ビワ(枇杷)の育て方
目次
ビワ(枇杷)とは?水やり肥料植え付け・植えかえ管理場所・日当たり作業剪定病気・害虫特徴・由来・伝承関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- ビワ
- 科名
- バラ科
- 属名
- ビワ属
- 学名
- Eriobotrya japonica
- 別名
- 枇杷
- 水やり
- たまにやる程度
- 場所
- 外の日なた
- 難易度
- 中級者向け
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ビワ(枇杷)とは?
ビワは
バラ科の常緑の果樹。庭植えが手間がかからず便利ですが、鉢植えでの栽培で収穫も十分可能です。冬に開花し、花からは芳香剤のような香りがします。その花が結実し、5月ごろに収穫します。放置していても収穫はできるんですが、摘蕾・摘果・袋がけをしないと大きく綺麗な実の収穫はできないです。
植えていれば、枯れることもなく成長し、常緑。毎年花をつけて実をつけてくれます。ただし、鳥が実を食べてしまいますので、なかなか人間が食べるに至らないことも。鳥が食べるより先に収穫しましょう。
キレイにして、鳥に食べられないようにするには、4月にビワの実に袋を掛けてやります。これでキレイな実がなります。袋を掛けないとキズだらけのビワになります。味は一緒ですけど。いい香りがして黄色く色づいたら収穫します。
樹高2m〜5m
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水やり
乾燥に強く、逆に多湿に弱い果樹です。庭植えの場合は、一旦根付いてしまえば、真夏の乾燥する時期以外は水をやる必要はありません。鉢植えの場合は、土が乾いていたら水をやるようにします。
肥料
花が終わり、今から実をつけるという時期(2月〜3月)に化成
肥料をあげてください。
収穫を終えた後の6月にお礼肥として、化成肥料をあげます。
11月~12月に寒肥として、牛糞
堆肥か
鶏糞か
油粕を土に混ぜてやってください。
植え付け・植えかえ
苗について
2mの苗を植えて一年で実が成ることもあるし、5年くらい掛かることも。
種子から育てると実がなるまで10年くらいかかる。それ以上かかることもある。
ビワの実が落ちて、種子から芽が出てきます。種子は親の性質を引き継がないので、種子から育てたものより、
ホームセンターの苗から生育した方が良い実がなる。
ホームセンターはさすがにその地域で育たない(収穫できない)品種は売らないので、ホームセンターで出荷されているものを買った方が無難です。品種については
ビワの品種まとめのページを参考に。苗を買う前に見ておきましょう。
時期
植え付けは3月。でも暖かくなってからが良いです。花が咲いているときは植え替えはしない。根を崩さないで、実が成ってるなら取ってから植え替えを。
用土
用土は
水はけのよい弱
酸性土を好みます。日本の土はそのままにしておくと
弱酸性になりますので、PH調整はしないでいいです。
鉢植えならば一般的な
培養土でいいです。自作する場合は
赤玉土7
腐葉土3を混ぜたものを使います。
鉢植え
ビワは根の張りが早く、
根詰まりを起こします。鉢植えにした場合は、最低でも二年か三年に一回は植え替えをします。土はほとんど落とさず、太い根を傷つけないようにし、新しい用土で植えます。面倒なので、庭植えが良いですが、根が浅いので鉢植えでも実が成ります。
最初に植えるときに7号・8号鉢にして、そこから9号、10号と増やすようにします。それ以上は腰を傷める大きさになるので、10号が限界でしょう。
鉢底の水が出る穴を鉢底ネットで塞いで、その上に鉢底石(
軽石)を3cm入れ、その上に用土を入れ、苗を入れて、隙間に用土を入れて、最後にしっかりと水をやって完成です。
庭植え
深さ40cm〜50cmくらいの穴を掘って、土に腐葉土か堆肥を2割〜3割ほど足して用土とします。庭の土が粘土質で水はけが悪いならば、川砂や軽石小粒や
パーライトを混ぜて、水はけを良くしてましょう。
半分の用土を穴に戻し、苗を入れて、残りの土を隙間に入れて、水をやって終了。苗が高さ50cm以上の場合は少し切ることで根の負担を減らしましょう。
ビワは大きくなる。樹高でいうと4mから5m。庭に植えると家より高くなり、家の日光を奪うことも。庭に植える場合は「低く
剪定する」というのが必須になる。「ビワは植えるな」という人も多いです。
ビワの木のてっぺんを
切り戻していけば、樹高は抑えられる。せいぜい2mくらいじゃないでしょうかね(転倒事故が起きないのはそのくらいじゃないかと)。
10号鉢に植えて、その鉢を庭に埋めることで大きさを制限できます。
管理場所・日当たり
ビワは日当たりを好みますが、
半日陰でも育ち、日陰でも生育します。ただ日陰で育った果実は甘くない。出来れば日当たり、最低でも半日陰に植え付け、管理しましょう。真夏の直射日光でもほぼ
葉焼けしない。
鉢植えの場合も年中、戸外の日当たりで管理します。ただし、真夏の高温で水切れを起こしやすいので、夏は半日陰で管理するといいです。
寒さに強いが…
びわの木自体は寒さに強いのですが、花・つぼみ・実はマイナス5度以下に当たると枯れてしまいます(品種によってはマイナス10度)。開花時期が11月から翌年の2月となっていて、真冬。地域によっては花・つぼみ・実が全滅します。
なので寒冷地ではあまり植えるものではないです。
作業
9月〜12月に摘蕾
開花したあと、実がたくさん出来ます。ですが、これをそのまま放置しておくと、一つ一つの実が小さくなり、甘みも薄くなります。また、大量に果実をつけて株が弱って、隔年結果(一年おきに実をつけること)を引き起こしします。そこで、ツボミ・実を摘んで、実の量を調節します。これを摘蕾(テキライ)・摘果(テキカ)といいます。
ツボミが多いときは9月にツボミを三分の一ほど摘んでしまいます。
ビワの花は1房に何個も咲いています。これを間引いていきます。茂木系の小粒の品種であれば、5個にします。
田中系の大きな実ができるタイプは一番根本の2個の花だけを残します。
葉っぱ20枚(小粒)〜50枚(大粒)につき一個の果実をつけるとも言われます。このあたりの基準は株にもよりますが、参考にしてください。
3月〜4月に摘果
摘果をすることで一つづつが大きくなります。ただし、摘果したからってさほど甘くなるわけじゃないので、摘蕾をちゃんとしていて、大きさに興味がないなら摘果はしないでもかまいません。普通は1房に2個か3個、大粒の品種は1房に1個か2個にして大粒を狙いましょう。
摘蕾で花を複数残しましたが、全てが受粉するとは限らず、ダメになることもあります。ダメになったものは取り除きましょう。
4月〜5月に袋がけ
袋をかけることで、綺麗な果実が収穫できます。やらないと傷だらけです。一般家庭ではやらなくてもいいです。残した実に袋をかける力加減は難しいので、丁寧にやりましょう。
ビワが色づいてくると、鳥が食べに来ます。本来は鳥が食べて、鳥にタネを運んでもらう戦略なんですから、鳥が食べる方が自然なんですが、それは置いておいて。防鳥ネットを設置して、鳥が食べないようにしましょう。
剪定
剪定はほとんど行わないほうがいいです。枝が込み合ってきたら、邪魔な枝を切り落としてしまう程度にしておきます。実を枝の先につけるので、やたらめったら切り戻すと実が付かなくなります。一旦、枝を切り落とすと、盛り返すまで三年くらい花が咲かないことがある。なので収穫するのであれば、剪定は控えめにするのがコツ。
実をつけたことのないビワの木の剪定時期は花が咲き終わる2月〜3月、実をつけるようになったビワは8月〜9月に行います。このときに花が全然咲いていない古い枝を落としたり、花実がついていても邪魔な枝を落とすようにします。上にも書きましたが、基本的に「必要がないなら無理に剪定しないでいい」です。
庭植えしていて、樹高を抑えるのであれば、必要以上に大きくなった上の部分はバッサリと切ってしまいます。高さは2m以下にしておきましょう。
切り口には
癒合剤を塗って雑菌の侵入を防ぎましょう。
病気・害虫
癌腫病
細菌性の
病気で、水はけが悪い・
水やりが多いと発生しやすい。幹にコブができ、葉っぱに斑点が見られます。発症した部分は回復しないので、切除し、癒合剤を塗っておきましょう。
カメムシ
ビワの実の汁を吸って、劣化させてしまいます。
カメムシを忌避する「カメムシ忌避剤(カメムシクリンなど)」ってものがありますし、ハッカ油も嫌うのでで、これを使いましょう。
テッポウムシ
テッポウムシは
カミキリムシの幼虫で、幹の内部を食べ荒らし、枯らしてしまう。成虫は見つけ次第、補殺。株の周囲にオガ
クズのようなフンが見られるので、見られたらフンが出ている穴をさがして、ここに薬剤を注入して、穴を癒合剤や木工用ボンドで塞ぎます。前もって、ガットサイドを塗っておくと予防できます。
特徴・由来・伝承
寒さに強く、東北でも育てることは出来ますが、マイナス5度以下になると花・つぼみ・実は枯れてしまいます。本来は温暖な地域の植物ですので、関東でも海岸側の暖かいところが向いています。
ビワの葉には薬効があり、びわの葉を求めて病人が集まることから、縁起が悪いという話があるくらいです。
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