パプリカの育て方
学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- パプリカ
- 科名
- ナス科
- 属名
- トウガラシ属
- 学名
- Capsicum annuum
- 別名
- カラーピーマン
- 水やり
- 水控え目
- 場所
- 外の日なた
- 難易度
- 中級者向け
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パプリカとは?
パプリカは
ナス科トウガラシ属の夏野菜。開花してから収穫まで2ヶ月かかり、収穫は7月から10月まで。鉢植えでも畑でも収穫が可能で、鉢植え一株で1シーズン数個取れますので、パプリカの普段の消費量から考えると、そう多くの株を育てる必要はないでしょう。3鉢あれば1家庭で十分な量になると思います。
一般的な緑の
ピーマンよりも甘みがあって苦みが少ない。収穫まで期間がかかるので
初心者はピーマンか
トマトから始めるといいです。
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日当たり・栽培環境
日当たりで栽培します。
パプリカは寒さに弱いです。20度〜30度で生育します。10度以下になると生育は止まり、霜に当たると枯れます。5月の第一週は関東では稀ですが霜が降りることがあるので、4月は霜に当たることもありますし、植えても寒くてあまり生育しないので5月以降に植え付けるといいです。
人によっては、気温が15度くらいのときから戸外で管理して、サランラップで保温したり、温室で育てたりします。でも、これは手間が掛かります。そこまでしたらたくさん収穫もできますが、そこまではしなくても十分収穫できます。
植え付け・種蒔き
時期
4月でも良いのですが4月はまだ関東では霜が降りることがあるので5月になってから無難。寒さに弱いので最低気温が15度以上になってから。5月以降に苗を購入して植えましょう。
連作障害
ナス科植物とは
連作障害を起こします。過去2年ナス科植物を植えた場所にはパプリカを植えないでください。
プランターや鉢に植える場合、必ず新しい土で植えてください。去年使った土をリサイクルせずに使ったり、古い土や山や公園で拾ってきた土で植えないでください。
用土
鉢植え・プランターの場合は花と野菜の
培養土で植え付けます。畑植えにする場合は、庭土に
腐葉土か
堆肥を入れ、化成
肥料を入れて
用土とします。
種まき・育苗
発芽温度が25度前後。15度以上でも発芽しますが、15度では発芽してから植え付け可能な苗になるまで非常に時間がかかるので、パプリカを育てる場合は苗を5月に植えるのが普通です。
パプリカはスーパーで売ってる野菜のパプリカの
種子を採って蒔いても、ほぼ同じパプリカが収穫できます。種子をポットに3粒ほど蒔いて発芽するまで乾燥し無いように水をやります。5月に植え付けをするために2月か3月から種を蒔いておかないといけません。でもパプリカは寒さに弱いので、保温が必要で、非常に面倒。
パプリカの種子を春になって適当に蒔いても、収穫はできます。ただ、収穫できる期間が短くなるので、収穫の数は少ないです。初心者は苗から。
鉢植え
60センチのプランターでは2株植えます。8号鉢の場合は1株植えてください。10号鉢でも1株が無難です。
乾燥対策のために、植え付け前にバケツに水をはり、苗を10分間ほど水につけて土に水をしっかりと吸わせます。こうすると根が広がりやすくなります。
鉢底の穴を鉢底ネットで塞いで、その上に鉢底石(
軽石)を3cmほど入れ、その上に用土を入れる。そして苗を入れて、隙間に用土を入れて、最後に水をやってください。
鉢植え栽培の場合、少なくとも防虫ネットで覆える間は、防虫ネットで覆って、虫除けをしましょう(主に
タバコガ避け)。
畑植え
庭や畑に植える場合は、植え付ける2週間前に深さ20cm〜30cmを掘り返して、
苦土石灰を混ぜて中和させます。1週間で中和が終わるので、1週間後に庭土に腐葉土か堆肥を2割〜3割足して、化成肥料を規定量(1平方mあたり150g)入れて、よく混ぜて用土とします。できれば、1週間寝かせて土を馴染ませてから植え付けます。
高さ10〜15cm幅70cmの畝を作り、ビニールマルチを張ってから、ここに50cm〜60cmの間隔を空けて株を植え付けます。植える前に苗を10分間ほど水につけておくといいです。植える時は深植えしないようにします。
ピーマンと植え付けは同じなので、以下のページも参考にしてください。
支柱を
パプリカは根が浅く、支柱を立てないと風で倒れます。支柱は150cmほど。一本を立ててくくりつけてもいいですが、3本を交差させて支えてください。
針金じゃなくて、支柱を麻紐で結ぶと茎とか土とかと一緒に「燃えるゴミ」で捨てられるから便利。
一番花・二番花の摘花(5月〜6月)
ピーマンは緑のうちに収穫する(開花後1ヶ月)のですが、パプリカは熟すまで時間が掛かります(開花後2ヶ月)。だから、幹をしっかりと成長させてから、実をつけるようにします。
そのために最初の花と2段目の花は積みます。放置していると実ができて、株が生育しません。実をつけさせないことで、まず幹を育てましょう。ここまでは脇芽が出ていたら全部摘んでください。
そのあとは肥料切れしないように管理してください。
このサイトでは一番花・二番花を間引くとしましたが、人によっては取らないこともあります。要は株の生育次第なので、十分に育つのであれば、しないこともあります。一番花を摘花するのはセオリー、2段目まで摘花するかは場合による!くらいに考えてもらっていいです。
水やり(5月〜6月)
プランターや鉢の場合は、土が乾いてから水をやります。土が乾いていないうちには水はやらないでください。水をやるときは鉢の底から水がしみ出すくらいにしっかりとやってください。
畑植え(庭植え)の場合は、様子を見て
水やりをします。水やりや肥料が不足すると果実のお尻が細くなるので、様子を見て調節してください。
芽かき・仕立て(5月〜8月)
一番花がついたところより、下の部分の脇芽は取り除きます。これを芽かきと呼びます。芽は指で取り除けばいいです。一番花以降からは脇芽を3本ほど勢いのある脇枝を伸ばして、3本か4本仕立てにし、ここにつく花を結実させて、収穫します。
伸ばした脇枝を支柱に誘引しましょう。
詳細は以下のページを参考にしてください。
追肥(6月〜8月)
植え付けの際に入れた元肥(化成肥料など)は3週間〜1ヶ月で消費されて、肥料が足りなくなってきます。そこで、植え付けて3週間ほどたち、一番花が咲いて脇枝が伸びてきたら、追肥をします。
追肥はこれ以降、2週間に一回を継続します。追肥しないと実がなり辛いですし、株全体が弱ってしまいます。追肥が追いつかない場合は、株が弱っては困るので、実を間引いてしまいます。
鉢植えであれば株元にパラパラと。畑植えにした場合は、マルチを外して、化成肥料をまいて軽く耕して、水をやり、マルチを戻します。葉っぱが黄色いのはマグネシウム不足なので、苦土石灰をまいてください。化成肥料ではなく液体肥料でもいいです。
細かいことを言えば、植え付け〜開花までは窒素、開花以降はリンの多い肥料をやるといいですが、バランス良く配合されている化成肥料(8-8-8)をやればいいです。
肥料が多いと「つるぼけ」になります。つるぼけは肥料が多すぎて葉っぱばかりになって花が咲くなくなって収穫量が減る状態です。よって肥料も多すぎないように。
摘果(6月〜8月)
パプリカは間引かないと株が弱って、フックラとしているハズの果実がしぼんで、お尻が細くなります。一株で7個とか8個収穫すると考えて間引いてください。全部放置していると葉っぱも萎れやすいです。
間引いた緑のパプリカも食べられます。
タバコガの被害を防ぐため、育てる予定の果実が未成熟なうちに小さなネットをかぶせて入り込まないようにするといいです。ネットは台所のストッキング排水ネットで、上を紐でくくればいいです。
水やり(7月〜8月)
梅雨が明けると急激に温度があがり、水切れしやすくなります。鉢植えの場合は、夏は朝と夕方の二回、しっかりと水をやってください。
パプリカは高温には強いですが、根が浅いため、乾燥には弱いです。畑植えの場合もこれまで同様に様子を見て水やりをします。実のお尻が細いのは水か栄養が足りていないためです。肥料と水やりを増やしても改善できない場合は、摘果し、場合によっては葉も減らしてみましょう。
収穫(7月〜10月)
赤く熟してから収穫します。清潔なハサミで、収穫すればいいです。色づいて以降は腐りやすいので注意します。
生でも食べられますし、冷凍保存も可能です。ただ、食べる前にタバコガが内部にいるかどうかチェックしましょう。
パプリカは開花から収穫まで2ヶ月かかり、その間にタバコガに食害されやすいので、ネットをかけるか、未成熟で収穫するピーマンや、収穫量の多い
シシトウが初心者向きです。うまくいかなかったらこの辺りで再チャレンジするといいです。
その他の野菜については以下のページを参考に。
病気・害虫
害虫や病気
収穫まで時間がかかるので、その間に虫や病気になることがあります。
アブラムシや
ハダニなどがあります。ハダニは乾燥すると発生しやすいので、乾燥しすぎないようにすることで予防できます。アブラムシは早めに駆除します。
家庭菜園ならば薬を使わずに手で取りましょう。
タバコガ
蛾の幼虫で、卵から孵化して、最初は葉を食べ、成長したら果実を食害するようになります。穴が空いていたらタバコガが発生しています。葉の被害の時点では、さほどでもないですが、果実を食べられるとショックがすごいので、早い時点から駆除をはじめましょう。
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