アガベーの仲間(種・品種)の紹介と育て方
目次
アガベー属の仲間種・品種水やり肥料植え替え挿木で増やす管理場所越冬・冬の管理は?トラブル関連記事学名などの基礎データ
最終更新- 植物名
- アガベー
- 科名
- キジカクシ科
- 属名
- アガベー属
- 学名
- Agave
- 水やり
- 乾かし気味に
- 場所
- 外の日なた
- 難易度
- 中級者向け
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アガベー属の仲間
アガベー属は
キジカクシ科(元
リュウゼツラン科)の植物のグループのこと。10年〜30年に一回だけ、マストと呼ばれる長い
花茎を伸ばして、開花するため「
センチュリープランツ」とも呼ばれます。開花すると
種子を残し、親株は枯れてしまいます。場合によっては花茎に
ムカゴのようなものができます。詳細は
アガベ属の開花後とムカゴのページを参考にしてください。
中央アメリカ〜南アメリカに自生し、乾燥した地域に住んでいるのですが、どうも日本の高温多湿の夏が苦手で、枯れるほどではないんですが、夏に弱る傾向があるので、夏に
水やりを少し控えて、
半日陰で管理すると綺麗に栽培できます。
このページでは代表的な品種を紹介しています。現在、斑入り種が非常に高値で取引されていて、ネットオークションではなかなかの価格になっています。
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種・品種
リュウゼツラン
リュウゼツラン(Agave americana, Marginata)は非常に良く流通している種で、日本で一般的に「リュウゼツラン」「アガベ」と書いた場合、この種を指します。
本来は
アオノリュウゼツランの斑入り品種ですが、派手なので先に日本に伝来したため、こちらが「リュウゼツラン」となり、アオノリュウゼツランが亜種のような名前になっています。
アオノリュウゼツラン
アオノリュウゼツラン(Agave americana)は葉っぱの青いリュウゼツランで一般的な種。日本で「リュウゼツラン」として流通しているのは本種の斑入り。
葉の中央に斑が入るナカフリュウゼツランなど、多くの
園芸品種が存在しています。
テキーラリュウゼツラン
テキーラリュウゼツラン(Agave tequilana)はテキーラの材料となる種。
学名に「テキラーナ」とあるのは、テキーラの材料として利用されたことから。テキラリュウゼツランは地下にピニャと呼ばれる太い根を作り、この糖分がテキーラの材料となります。
アガベ・チタノタ
アガベ・チタノタ(Agave titanota)は分厚い葉っぱに鋸歯のあるアガベの一種。個体差が大きく、特徴的な株はネームドと呼ばれて高値で取引されています。
その事情や専門用語もまとめていますので、以下のページを参考にしてください。
雷神
雷神(アガベ・ポタトルム…Agave potatorum)もしくは雷帝(agave isthmensis)は平たい葉にトゲがある、暑さ寒さに強く、育てやすい
多肉植物。雷神と雷帝の違いはハッキリしないが、そもそもアガベは個体差が大きく同定が難しいので、この辺りは目を瞑りましょう。
笹の雪
ササノユキ(笹の雪・Agave victoriae-reginae)は葉っぱのフチに白い線の入るアガベの一種。ペンキという愛称もあります。耐寒温度マイナス5度で栽培もしやすいです。ただ、根をいじると調子を崩すので、植え替える場合は根をいじらず、古い土を少し落とす程度にし、植え替え後は水やりを一ヶ月は控え、多少、下の葉っぱが枯れても多めに見るくらいの気持ちでいた方がいいです。
栽培しやすいのもあって、新雪山、輝山といった黄斑種が流通していて、人気になっています。
吉祥天
吉祥天(Agave parryi)は中型のアガベ。青白い葉、赤みを帯びたトゲをつける多肉植物。寒さに強くマイナス10度まで耐えます。吉祥天という名前はAgave parryiだけでなく、Agave parryiの品種を含めた総称として言われることが多い。
吉祥冠
吉祥冠(Agave ‘Kisshoukan’)は作出はよくわからない品種で、元々は雷神(Agave potatorum)から生まれた品種ではないかと思われますがハッキリしません。日本では昔から栽培されている品種で、耐寒温度マイナス10度で寒さに強く、育てやすいです。
画像は吉祥冠錦で、白い斑入り種です。
アガベ・ホリダ
アガベ・ホリダ(Agave horrida)は緑の葉に、茶色のトゲが生え、成長するとグレーのトゲへと変わっていきます。耐寒温度は0度と寒さには若干弱いですが、大株に育つと非常に美しいです。
ブルーグロー
ブルーグロー(Agave ‘Blue Glow’ )は、アテナータとオカヒーの交配種で、グレイがかった緑の葉とそのフチが茶褐色になる美しいアガベー。寒さには弱い方で耐寒温度は3度。
アガベ・アテナータ
アガベ・アテナータ(ハツミドリ・Agave attenuata)はトゲがない品種。耐寒温度はマイナス3度と寒さにはそこそこ強い。
アガベ・フィリフェラ
アガベ・フィリフェラ(Agave filifera・Agave filamentosa=
乱れ雪)は白い糸の「フィラメント」が絡みつく種。この糸をかっこいいと思えるかどうかですね。
フィラメントーサという名前でも流通しています。
アガベ・ボヴィコルヌタ
アガベ・ボヴィコルヌタ(Agave bovicorunuta)は汁に触れるとカブれてしまう。日本では流通していない。
水やり
水やりは基本的に土がしっかりと乾いてから、鉢底から水が出るくらいにしっかりとやります。水やりの頻度が多いとまず徒長します。徒長とは葉っぱと葉っぱの間が空いてヒョロ長くなることで不恰好になります。さらに水やりが多いと
根腐れを起こします。受け皿に水が溜まっていたら捨ててください。
アガベには春秋型と夏型と呼ばれるタイプがあります。春秋は夏に暑さで弱ってしまうので、水やりを控え、夏型は春〜秋の間は通常通りに水やりをします。
この違いって単に夏に暑さでヘバるってだけかなと思いますが、とにかく多肉植物のような見た目で夏もしっかりと生育すると思いがちですが、タイプによっては夏は水やりを控えた方がいいということは覚えておきましょう。
冬は寒さで生育が止まっているので、水やりは控えめにします。冬の水やりは以下のページを参考にすると失敗が減りますよ。
肥料
春秋型は春(4月〜5月)と気温が25度以下になる9月〜10月に通常の2倍に薄めた液体
肥料を水の代わりに2週に一回やります。真夏は休眠するので肥料を控えます。このとき、肥料成分が土中にあると根を傷めて調子を崩します。
夏型は春〜秋の間に通常の2倍に薄めた液体肥料を2週に一回やります。もしくは1ヶ月に一回、化成肥料をやります。
植え替え
時期・頻度
生育時期に入る直前の3月〜5月に植え替えをします。
根詰まりと土の劣化を防ぐためにも3年に一回くらいの頻度で植え替えをします。
用土
用土は
サボテン・多肉植物の土を使いましょう。
植え替えの手順
植え替えをする10日前から水やりをストップして、乾燥させておきます。10日後に鉢から株を取り出し、古い土をもみほぐして、あらかた落としてしまいます。根もほぐして、引っ張って適当に半分くらいむしり取ります。ついでに枯れた葉っぱを取り除きます。葉がカチカチなので、ペンチで挟んで取り除きます。ペンチでも取れないなら、ハサミで切ってもいいです。とにかく取り除いておきましょう。
このとき子株も出ていたら、むしりとって新株として仕立てます。
トゲがあるので十分注意します。トゲを通さない手袋をして、その上に作業しても痛いくらいです。
新しい鉢は同じ大きさの鉢でもいいですし、1号だけ大きい鉢でもいいです。大きな鉢に植えれば大きくなりますので、自分の都合で調節しましょう。
用意した鉢底の穴を鉢底ネットで防ぎ、その上に鉢底石を2cmほど入れ、その上に用土を入れ、株を入れて、隙間に用土を入れます。水やりはせず、そのまま日陰で1週間ほど管理して養生します。いきなり水をやると根腐れを起こしますし、日向で管理すると調子を崩します。
1週間経ってから水やりを再開し、日当たりに移動させます。
挿木で増やす
子株が出てきて、切り口を乾かしてから
挿木用土・多肉用土に挿していると発根します。すでに発根している場合は、乾かさないでもいいです。子株は株の充実すれば出てくるんですが、思ったように出ない場合は、水・肥料・日光・病
害虫など何か条件が悪いのだと思われますので、再考しましょう。
管理場所
日当たりを好みますので、春と秋は日当たりで管理します。
夏は春秋型でも夏型でも、風通しの良い半日陰で管理するか、夏の直射日光に当たらないように寒冷紗・ヨシズで遮光してあげましょう。
越冬・冬の管理は?
基本的には霜に当たったり、土が凍結すると枯れます。なので冬は室内の日当たりで管理しましょう。
耐寒温度が低い、寒さに強い品種もありますので、そういうものは戸外で管理してもいいですが、霜に当たると葉っぱが汚くなることもありますし、寒さに強い品種でも、冬は室内で管理する方が無難です。
室内で管理する場合は冷暖房の風に直撃しないようにします。アガベでも冷暖房の風は乾燥しすぎているので、調子を崩します。
トラブル
アガベーの仲間は、変化が遅いため、葉っぱが茶色になったり、徒長するのも遅いために「何が原因だったか?」はほぼ分かりません。なんとなく、これかな?みたいに仮説を立てて、一個づつ潰していくしかありません。
上記の環境や水やりを参考にして見直しましょう。
葉っぱから根が出た
葉っぱから根っこが出るのは別に異常ではないのです。ただし、もしかすると根腐れなど、根に問題があり、自己保存のために発根していることもあります。
葉先から枯れる
葉っぱの先から枯れるのは、水やりが足りていない、逆に根腐れして根の活動が鈍って葉先に届かなくなった、寒さで活動が鈍くなり葉先に届かなくなった…など理由が考えられますが、ある程度そういうことはあります。
自然界で傷一つつかず、植物が育つことなんてないので、多少の葉先の枯れは大目に見ましょう。ただ、枯れがどんどん進むのであれば、上記のことを考慮して対策を打つ必要があります。
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