フィンガーライムの育て方…実ができるようになるまで何年?
目次
フィンガーライムの特徴は?管理場所植え替え・植え付け水やり肥料剪定・切り戻し病害虫雑記関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- フィンガーライム
- 科名
- ミカン科
- 属名
- ミクロシトラズ属
- 学名
- Microcitrus australasica
- 別名
- キャビアライム・ブッシュキャビア・ブッシュライム
- 耐寒
- マイナス5度
- 水やり
- 水控え目
- 場所
- 外の半日蔭
- 難易度
- 中級者向け
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フィンガーライムの特徴は?
フィンガーライムは
ミカン科の果実樹。オーストラリアの在来種でキャビアライム・ブッシュキャビア・ブッシュライムなどの別名がある。オーストラリアのシェフが食材として使ってから徐々に世界に認知され、とうとう日本にも広まりつつあります。
5センチほど長さの果実の中につぶつぶの果肉があり、この果肉がキラキラしてて食感はプチプチ…というかシャリシャリで強くて、簡単には潰れない。果肉が破れることで柑橘系と
山椒が混ざった香りがします。貴重で苗も果実も非常に高価。果肉はピンク・白・緑と多色あり、品種も多くある。四季なり性で自生地では一年で3回収穫できるんですが、日本では基本的に一回だけ(温室があれば2回収穫も可能)。
5月6月あたりに開花したものが結実して8月〜10月に収穫。単為結果で受粉しなくても結実するので植え付けは一本でもよいです。
苗から栽培したら3年〜4年くらいで収穫ができるようになります。タネからなら5〜6年。
とにかく成長が遅い。あまりの成長の遅さに一般家庭のガーデナーでは耐えられない。
枝には大量のトゲがあり、寒さに弱い。
レモンが栽培できる地域であれば、戸外での栽培は可能。それより北では冬は室内に取り込めるように鉢植えにします。
樹高1.5m〜2m
横幅2m〜5m
受粉する必要はなく、人工受粉しなくても結実はする。むしろ受粉することで
種子ができ、タネだらけになるため、温室で虫が受粉しないようにして栽培している。種子の多少は品種にもよるが、それより受粉の方が要因としては大きい。
●鉢植えにするともっと小さくまとまる。
●寒さにちょい弱い。5度以下で落葉。耐寒温度はマイナス5度。
●暑さにもちょい弱い。夏の直射日光で
葉焼けするので、
半日陰に移動させたい。
●日光を好むが、半日陰でも十分育つ。
●3月以降に気温が上がってきたら
剪定する。
●乾燥気味の
水やりで。
●
肥料は控えめ。
●苗も実も高価。
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管理場所
日当たりがこのましいが、半日陰くらいなら問題ない。トゲがすごく、風に吹かれると自身のトゲで葉っぱを傷つけズタボロになる。また、同じ理由で果実もズタボロになる。風が通らない場所で管理するか、フェンスなどに絡ませて、動かないようにします。
暑さには強いが、鉢植えの場合は、夏の強い日光は避けた方がいい。鉢植えであれば夏は半日陰に移動させてください。また、
西日を避けます。強い日光では葉焼けを起こします。
これは鉢植えだと土の量が少ないために、水切れし、そのせいで葉焼けするってだけで、地植えであれば直射日光には負けないです。ただ、植え付けた一年目は直射日光に負けて枯れ込むことがあるので、できれば遮光ネットを貼って守るといいです。
●フィンガーライムを栽培している地域は、和歌山・四国・九州(熊本)などで、それより北の地域でも栽培できたというブログが散見されるけど、怪しいと個人的には思う。これより北で栽培している農家はハウス栽培で加温している。上記地域の温
暖地の農家でもハウス栽培(無加温)しているが、これは収穫を増やすためだろう。
●しかし、昨今の温暖化でもう少し北でも地植え栽培はできるようになっているのかもしれない。
●自生地では気温が平均温度が10度を切ることはほとんどないが、最低気温はたまに0度を切ることがある。自生地でも寒さに当たって落葉し、春に芽吹く。
●おそらくこういうこと…寒さにはある程度の耐性はあるが、それは地植えにして数年たってからであって、地植えにして3年以内に5度以下になる寒さにあたると枯れる。だから、「レモン栽培ができる温暖地」しか地植え栽培できない。温暖地で加温しているのは、収穫を増やすため…って感じかな。
●福岡・愛知・神戸・広島本土・東京・千葉という緯度は冬は室内が無難。戸外で越冬したという報告はあるが、瀕死状態かギリギリ。
接木の方が性質が強く、大きめの苗の方が寒さに強いので、できれば接木で大きく育った苗を買いましょう。もちろん高価です。
フィンガーライムは本来は氷点下にも耐えるが、ビニールハウスで作った苗木は寒さに弱い。ビニールハウス苗は冬は必ず、室内で管理しましょう。寒さに当てると台木だけが残ります。
水はけの良い
弱酸性の土を好む。日本の土は弱酸性なので露地植えでphは気にする必要はないです。鉢植えの場合の
用土は一般的な
培養土に川砂か
軽石小粒か
パーライトを1割か2割ほど追加して水はけをよくしてから使う。
●海外のサイトには
ココピート、パーライト、川砂が用土によいとされるが、培養土に川砂か軽石を追加したもので十分。
鉢植えにする場合は
根詰まりの様子を見つつ、現在のポットや鉢よりひとまわり大きな鉢に植え替える。その際に根鉢をほぐして植え替える。苗を植えたら三年か四年までは室内で管理し、その後、戸外栽培ができそうな地域なら戸外に植える。鉢植えでも収穫だが、地植えの方が生育もよく収穫も多い。
枝がフサフサに伸びたら取り木して株を増やすことも可能。
鉢底の穴を鉢底ネットで塞いで、その上に鉢底石を2cm入れて、用土を入れて、株の土面が鉢のフチから2cm下になるように調節します。株を入れ、隙間に用土を入れて、最後にしっかりと水をやって完成です。
●接木苗は台木は大体カラタチ。カラタチの方が生育が強いため、いつのまにかカラタチにとって代わられるなんてこともある。
●実生から育てると収穫まで時間がかかる。
通常の植え付け手順でいいです。
直径50cm深さ50cmの穴を掘り、掘り出した土に
腐葉土か
堆肥を2割ほどと、川砂か軽石小粒を1割足して水はけを確保します。作った土を半分穴に戻し、苗を入れて、隙間に残りの土を入れて、最後にしっかりと水をやって終了。
フィンガーライムの自生地は乾燥した地域なので水をやりすぎたり、土の水はけが悪いと
根腐れを起こしやすい。鉢植えであれば春と秋は晴れた日は毎日、鉢底から水が出るくらいにしっかりとやります。夏の乾燥時期は朝と夕方の2回水をやる。冬は土が乾いてから水をやります。梅雨は水やりを控えましょう。
剪定・切り戻し
剪定は芽吹いて開花する前…蕾をつける前の3月〜4月に行う。寒い時期に剪定すると調子を崩して枯れ込んでしまうことがある。枯れた枝は切り落とす。
剪定はまず、不要な枝を適当に間引いて落とすようにする。フィンガーライムは春から秋に細かい枝が伸びるのですが、これをそのままに出していると、風通しが悪くなり、高湿度になって
病気(
黒点病など)にかかりやすくなります。病気予防のためにも毎年、剪定は行います。
●春から秋に伸びた細かい枝に開花して結実します。なので、バシバシと強く切り落とすと、結実しなくなるんですが、風通しが悪いのは困る。何度か経験して丁度いい枝量を把握していきましょう。
●棘がすごいので剪定の時にはトゲに強い手袋をつけて行いましょう。
●間引き剪定は春以降も風通しをよくするために適宜行う。
不要な枝を間引いた後は、果実をつけたい枝の先を
切り戻します。切り戻すと今年、切り戻したその枝から、春・夏・秋に新枝(=結果枝)が出てきて、来年その枝の先に開花し果実がつきます。なので、枝の全てを切り戻すと今年、一切開花しなくなりますので、今年開花させる枝はそのままに、来年開花させたいものだけ、先を切り戻します。
蝶の幼虫
ミカンの仲間のため、蝶の幼虫が葉っぱを食べる。これが凄まじい勢いで食べるため、あっという間に丸裸になりかねない。よく観察して芋虫は取り除き、卵も発見次第、取り除く。卵は葉っぱの裏に産むので注意。
黒点病
フィンガーライムは本来は、乾燥した地域の植物なので、日本の高温多湿の夏が苦手。湿度が高いために根腐れや病気や黒点病が発生しやすい。
アブラムシ
アブラムシは葉っぱや茎から汁を吸う。枝が混み合うと発生しやすいので、枝を捌いて風通しをよくする。発生したら、数が少ないなら取り除き、多いなら薬剤を散布する。薬剤が嫌なら、テープで貼って取り除くか、水で吹き飛ばすか、ストチューか
ニームオイルを使います。
ナメクジ
湿度が高いと発生し、葉っぱを食べる。誘因駆除剤を使っておきましょう。
●春(4月前後)に開花し、秋(10月前後)に収穫する。秋にも開花するが寒さで休眠するため収穫にはいたらない。温室があって加温すれば収穫も可能。
●花がよく落ちる。株が五年以下の場合は結実にはなかなか至らない。そういうものなので気にせず管理しましょう。
●上に伸びた枝より、横に誘引した方が開花しやすい。これはフィンガーライムの性質ではなくて、植物にはよくある性質。
●市販のフィンガーライムの果実からも発芽する。冷凍したものでも発芽する。種まきは4月下旬から5月。発芽までは2週間から1ヶ月。
●ピンクのフィンガーライムが乾燥に強く、育てやすい。
●アトラシカは
学名の「austoralasica」のことかと思われる。つまり品種名ではなくて、単にフィンガーライム全般の名前。おそらく仕入業者が適当につけたか、勘違いしてつけた名前がそのままになっているんだと思われる。
●品種デザートライムはトゲが少ない。
●雌雄の花が咲く。
●たくさん実をつけると翌年、開花しても落花してしまう。
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