サツキの育て方…剪定で大事なのは時期!ミスると来年花が咲かなくなります
目次
サツキ(皐月躑躅)とは?剪定管理場所・日当たり植え付け・植えかえ水やり肥料病害虫特徴・由来・伝承関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- サツキ
- 科名
- ツツジ科
- 属名
- ツツジ属
- 学名
- Rhododendron indicum
- 耐寒
- マイナス10度
- 水やり
- 水を好む
- 場所
- 外の半日蔭
- 難易度
- 中級者向け
スポンサーリンク
サツキ(皐月躑躅)とは?
サツキ(皐月躑躅・皐月
ツツジ)は
ツツジ科ツツジ属の常緑
低木。江戸時代にツツジ栽培が流行って、品種が作られたときに、開花が遅く、5月以降に咲くものを「サツキツツジ」と呼ぶようになりました。
変異しやすく、新芽がそれまでと同じ性質のサツキとは限らず、結構な頻度で「先祖がえり」する。先祖がえりした場合、先祖がえりした部分の成長速度が非常に速いために、本来の性質の木よりも大きくなるので、出来るだけ早く先祖がえりした新芽は摘んでおきましょう。
スポンサーリンク
剪定
時期が大事!間違うと来年咲かない
サツキは5月に開花して、6月〜7月に翌年の
花芽ができます。よって
剪定は5月〜6月に行います。できれば花後直後。邪魔な枝を落としてしまいます。6月以降に花芽を落とすと翌年の花芽を落としてしまい、翌年、開花しなくなります。
ツツジは6月まで開花して7月以降に花芽ができます。ツツジと一緒に剪定してると、サツキの花芽はなくなってしまいます。
サツキは花後っていうか、咲いている間に剪定するくらいの勢いでもいいです。
手順
全体を刈り込むことで、脇枝が増えて花芽が増えます(
摘芯)。びっしりと開花しているサツキ・ツツジ類は前年に全体を3センチくらい薄っすらと刈り込む剪定をしたからです。
花が終わりかけの頃に、全体を刈り込み、邪魔な枝を落とします。葉っぱを完全に落とすのではなく、葉っぱは残しつつ、ひと回り小さくします。
小さくしたい場合は、葉っぱがなくなって枝だけの形状になってもいい。新芽が出て復活します。
管理場所・日当たり
日当たりのいい場所で管理します。
半日陰でも育ちますが、花は少なくなります。花が雨に当たるとすぐにしぼんでしまうので、鉢植えで花が咲いているときは雨の当たらないところで管理した方がいいです。
夏
夏の高温で乾燥して水切れを起こします。鉢植えなら夏は半日陰に移動させます。庭植えの場合は、しょうがないので株元を
マルチングして蒸発を防ぎつつ、水をやって対応しましょう。
冬
サツキは耐寒温度マイナス10度と、本来寒さに強いですが、霜柱に根を持ち上げられと枯れることもあるので、株元を
腐葉土かワラでマルチングして予防しましょう。
また、寒風に当たると弱ってしまいます。寒風ってのは寒いだけでなく、メチャクチャに乾燥していて、これに長期間当たると厳しい。できれば寒風を避けましょう。
アザレアなどの寒さに弱い種類と交配している場合がたま〜にあります。そういう品種は寒さに弱いですし、ツボミが霜で傷んでしまいます。タグをチェックしましょう。そういった品種は、冬は軒下など霜に当たらない場所で管理します。
植え付け・植えかえ
植え付け・植え替えは3月〜6月のうち開花していない時か、9月〜10月にします。花が咲いている間は植え替えはしないでください。鉢植えの二、三年に一回植え替えます。
用土
サツキは
酸性の土でないと枯れます。普通の土で植えないでください。サツキ・ツツジ専用の土が
ホームセンターで売られています。これを利用するのが一番簡単です。自作する場合は、
赤玉土3
鹿沼土3腐葉土4に化成
肥料を追加したものを使います。
庭植えの場合は、
ピートモスを混ぜ込むか、鹿沼土を入れて酸性にして植え付けてください。
庭植え
庭土を30cm〜40cmを掘り返し、土に未調整ピートモスを2割〜3割ほど足し、化成肥料を規定量入れて混ぜて
用土とします。
水はけが悪いようなら、鹿沼土小粒・川砂などを入れて調節してください。穴に半分の土を戻し、苗を配置します。最後にしっかりと水をやって完成です。
苗は深植えしないように、苗と地面が同じ高さになるように植えてください。深く植えると生育不良を起こします。もしくは10cmほど
高植えにするといいです。
鉢植え
鉢から株を取り出して、根を三分の一ほど切りとり、土をほとんど落として新しい土で植え替えをします。根の負担を減らすために枝を三分の1ほど詰めてしまいます。
鉢底の穴を鉢底ネットで塞いで土が出ないようにしてから鉢底石(
軽石)を2センチから3センチほど入れて、鉢底石(軽石)の上に土を入れ、株を入れて、隙間に土を入れていき、最後に水をやります。鉢底から水が出るまで水をやってください。
植え替え後の二週間は日陰で管理します。
水やり
庭植えの水やり
基本的には自然に降る雨だけでほぼ大丈夫です。
ただ、サツキは根が地下30センチ程度にしか張っていませんので庭植えでも水切れを起こします。よく夏明けにカラカラになって枯れています。庭植えでも7月〜9月は土が乾いていたら水をやるか、根元に腐葉土やワラでマルチングをして乾燥を防ぎます。
また、6月〜7月は花芽をつける時期で、この時期に水切れすると翌年の花が鈍くなるので、庭植えにしていても水切れに注意しましょう。
鉢植えの水やり
基本的には土が乾いていたら水をしっかりとあげます。冬でも一週間に二回。春と秋は二日に一回。夏は毎日朝と夕方の2回、水をやるのを基本にしてください。
水をやりすぎると根が腐って枯れてしまいますが、鉢植えの場合だと乾燥しやすいので、春〜秋の生育時期は土が乾き切る前に水をやるくらいでいいです。
肥料
春以降の開花と生育のために2月に
油かす+骨粉のボカシか化成肥料をやります。夏に花芽ができるので、その時の栄養のために、開花が終わって6月に薄い液体肥料を二週に一回やるか、同様に
油粕+骨粉のボカシか化成肥料をやります。使い切った肥料を補充するために9月に油かす+骨粉のボカシか化成肥料をやります。
病害虫
サツキは基本的に頑健なんですが、新芽・花芽を虫に食べられてスカスカになるので、春前(3月)くらいに
オルトラン粒剤を株元にやって、
害虫予防しておきます。オルトランは植物に浸透して害虫を駆除するタイプの薬剤で、よく使われます。他の植物にも使えるので一つ買っておいて損はないです。
ベニモンアオリンガ
ツボミの中を食べて、花をほぼ壊滅させる虫で、一度発生すると毎年発生するので、早めに対処したいです。
病害虫と対応の農薬
イラガ→ サンヨール液剤AL
カイガラムシ→ カダンK
ケムシ→ サンヨール液剤AL
ツツジグンバイ→ 園芸用キンチョールE・オルトラン水溶剤・ベニカグリーンVスプレー・モスビラン液剤・モスビラン粒剤
ルリチュウレンジハバチ→ GFオルトランC
ロウムシ→ カダンK
うどんこ病→ トップジンM水和剤
褐斑病→ トップジンM水和剤
炭そ病→ トップジンM水和剤
もち病→ Zボルドー
特徴・由来・伝承
日本で最も生垣や道路の植え込みに使われているという統計もあるように、非常に頑健で育てやすい植物です。ツツジ科の植物ですが、他のツツジ科のそれよりも花が咲く時期が一カ月遅く、葉っぱが小さく、花も小さい。サツキは本来渓流に育つ植物で、川が増水しても流されないように背が低く進化しました。
サツキは枝変わりが激しく、
挿木しても同じ性質のサツキにはならないことが多い。
スポンサーリンク
関連記事