茉莉花(マツリカ)の育て方
目次
茉莉花(マツリカ)とは?水やり肥料植え付け・植えかえ管理場所・日当たり剪定収穫病害虫関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- ジャスミン
- 科名
- モクセイ科
- 属名
- ソケイ属
- 学名
- Jasminum sambac
- 別名
- 茉莉花・アラビアンジャスミン・ピカケ・サンバク
- 水やり
- 水を好む
- 場所
- 冬は室内 夏は外
- 難易度
- 中級者向け
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茉莉花(マツリカ)とは?
茉莉花(マツリカ)は
モクセイ科植物でジャスミンという名前の方が有名です。
学名はジャスミナム・サンバク。基本的に頑健ですが、南国出身で霜に当たると枯れてしまいます。秋まで戸外で管理している場合は、霜が降りる前に取り込んでください。寒さ問題さえクリアすれば育てやすい。室内の窓辺で育てられる。
開花時期も長く、香りが強くて、新芽の先に3輪が咲き、一輪でも咲くだけで香りが充満する。香りが強いので虫(蛾)が来て毛虫が発生しがちです。
特徴・由来・伝承
茉莉花(マツリカ)はサンスクリット語の「マリカー」が語源。ちなみにフィリピン語(タガログ語)では「サンパギータ」といいます。マツリカはフィリピンの国花なので、フィリピンパブの名前に「サンパギータ」という名前が多いです。ハワイ語ではピカケ。ジャスミン茶の原料にもなります。八重でも一重でもお茶の材料にはなる。
ジャスミンという名前を持つ植物が多いため、ジャスミンというと、どの「ジャスミン」か分からないので「アラビアジャスミン」か「茉莉花(マツリカ)」と呼ぶ人が多いです。
ジャスミンと名のつく植物たち
ジャスミンという名前がついていても全く関係の無い植物もあります。このページで扱っているのは本来のジャスミン(=茉莉花)。ジャスミンティーにするジャスミンです。ちなみに「コモンジャスミン」というジャスミンもあります。コモンジャスミンは「香料」につかうもの。このページでの「ジャスミン」はジャスミンティーのジャスミンです。
他に、
カロライナジャスミンや
マダガスカルジャスミン、
シルクジャスミン……中には毒があるものもあり、香りが似ていても、ジャスミンティーにして口にすると中毒になることがありますので、このページで扱っているジャスミン(マツリカ)以外は口にしない方がいいです。蔓性のジャスミンのホワイトプリンセスってのもあります。詳細は
にまとめています。
その他雑記
八重の茉莉花(マツリカ)を「ピカケ」と呼んでいることがある。商品名か品種名かよく分からない。一重と八重は香りは同じ。
八重咲きの茉莉花(マツリカ)は外側の花弁が固くて完全には開きにくい。開かずにそのまま落下することが多い。外側の花弁を手で開いてやるとやると開花する。
茉莉花(マツリカ)に限らず、香りの強い植物は受粉させるために夜に蛾を呼び寄せてる。よって夜に蛾が飛んでくるし、毛虫が発生する。これは避けられない。
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水やり
茉莉花(マツリカ)は土が乾いていたら水をしっかりとやってください。
水やりは必ず、鉢底から水が出てくるくらいにやってください。水が受け皿に溜まったら、その水は捨ててください。水が腐ると根が傷みます。
土が乾いてから水をやるにしないと
根腐れします。
冬の水やり
冬は生育が止まっています。寒さによっては葉っぱも落ちているかもしれません。でも
根が生きていれば春には株元から新芽が出てきます。なので冬の間も水やりはストップせずに継続させてください。完全にカラカラにすると枯れます。
冬は
土壌水分計(水やりチェッカー)で計測して乾燥しているなら水やりをするようにするといいです。
肥料
開花時期が長いので、
肥料が切れると花が途切れる。開花している時期には、緩効性肥料(化成肥料)を月に一回と、それとは別に液体肥料を週に一回か、二週に一回やるとよく開花する。肥料がないからといって枯れるわけじゃないですが、開花しないと意味ないので。
植え付け・植えかえ
苗
茉莉花(マツリカ)は
ホームセンターにはあんまり流通していない(全然流通していないんじゃないけど)。買うんならば、ネットで買ったほうが早いかも。おなじモクセイ科ソケイ属の大輪ジャスミン、エンジェルウィングジャスミン、交配種のホワイトプリンセスなど、茉莉花(マツリカ)より寒さに強いものもあるので、そちらも候補に入れてみてはどうでしょうか?
時期
植え付け・植替えは春から初夏の高温時期に行う。
用土
茉莉花(マツリカ)は
水はけのよい土を好みます。といっても一般的に販売されている
培養土で十分です。土質はあまり問題じゃないです。自分で配合するならば、
赤玉土(小粒)6
腐葉土4くらいのものです。もしくは赤玉土を7にします。
鉢植えの植え替え
植え付け・植え替えをするときは、土を落とさず、根を崩さないようにします。根が傷つくと生育が鈍くなり、枯れることも。なので植え替えをするときは、前の鉢より一回り大きなものを用意して、鉢底の穴を網で塞ぎ、
軽石を2cmほど入れ、そこにすっぽり入れて、土を足すようにします。最後に水をやって完成です。
株の増やし方(挿木)
切って水に挿していると発根します。土に挿しても発根します。
挿し木は5月から8月の高温時期に行うと成功する。切り口に発根剤を塗るとなお成功しやすい。むしろ発根しやすい部類でいくらでも増える。
●ガーデナーの本能で意味もなく挿し木で増やす。
●八重のジャスミンには
種子ができない。一重だと出来る。
管理場所・日当たり
春・夏・秋の管理
日当たりの良い場所を好み、春から秋は日当たりで管理します。真夏の直射日光には弱く、
葉焼けしてしまいますので、夏は
半日陰に移動させてください。もしくは一年中室内の日当たりのよい窓辺で管理します。窓辺に置く場合でも真夏の直射日光には葉焼けするので、カーテンなどで50%ほど遮光してください。
耐寒温度は5度で、
暖地であれば冬も戸外で管理が可能ですが、霜が降りる地域では室内に取り込みます。
●窓辺に一年中置きっぱなしって人もいる。
●強風に当たると花が取れる。強風の通らない場所で管理するようにする。
冬の管理
冬に地上部分がなくなっていいなら関西以西での戸外の越冬は可能。それ以外の地域は室内で管理が基本。冬に室内で管理していると、日照不足で葉っぱが黄色くなり、場合によっては寒さで落葉するのですが、そこはぐっと我慢して春を待ちます。
サクラが散った頃に戸外の日当たりに置いて、日光に当てます。すると復活します。
●昨今では温暖化のせいか関東でも茉莉花(マツリカ)が戸外で越冬する(千葉とか)らしい。ただし鉢植えで管理すること。落葉はするが枯死まではしない。
●それでも関東は冬は室内が基本。関東でも暖かい地域であれば、寒さで落葉しダメージがありつつも春になると復活することもあるけど、関東の戸外越冬はできないのが普通。
●冬になると原因はよくわからないが葉っぱがボコボコというか凸凹になる。場合によっては落葉するものもある。しかし、春には何事もなかったかのように新芽が出て消える。
病気ではないようなので、無視して育てると良いです。
●室内で日光に当て、ビニールで株全体をおおうと、落葉しないどころか、新芽が出てくるくらいの温度を保てる。ただし、ビニール内部で結露してカビが生えるので、定期的に外してあげること。かぶせるビニールは布団圧縮袋や、自転車丸ごと入るビニールなどでも。
剪定
冬の間に寒さでダメージがあるので、これを4月の気温が上昇する前に地際から10cmくらいでバッサリいくと株全体を更新して新芽が揃って大きくなります。そんなことで枯れるような植物じゃないです。バッサリ
剪定すると新芽が伸びてよく
花芽がつく。
木質化しているところからでも新芽は出ます。
●葉っぱがほとんど落ちていても、枝は生きているかもしれない。「
庭木が枯れたかどうかの確認」を参考に生きているかどうか確認する。地上部が枯れていても、根は生きているかもしれない。生きていれば新芽が出るので、鉢植えなら水やりを控えつつも継続し、気温が上がるまで管理しましょう。
収穫
花が咲いたら収穫することもできる。花を摘み、萼(がく)は取り除きます。ツボミは香りがしないので使いません。これをお茶葉と同じ瓶に詰めて、毎日かき回しているとジャスミンティーができます。お茶に花を何輪か入れただけでは香りは感じられないので、かなりの数の花が必要となり、茉莉花(マツリカ)の株が小さいうちは収穫できる花が少なくて飲用にするのは厳しいです。
エタノールやグリセリンに漬けておくとエタノールに甘い匂いがつきますので、開花したらちょっとづつ漬けていって香りをつけて、アロマオイルに使います。もしくは薄い重曹水1リットル(水1リットルに重曹小さじ1〜2)にジャスミンの花を1輪か2輪入れて一晩おくと香りが水に移る。ツボミは香らないので開花して入れます。ジャスミン水は飲用として使います。
●ちなみに本来、香水になるのはコモンジャスミンという別種。ここでの茉莉花(マツリカ)はジャスミンティー用の植物。
病害虫
ハダニ
赤いハダニが発生する。ハダニは非常に小さくて見えないが、白い紙の上に落とすと動くのでどうにか分かる。葉っぱの裏に住んでいるので葉っぱの裏を揺らして落とすといいです。ハダニは乾燥すると発生しやすく、またジャスミンが弱っていると発生しやすい。葉っぱに水をかけたり、霧吹きで葉っぱに水をやると予防になります。
どうにもならない場合は薬剤を散布する。前もって
オルトラン粒剤を株元にやっているとほとんど発生しないが、オルトランは摂取不可なのでジャスミンを口にする予定ならば水やりと
テデトールで対応する。
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