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ガマズミ
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最終更新
2024-03-05
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ガマズミの基礎データ
科名
スイカズラ科
属名
ガマズミ属
学名
Viburnum dilataum
水やり
水を好む
場所
外の半日蔭
難易度
中級者向け
ガマズミの特徴は?
ガマズミ(莢蒾)は日本(北海道・本州・四国・九州)・朝鮮・中国に自生する
スイカズラ科
(もしくはガマズミ科)ガマズミ属(ビバーナム属)の落葉広葉樹。春(5月〜6月)に白い花が開花し、秋(9月〜10月)に赤い実をつけ、花も果実も鑑賞価値があります。
花は大きな枝の先ではなく、枝の根本から出る短い枝の先に咲きます。そのため
花芽
を残して
剪定
していくと、小さな枝が密集するようになり、風通しが悪くなります。そこで少々花芽を犠牲にしても、適当に枝を剪定しなくてはいけません。
樹高
2m〜4m
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ガマズミの仲間・種
単に「ガマズミ」と言った場合、「Viburnum dilataum」を指すのですが、
ホームセンター
やお花屋さんや植木市の場合だと、以下の種も全部「ガマズミ」と表記されることがあります。ここではガマズミ属(ビバーナム属)の仲間をまとめています。
ちなみにガマズミとしてよく流通しているのは、
オオデマリ
、
ビバーナム・ティナス
(
トキワガマズミ
)、
テマリカンボク
(
ビバーナム・ステリーレ
)です。
オオデマリ
オオデマリ(Viburnum plicatum var. plicatum f. plicatum)は
ヤブデマリ
の
園芸品種
ではないかと思われるが、こちらの方がメジャーなのでこちらの方が主扱いとなっています。落葉樹で樹高2m〜5mほどになる。春にすばらしく花をつけて圧巻なほど。名前は似ているんですが
コデマリ
とは全くの別種です。
オオデマリの育て方…鉢植えでも栽培できるけど水切れに注意!
スイカズラ科ガマズミ属Viburnum plicatum f. tomentosum
ビバーナム・ティナス
ビバーナム・ティナス(Viburnum tinus)は
常緑ガマズミ
やトキワガマズミと呼ばれる樹高2mに収まる常緑
低木
。花も美しいが、深く光沢のある青い実が切花としても人気があります。
ビバーナム・フレンチホワイトなどの品種も色々とあり、人気があります。
ビバルナムティヌス(常緑ガマズミ)の育て方…植え替えの時期は?
スイカズラ科ガマズミ属Viburnum tinus
ビバーナム・ステリーレ
ビバーナム・ステリーレ(Viburnum opulus ‘Sterile’)は落葉低木。種をつける花がなくなり、装飾花だけになって、オオデマリみたいになったもの。ステリーレは不妊という意味。
ビバーナム・ステリーレの育て方…オオデマリやアナベルとの違いは?
スイカズラ科ガマズミ属Viburnum opulus ‘Sterile’
ハクサンボク
ハクサンボク
(Viburnum japonicum)は日本全国に自生する樹高2m〜6mの常緑高木。葉っぱに光沢があります。
ハクサンボク(白山木)の育て方…庭木にすると花も葉も臭い?植物園で確認を
スイカズラ科ガマズミ属Viburnum japonicum
セイヨウカンボク・カンボク
セイヨウカンボク(Viburnum opulus)はヨーロッパやウクライナやロシアに自生し、日本でも変種のカンボク(Viburnum opulus var. sargentii )が北海道と、中部より北の寒い地域に自生しています。樹高2m〜7mの落葉低木。花は
ガクアジサイ
のよう。
サンゴジュ
サンゴジュ
(Viburnum odoratissimum)は常緑高木。サンゴジュという名前は、秋に見られる真っ赤な果実から来ています。日本に自生していますが、関東南部から西の温かい地域の植物です。
珊瑚樹
スイカズラ科ガマズミ属Viburnum odoratissimum
ミヤマガマズミ
ミヤマガマズミ(Viburnum wrightii)は沖縄以外の日本全土の山間部で見られる樹高4mほどの落葉低木。
ヤブデマリ
ヤブデマリ(Viburnum plicatum var. tomentosum)は関東以西と四国九州の湿気のある場所に自生する樹高2m〜6mほどの落葉低木。花びらの1つだけが極端に小さく、開花すると他のガマズミとの違いはハッキリとします。
ニオイガマズミ
ニオイガマズミ(Viburnum farreri)は中国原産で樹高3mの落葉低木。甘い香りがするピンクの花を咲かせます。
オオカメノキ
オオカメノキ(Viburnum furcatum)は北海道から九州に自生する樹高2m〜4mの落葉低木。葉っぱが丸く亀の甲羅のようなのが名前の由来。
コバノガマズミ
コバノガマズミ(Viburnum erosum)は九州に自生する樹高4mの落葉低木。
水やり
庭植えの水やり
庭植えの場合、植え付けた後に根がつくまでは…2週間ほどはしっかりと水をやりますが、その後は降雨だけで十分です。ガマズミは少し蒸れに弱いので、真夏に日照りが続いて極度に乾燥しない限りは、水をやる必要はありません。
鉢植えの水やり
鉢植えにした場合は土が乾いたら、鉢底から水が出るくらいに水をしっかりとやってください。土が濡れているなら水はやらないようにします。
肥料
肥料
はなくても問題ないですが、開花させ、成長させたいのであれあ、寒肥として庭植えなら2月、鉢植えなら3月に化成肥料をやります。これは新芽のための肥料です。
また開花している時期に同様に化成肥料をやるといいです。これは開花で疲弊した株の栄養補給のためです。結実後の11月〜12月にも実をつけて疲弊しているので肥料をやるといいですが、そこまでやらなくてもいいです。
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植え付け・植えかえ・種蒔き
時期・頻度
落葉時期(12月〜3月)に植え付けます。開花していたり、新芽が動いていると調子を崩すので避けた方がいいです。苗を見かけるのは開花している時期や、結実している時期なので、落葉を待って植えつけるか、ある程度ダメージがあるのを覚悟した上で、真夏を避けて植え付けてもいいです。
鉢植えは
根詰まり
と土の劣化を避けるために、2年か3年に一回、植え替えをしましょう。
用土
土はこれといって選びませんので、市販の土か、庭の土に植え付けてやります。自作するのであれば
赤玉土
7
腐葉土
3を混ぜたものを使います。
庭植えの手順は?
深さ40cm〜50cmの穴を掘り、大きな石があったら取り除いておきます。掘り出した土に腐葉土か
堆肥
を3割か4割混ぜて、化成肥料を説明書きの規定量入れて、よく混ぜて
用土
とします。できれば1週間寝かせて、土を馴染ませると根が広がりやすくなります。
穴に半分ほど土を戻して、株を入れて、隙間に土を入れて、最後に水をしっかりとやります。植え付け後、根付くまでは庭植えでも、水をやってください。
鉢の植え付け・植え替えの手順
鉢植えの植え付けする場合は、鉢底の穴を鉢底ネットで覆って鉢底石が出ないようにし、その上に鉢底石(
軽石
)を2cm〜3cm程度入れます。鉢底石は土が流れ出ないようにし、
水はけ
をよくするためのものです。鉢底石の上に用土を入れ、株を植えます。隙間にも用土を追加し、最後に鉢底から水が出るまで水を与えてください。
植え替えをする際は、現在の鉢よりも1号か2号大きな鉢を用意します。植え替えの際は、古い鉢から植物を抜き出し、根をいじらずに植え替えます。同じ大きさの鉢に植え替える場合は、根を傷つけないように少量の土を落として植え替えます。土を落とすと枯れる可能性があるばかりか、枯れなくても生育が妨げられ、回復に時間がかかることがありますので、注意してください。
鉢植えも庭植えも支柱を
ガマズミは根の張りが粗いために、植え付け直後は支柱をしないと苗が簡単に倒れてしまいますので、支柱をしてひもで固定しましょう。
固定しておかないと、根が切れてなかなか根付かず調子を崩してそのまま枯れることも十分あります。
管理場所・日当たり
日当たりのいい場所で育てればよく成長してくれますが、少々日当たりが悪い場所(
半日陰
くらい…午前中だけ日が当たるなど)でも、問題なく成長してくれます。
剪定
夏(8月)に花芽ができるので、開花後〜7月のうちに剪定をすれば翌年の花芽を落とさずに済むのですが、5月〜7月に剪定すれば、実を落とすことになり、鑑賞価値が減ります。落葉時期に剪定すれば、花芽を落とすことなります。
なので、いつ剪定してもデメリットがあるものと理解して、5月〜7月に適切な高さか好みの高さ…1m〜1.5mくらいにまとめておきます。また、密生すると蒸れて傷むので、枝をさばいて間引いて、風が通るようにしておきましょう。
病気・害虫
ハダニ
ハダニは小さな虫で葉っぱの裏から汁を吸って弱らせます。枝を剪定して風を通すことで、ある程度予防できますし、前もって
オルトラン
を散布すると予防できます。発生してしまったら、薬剤を使って駆除しましょう。ハダニの性質と対応の薬剤については以下のページを参考にしてください。
ハダニ
病害虫生態・防除・対応の薬剤のまとめ
カイガラムシ
蝋に覆われた虫で、内部で汁を吸って弱らせます。歯ブラシやティッシュなどで擦れば落とせ、落ちるとそのまま死んでしまうので、少量であればそれで十分です。被害が減らないなら、薬剤で駆除します。カガラムシもオルトランを使っておくと予防できます。
カイガラムシの生態と駆除法と薬剤の紹介
病害虫生態・防除・対応の薬剤のまとめ
特徴・由来・伝承
ガマズミは日本では山などに生えているものです。生け花や切り花としてアレンジメントに利用されますが、あまり庭木に植えているのは見かけません。ですが、花は小花が密集して咲く愛らしいもので、秋にはそこに赤い実がなります。これも観賞価値の高いものです。また、実は食べることもできますし、昔は染料として利用していたそうです。
ガマズミと言う名前の由来は分かっていませんが、「ズミ」という部分は「染め」から来ているとも言われています。
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