スイートピーの育て方…種まきの時期は秋。でも苗を冬に植えるのが一般的です
学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- スイートピー
- 科名
- マメ科
- 属名
- レンリソウ属
- 学名
- Lathyrus
- 別名
- 麝香豌豆・香豌豆・麝香連理草
- 水やり
- 水を好む
- 場所
- 外の日なた
- 難易度
- 中級者向け
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スイートピーとは?
スイートピーは
マメ科の耐寒性ツル性の
一年草。春咲き・夏咲き・冬咲きとあって咲く時期はかなりまちまちなので、苗でしたらラベルを参考にしてください。ツル性で2m前後に伸びるものが一般的ですが、ネットなどに絡ませなくちゃいけないため、面倒な人のためにツル無し・
矮性のものが出ています。でも、実際はまぁまぁの大きさになって支柱やネットを立てることになりがち。このあたりは、品種の性質がどうも一定しないようで、想像していたのと(種苗会社の解説とは)違う性質ってことはちょいちょいありますので、ある程度は覚悟しましょう。
宿根スイートピーと一年草のスイートピーがあります。このページで扱っているのは一年草のスイートピーです。
真夏の青いスイートピー??
グリーンカーテンにも利用できる青いスイートピーがあります。これは本来はスネールフラワー(
スネイルフラワー【Vigna caracalla】)といってマメ科
ササゲ属でスイートピーとは違います。「真夏の青い…」というのは商品名、源氏名みたいなもので、検索するときはスネイルフラワーで調べるとヒットしやすいです。
育て方のまとめ
●10月〜11月に種まきをするか、2月前後に苗を植える。
●土が乾いたら水をやる。
●開花したら
肥料をやる。
●日当たりで管理する。
●寒さには強い。
●春に開花するのが一般的だが開花時期は品種によってばらつきがある。
●
摘芯して脇芽を出させましょう。
●
花ガラ摘みをしましょう。
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植え付け・植えかえ・種蒔き
植え付け・種まき時期
一般的な春咲きスイートピーの種まきは10月〜11月ですが、店頭にスイートピーの苗が並ぶのが二月前後なので、その頃に苗を植えるのが無難です。
種子の
発芽率もよく、保存が効くので種子の栽培も難しくないです。
種まき
ティッシュやキッチンペーパーを濡らして種子を包んだり、一晩ふやかしてから植えると発芽率が良いです。水につけると窒息して腐る種子があるので、キッチンペーパーがよいです。ふやけていない、皮の厚い種子は傷つけることで発芽しやすくなります。
ポットに土を入れて、ポットに2粒〜3粒ほど種を蒔いて、5mmほど土を被せて乾燥しないように管理していると10日から2週間前後で発芽します。発芽まで非常に時間がかかることがあります(1ヶ月とか2ヶ月とかそれ以上とか)。発芽したら間引いて一本立ちにして、日当たりで管理します。本葉が3枚〜5枚になったら地植え・鉢植えにします。
●冷蔵庫に入れておくと種子は五年以上保存可能。
●種子は鳥・ネズミなどに食べられる。直播するときはある程度は覚悟しましょう。
●六年以上保存していたものは発芽率がグッと下がる。
●ミックス系の種子はパッケージのような色合いの組み合わせであることはまずない。あなたが思ってるより濃い色が多い。
用土
用土は市販のものでも
花と野菜の土でも十分育ちます。出来れば水ハケがよいものがいいので、この
培養土に
赤玉土を二割か三割混ぜると尚よいです。最初から自作する場合は赤玉土7
腐葉土4を目安にします。
酸性土壌を嫌います。すでにある土を再利用して植える場合は
石灰を混ぜて中和させてください。市販の土に植える場合は中和してあるので問題はありません。
鉢の植え付け
10号に1苗を植える方がいい。ネットや種苗会社の開設では4号か
6号鉢以上とあるけど、できるだけ大きな鉢に植えた方が良いです。鉢底の穴を土が流れ出ないように網で塞いで、その上に
軽石を2cmか3cmほど入れて、その上に用土を入れて、株を入れて、隙間に用土を入れます。最後に水をやって完成です。
スイートピーは直根性で根が傷つくと生育が悪くなり、枯れることもあります。なので苗の土はほぐさず、根をいじらないようにします。
庭の植え付け
植え付けの2週間前に深さ20cm〜30cmほど掘り返して、
苦土石灰を撒いて中和させます。植え付けの1週間前に腐葉土か
堆肥を元の土に対して3割から4割ほど追加して混ぜて用土とします。化成肥料を入れるなら少量にします。
植え付ける時は株間を30cmほど空けておきます。
●マメ科の植物で直根性で移植を嫌います。一旦植えた場所からは移動させないでください。庭植えするときは植える場所をよく検討してください。一年草ですので、花の後は消えてなくなります。
●
連作障害と起こすので、過去に二年、マメ科植物を植えていないところに植えましょう。
●株間は品種によって違います。
採種
結実して採種すれば、種子はいくらでも手に入る。それが冷蔵庫で五年ほど保存できるので、増えすぎて困ることがあるくらい。ただ、自家採種は親の性質を受け継ぐとは限らないため、その種子の花は色々な色になる。
スイートピーは微量ながら毒を持っています。特に花後に出来る豆とサヤに多く含まれているので、見た目がマメっぽくても食べないで下さい(食べたから死ぬということはありませんが、危険です)。参考:
毒の花束
●自家採種は濃い紫の花が多い。多分原種の性質なんじゃないかと思う。
●六年以上保存していたものは発芽率がグッと下がる。
支柱、フェンス、ネット、トレリスを
ツル性で、何かに、つかまり立ちをしないと倒れてしまいます。品種によって高さが違うので、背が高くなる品種には見合った「添え木」が必要です。フェンス、ネット、トレリスなどツルが絡まるものを用意しましょう。
あとは定期的に誘引してあげます。
管理場所・日当たり
日当たりのいい場所を好みます。日が当たっていないとつぼみが付きづらかったり、ツボミが出来ても咲かずに枯れるなんてこともありますので、日光にしっかりと当ててください。
スイートピーは耐寒性がある程度あるのですが、霜に当たると傷みますので、霜が降りる地域では、霜よけがした方がいいです。
●東京でスイートピー露地植えで栽培可能。雪に埋もれても大丈夫。雪に埋もれるのは意外と雪で保温になって大丈夫なんですが、霜は葉っぱが凍ってしまうのでよろしくないです。
水やり
鉢植えの場合、土が乾いていたら、水をタップリとあげてください。スイートピーは温かくなると水の吸い上げる力が劇的に増しますので、春以降の生育期には水を切らさないようにしてください。水が切れるとシオシオになります。
地植えならば
水やりはほぼほぼ不要。
肥料
スイートピーはマメ科で空気中の窒素を土中に取り込む性質があり、肥料はあまり必要としません。基本的に肥料は控えめ。ただ開花中は肥料を追加した方がいいです。それも控えめに追肥しましょう。
摘芯
スイートピーは摘芯することで、脇芽を出し、花が増えます。5節〜8節ほど伸びたら、成長点…ツルの先を切ってしまいます。その下の節から新しい芽が複数出てきますので、結局、花が増えます。
●摘芯をして小さくまとめることはできる。
花ガラ摘み
花ガラを摘みましょう。花ガラとは「終わった花」のこと。花が終わると種子を作ろうとして、栄養を回し、次の花が咲きづらくなります。そこで種子を取らないんであれば、色が褪せてきた花は摘んでしまいます。放置していると種子ができ、これを採種してまた種まきすればスイートピー栽培は継続できます。
病害虫
春以降に
アブラムシ、
ウドンコ病、
モザイク病など発生する。
特徴・由来・伝承
原産地はイタリアのシシリー島。
甘い香りを放つことから「スイート(甘い)」「ピー(マメ)」と名づけられました。
松田聖子が歌った「赤いスイートピー」という歌がありますが、この歌が流行った当時、赤いスイートピーは存在していませんでした。この歌をきっかけに品種改良が進み、赤色のスイートピーが誕生しました。
似たようなケースで布施明の「
シクラメンのかほり」があります。シクラメンには匂いが無かった(もしくはほとんど無い)のですが、歌をキッカケに香の強いシクラメンが開発されました。ただし香の強いシクラメンはほぼ流通していません。
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