カルミアの育て方
目次
カルミアとは?水やり肥料植え付け・植えかえ・種蒔き管理場所・日当たり剪定摘蕾(テキライ)病気・害虫特徴・由来・伝承関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- カルミア
- 科名
- ツツジ科
- 属名
- カルミア属
- 学名
- Kalmia latifolia
- 別名
- アメリカシャクナゲ
- 水やり
- 水控え目
- 場所
- 外の半日蔭
- 難易度
- 中級者向け
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カルミアとは?
カルミアは北アメリカ〜キューバに自生する
ツツジ科カルミア属の常緑樹。育て方は
シャクナゲと似ていますので、シャクナゲ栽培の経験があれば簡単です。全体に毒があり、美味しそうに見えてもツボミ・花を口にしないようにします。
樹高1m〜5m
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水やり
鉢植えの水やり
カルミアは根が細く、地表に根が伸びているため、過湿も嫌いですが、乾燥も苦手です。
土が乾いてから水をやります。土が乾くまでは水をやらないようにしてください。春と秋はほぼ毎日から二日おきくらい、真夏は毎日朝と夕方の二回水をやります。夏は夕方以降に葉っぱに霧吹きで吹きかけて乾燥を予防するとなおいいです。冬は土が乾いてから数日たってから水をやってください。
受け皿の水は捨ててください。そのままにしていると
根腐れを起こします。
庭植えの水やり
庭植えにした場合は、雨だけで十分です。ただしあまりに日照りが続いたときや、真夏に根本に日が当たって乾燥しやすいときは水をやってください。
肥料
5月から6月に花が咲いた後に「お礼肥」として
油粕や化成
肥料をやります。また9月から10月に一回、2月に一回同じように固形の緩効性肥料をやります。
カルミアの地上部の広がりと同じくらいの範囲に根が張っています。枝周りくらいに肥料をパラパラとまくか、穴を掘って規定量(肥料の説明書きの量)を埋めてください。
植え付け・植えかえ・種蒔き
花が咲いているときはカルミアはエネルギーを花に注いでいます。植え替えは植物にとって
ストレスなので、二重の負担を掛けると枯れてしまうことがあります。開花する前の3月〜4月か、夏を越えて涼しくなった9月〜10月に植え替えをします。
用土
カルミアはツツジ科の植物で土が
酸性(pH5.0〜pH6.0)でないとダメです。一般的な
培養土では中性に調節してあるで枯れてしまいます。
用土は
ツツジ・
サツキ専用土を利用するか、
鹿沼土と
腐葉土を6:4で混ぜたものを使います。
鉢植え
植え替えはカルミアにとって非常にストレスになります。花が咲いている時期は避けます。また頻繁な植え替えはやめてください。植え替えるときに土をほぐして植え替えても枯れるとは限りませんが、これもやはりストレスになりますので、植え替えるときはほぐさないで、そのまま大きな鉢に植え替えた方が無難です。
古い鉢から株を取り出し、可能であれば土を一切落とさないで、ひとまわり大きな鉢に植え替えます。同じ大きさの鉢に植え替える場合は、土を3分の1落とし、傷んだ根を取り除きます。
新しい鉢の底の水が抜ける穴を鉢底ネットで塞いで、その上に鉢底石(
軽石)を入れて、その上に用土を入れ、株を入れて、隙間に用土を入れて、最後にしっかりと水をやります。植え替え後、1週間は明るい日陰で養生するといいです。
庭植え
庭の土を深さ40cmほど掘り、その土に未調整
ピートモスを2割ほど足して、用土とします。
水はけが悪いならば、川砂や軽石、酸性度が足りないなら鹿沼土を足してpH5〜6に調節します。
穴に用土を半分戻し、株を植え付けます。カルミアの苗が深くならないように、浅植えにしてください。苗の地表と地面が同じ高さならいいです。
隙間に用土を入れ、最後にしっかりと水をやって完成です。グラグラするなら支柱を立てて括って固定しましょう。
管理場所・日当たり
日当たりを好みますが、少々の日陰でも生育します。もちろん、日当たりがよい方が花つきも成長も良いです。ですが真夏の直射日光と
西日に若干弱いので、真夏に
半日陰になるような場所が好ましく、庭植えにするならば、結局半日陰が向いています。
鉢植えで管理するならば、季節で場所を替えるといいです。春と秋はしっかりと日を当て、夏は半日陰に移動させましょう。
越冬
耐寒温度はマイナス5度で土が凍結しなければ戸外での越冬は問題なく可能です。冬も日当たりのいいところで管理します。土が凍結・霜柱が立つ地域ならば、鉢植えは凍結しない室内取り込み、庭植えの場合は株元に
マルチングをして凍結を防ぎましょう。
剪定
カルミアは成長が遅く、
剪定しなくてもある程度は樹形が整います。ただ、樹形を乱すような枝が出たり、密生しすぎて風が通らず、病
害虫が発生しやすくなることがあるので、間引いて剪定します。
カルミアは花が終わったらすぐに次の
花芽を作ります。なのでコレ以降に剪定すると花芽まで落とすことになります。そこで、花が終わったらすぐ…6月に剪定をします。
変な方向に伸びた枝、樹形を乱す枝を切り、枯れた枝を切り、枝を間引いて風を通すように剪定します。太い枝を落とした場合は
癒合剤を塗って、雑菌が入らないようにしましょう。
落とすべき枝と残すべき枝については以下のページを参考に。
強い剪定で更新する
古い枝は徐々に芽吹きにくくなり、古い枝が増えると株の勢いがなくなります。そこで古い枝を切って、若い枝を出させます。
カルミアは刈り込んでも回復するので、毎年の剪定とは別に数年かに1回、株全体を更新させる強い剪定をして、若返らせるといいです。なんだか、樹勢がなくなってきたな…と思ったら、株元の近くでバッサリと刈るといいです。
摘蕾(テキライ)
カルミアは日当たりがよいと花つきが非常によく、放置して咲かせているとこぼれんばかりに花が咲きます。しかし、そのまま花を咲かせ放題にしていると、カルミアの木が花を咲かせすぎて疲れてしまい、来年の花が少なくなってしまいます。すると一年おきにたくさん開花する「隔年開花」になってしまいます。
そこで、毎年コンスタントに開花させるために摘蕾(テキライ)を行います。摘蕾とはつぼみを摘んでしまって、花の量を調整することです。10月から2月に膨らみ始めた蕾を半分ほど落としてしまいます。もったいない気もしますが、これをしないと花が一年おきに咲くようになります。
病気・害虫
褐斑病・花腐菌核病など
水やりが多い・土の水はけが悪い・風通しが悪い・日当たりが悪くて不健康になると、発生しやすいです。剪定して風通しをよくして、環境を見直し、病変部分は取り除き、殺菌剤を散布します。
ハマキムシ
葉っぱを丸めて、内部で生きている虫で、被害が多く、丸坊主になることもあります。葉っぱの中にいるため、薬剤が効きにくい。発見次第、葉っぱごと摘んで、踏み潰します。
グンバイムシ
小さな虫で、汁を吸って弱らせます。乾燥すると発生しやすいです。
アブラムシ
新芽などにたかって汁を吸って弱らせます。
カイガラムシ
春から秋に、葉や茎にくっついて汁を吸っています。蝋に覆われていて薬剤が効きにくいので、成虫は歯ブラシで削ぎ落とし、薬剤を散布して幼虫を駆除します。
特徴・由来・伝承
ツツジ科の植物で、エリカ類やサツキ、アザレラ、シャクナゲ、
ブルーベリーと同じように酸性の土壌を好みます。しかしツツジ科ですが、ツツジとは全然違う花です。この花を見てツツジの仲間とはなかなか連想できないほど。そのため
酸性土でないといけないという発想が出てこず、枯れることが多い。自生地では1メートルから5メートルまで成長する樹木。
原産地は北アメリカとキューバ。花も独特ですが、つぼみが金平糖のような愛らしい形状であることも特徴。カルミアの名前は北アメリカの植物を調査したスェーデンの植物学者「カルム」から由来。
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