コリアンダーの育て方

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コリアンダーの基礎データ

コリアンダー
科名
セリ科
属名
コエンドロ属
学名
Coriandrum sativum
別名
コエンドロ・カメムシソウ・香菜・シャンツァイ
水やり
水を好む
場所
外の日なた
難易度
初心者向け
コリアンダーの開花時期…植え付け・植え替え時期…肥料時期…月別スケジュールです。

パクチー(コリアンダー)とは?

パクチー(コリアンダー)は地中海沿岸原産のセリ科ハーブ一年草。草丈は40cm〜60cmになる。パクチーはタイ語です。春に種を撒く場合と秋に種を撒く場合があります。春に撒いても秋に撒いても6月には花が咲き、枯れてしまいます。秋撒きの方が長期間収穫が出来ますが、霜対策をしないといけない地域では面倒です。よって普通は春に蒔いて5月から10月に収穫します。

収穫する場合の大事なポイント
パクチー(コリアンダー)は葉っぱを食べるものです。種子を蒔くと発芽して、ニョキニョキと伸びた葉っぱを収穫します。暖かい時期はとにかく、茂る速度が速い。食べるのが追いつかないくらいに速い。だから、いい感じになったらすぐ食べる。ほぼ間違いなく追いつかないで、一回やれば飽きます。

種まき・苗植えから収穫までは一ヶ月。草丈20センチで収穫。よって連続して収穫するには、複数の鉢(プランター)を複数用意して、「種まき→収穫(1ヶ月)」を連続して収穫できるようにします。

鑑賞しつつ、収穫をするならば、葉っぱを下から取り、芽のところは収穫しないようにする。すると花が咲く。ただ、花が咲いたら枯れる。よって、収穫目的ならば、20センチに育ったら、根元からガッツリ収穫していく。そして、空いたプランターから根を全部抜いて、土に肥料を足して、新しいパクチー(コリアンダー)の種子を蒔く。これを繰り返す。すると一ヶ月に一回収穫する感じになる。

育て方のまとめ

●収穫するなら春蒔き。観賞用に育てるなら秋蒔き。
●花が咲いたら、種子が出来て枯れる。
●種まきから収穫まで1か月。大きくなったら固くなって食べられない。
●種子は密集して植える。
●花を咲かせて種子を収穫するなら、花は摘まないでそのまま。ただ、そのまま枯れる。
●霜に当たらない限り0度でも枯れない。

水やり

土が乾いていたら水をしっかりとやってください。水切れに弱いので、特に乾燥しやすい夏場にはこまめに水をやって下さい。夏は朝と夕方の二回しっかりと水をやりましょう。昼はやった水が沸騰して傷めますので、昼にはやりません。

水切れに弱いですが、水をやりすぎても根が腐ります。梅雨や秋の長雨では、水を控えて調節してください。また、泥が跳ねて葉っぱにつくと病気になりやるいので、水をやるときは株元にそっとやるか、株元に敷藁(シキワラ)をして泥はねを防ぎましょう。

肥料

葉っぱが黄色くなるなら肥料不足です。追肥しましょう。液体肥料をやりましょう。葉っぱを1株まるごと収穫する分には基本的には追肥は不要です。

日当たり・管理場所

日当たりを好みますが、少々日当たりが悪い場所でも育ちます。生育温度は20度〜25度。夏の暑さに弱く、意外と寒さに強い。花を咲かせないことで収穫を継続させられるが、一年草なので徐々に弱る。

3月から5月の作業

地植え

市販されている土か、ハーブ用の土で植え付けします。庭植えでも鉢植えでも問題ありません。

地植え(畑)
植え付けの2週間前に土を深さ20cmほど掘り返して、土に苦土石灰を混ぜ込んで土を中性にします。植え付けの1週間前に土に対して2割ほどの腐葉土堆肥を足して、化成肥料を1平方mあたり100gほど入れて、よく混ぜて用土とします。

高さ10cmの畝を作って、30cm間隔の溝を作って、そこに種子を1cmおきに撒きます。1週間ほどで発芽したら、収穫を兼ねて間引いていき、最終的には株間20cmにします。
石灰と有機物(腐葉土や堆肥)を一緒に混ぜると化学反応を起こしてしまうので時期はズラすこと。
●間引きは弱いものを取る。株同士の葉っぱが当たらないように間引いていけばいいです。

種まき

コリアンダー:種まき
たくさん継続して収穫したいならば、種子から育てましょう。発芽温度は17度〜20度。種子は短い間隔で撒きます。軽く土をかぶせて水をやってください。ポットで育ててから地植えにしてもいいし、畑に溝を作って筋まきし、発芽したら間引きしつつ収穫してきます。適当に蒔いてもいいです。ポットには種子を一つか二つ。

種まきの雑記

●丸い種子に見えますが、硬い殻の中に半球状の種子が二つ合体しています。一つ種子を蒔いたら、芽が二つ出ます。このままだと発芽率が悪いです。
●バラバラにして蒔くか、軽く潰して水に一晩つけてから植えると発芽率がよくなります。軽くつぶします。強くつぶすと種子まで潰れるんで。
●発芽率が60%とちょっと低めなのは殻があるから。潰して水につけて蒔くと発芽率はかなり良くなります。

発芽までは、カラカラにならないようにします。発芽までは2週間ほど。発芽したら、普通よりは多少多めに水やります。コリアンダーは好光性種子で日光があたらないと発芽しません。土は被せないか軽く被せる程度にします。
●収穫までは苗の植え付けから1ヶ月半ほど。連続で収穫するには、種子を時期をずらしてまくといいです。

鉢・プランターの用土

赤玉土5腐葉土3堆肥1バーミキュライト1を混ぜた土で植え付けをします。もしくは野菜用やハーブ用の培養土を使います。これら培養土はphを調節してあり、肥料も入っているので便利です。

パクチー(コリアンダー)は苗も売っていますが、パクチー(コリアンダー)の根は一本太い根が伸びる「直根」というタイプで、この太い根を傷つけると枯れてしまいますので、一度植えたら移植はできません。また、植えつけるときに根をいじらないように気をつけましょう。
●パクチー(コリアンダー)は直根で移植が苦手です。苗が大きくなると根付きにくくなり、植えても枯れてしまうこともありますので、苗は出来るだけ小さいものを買って下さい。
水捌けのよい土であればいいです。

プランターや鉢に苗を植える

プランターに2列にタネを蒔いて、随時収穫するパターンと、春に苗を横長プランターに三つほど植えて随時収穫するパターンがあります。

プランターの底に水捌けをよくするための軽石を入れ、用土を入れて、苗を入れて、隙間に用土を入れていきます。最後に水をやって、水が水抜きから出てきたら完成です。コリアンダーは根を傷つけると生育不良を起こすので、土をほぐさず、いじらないように植えましょう。
鉢植え
鉢なら7号鉢で1苗を植えます。鉢底の穴を網で塞ぎ、その上に軽石を2センチから3センチほど入れて、用土を入れ、苗を入れて、空いたところにに用土を入れていきます。最後に水をやってください。
苗の土はほぐさないでください。

4月〜6月の作業

収穫

収穫には二種類あります。一つは葉っぱを外側から収穫するもの。消費が少ないならこれでいいです。もう一つは株ごと収穫するもの。株ごと収穫するほど消費するなら、種子を買って、時期をずらして育てると連続して収穫できます。
葉っぱが成長すると硬くなっておいしくないので、若葉を収穫します。若葉が20cmほどになったら収穫します。若葉の収穫は「切り戻し」も兼ねています。
●日当たりが良すぎると葉っぱが固くなる。管理場所を変えましょう。
●葉っぱが密生すると風通しが悪くなり、病害虫が発生する。収穫には風通しをよくする意味もある。

5月〜6月の作業

花は摘む

5月6月に開花しますが、花をそのまま放置していると種子を作ろうとし、株が弱り、そのまま枯れてしまいます。一年草なのでしょうがないですね。なので花茎が伸びてきたら早めに花茎を切ってしまいましょう。花がつく茎は太くて硬くて、葉っぱが違うので、何度か見れば分かります。さっさと花茎は根元から切ってしまいましょう。
●水やりが少ないと花が咲きやすい。
●気温が上がり、強い日光に当たると花が咲きやすい。よって6月以降に種まきすると収穫期間は短く、すぐに夏になって花茎が伸びてくる。

8月以降

普通は春に蒔いて夏前まで収穫します。パクチー(コリアンダー)は乾燥した環境を好むので、多湿の日本の夏が苦手。対策をしなければ夏に枯れ込むことが多いです(これはもうしょうがない)。プランターや鉢植えであれば夏は風通しの良いところに移動させましょう。地植え(畑)ならば寒冷紗などで覆って遮光してあげます。夏を越せば10月まで収穫も可能です。

秋に撒いた場合は霜に当たると枯れてしまいますので、軒下で管理します。
●毎年、春に種まき・苗植えして夏前まで収穫がパターン。暖地中間地で夏に無理して栽培しなくてもいいですよ。大変だから。

病害虫

コンパニオンプランツ
その匂いでアブラムシハダニの予防になります。でも、パクチー(コリアンダー)にもアブラムシが付くんだよなぁ。

病害虫
ハーブであまり虫はつきませんが、カメムシ、アブラムシ、ハダニ、ヨトウムシナメクジが食べます。被害があれば、すぐに駆除します。食べるものなので、農薬は使いたくないでしょうから、前もって防虫ネットで包んでしまうといいです。

特徴・由来・伝承

タイ料理やインド料理、ベトナム料理などのアジア料理に使われ、タイで「パクチー」と呼ばれたから、パクチーという名前でも通じるようになりました。独特の風味で嫌いな人はこれが吐くほど嫌い。

別名にカメムシソウ。これはカメムシの匂いとパクチー(コリアンダー)の香りに何か関係があっての名づけなのか、名前の由来に関しては諸説あり、ハッキリとしたことは分かっていませんが、民間語源ではないかとも言われています。

民間語源は権威のある人が、過去の書物などから推察したことから名づけた場合、たいした反論も無く、それがそのまま広まった言葉のこと。
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