にはなりません。ところが、ヤマアジサイは土のpHに影響されやすい植物です。これを防ぐためには、鉢植えにして水道水をやっていればいいです。もしくはアルカリ性の
苦土石灰を根元にまいて酸性化を防ぎます。
といっても、pHが変わったからといって枯れるわけではないので、普通は気にしないでもいいです。
参考:
ペーハーと植物鉢の植え替え手順
鉢底の穴を鉢底ネット(鉢底網)で塞いで、その上に鉢底石(
軽石)を入れます。その上に
用土を入れ、株を入れて、隙間に用土を入れて、最後にしっかりと水をやります。これで完成です。植え替えの場合は、古い土を3分の1だけ落として、根の負担を減らすために地上部を半分ほど刈り込んでから植え替えをします。植え替えの際に株分けも可能ですが、あまり細かく分けないようにします。
庭植えの手順
直径30cm深さ30cmの穴を掘って、掘り出した土に腐葉土か堆肥を3割入れて、化成肥料を足してよく混ぜて用土とします。一週間寝かせて土を馴染ませてから植えてもいいですが、その日に植えてもいいです。土を穴に半分戻して、株を入れて、隙間に用土を入れて、最後にしっかりと水をやります。
管理場所・日当たり
ヤマアジサイは本来は日光を好みますが、真夏の日光に当たると葉っぱが焼けて傷んでしまうので、最初から建物の東側などの一日のうちで数時間しか日が当たらない場所や、何かの植物の下で木漏れ日が注ぐ場所…半日陰で管理します。
冬は寒風に注意
ヤマアジサイは半日陰やちょっと日当たりが悪いところに植えられることが多く、また、ヤマアジサイの枝が細いのもあって、寒風が通ると枯れ込んだり折れやすい。枝先の新芽・花芽が枯れ込むことがあり、これで翌年の花が咲かないこともある。
植えるのであれば寒風が当たらない場所に植えるようにします。鉢植えであれば寒風が当たらない場所に移動させましょう。
剪定について
8月以降に翌年の花芽をつけますので、秋以降に
剪定をすると、その花芽まで切り落としてしまい、翌年に花が咲きません。
詳細は
を参考にしてください。
花が綺麗に咲いていても、7月末までには剪定を済ませないと、翌年の花つきが悪くなるか、全く花が咲かなくなります。8月以降まで剪定を忘れていた場合は、剪定をしないで放置しておけば、翌年も花は咲きます。剪定が簡単な
紫陽花として、
アジサイ・アナベルがあります。
初心者にはこちらがお勧めです。
参考:
剪定してないのに花が咲かない理由は?
剪定していないのに、花が咲かないのは土がスカスカになっている可能性が高い。つまりは栄養不足。土に
培養土か腐葉土や堆肥を入れて有機物を入れておくといいです。
病気・害虫
カイガラムシ、
アブラムシ、
コガネムシ、
ウドンコ病、
モザイク病(
ウィルス病)、斑点病、
炭そ病が発生します。
コガネムシ
コガネムシは土中・鉢の中に住んで根を食べる幼虫で、2匹か3匹でも生育不良を起こすことがあります。水をやってるのに水切れしたら
根詰まりの次に疑いましょう。対応の薬剤を散布することで駆除できます。
ウドンコ病
ウドンコ病は葉っぱが白く粉を吹く
病気で、風通しがよいと発生は抑えられ、発生しても株が健康なら枯れるまでにはなりません。冬は枯葉の中に潜んで越冬するので、枯れ葉を整理しておくといいです。
モザイク病
モザイク病(
ウィルス病)はウィルスが原因の病気で、感染すると回復せず、他の株へと感染するので早急に廃棄する必要がある。ハサミの使い回し、感染株を触った手で別の株を触る、アブラムシなどの
害虫が運んできて感染します。
特徴・由来・伝承
沢沿いに生えていることが多いことから、「沢紫陽花」と呼ばれることもあります。中央部分にあるツブツブが一般的に言う花で、外側にポンポンと咲くのは装飾花。通常のアジサイの花も装飾花の集まり。
葉っぱが細く、全体的に趣のある容姿。通常のガーデニング植物に飽きた人や、男性がヤマアジサイを好んで植える傾向があります。ヤマアジサイとガクアジサイの違いは葉っぱのみ。ガクアジサイの葉っぱは光沢があり、ヤマアジサイには光沢がありません。
最後に…
半日陰を好むのでよくシェードガーデンに植えられています。他に半日陰を好む植物は
シェードガーデンのページを参考にしてください。
ヤマアジサイは派手すぎず、日本人の美的な感覚にあっています。同様に派手すぎず自然な感じの植物は
ナチュラルガーデンに向いてる植物の一覧のページを参考にしてください。
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