アイスプラントの育て方
目次
アイスプラントとは?水やり肥料植え付け・植えかえ・種蒔き管理場所・日当たり収穫と摘芯病気・害虫特徴・由来・伝承関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- アイスプラント
- 科名
- ハマミズナ科
- 属名
- メセンブリアンテマ属
- 学名
- Mesembryanthemum crystallinum
- 水やり
- 水控え目
- 場所
- 外の日なた
- 難易度
- 中級者向け
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アイスプラントとは?
アイスプラントは
ハマミズナ科メセンブリアンテマ属の南アフリカ原産の
多年草植物。分厚い葉っぱに水を貯める性質があり乾燥に強い。土中の「塩分」を吸い上げて、塩嚢細胞(えんのうさいぼう)という塩を隔離する特殊な細胞があるために、食べると塩っぱい。アイスプラントを見ると、水滴のようなものが見えます。ここに塩がためられています。
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水やり
土が乾いたら水をしっかりと、鉢底から水がしみ出す位にやってください。アイスプラントは多湿に弱く、水をやりすぎると腐って枯れてしまいます。水をやる前に土に触ってみて、濡れているようであれば水はやらないようにしてください。また、受け皿に溜まった水は捨ててください。
過湿にすると枯れてしまうのですが、生育期間(5月〜7月、10月〜11月)は非常に水を吸い上げ、よく成長します。この時期は逆に水切れに注意してください。
海水と同レベルの5%の塩水を根本に霧吹きで掛けてあげるか、1%〜2%の塩水を水の代わりにやると、アイスプラント水滴部分が大きくなって、塩味がアップします。ただし、土に塩を混ぜると他の植物が育たなくなるので、地植えの場合はやらない方がいいです。
肥料
生育期間は10日に一回程度、薄い液肥をやってください。
植え付け・植えかえ・種蒔き
栽培時期
3月に撒いた
種子で5月〜7月に収穫。夏に暑さで枯れます。
もしくは9月〜10月に種まきして、11月〜12月に収穫します。
春に植えるのは出来るだけ早い方が収穫量が多くなります。
7月前後に葉の先がちょっとだけ赤くなり、花が咲きます。花がしぼむと種が出来、その種を撒くと、アイスプラントがどんどん増えます。地域によっては、わざわざ種を取っておかなくても
こぼれダネで芽を出します。
野菜として販売されているアイスプラントは水耕栽培が多いので、水耕栽培でも育てられるはずですが、詳細は不明。
用土
市販の花と野菜の土(
培養土)で植え付けをします。もしくは
水はけのよい
ハーブ用の土で植え付けます。自作する場合は
赤玉土7
腐葉土3を混ぜたものを使います。
アイスプラントは土中の重金属類を吸収して取り込む性質があり、アイスプラントを食べると体内に取り込むことになりますので、汚染された土は使わないようにします。
種まき(播種)・育苗
発芽温度は15度〜20度。セルトレイやビニールポットに
用土を入れ、タネを3個〜4個をまきます。土をうっすら被せて、飛ばないように水をやって、明るい日陰で管理していると発芽します。種が小さいので、飛んでいかないように
水やりはゆっくりとやるか、霧吹きを遠くからかけてください。
発芽したら間引いて、葉っぱが四枚くらいになったら土をくずさないで植え付けてください。
直播でもいいです。直播して土をうっすら被せて、乾燥しないように水をやります。芽が出たら、間引きます。間引いたものは食べちゃいましょう。地域によってはこぼれダネで生えてくるくらいなんですが、種が小さくて飛んで行きやすいので、ポットで苗を作って植え付けるのが一般的です。
鉢植え
毎日食べるものでもないので、2株〜3株あれば1家庭で十分な収穫量になります。直径30cmの
尺鉢か小さくとも
8号鉢に1苗を植え、これを2鉢〜3鉢用意します。もしくは横長
プランターに2株植えます。不足するのならば、育った株から挿し葉で増やしましょう。
鉢の底の水が抜ける穴を鉢底ネット(鉢底網)で塞いで、その上に鉢底石(
軽石)を3cmほど入れて、その上に用土を入れ、株を入れて、隙間に用土を入れていき、最後にしっかりと水をやります。
移植に弱い(=植え付けに弱い)ので、ポット苗の土は崩さないほうが良い。
植え付けそのものが苗にとってはダメージなので、植え付け直後しばらくは生育が鈍いですが、これを抜けるとよく生育し、収穫できるようになります。
管理場所・日当たり
アイスプラントの生育温度は5度〜25度。30度を超えると下葉から枯れ始めます。マイナス5度まで耐えられますので戸外での越冬は可能。ただし、霜にあたったり、土が凍結すると枯れてしまいます。
春と秋の管理
日当たりのよい場所で育ててください。
夏の管理
真夏は暑さと多湿で枯れてしまいます。真夏は日陰の風通しのよい場所で管理してください。それでも枯れます。
冬の管理
霜が降りる地域ならば、室内の日当たりで管理します。霜が降りない地域ならば、戸外の日当たりで管理します。
収穫と摘芯
アイスプランツは葉っぱを放射状に伸ばしていきますので、敵芯を兼ねて取りすぎないように脇芽をチョコチョコと摘んで食べます。
植え付けて20日〜30日経った頃に、一番伸びたツルの先を切って収穫します。この収穫は敵芯を兼ねていて、収穫後に、その下の葉っぱの根本から新芽が2本生えてきます。それが伸びたら、そのツルの先を切って収穫すると、それが
摘芯となって、新芽がまた2本ずつ出てきます。
こうして収穫を増やしつつ、夏や冬に枯れるまで継続します。
生でサラダが一般的ですが、天ぷらでも美味しいです。
●5月下旬から株がすっぱくなる、という話もあるが原因は不明。
病気・害虫
ネキリムシ
蛾の幼虫で苗を切り倒して土中に引き込んで食べる。朝起きると、全ての苗が引きずり倒されていることすらあります。人間には影響のないBT剤(ダイアジノンやゼンターリ)を使うか、防虫ネット、ペットボトルで防除するなど色々ありますので以下のページを参考にしてください。しっかりと育ってから植えれば大丈夫です。
ヨトウムシ
昼は土中に潜んで、夜になると葉っぱを食べる芋虫。これも人間には影響のないBT剤を散布して駆除するか、少し土をほじくりかえして捕まえるか、夕方に待ち伏せして補殺します。
アブラムシ
葉っぱの汁を吸って弱らせる。特に新芽を狙うので、その後の生育が悪化し、収穫にも影響があります。アイスプラントに使える対応の薬剤はないので、水で吹き飛ばして取り除きましょう。庭植えにする場合は、シルバーマルチをすることで多少予防できます。
特徴・由来・伝承
南アフリカ原産の
多肉植物。
リビングストンデージーの仲間。葉っぱもよく似ています。
佐賀大学農学部がアイスプラントを栽培、紹介後、全国で栽培されはじめています。商標として、ソルトリーフ・
バラフ・クリスタルリーフ・プッチーナ・ツブリナ・ソルティーナ・シオーナ、などなど沢山別名があります。統一した方がいいんじゃないでしょうか??
植物全体に水滴のようなものがあり、全体が凍っているように見えることからアイスプラントと名付けられています。
元々日本で栽培されはじめたのは、塩を吸い上げる特性を生かした塩害対策でした。
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